beabadoobee – All I Did Was Dream Of You (feat. The Marías)

Beabadoobeeが、The Maríasとタッグを組んだ新曲「All I Did Was Dream of You」をリリースしました。2024年のアルバム『This Is How Tomorrow Moves』以来となる本作は、トリップ・ホップとオルタナティブ・ロックの要素を融合させた、極めて雰囲気豊かなサウンドが特徴です。ギター、ドラム、シンセが織りなすレイヤーの上を、彼女の魅惑的なボーカルが漂い、「あなたとならすべてが簡単」と親密な関係性を歌い上げています。

このプロジェクトは、ボーカルのMaría Zardoyaがソロプロジェクト「Not for Radio」を始動させて以来、沈黙を守っていたThe Maríasにとっても久々の新展開となります。楽曲と共に公開されたミュージックビデオは、リトアニアのヴィリニュスで撮影。彼女の長年のコラボレーターであるJake Erlandと、現地のディレクターAboveGroundが共同監督を務め、楽曲の持つドリーミーで質感のある世界観を視覚的に表現しています。

Drug Church – “Pynch”

ポストハードコア・シーンの寵児 Drug Churchが、2024年の傑作アルバム『Prude』以来となる待望の新曲「Pynch」をリリースしました。フロントマンのPatrick Kindlonは、この楽曲について「自分たちがこれまでに作った中で、最もラブソングに近い曲だ」とコメント。いつまでも負け犬のままでいることを許さない、誰かとの出会いについて歌った一曲です。

「Drug Church流のラブソング」とはいかなるものか、その内容は神託や横転する車、湿った溝に例えられる脇の下、さらには銃や棺といった不穏な言葉が散りばめられた、彼ららしいエッジの効いた仕上がりになっています。愛というテーマを扱いながらも、バンド特有の荒々しくも知的なサウンドと、一筋縄ではいかない冷徹な視線が同居する唯一無二のトラックです。

49th & Main – “Sleepwalking”

49th & Mainが、Ninja Tune傘下のCounter Recordsより新曲「Sleepwalking」をリリースしました。デュオはこの楽曲について、関係性が以前とは変わってしまった「夢のような状態」をテーマにしており、その不確実性が恐怖であると同時に、刺激的でもあるという心境を表現していると語っています。

今作は、エネルギッシュな前作「LIVE 4 THE WEEKEND」に続く最新シングルです。彼らは昨年11月、アイルランドの自殺防止チャリティ団体Pieta Houseへの資金調達を目的に、毎日即興で楽曲を制作・公開する活動も展開。当初の目標額5,000ユーロを超える寄付を集めるなど、クリエイティブな表現を通じて社会貢献にも精力的に取り組んでいます。

ブラジルの異能 DEAFKIDS が放つ、パンクの狂気とアフロ・ラテンの脈動が激突する音の猛攻。権力の虚構を内臓的に解剖し、精神の浄化を促す「儀式的ダンス・ミュージック」の真骨頂

ブラジルのデュオDEAFKIDSが、5月29日にNeurot Recordingsからニューアルバム『CICATRIZES DO FUTURO (SCARS OF THE FUTURE)』をリリースします。2019年の『Metaprogramação』以来となる単独フルアルバムの本作は、パンクの生々しい精神と複雑な世界的リズム、そして電子音楽の実験性を融合させた、ジャンルの境界を破壊する全9曲の音の猛攻です。

先行シングル「CICATRIZES」では、アフロ・キューバン音楽のグアグアンコ・リズムとパンクのDビートが、重厚な808バスドラムやアシッド・ハウスのベースラインと交錯します。歌詞は崩壊する世界の目撃証言のようであり、集団的な妄想から目覚め、隠蔽されてきた恐ろしい現実に直面する意識の状態を表現。暴力的な世界を反映するだけでなく、音楽を通じた精神の浄化と抵抗の意志が、強烈なダンス・ミュージックとして昇華されています。

アルバムのコンセプトは、権力の虚構に毒された世界の「内臓的な診断」です。心理的・社会的支配のメカニズムが身体や精神に刻んだ消えない「痕跡(スカーズ)」をテーマに据えつつ、肉体的で儀式的なサウンドによって精神の浄化を促します。政治的・道徳的な毒性が蔓延する現代において、盗まれた過去と呪われた未来を見つめ、決して沈黙することのない記憶としての音楽を提示しています。

The Third Sound – “Remedy”

The Brian Jonestown Massacreのギタリスト、Hákon Aðalsteinsson率いるベルリン拠点のサイケデリック・ポストパンク・バンド、The Third Soundがニューシングル「Remedy」をリリースしました。本作は、最新アルバム『Most Perfect Solitude』のセッション時に録音されながらも一度はお蔵入りとなった楽曲ですが、初期作品を手がけた盟友Hallbergがミックスを担当することで、微細ながらも不可欠な要素が加わり、息を吹き返しました。

この楽曲は、深い夜の瞑想、すなわち「異なる世界が衝突する瞬間」をテーマにしています。目が覚めているのか眠っているのか、あるいは以前訪れたことがあるような気がする、次元の狭間にいるような感覚を表現しています。現在デジタル配信中の本作は、バンドのオーストラリア・ツアーをサポートする重要な一曲として、サイケデリックで没入感のある音像を提示しています。

実験音楽界の巨星二人が、SNSの偶然から奇跡の邂逅。Bill Orcutt の峻烈なギターと Mabe Fratti の優美なチェロが、静寂の中で溶け合うノスタルジックな音響のユートピア

アメリカのギタリストBill Orcuttと、グアテマラ出身のチェリスト兼ヴォーカリストMabe Frattiという、現代のエクスペリメンタル・シーンを牽引する二人の異才がタッグを組んだニューアルバム『Almost Waking』が5月22日にUnheard of Hopeよりリリースされます。きっかけは数年前、Mabe Frattiが好きなアルバムの一つとして彼の名を挙げたことで、それを知ったBill Orcuttが即座にメールを送ったことからこの「オールスター」なコラボレーションが実現しました。

先行公開されたタイトル曲「Almost Waking」は、二人の楽器が穏やかに響き合う温かなインストゥルメンタル・デュエットであり、もう一方の「El inicio es cuestión de suerte」ではMabe Frattiの透明感のある歌声が前面に押し出されています。これまで両者は時に破壊的で激しい音楽を提示してきましたが、本作ではそれとは対照的な、息を呑むほどにソフトで瑞々しいアプローチを見せており、制作過程で生まれたノスタルジックな雰囲気がアルバム全体を包み込んでいます。

制作は、Bill Orcuttが送ったギターのソロ音源に対し、メキシコのスタジオでMabe FrattiがI. la Católicaと共に、ギターの調和的な可能性を解読しながら慎重にメロディを重ねていくというプロセスで進められました。空間を活かすことを重視しつつ、時に大胆なヴォーカル・ハーモニーを試みるなど、偶然の出会いから始まった対話が豊かな音楽的結実を見ています。共に多作な二人が、互いの創造性を尊重し合いながら作り上げた、今年最も注目すべき共作の一つです。

「私の脳内をスキャンしても、これほど完璧な音は作れない」—— ブリストルの異才 Tara Clerkin Trio、集大成となる新作『Somewhere Good』を発表

ブリストルの3人組 Tara Clerkin Trio が、2023年のミニアルバム以来となる待望のニューアルバム『Somewhere Good』を2026年6月5日に World of Echo からリリースすることを発表しました。全8曲収録の本作は、デジタル、CD、LPに加え、ボーナス7インチが付属するデラックス盤も用意されています。発表に合わせて公開されたタイトル曲は、彼らが結成以来培ってきた独自の音楽性がさらに深化していることを物語っています。

本作を「例外なく、私が今最も聴きたい音楽」と絶賛するのは、ライターの Ryan Davis です。彼は、AIが個人の好みを完璧にデータ化したとしても作り得ないような、魔法のような調和がこの3人(Tara Clerkin、Sunny Joe Paradisos、Patrick Benjamin)によって実現されていると語ります。40分を超える本作では、自己敗北や都市の再開発といった沈鬱なテーマを扱いながらも、即興と緻密なアレンジに十分な「呼吸」の空間を与えることで、リスナーの想像力を強く刺激する祝祭的な響きへと昇華させています。

そのサウンドは、90年代のブリストル・サウンド(トリップホップ)の残響を感じさせつつも、アヴァン・ポップ、モダン・クラシカル、クラウト・フォークといった多種多様な要素が混在しています。ハルモニウム、管楽器、アップライト・ベース、そして Tara の繊細なメロディが織りなす催眠的なアンサンブルは、予測不能なダイナミズムと英国的な探求心に満ちています。独自の宇宙を提示し続ける彼らにとって、本作はキャリア史上最も完成された、新たな金字塔となる一作です。

激動する世界と「安静時の心拍数」が交差する場所。Sook-Yin Lee が全編 72BPM の瞑想的ビートで描き出す、崩壊するシステムへの静かなる抵抗と自己解放の記録

カナダを拠点に活動する伝説的なマルチメディア・アーティストであり映画監督のSook-Yin Leeが、ソロ・ニューアルバム『72RHR』を5月29日にHand Drawn Draculaからリリースすることを発表しました。先行シングルとして公開された「Locked Boy」は、彼女自身が作曲、演奏、録音、プロデュースのすべてを手がけた楽曲。思うように自分を表現できない精神的・肉体的な「監禁状態」からの解放をテーマにしており、孤独の中でも自らの存在価値を信じることの大切さを歌っています。

アルバムタイトルの「72RHR」は、安静時の心拍数(Resting Heart Rate)を意味しています。既存のシステムが崩壊し激動する世界の中で、穏やかな均衡を保つことの難しさに直面した彼女は、あえて全編を72BPMという瞑想的なテンポで統一するという概念的な枠組みを採用しました。この一定のリズムに身を委ねることで、現代の混乱と向き合うための独自の音楽的アプローチを試みています。

本作は、不調和と調和の間を揺れ動く感情的な起伏を、音の旅として描き出しています。Lee & Gamble Unitedが監督を務めた「Locked Boy」のミュージックビデオと共に、リスナーを深い内省と共鳴の世界へと誘います。心拍数と同期するような一定のビートの上で展開される、激動の時代に対する彼女なりの回答であり、静かながらも力強い意志が込められた一作です。

結成 25 年を経て辿り着いた、最もピュアで色彩豊かな「自己の肯定」。独創的なベース・コード奏法が紡ぐメロディが、曖昧な過去を鮮やかな未来へと繋ぎ止める 11 枚目の傑作

タルサを拠点に活動するJohnathon Fordのインストゥルメンタル・プロジェクト、Unwed Sailorが、5月8日に通算11枚目となるニューアルバム『High Remembrance』をリリースします。2019年の活動再開以降、驚異的なペースで良作を連発している彼らですが、暗い個人的な感情が投影されていた前作『Heavy Age』に対し、今作はタイトルが示す通り「記憶」や「ノスタルジー」をテーマに据え、かつてないほどの輝きと開放感に満ちたサウンドを展開しています。

先行シングル「West Coast Prism」は、オレゴン州の海岸線や森への深い愛情を反映した、色彩豊かなリフレインが印象的な楽曲です。アルバム全編を通して、70年代後半のAMラジオの粋な雰囲気やニュー・ウェイヴの躍動感、さらにはカントリー・ミュージックへのオマージュなどが織り交ぜられています。長年の協力者であるMatt PutmanやDavid Swatzellと共に、Fordが自宅で温めてきたデモに命を吹き込み、一筋縄ではいかない多層的な音響空間を構築しています。

本作の核となるのは、Fordの代名詞であるコード奏法を駆使したベース・ギターです。過去を振り返り、自分自身を含む「愛するもの」を抱きしめることを学んだ彼の精神性が、温かみのあるメロディとして結実しています。シアトルでのバンドの原点に触れる楽曲から、砂漠の夜のドライブを彷彿とさせる静謐なトラックまで、記憶という曖昧な境界線を旅するような、ワイドスクリーンで壮大なフィナーレへと続く傑作が誕生しました。

ブライトンの結束が生んだ、静謐で壮大なコンセプト・アルバム。Miles Goodall 率いる7人編成アンサンブルが、交通事故から昏睡へと至る「生と死の境界」をワイドスクリーンに描き出す

イギリス・ブライトンのシーンにおいて、コミュニティの結束を象徴するような新星 SoftTop が、デビューアルバム『Gathering Dust』を6月19日に Crafting Room Records からリリースすることを発表しました。中心人物の Miles Goodall は、自らコミュニティ主導のフェスティバルを主催し、他バンドのツアーマネージャーを務めるなど、ブライトンの音楽シーンを支える中心的な存在。本作にはその信頼に応えるべく、地元の精鋭ミュージシャンたちが集結しています。

最新シングル「Paving Stones」は、耳を惹くベースのリフとチェロの優美な音色から始まり、通常のバンド編成にクラリネットを加えた多層的なアレンジが特徴です。Miles Goodall の豊かな歌声と独創的な構成力は、平均的なインディー・ロックの枠を超えた深みを感じさせ、ブライトンの街が育んできた「互いに支え合い、共に高め合う」という精神が、そのまま音楽のクオリティとして結実しています。

シングルやEPを重ねる従来のステップを飛び越え、いきなり全11曲のコンセプトアルバムという大作に挑む背景には、確かなヴィジョンと盤石なバンドアンサンブルへの自信があります。アルバムは最初から最後まで一つの物語を追いかける構成となっており、コミュニティの力を原動力に、ブライトンのシーンからまた一つ、真に独創的な輝きを放つ宝石のような作品が誕生しようとしています。