GVTH DVDDY – “Doom Kitty”
GVTH DVDDYのニューアルバム『GVDV』からの先行シングル「Doom Kitty」が、Velvet Blue Musicよりリリースされました。本作はKevin RobinsonとJake Endicottによるプロジェクトで、鋭角的なギターと豊かなシンセ、そして力強いリズムを融合させたサウンドを展開しています。
彼らの音楽は、瞑想的なボーカルが加わることで「アングラ・ゴスのポストロック・サウンド」とも評される独自の感情的なカタルシスを提示しています。待望のニューアルバム『GVDV』は、2026年6月19日に同レーベルから発売予定となっており、本作はその幕開けを飾る重要な一曲です。
Draamakuu – “Pitti”
Draamakuuは、捉えどころのない支離滅裂なスタイルを持つラッパーDraama-Helmi(Helmi Kajaste)と、ドリーム・ルーパーのKuupuu(Jonna Karanka)によって結成された、催眠的なサウンドを奏でる新たなデュオです。2026年6月12日にFonal Recordsからリリースされるデビューアルバム『Toinen vaihe(Another Phase)』に先駆け、第一弾シングル「Pitti(The Pit)」が発表されました。Jonna Karankaが作曲、Helmi Kajasteが作詞を手掛け、Miikka Sipiläがギターで参加したこの楽曲は、好奇心を掻き立て傍観者を吸い込む「ピット」の奇妙なエネルギーと、不意を突くような衝撃を表現しています。
シングルのリリースに合わせ、Sami Sänpäkkiläが監督を務めたバンド初のミュージックビデオも公開されました。白黒の映像の中では、激しく踊る群衆の背後からDraamakuuの二人が現れ、その熱狂的なダンスの光景をすべて見通すかのように佇む姿が描き出されています。アルバムのタイトル通り「新たなフェーズ」へと踏み出した彼女たちの、不気味さと中毒性が同居する独自の表現に注目が集まっています。
Jensen McRae – “Your Friend”
「Your Friend」は、友情と愛情の狭間で揺れる葛藤を、静謐なピアノの伴奏に乗せて描いたバラードです。ジェンセン・マクレーは、親友というポジションを失わないために、相手への恋心を隠して「良き理解者」を演じ続ける切なさを、非常にパーソナルな視点で綴っています。彼女の力強くも繊細なボーカルが、抑えきれない情熱と、それを押し殺そうとする理性の対比を鮮明に描き出しています。
音楽的には、装飾を削ぎ落としたピアノの打鍵が、告白にも似た親密な空気感を作り出しています。このミニマルな構成により、彼女の強みである「現代の吟遊詩人」のようなストーリーテリングが際立ち、聴き手は歌詞の物語に深く没入することができます。普遍的な失恋や片思いのテーマを、ピアノ一台というクラシックなスタイルで洗練されたポップ・ソングへと昇華させた本作は、彼女の音楽的知性を象徴する一曲と言えます。
True Widowの系譜を継ぐ新星「Bad Stuff」誕生。Relapse Recordsから放たれる、冷徹で瞑想的なスローバーニング・サウンド
テキサス州ダラスを拠点とする5人組バンド、Bad Stuffが、Relapse Recordsよりセルフタイトルのデビューアルバムを2026年6月5日にリリースすることを発表しました。本作には、True WidowのDan PhillipsとNicole Estillをはじめ、地元のアートロック・シーンで活躍するJackie Dunn Smith、Gabriel Spatz、Laura Hartman Pearlが参加。瞑想的かつ反復的なリズム、そしてスローバーニングな展開を特徴とし、ドリームポップのような旋律と、より濃密で危険な気配を湛えたサウンドが、冷徹で超然としたテンションと共に描き出されています。
バンドの成り立ちは、DanとNicoleによるインストゥルメンタル・プロジェクト「Latent Print」と、Jackieがシンセやドラムマシンを駆使して展開していた「Concord Kill」という二つの異なる母体に遡ります。ロカビリーの素養を感じさせるDanのギターワークと、宅録から生まれたエレクトロニックな質感が融合したことで、アルバムには単一のジャンルに収まらない多様なスタイルが共存。ラジオのダイヤルを回して局を切り替えるような変化に富んだ構成が、作品全体に独特の推進力と緩急を与えています。
アルバムからの先行曲「Summer Girls」は、執拗に繰り返される催眠的なドラムパターンが軸となり、緻密に計算されたペースで展開していきます。じわじわと高まる緊張感の中、Dan Phillips特有のギターが切り込み、その底流では低く唸るようなドローンが響き渡ります。湿り気を帯びた都会的な鋭さと、ダラスのアンダーグラウンド・シーンの空気を吸い込んだ彼らの音像は、ヘヴィ・ロックやシューゲイザーの境界線を漂う、唯一無二の存在感を放っています。
Tasha – “Summer”
シカゴを拠点に活動するシンガーソングライターのTashaが、Bayonet Recordsよりニューシングル「Summer」をリリースしました。本作は、夏の盛りの高揚感とその後に訪れる終わりの気配、そして去りゆく季節への切実な執着を、彼女らしい繊細な筆致で描き出した楽曲です。シャンパンを飲みながら過ごすポーチでの時間や、長く続く夕食のひとときといった日常の断片を、「偶然の真実の愛」という言葉と共に詩的に昇華。柔らかな時間の中に潜む、喪失への予感と愛おしさが同居する独創的な世界観を提示しています。
歌詞の中では、自分好みに調律された古いギターや、光に輝く青い海、そして都市の風景が、彼女のパーソナルな記憶と重なり合うように綴られています。ゆったりと流れる時間の中で「失いつつあるものから目を逸らす」という内省的な独白は、聴き手に深い余韻を残します。都会的な洗練とフォークの温もりが溶け合うサウンドは、まさに「夏の終わり」という刹那的な季節を象徴しており、現代のオルタナティブ・シーンにおける彼女の卓越したソングライティング能力を改めて証明する一曲となっています。
GIFT – “Pinkhouse Secret Rave” (Redux)
ニューヨークを拠点に活動するGIFTが、バンドの初期曲を大胆に再構築した「Pinkhouse Secret Rave (Redux)」を公開しました。最新アルバム『Illuminator』の制作を経て、シンセサイザー主導のダンスサウンドをより深く追求するようになった彼らは、クリエイティブな試みとしてこの曲に着手。楽曲を一度解体し、ゼロから積み上げ直すことで、エネルギーに満ち溢れたダンスフロア向けのトラックへと変貌を遂げさせています。
新曲の公開に合わせ、GIFTは新たなライブ日程もアナウンスしました。地元ニューヨークの「Nightclub 101」での公演を皮切りに、9月にはイギリスを巡るツアーも予定されています。サイケデリックな陶酔感と現代的なダンスミュージックのダイナミズムを融合させ、進化を続ける彼らの現在地を、音源とステージの両面で示す新章の幕開けとなっています。
現代ジャズの最前線から、ジャンルの境界を消失させる未知の音響へ。Nonesuch Recordsから登場する、AmbroseとMaryによる不屈の創造の記録
Ambrose AkinmusireとMary Halvorsonという、現代音楽シーンを牽引する二人の独創的な作曲家・演奏家によるデュオ・アルバム『Slo-Mo Neon Luminate Hoverings』が、2026年6月12日にNonesuch Recordsからリリースされます。2009年からの長きにわたる友情と、過去2回の録音の試行錯誤を経て完成した本作は、ニューヨークの名門クラブ「The Stone」での公演直後に録音されました。互いの音楽性への深い信頼と、「何もする必要がなく、同時に何でもできる」という稀有な共鳴関係が、全9曲の構成(各自の新曲4曲+共作1曲)の中に結実しています。
本作の大きな聴きどころは、Maryから譲り受けたエフェクト・ペダル「Line 6」をAmbroseが初めて導入している点です。Ambroseはペダルを単なる機材ではなく、独立した「もう一人のミュージシャン」として捉え、機械が生成する残響やディレイに即興で反応する手法を採用しました。長年エフェクターを巧みに操ってきたMaryをして「手にした瞬間から独自の音を生み出し、ボーカライズ(発声)を交えた驚きの表現を見せた」と言わしめるほど、直感的かつ独創的なアンサンブルが展開されています。
Ambrose Akinmusireは、2025年度のDownBeat誌批評家投票でトランペッター・オブ・ザ・イヤーに選ばれるなど高い評価を得ながらも、ジャズの枠に留まらず、クラシックやヒップホップ、そして精神的な価値を重んじた表現を追求し続けています。本作においても、黒人音楽の革新の系譜を継承しつつ、ジャンルの制限を設けない自由なアプローチを提示。「誤解を恐れず創造を信じる」という彼の揺るぎない姿勢が、Maryの鋭利なギターワークと交わることで、現代の音楽地図を塗り替える豊潤なエモーショナル・ランドスケープを描き出しています。
「成功も愛も、すべては不確実な賭け」——。TOPSのメンバーらによる新ユニットが、きらびやかなシンセの奥に潜む「賃金労働者のリアル」を射抜くデビュー作
Paychequeは、セントルイス出身の映画制作者Allison Goldfarbと、TOPSやDrugdealerのメンバーとして知られるJackson MacIntoshが、2020年のパンデミック直前にロサンゼルスで出会ったことから始まりました。ロックダウン中にガレージスタジオでシンセサイザーやドラムマシンを駆使して生まれた彼らのサウンドは、ソフィスティ・ポップやイタロ・ディスコへの深い愛着を土台としています。2026年6月12日にリリースされるセルフタイトルのデビューアルバム『Paycheque』は、こうした即興的なジャムから洗練されたポップソングへと昇華された作品です。
このアルバムは、80年代のゲートリバーブやヴィンテージシンセを多用しながらも、録音現場を襲ったサンタアナの強風や住宅の取り壊しといった、現代のロサンゼルスが抱える「無常観」を色濃く反映しています。バンド名は、Depeche ModeやPet Shop Boysが象徴する華やかなイメージへの対抗軸として、より日常的な「賃金(Wage)」で生きる人々のリアリティを表現しています。都市の不確実性や野心の虚しさ、そして愛や成功の偶然性を鋭く観察する彼らの視点は、煌びやかでありながらもどこか切実な響きを持っています。
先行シングル「Generic Actress」を筆頭に、アルバムはまるで映画の一場面を切り取ったかのように展開します。ロサンゼルスでの過酷な選択を問う歌詞や、疎外感を描いた「Acquaintances」、Better Personに触発されたダブ調の「Camouflage」など、各楽曲にはシニカルな懐疑心と控えめなロマンチシズムが同居しています。失われたものへの追憶と、今なお見つけられる何かを模索する切ない霧のようなサウンドは、身体と心から引き出された極めて人間味のあるポップミュージックとして完結しています。
Seefeel – “Until Now”
イギリスの電子音響/ポストロックの先駆者、Seefeelが2026年5月1日に名門〈Warp Records〉から15年ぶりとなる待望のフルアルバム『Sol.Hz』をリリースします。新曲「Until Now」は、アルバムの終盤に位置する重要な楽曲です。2024年に発表されたミニアルバム『Everything Squared』や『Squared Roots』を経て完成された本作は、リーダーのマーク・クリフォードとボーカルのサラ・ピーコックを中心とした、彼らのキャリアの「現在地」を鮮明に示す音響体験となっています。
「Until Now」を含む今回のアルバムは、地を這うような重厚なサブベースと、霧の中を漂うようなサラのボーカル、そしてディレイの残響に溶けていくギター・ループが特徴です。これまでの「シューゲイザーとアンビエント・テクノの融合」という彼らのアイデンティティを保ちつつ、よりダブの要素やカオスな音響の断片が緻密に構成されており、実体と残響のあわいを往還するような、没入感の強いサウンドに仕上がっています。アルバムリリースに合わせて、4月下旬からはパリやベルリンを巡る欧州ツアーも予定されており、伝説的なユニットの本格的な再始動に大きな期待が寄せられています。
ルイジアナの湿り気と鋭利なポストパンクが交差、「答えを出さない不確実さ」が生む、hey thanks. 待望の2ndアルバム『Avoidance』
ルイジアナ州を拠点に活動する hey thanks. が、Iodine Recordings より待望のセカンド・フルアルバム『Avoidance』を2026年7月3日にリリースすることを発表し、先行シングル「Recollection」を公開しました。前作からさらなる進化を遂げた本作では、ポストパンクやニューウェイヴの要素を巧みにブレンド。よりダークで、かつてないほど意志の強さを感じさせるサウンドへと深化を遂げています。
アルバム『Avoidance』は、時間やアイデンティティ、そして孤独の重みといった深淵なテーマを反映しています。これまでの彼らがすべてを説明しようとしていたのに対し、今作ではあえて答えを出さず、不確実さの中に留まることを選択しました。その変化が、音楽性にさらなる奥行きと説得力を与えています。
新章の幕開けを告げる「Recollection」は、そのタイトルの通り記憶と対峙するような内省的な響きを湛えており、アルバム全体を象徴する重要な一曲となっています。ルイジアナの湿り気のある空気感と、都会的な鋭利さが同居する彼ら独自の音像は、現代のオルタナティブ・シーンにおいて強烈な存在感を放つことでしょう。
