Martha Scanlan & Jon Neufeld – ” Snow Falling On Horses”

モンタナ州南東部の牧場で生活していた際に書き上げられた「Snow Falling On Horses」は、極めて親密で魔法のような瞬間を捉えた一曲です。冬の厳しい寒さの中、薪ストーブの火が爆ぜる小屋に集まったのは、作者と録音担当の Jon の二人だけ。録音直前、二人は馬の放牧地を散歩し、自分たちを囲む馬たちと心を通わせました。その直後に録音されたこの曲は、Jon が一度も曲を聴いたことがない状態での初見演奏でありながら、最初で最後のワンテイクで完成に至った特別な記録です。

この楽曲は、長年にわたって馬たちを慈しみ、共に生きてきた Alderson/Punt ファミリーと、彼らが愛した馬たちの系譜に捧げられています。たった一本の大口径ダイアフラム・マイクが捉えた音像には、静寂の中に響くストーブの気配や、外に降る雪、そして牧場での暮らしが育んだ深い愛情が刻み込まれています。飾り気のない一発撮りだからこそ伝わる、真摯でパーソナルな祈りのようなフォーク・ソングに仕上がっています。

Rosier – Plus d’amis (feat. Safia Nolin)

カナダ・モントリオールを拠点とするバイリンガル・グループ Rosier が、シンガーソングライターの Safia Nolin を迎えた最新シングル「Plus d’amis」をリリースしました。フォークの伝統的なルーツと、現代的なインディー・ポップの質感を独自にブレンドした彼らのスタイルが、ゲストアーティストとの共演によってさらに深みを増しています。

本作は、フランス語と英語の響きが交差する中で、繊細なアンサンブルと叙情的なメロディが際立つ一曲です。伝統を重んじながらも、常に新しいポップ・ミュージックの形を模索する Rosier ならではの洗練されたアレンジが施されており、Safia Nolin の唯一無二の歌声と溶け合うことで、聴く者の心に静かな感動を呼び起こします。

Fetching Pails – “A Duchenne Smile”

ナッシュビルを拠点に活動するシンガーソングライターでありマルチ奏者、Jill Townsend によるソロプロジェクト Fetching Pails が、最新シングル「A Duchenne Smile」を発表しました。この楽曲の誕生は極めてユニークで、彼女の生後4ヶ月の娘がフィッシャープライスの玩具のピアノで弾いたメロディから始まっています。その型破りなコード進行から着想を得た本作は、最終的なレコーディングにもその時のサンプル音源が使用されており、プロジェクト史上かつてないほど明るくアップビートな作品に仕上がりました。

タイトルの「Duchenne Smile(デュシェンヌ・スマイル)」とは、神経学的な分類において「心からの本物の笑顔」を指す言葉です。偽りのないポジティブな感情を象徴するこのタイトルは、Fetching Pails が提示する新たな音楽的方向性に完璧に合致しています。これまでのスタイルを超え、純粋な喜びを追求したこの楽曲は、聴く者すべてに真実の幸福感を届ける、至高のポップ・ナンバーとなっています。

Stereolab – “Cloud Land” / “Flashes In The Afternoon”

スペース・エイジ・バチェラー・パッド・ミュージックの先駆者 Stereolab が、15年ぶりのアルバム『Instant Holograms On Metal Film』に続き、最新シングル「Cloud Land / Flashes In The Afternoon」をデジタルおよび7インチ盤でリリースしました。本作はこれまでツアー会場限定のシングルとしてのみ入手可能だった貴重な音源で、世界中のファンが待ち望んでいた待望の一般公開となります。

収録された2曲はいずれも6分前後の大作で、彼らの真骨頂が存分に発揮されています。「Cloud Land」はうねるようなシンセサイザーとクールなパーカッションのブレイクが印象的な壮大なエピックであり、一方の「Flashes In The Afternoon」は、往年のイージーリスニングを遊び心たっぷりに再構築したインストゥルメンタル曲に仕上がっています。独自の美学を貫き、自由なペースで新作を世に送り出す彼らの現在の姿は、まさに音楽シーンの至宝と言えるでしょう。

ヨーテボリのBoy With Apple、最新曲「Simplicity」を解禁。セカンドアルバム『Navigation』へ向けた、甘く切ない新章の幕開け。

スウェーデンのインディー・ポップバンド Boy With Apple が、2025年のシングル「Feeble」と「Julia」に続く最新作「Simplicity」をリリースしました。本作はデビューアルバム『Attachment』やその後のライブ活動で培われたサウンドをさらに発展させた一曲であり、待望のセカンドアルバム『Navigation』への試金石となる作品です。

楽曲のテーマは、自分を突き放しているように見える相手の引力に、なぜこれほどまで惹きつけられてしまうのかという心の葛藤を描いています。「突き放されている」と感じるのは、果たして深い愛情の裏返しなのか、それとも拒絶なのか。揺れ動く感情を捉えたこのシングルは、2月14日に地元ヨーテボリの Pustervik で開催される、スウェーデンのロックアイコン Sahara Hotnights のオープニング公演に先駆けて発表されました。

Minoa – “Forest Of Faces”

テキサス州ヒューストンに生まれ、ドイツのニーダーザクセン州にある小さな村で育った Minoa が、Listenrecordsより最新シングル「Forest Of Faces」をリリースしました。かつては綱渡り師を夢見るも、高所恐怖症から音楽の道へ転向したというユニークな背景を持つ彼女。学校のバンドでソプラノ歌手として活動を始めた彼女のこれまでの歩みが、この一曲から新たな歴史として動き出します。

本作「Forest Of Faces」は、無数の顔が行き交う「顔の森」の中で、かつて大切だった誰かの面影を探し求め、彷徨う心の葛藤を美しく描いています。急速な変化の中で互いの足跡を見失い、夏を前に散る花や、自分たちを焼き尽くす炎といった比喩を通じて、喪失の痛みと向き合う恐怖を表現。書き上げられなかった手紙や、口にできなかった言葉が心に傷を残すという、繊細かつ力強いメッセージが込められたオルタナ・ポップに仕上がっています。

バーゼルの精鋭 Malummí、待望の新作を発表。家族の記憶と世界の痛みを昇華した、魂を揺さぶる再生の物語。

バーゼルを拠点とするトリオ Malummí が、2026年3月発売のサードアルバム『Damaged By Their Silence』から、新曲「Echo」をリリースします。2024年の春、戦争に揺れる世界を目の当たりにした Larissa Rapold の無力感から生まれたこの曲は、混沌とした時代の中で共感と繋がりを求める、ダークで情熱的なオルタナティヴ・ロックのアンセムに仕上がっています。

本作は前作からの変容の期間を経て、痛みや社会的欲求不満といった「生の対峙」から、愛や和解といった「再構築」へと向かう物語を描いています。サウンド面では従来のギターサウンドに加え、初めてピアノを重要な要素として導入。Big Thief や Mitski といったアーティストの影響を感じさせる、親密な内省と爆発的なエネルギーが同居する壮大な音楽スケープを作り上げています。

「Echo」の核心にあるのは、冬に命を落とした鳥たちの歌声や宇宙の残響に思いを馳せる、深く沈み込むような瞑想のメッセージです。止まることのない鼓動のようなリズムに乗せて、Larissa Rapold の歌声は苦しみと希望の両方を運び、リスナーに他者を受け入れるための心の余白を促します。人生のサイクルと同じように、怒りと優しさの間を揺れ動く彼らの音楽は、今まさに聴かれるべきカタルシスを提供してくれます。

Soft Top – “Your Aching Words”

2023年3月にソングライター Miles Goodall の別名プロジェクトとして始動した SoftTop は、ギター、ベース、ドラム、キーボードに加え、クラリネット、チェロ、フルートを擁する豪華な7人編成のバンドです。彼らの音楽は、物語性の強い誠実な歌詞と、室内楽を彷彿とさせる緻密なアンサンブルが特徴で、聴き手の心の琴線に優しく触れるようなサウンドを目指しています。

新曲「Your Aching Words」は、生と死、そしてその境界にある曖昧な空間を探索するコンセプトワークの序章となる一曲です。楽曲はハウスパーティーに向かう途中で車に撥ねられ、昏睡状態に陥った主人公の視点で描かれ、事故の直前と最中の情景をリアルに映し出します。恋人との葛藤や、相手が別の人と一緒にいる姿を見た痛み、そして曲の終盤で独白のように語られる「失われた愛」への告白など、ドラマチックな構成が見事に表現されています。

Melina Nora, Paula Mia – “Moosmattu”

スイスの若き才能 Melina Nora と Paula Mia によるこのシングルは、消滅の危機に瀕している言語「ロマンシュ語」と「ヴァリス・ドイツ語」を用いた貴重なコラボレーション作品です。ヴァリス地方のルーツを大切にする Melina Nora の情熱的な感性が、時の流れの緩やかさや、変化を受け入れつつ自分自身であり続けることの繊細なバランスを歌い上げています。歌詞の中では、冬眠から目覚めるような季節の移ろいや、人生の「合間」に広がる瞬間が、郷愁を誘う響きとともに綴られています。

楽曲は、氷水の中で目覚めるような冬の情景から夏の熱気、そして霧が晴れていく様子を描きながら、「自分は同じままでいられるだろうか」という普遍的な問いを投げかけます。夢を追い、居場所を求めるすべての人に寄り添うように、日常の喧騒を穏やかに叙述する Melina Nora の歌声は、スイス国内で大きな注目を集めています。伝統的な言語が持つ独特の響きと、現代的なシンガーソングライターの感性が融合した、静謐ながらも力強い一作です。

CARR – “Bang It Out”

「Bang it Out」は、言葉や意味、そして真の情緒的な親密さが枯渇してしまった関係性の終着点を鮮やかに描き出しています。修復すべきものが何も残っておらず、もはや互いの心を通わせる術を失ったカップルが直面する、虚無的で重苦しい瞬間を切り取った楽曲です。

あらゆる感情的な繋がりが消え去った後に残された、唯一の結びつきである「肉体的な繋がり」だけに焦点を当てています。親密さの崩壊という冷徹な現実を直視しながらも、その物理的な接触だけが虚しく繰り返される様子を表現しており、現代的な人間関係の孤独と虚脱感を浮き彫りにしています。