1周年の節目に放たれる、親愛なる友人たちとの化学反応──Patti HarrisonやAngie McMahonらによる大胆なリミックスを収録した、SASAMIの実験精神が結実したデラックス盤が登場

SASAMIが、2025年のアルバム『Blood On The Silver Screen』のリリース1周年を記念し、拡張版デラックス・エディション『Director’s Cut』を3月27日にリリースすることを発表しました。本作には、本日公開されたAngie McMahonによる「Honeycrash」の再解釈バージョンや、長年の友人であるコメディアンPatti Harrisonによる「I’ll Be Gone」のリミックス、さらにSoccer Mommyが参加した「Just Be Friends」などが収録され、多彩なコラボレーターの手によって楽曲が新たな姿へと生まれ変わっています。

今回のリリースにあたりSASAMIは、自身の音楽人生における3枚のアルバム・サイクルが終焉を迎えつつあることを明かしています。ポップスの言語を探求した本作『B.O.S.S.』をはじめ、これまでにメタルやフォークなど多岐にわたるジャンルを渡り歩いてきた彼女ですが、現在は自身の原点である「クラシック音楽」へと回帰する強い衝動を感じていると語っています。

この音楽的変化を象徴するように、今月からはサンフランシスコを皮切りにロサンゼルス、ニューヨークを巡る「Reimagined Tour」が開催されます。このツアーでは、華やかな照明や電子ドラムの代わりに、室内楽アンサンブルや合唱、実験的なインストゥルメンテーションを導入。アルバム楽曲をクラシック楽器のために再編曲し、公演ごとに異なるゲストを迎えて披露するという、彼女の新たな章の幕開けにふさわしい特別なステージになる予定です。

Hush – “Phasing”

The Besnard LakesやElephant Stone、Anemoneといった実力派バンドの元メンバー(Paige Barlow、Miles Dupire-Gagnon、Gabriel Lambert)が集結した新進気鋭のトリオ、Hush。彼らがSimone Recordsからのデビューアルバムに先駆け、新曲「Phasing」をリリースしました。本作は、90年代のハウスやトリップ・ホップの質感を取り入れつつも、テープの回転速度を操るヴァリスピード技法を駆使することで、あえて焦跡をぼかしたような「ヒプナゴジック(入眠時心像的)」なポップサウンドを構築。従来の楽曲構造をあえて解体し、聴き手に心地よい眩暈(めまい)を誘うような独特の音響体験を提示しています。

楽曲の核となるのは、Paige Barlowによる透明感溢れるボーカルです。「愛しているなんて、ただの一時的なフェーズ(段階)に過ぎない」と、執着を感じさせない超然とした歌声で綴られる歌詞は、人間関係の脆さや不確実性を浮き彫りにします。現実の繋がりと自分自身の内なる物語の境界を問い直すようなその内容は、BarlowとAabid Youssefが手掛けた、視覚的なブレが印象的なミュージックビデオとも深く共鳴。安定を拒み、常に揺れ動く感情の機微を鮮やかに描き出しています。

デヴィッド・リンチが呼び覚ました深層心理。LAの異才 ZzzaharaがWinterを迎え、過去の傷跡を事実として描き出す第4作

ロサンゼルスを拠点に活動するアーティスト Zzzahara が、2026年6月5日に Lex Records からリリースされる4枚目のアルバム『Distant Lands』より、Winter をフィーチャーした第1弾シングル「I Can Be Yours」を解禁しました。本作は、2025年初頭の David Lynch の他界をきっかけに、彼らが再び「夢」を見ることを試みたことから始まったプロジェクトです。亡き兄と宇宙で対話する奇妙で重苦しい夢が、アルバム制作の大きな原動力となりました。

これまでの恋愛中心の歌詞から一転し、本作では家族の死や20代前半のオピオイド依存経験といった、より深く個人的な傷跡に向き合っています。アルバムタイトルの『Distant Lands』は、亡き兄と「異なる世界(遠い土地)」にいながらも繋がっている感覚や、薬物による意識の乖離状態を象徴しています。Zzzahara は、快楽主義的な過去を卒業し、自身の内面にある複雑な事実をありのままに語る「非伝統的な成長記録」として今作を位置づけています。

制作の背景には、Wong Kar Wai(王家衛)の映画や Milan Kundera の文学作品からの強い影響もあり、不確実性や矛盾を受け入れる健全な客観性が養われました。「悲しみに依存する」ことをやめ、人生のポジティブな面もネガティブな面もストイックに受け入れようとする姿勢が反映されています。真実を生きることに旗を立て、後悔なくエネルギーを爆発させる Zzzahara の新たな芸術的フェーズを象徴する一作です。

小学校からの幼馴染が紡ぐ、北欧インディー・ポップの至宝。Vepsが移籍第1弾アルバムから放つ最新シングル『If I Was A Mother』

オスロを拠点に活動する4人組インディー・ポップバンド、Vepsが、ニューアルバム『ChurchyardStreet 8B』からの最新シングル「If I Was A Mother」をリリースしました。本作は、スウェーデンの先鋭的レーベルPNKSLM Recordingsへと移籍して初となる、通算3作目のフルアルバムです。彼女たちはすでに北欧で最も注目すべきバンドの一つとして、CLASHやBBC 6 Musicといった主要メディアから高い評価を得ています。

メンバーのHelena、Laura、June、Majaの4人は、小学校時代からの幼馴染であり、弱冠14歳でバンドを結成しました。2021年のデビュー以来、着実にキャリアを積み重ねてきた彼女たちは、The Great EscapeやØyaといった国際的な大型フェスティバルへの出演も果たしており、インディー・シーンにおいて揺るぎない存在感を放っています。

現在22歳という若さでありながら、本作『ChurchyardStreet 8B』は彼女たちの最高傑作と評されています。これまでの経験を糧に、さらに磨き上げられた瑞々しい感性と卓越したソングライティングが凝縮されており、北欧インディー・ポップの新たな金字塔となることが期待されています。

Green Gardens – “Greeting” / “I Am Kind”

トレング・ギターの音色と深い霧のようなサウンドに包まれた楽曲「Greeting」は、現状を変えたい、過去に戻りたいといった「欲求」がもたらす無力感や葛藤を掘り下げています。ソングライターのChris Aitchisonは、こうした感情がいかに現実を歪め、「ただそこに存在すること」の美しさを覆い隠してしまうかを説明しています。テープが同じ場所でスキップするように繰り返される思考のループから抜け出し、新しいカセットへと入れ替えるような、再生への試みがこの曲には込められています。

対照的に、カップリング曲である「I Am Kind」は、7分間にわたるストリングスの調べと独特なバズ音の中で、タイトルをマントラ(真言)のように唱える希望に満ちた楽曲です。バイオリンの音色が互いを支え合いながら高まっていく構成は、優しくありたいと願う切実な意志を象徴しています。曲の核心には、苦難の中でも「太陽が輝いている」と語る母親の声が収められており、その声こそが何よりも聴くべき音楽であるという、深い慈しみと肯定感が表現されています。

Indigo De Souza – “Come To God”

Indigo De Souzaが発表したニューシングル「Come To God」は、彼女の人生における劇的な転換点から生まれました。洪水ですべての持ち物を失い、最も親密だった人間関係が突然終わりを迎えるという過酷な状況の中で、彼女は住み慣れた土地を離れ、ロサンゼルスへと移住することを決意しました。

現実が根底から覆されるような混乱の中で、彼女は「悲しみ(grief)」を非常に重要な教師であると再認識したと語ります。悲しみは循環しながら自分を新しい姿へと生まれ変わらせ、いかなる状況でも「自分の身体は安全な場所である」と教えてくれる存在であるという、再生への力強いメッセージがこの曲には込められています。

沈黙を破り提示される、10編の新たな寓話。H. Hawklineら気鋭の奏者たちと共に、Aldous Hardingがその独創的なソングライティングをさらなる深化へと導く

ニュージーランド出身のシンガーソングライターAldous Hardingが、5月8日に4ADから通算5作目となるスタジオアルバム『Train on the Island』をリリースすることを発表しました。本作は、PJ Harveyらを手掛ける長年のパートナー、John Parishと共に、ウェールズのロックフィールド・スタジオにて制作されました。このスタジオは、彼女の過去3作が録音された場所でもあり、馴染み深い環境での創作となっています。

本作には、ペダル・スティールのJoe Harvey-Whyte、ハープのMali Llywelyn、H. Hawklineとしても活動するHuw Evansなど、多彩なプレイヤーが集結しました。アルバムからの先行シングルとして公開された「Last Stop」は、静かなピアノバラードから始まり、次第に心地よいグルーヴへと展開していく楽曲です。あわせて、Michelle Henningが監督を務めたミュージックビデオも公開されています。

全10曲を収録したこのアルバムは、これまでの作品で培われた独創的な音楽世界をさらに深める内容となっています。シンセサイザーのThomas PoliやドラムのSebastian Rochfordといった熟練のアーティストたちが加わったことで、オルガンやハープが織りなす豊かで繊細なアンサンブルが期待されます。

『メジャーでの支配には苦い後味しかなかった』――Basementが8年の沈黙を破り、原点のレーベルで鳴らす純粋な情熱と再起のサウンド

イギリスのエモ・バンドBasementが、2018年以来となる待望のニューアルバム『Wired』を5月にRun For Cover Recordsからリリースすることを発表しました。先行シングルとして、タイトル曲「Wired」と「Broken By Design」の2曲が公開されています。メジャーレーベルでの活動を経て、原点であるインディーレーベルへと帰還した彼らは、かつての制約から解放された自由な創作意欲を取り戻しています。

プロデューサーにJohn Congletonを迎えた本作は、バンド内のコミュニケーションを改善し、活動の原点である「純粋に楽しむこと」へと立ち返るプロセスから生まれました。ボーカルのAndrew Fisherは、先行曲について「制御不能な感情の表出(Wired)」や、「失敗から学び、友人として再びクリエイティブに向き合う決意(Broken By Design)」を歌っていると説明しており、過去の苦い経験を糧にした精神的な成長が色濃く反映されています。

先行曲はそれぞれ、Ashley Rommelrath(Wired)とTas Wilson(Broken By Design)が監督を務めたミュージックビデオと共に公開されました。2024年の復活ライブで過去の楽曲がバイラルヒットし、新たな世代のファンを熱狂させている彼らにとって、本作は過去の栄光の焼き直しではない、最も力強く自信に満ちた再出発の声明となっています。

Friko – “Choo Choo”

シカゴを拠点とする4人組バンドFrikoが、4月24日にATO Recordsからリリースされるニューアルバム『Something Worth Waiting For』より、新曲「Choo Choo」を公開しました。先行曲のバラードから一転、今作は「列車の魔法」を遊び心たっぷりに描いたキネティック(動的)なエネルギーに満ちた楽曲です。ライブパフォーマンスの力強さを反映するように、加速と減速を繰り返しながらジェットコースターのような結末へと突き進みます。

ボーカルのNiko Kapetanは、この曲をバンドという「家」のような絆に対するエモーショナルなオマージュであると語っています。作曲中にふと口にした「Choo Choo」というフレーズから生まれたこの曲は、単なる列車の歌にとどまらず、メンバー間の結びつきを象徴する重要なピースとなっています。緩急自在な展開が心地よい、ライブ映え間違いなしの熱量の高い一曲に仕上がっています。

ノイズはもう飽きた。実験音楽界の異端児Callahan & Witscherが、ミレニアム・ポップの皮を被りアンダーグラウンドの終焉を歌うメタ・ロックの極致

Jack CallahanとJeff Witscherによるユニットが、5月29日発売のニューアルバム『Sorry To Hear That』より、F.G.S.をフィーチャーした先行シングル「Rather Be Alone」をリリースしました。長年アメリカの実験音楽シーンの最前線で活動してきた二人が、ノイズへの倦怠感から「ミレニアム期のポップ・ロック」へと舵を切った前作の路線を継承しつつ、Drew MullinsとSteve Marcarioが監督を務めたビデオと共に、新たな展開を見せています。

本作は、前作『Think Differently』が受けた反響と、それに伴う狂信的な熱狂や失望、そして人間関係の断絶といった生々しい記録を内包した「メタ・メタ・コンセプチュアル」な作品です。制作に費やされた9ヶ月間の個人的・職業的な混乱を物語として落とし込み、演奏する側とされる側の双方に向けた痛烈な批評性を備えています。

サウンド面では、前作以上にギターやブレイクビートが強調され、内省的な倦怠感と自虐的なユーモアがさらに純化されています。ゲスト陣にはMarlon DuBois(Shed Theory)やCloud Nothingsのメンバー、そして先行曲に参加したF.G.S.ことFlannery Silvaなど、インディーシーンの新旧の戦友たちが集結しており、アンダーグラウンドの精神を持ちながらポップの構造を解体する野心的な一作となっています。

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