Career Woman – “Game Of Pricks”
Career Woman が、Guided by Voices の名曲「Game of Pricks」のカバーをリリースしました。長年温めてきたというこの特別な楽曲は、彼女にとって思い入れの深い一曲であり、プロデュースには miki が、ミュージックビデオの制作には orion が協力しています。オリジナルの持つ疾走感とエモーショナルなメロディを、彼女独自の感性で再解釈した仕上がりとなっています。
本作は、Career Woman らしい親密な空気感と、DIY精神に溢れた映像表現が融合したプロジェクトです。制作を支えた仲間たちへの感謝と共に送り出されたこのカバーは、シンプルながらも楽曲の持つ核心を突く力強さを備えています。アーティストとしてのルーツを大切にしながら、新たな息吹を吹き込んだ、ファンにとっても待望のリリースと言えるでしょう。
ダブリン発、90年代グランジの再解釈──遊び心とDIY精神が火を灯す、Delivery Serviceの瑞々しいデビューEP『five songs』
ダブリンを拠点とするインディ・ロック・カルテット、Delivery ServiceのデビューEP『five songs』は、90年代グランジやライオット・ガール運動への情熱から生まれたDIY精神溢れる作品です。女性の視点で綴られる人生や愛への葛藤を、幾層にも重なるヴォーカル・ハーモニーや遊び心のあるシンセ、歪んだギターで表現しており、バンドの「楽しむために演奏する」という純粋なエトスが反映されています。
また、彼らは本作に続いてセカンド・シングル「truancy」もリリースしました。初期衝動を大切にした瑞々しいサウンドスケープを展開しており、アイルランドのインディ・シーンにおいて、自由で遊び心に満ちた独自の存在感を放っています。
Roomer – “Written By”
ベルリンを拠点に活動するドリーム・ロック・トリオ Roomer が、2025年のデビュー作『Leaving It All to Chance』以来となる新曲「Written By」をリリースしました。リハーサルルームとスタジオの両方で録音された本作は、これまでの彼らの持ち味である生々しく誠実な響きを保ちつつも、よりプロダクションに重きを置いた新しいサウンドスケープを提示しています。特筆すべきは、楽曲の核となるボーカルが完全な一発撮りの即興である点で、歌詞もメロディもその場で紡ぎ出された瞬間の鮮烈さがそのまま封じ込められています。
歌詞の世界観は象徴主義やドラマチックなイメージを用いており、まるで演劇や、そこから目覚めようともがく悪夢のような独特の空気感を漂わせています。ボーカルの Ronja が「絶えず変化し続け、どこにも完全には留まらない自分自身」について言及している通り、派手さはないものの、年を重ねるごとに気づかぬうちに蓄積していく変化のような、静かで力強い持続性が楽曲全体を貫いています。初期衝動の明快さを大切に残した、彼らの新たな章を告げる一曲です。
TV People – “Concrete Cage”
TV Peopleの「Concrete Cage」は、マーティン・スコセッシ監督の映画『アフター・アワーズ』からインスピレーションを得た一曲です。深夜の都市を彷徨うような、シュールな緊張感と夜更け特有の不安、そして歪んだ可能性が楽曲全体に流れています。落ち着きのない性急な勢いと催眠的な激しさが、真夜中の街を大きく目を見開いたまま突き進むような独特の感覚を再現しています。
本作は、自分自身の思考の中に閉じ込められながらも、一筋の逃避行や人との繋がり、そして光を追い求める葛藤を描いています。抑圧された感情が解き放たれる瞬間の力強さは圧巻で、リスナーを圧倒するような解放感を備えています。都会の孤独と、その先にある救いへの渇望を鮮烈なサウンドスケープで表現した、エモーショナルなポストパンク・ナンバーです。
Y U QT & Jem Cooke – “Call My Name”
Darryl ReidとJames Cooperの親友同士からなるイギリスのデュオ、Y U QTが、待望のニューシングル「Call My Name」をNinja Tune傘下のTechnicolourから正式にリリースしました。UKガラージ再燃の旗手として注目を集める彼らの本作は、自らのDJセットで数ヶ月にわたりプレイされ、最も問い合わせ(ID)の多かった一曲です。Warehouse ProjectやBoiler Room Melbourneといった世界各地の主要なクラブやフェスティバルで既に熱狂を巻き起こしており、Faster Horsesら著名なDJたちからも厚い支持を得ています。
ボーカルには、2026年1月のSpotify「Songwriter of the Month」にも選出されたロンドン出身のシンガーソングライター、Jem Cookeを起用しています。CamelPhatやJax Jonesとの共演で知られる彼女のソウルフルな歌声が、Y U QT特有のエネルギーに満ちたプロダクションに深い重みを与えています。デュオが自分たちのビジョンに完璧に合致する瞬間を待って温めてきたというこの楽曲は、現在のダンスミュージック・シーンにおける彼らの確固たる地位を証明する仕上がりとなっています。
Lala Salama – “Muistot haalistuu”
ヘルシンキを拠点とするLala Salamaが、新体制となって初となるシングル「Muistot haalistuu」をリリースしました。これまでのRosa JulesとAliisa Keränenに、ベーシストとして新たにElli Holmströmが加わり、バンドはさらなる進化を遂げています。フィンランドのインディー・ロック・シーンの最前線に躍り出た彼女たちの鋭さはそのままに、今作ではその音楽的ビジョンがより鮮明に描き出されています。
楽曲はドリーム・ポップの霞がかった美しさと、シューゲイザー特有の重厚なサウンド、そしてインディー・ロックの疾走感を兼ね備えています。緊張と緩和を巧みに操る構成力が、切なくも力強い独特の世界観を支えており、バンドの新たなフェーズを感じさせる決定的な一曲に仕上がっています。
グラスゴーの才人 Sulka が原点回帰のローファイ・アンサンブル『Bute』を発表——先行シングル「All Bets Off」が映し出す、日常の断片と『ザ・ソプラノズ』に着想を得たシニカルで誠実な詩世界
グラスゴーを拠点に活動するLukas ClasenによるプロジェクトSulkaが、ニューアルバム『Bute』を2026年7月17日にLost Map Recordsからリリースすることを発表しました。前作『Distractions』でのスタジオ制作から一転、今作は自身の原点であるDIYスタイルへと回帰しています。グラスゴーの自宅で録音された全9曲は、セルフプロダクションならではの親密さと脆弱性を内包した、温かくも切ないローファイ・オルタナ・ポップに仕上がっています。
アルバムのタイトルは、クライド湾を見渡すビュート島での滞在中に楽曲の多くが書かれたことに由来しています。内省的な世界から一歩踏み出し、周囲のコミュニティや自然との繋がりを求める開放的な視点が作品の核となっており、風や雨、鳥のさえずりといった環境音やラジオの断片がサウンドスケープに溶け込んでいます。そのテクスチャー豊かな音像は、SparklehorseやMJ Lenderman、Horse Jumper of Loveといったアーティストの系譜を感じさせます。
リードシングルの「All Bets Off」は、軽快なドラムと透明感のあるキーボードに歪んだギターが重なるアップビートな楽曲ですが、歌詞ではドラマ『The Sopranos』から着想を得た権力構造や感情の複雑さが描かれています。アルバム全体を通して、季節の移ろいや薄れゆく記憶といった詩的なディテールが静かに展開され、聴き手を誠実で没入感のある物語へと誘います。
Aino Salto – “Poppies Forever”
スイスを拠点に活動するアーティスト Aino Salto が、ニューシングル「Poppies Forever」をリリースしました。彼女は Phoebe Bridgers や Mitski といったシンガーソングライターの叙情性と、Björk が描き出す広大な世界観から影響を受けており、独自の音楽宇宙を構築しています。緻密に構成されたトリック・トラック・ビートと詩的なリリックが融合し、一見混沌としていながらも筋の通った、彼女ならではの表現スタイルを提示しています。
本作においても、内省的な独白と実験的なエレクトロニクスの幸福な調和が大きな魅力となっています。Aino Salto が紡ぐ言葉は、狂気の中に秩序を感じさせるような独特の説得力を持ち、リスナーを彼女のパーソナルな物語へと引き込みます。スイスの静謐な空気感と、現代的なオルタナティブ・ポップの鋭さが同居した、次世代の才気を感じさせる仕上がりです。
ドラムレス・トランスの先駆者 Parasol、Katie Dey & Himera を迎えた先行シングル「Predictive Heart」が告げる最新作『End Sky Atlas』——電子音楽の境界を拡張する再生と多幸感のサウンドスケープ
ドラムレス・トランスの旗手として知られるシドニーのChuyi Wangによるプロジェクト、Parasolが、ニューアルバム『End Sky Atlas』を2026年5月8日にOrange Milkからリリースすることを発表しました。今作では彼の代名詞である煌びやかなシンセ・サウンドに加え、フルオーケストラのアレンジやハイパーポップ、レイヴの美学などが交錯する多彩な音の広がりを見せています。現代のエレクトロニック・ミュージックの多様な要素が、ドラムレス・トランス特有の脈動するパルスによって鮮やかに統合されています。
アルバムからの先行シングルとして公開された「Predictive Heart」は、Katie DeyとHimeraをフィーチャーした注目の一曲です。このシングルは、アルバム全体に通底する「再生」や困難を乗り越える「前進」というテーマを象徴するように、多幸感のあるメランコリーが浸透した美しい仕上がりとなっています。TUNA DISPLAYやplastic pet、s7nといった同ジャンルの先駆者たちが集結したゲスト陣の中でも、この楽曲はシーンの連帯と進化を象徴する重要なトラックです。
こうした独創的な探求心は、Chuyi WangがFBi Radioの番組『Deep Web』のホストとして、インターネットの隅々から生まれる最新の音楽シーンを注視し続けている経験に裏打ちされています。中毒性のあるシンセの動きから室内楽的なフィナーレへと移行するタイトル曲に象徴されるように、各トラックからは進化し続ける音楽文化への深い愛と興奮がひしひしと伝わってきます
Snail Mail – “Tractor Beam”
Lindsey Jordanによるプロジェクト Snail Mail が、ニューアルバム『Ricochet』のリリースを今週金曜日に控え、新曲「Tractor Beam」を公開しました。米人気番組『ザ・トゥナイト・ショー』でのパフォーマンスに続いて発表された本楽曲は、アルバムの幕開けを飾るナンバー。ジョーダンは今作について、重いテーマを扱いながらもどこか希望を感じさせるものにしたかったと語っており、アルバム全体のトーンを決定づける重要な一曲となっています。
「Tractor Beam」の制作において、彼女はグレッグ・アラキ監督の映画『ミステリアス・スキン』から強いインスピレーションを受けています。劇中で描かれる「エイリアンによる誘拐」を、解離性障害による「失われた時間」のメタファーとして捉え、楽曲へと昇華させました。ニュージャージー州の羊牧場で撮影されたミュージックビデオと共に、2026年のインディー・ロックシーンを象徴する、内省的でいて壮大なスケールのサウンドが展開されています。
