Pit Pony – “Thunder”

イギリス・ニューカッスルを拠点に活動するオルタナティヴ・ロックバンド Pit Pony(ピット・ポニー)の新シングル「Thunder」は、2025年に高い評価を得たセカンドアルバム『Dead Stars』以来となる待望の新曲です。本作は、フロントウーマンである Jackie が妊娠7ヶ月のときに、ニューアルバムに続く新たなエネルギーと興奮をそのまま真空パックするようにレコーディングされました。神話や記憶、そして生の感情が轟くようなガレージ・ロック調のサウンドスケープに昇華されており、人生の嵐のような局面を乗り越えていく強さを描いた、パワフルでエレクトリファイイングな1曲に仕上がっています。

楽曲およびミュージックビデオの核となっているのは、「嵐」が持つ魔法のような魅力と、カオスな状況を生き抜くための「信じる力」です。Jackie が幼少期に親友から聞いた「嵐の雲の中に北欧神話の雷神トールを見た」というエピソードから着想を得ており、歌詞には星座(乙女座)や古い伝説、いつの日かトールのハンマーを操りたいというファンタジーが散りばめられています。ビデオでは、自分の力ではコントロールできない人生の理不尽さや、理想通りにいかない現実への葛藤(脆弱さ)を抱えつつも、目に見えない大いなる力を信じることで前を向こうとする、人間の内なる「強さ」がエモーショナルな映像美とともに描き出されています。


Slyrydes – “One Is Too Many”

アイルランドを拠点に活動するポストパンク・バンド Slyrydes が、新シングル「One Is Too Many」で強烈な帰還を果たしました。今作からは、ダブリンの Darklands studio のプロデューサーでもある Dan Doherty がバンドの公式ドラマーとして正式に加入。新体制となった彼らは、アイルランド国内で深刻な問題となっているメンタルヘルスの危機(メンタルヘルス・クライシス)というリアルな社会課題に対し、これまで以上に強い信念と情熱を持って真っ向から向き合っています。

このシングルは、依存症やメンタルヘルスにおける「シラフ(素面)でいること」の重要性と、そのリアルな葛藤を極めて率直に描いています。素面を保つことが命に関わるほど極めて重要であると自覚しつつも、それが同時に「退屈で楽しめない(no craic)」と感じてしまう人間の複雑な心理を内省的に描写。楽曲の終盤には、聴き手の心に深く突き刺さるような、不穏で鮮烈なスポークン・ワード(朗読)のセクションが用意されており、彼らの持ち味であるダークな緊迫感と社会的メッセージが最高潮に達する構成となっています。


Consumables – “Cabin Fever”

ブルックリンを拠点に活動するバンド、Consumablesのシングル「Cabin Fever」は、アートパンクやポストパンク、ウィアードパンクといったエッジの効いたタグが示す通り、ひりつくような焦燥感と奇妙なエネルギーに満ちた楽曲です。リニアに疾走するビートと、空間を切り裂くような鋭いギターサウンド、そして「熱(heat)」を執拗に連呼するミニマルなボーカルが特徴的で、タイトルが意味する精神的圧迫感や狂気を見事に音楽へと昇華させています。

この世界観を映像化したオフィシャルミュージックビデオは、ローファイでサイケデリックな美学が詰まった作品に仕上がっています。陽光が降り注ぐ美しい湖畔での演奏シーンと、鬱蒼とした森の中で撮影されたグリッチの激しいVHS風の映像が目まぐるしく交錯します。さらに、儀式のように掲げられる不気味にペイントされた雄牛の頭骨など、シュールでアヴァンギャルドな視覚演出が散りばめられており、インディー・ロックの枠に収まらない彼らの独特なアートセンスを強烈に印象付けています。

アテンション・エコノミーへの拒絶とコミュニティの再接続──The Sick Man Of Europeが、強度を増したマシンリズムと新たな旋律美で鳴らす洗練されたポストパンクの新境地

ロンドンのポストパンク・バンドThe Sick Man Of Europeが、ニューアルバム『The Intermittent Signal』を9月25日にリリースすることを発表し、その幕開けを告げるリードシングル「Negative Stimuli」を公開しました。本作は、昨年リリースされたセルフタイトルのデビューアルバムからわずか1年という短いスパンで届けられる新作です。混迷を極め、日々深刻さを増していく世界に向けて、現代のアテンション・エコノミー(関心経済)への拒絶を突きつけ、コミュニティや組織を通じた人間的な再接続を呼びかける、強烈な「抵抗の響き」が込められた作品となっています。

リードシングルである「Negative Stimuli」は、アルバムが持つ急進的なメッセージを最初に提示する重要な1曲です。この楽曲は、1970年代後半にイタリアのボローニャから政治的アクションを発信し、シチュアシオニストやダダから影響を受けたカウンターカルチャーの自由ラジオ局「Radio Alice(ラジオ・アリス)」の精神から着想を得ています。静電気やノイズの隙間から明晰さと強い確信が真に響き渡る、生々しく刺激的なサウンドスケープが構築されています。

アルバム『The Intermittent Signal』全体を通じて、バンドは前作で見せた最小限の骨組みによる簡素なアプローチを超え、より拡張的で没入感のある音楽性へと進化を遂げています。反復の技法を再学習し、マシンのリズムをさらに強度を増して転用しながらも、随所に新たな旋律の美しさを宿しているのが特徴です。かつては当たり前だったシンプルな繋がりが急進的な意味を持つ現代において、壊れたシステムを刷新しようとするユートピア的な思想と切迫したメッセージを、洗練されたポストパンク・サウンドに乗せて鳴り響かせています。


The Sick Man Of Europe – “Negative Stimuli”

ロンドンのポストパンク・バンドThe Sick Man Of Europeが、ニューアルバム『The Intermittent Signal』を9月25日にリリースすることを発表し、あわせてリードシングル「Negative Stimuli」とそのビデオを公開しました。本作は、昨年リリースされたセルフタイトルのデビュー作に続くプロジェクトであり、現代のアテンション・エコノミーへの拒絶と、コミュニティや組織を通じた再接続を呼びかける「抵抗の響き」として位置づけられています。バンドは、反復によってメッセージが重みを増し、より切迫したものへと進化したと語っており、前作の簡素なアプローチを超えた、より拡張的で没入感のあるサウンドを提示しています。

その幕開けを飾るシングル「Negative Stimuli」は、1970年代後半にイタリアのボローニャから放送され、シチュアシオニストやダダから影響を受けながら政治的アクションを展開したカウンターカルチャーの自由ラジオ局「Radio Alice(ラジオ・アリス)」の精神から着想を得ています。公開されたビデオとともに届けられるこの楽曲は、ノイズや反復するマシンリズムのなかに明晰な確信を宿し、壊れたシステムを作り直そうとするバンドの急進的なメッセージを象徴する、生々しく刺激的な映像・音楽作品に仕上がっています。


4人の課外活動を経て集結したダブリンの異端児たち!Gilla Bandがキャリア史上最も大胆な方向転換を遂げたニューアルバム『Pugnello』をRough Tradeからリリース

Gilla Bandが9月25日にRough Tradeからリリースするニューアルバム『Pugnello』に先駆けて、先行シングル「Placeholder」をミュージックビデオとともに公開しました。ベーシストの Daniel Fox がミックスを手掛け、バンド自身がプロデュースした本楽曲は、ボーカルの Dara Kiely が「安心感を得るための気晴らし」を通じて自身の精神的な特異性を分析したパーソナルなナンバーです。現実逃避としての幼少期のノスタルジーが大人の日常に溶け込む様子を、テレビ番組『ビッグ・ブラザー』の緊迫した沈黙や、喜劇役者 Harold Lloyd の時計台のシーン、さらには『パワーレンジャー』や Coldplay といったポップカルチャーの記憶を交えながら、独特の焦燥感とともに描き出しています。

あわせて公開されたミュージックビデオは、すでにリリースされている前作シングル「Giraffe」のビデオとともに、彼らの次なる目的地を視覚的にも提示する仕上がりとなっています。幼少期の無垢な思い出と大人になってからの精神的な葛藤が交錯する Dara Kiely のシュールでユーモラスな詞世界が、バンドの強烈でインサイシブなノイズ・ハイブリッドサウンドと完璧にシンクロしており、アルバム『Pugnello』が迎える大胆な方向転換への期待をさらに高める作品となっています。


Gilla Band – “Placeholder”

Gilla Bandが9月25日にRough Tradeからリリースするニューアルバム『Pugnello』に先駆けて、先行シングル「Placeholder」をミュージックビデオとともに公開しました。ベーシストの Daniel Fox がミックスを手掛け、バンド自身がプロデュースした本楽曲は、ボーカルの Dara Kiely が「安心感を得るための気晴らし」を通じて自身の精神的な特異性を分析したパーソナルなナンバーです。現実逃避としての幼少期のノスタルジーが大人の日常に溶け込む様子を、テレビ番組『ビッグ・ブラザー』の緊迫した沈黙や、喜劇役者 Harold Lloyd の時計台のシーン、さらには『パワーレンジャー』や Coldplay といったポップカルチャーの記憶を交えながら、独特の焦燥感とともに描き出しています。

あわせて公開されたミュージックビデオは、すでにリリースされている前作シングル「Giraffe」のビデオとともに、彼らの次なる目的地を視覚的にも提示する仕上がりとなっています。幼少期の無垢な思い出と大人になってからの精神的な葛藤が交錯する Dara Kiely のシュールでユーモラスな詞世界が、バンドの強烈でインサイシブなノイズ・ハイブリッドサウンドと完璧にシンクロしており、アルバム『Pugnello』が迎える大胆な方向転換への期待をさらに高める作品となっています。


TVOD – “Wet Brain”

ブルックリンを拠点に活動するポスト・パンク/エッグ・パンク・バンド、TVODのシングル「Wet Brain」は、2026年10月16日にMothlandからリリースされる彼らのセカンドアルバム『The Farm』からの第2弾先行シングルです。Adult DVDのDanny Blackburnをプロデューサーに迎え、イギリスのリーズにあるNave Studiosでレコーディングされた本作は、わずか2分間に凝縮されたパンク・ロックの起爆剤のような楽曲です。ミニマルなキーボードの音色で「二日酔い」のような気だるさを演出するイントロから始まり、フロントマンであるTyler Wrightのプライベートな日記を覗き見るようなヴァース(Aメロ)を経て、一気に激しくキャッチーなサビへと爆発するアンセムに仕上がっています。

楽曲のリリースと同時に公開されたミュージックビデオは、バンド自身が「失恋による不安や、関係を台無しにしてしまった後の後悔を、心に響きつつもアップリフティングなエネルギーへと変換した作品」と語る通りの世界観を視覚的に表現しています。映画『すてきな片想い(Sixteen Candles)』へのポスト・パンク風のオマージュであり、SXSW 2025のステージで初披露されて以来ファンの間で「愛すべき怠け者のアンセム」として親しまれてきたこの楽曲の荒々しくもどこか不器用なチャーミングさを、映像を通じて鮮烈に伝えています。


Holy Wave – “i’m DADA”

テキサス州オースティンを拠点に活動するサイケデリック・ロックバンドHoly Waveが、ニューシングル「i’m DADA」をミュージックビデオとともに発表しました。Suicide Squeezeからリリースされる本作は、バンドにとって6枚目となる同名の最新アルバムからの先行カットです。楽曲は、着実なエレクトロニック・パーカッションのグルーヴと、徐々に熱量を増していくギターが絶妙なバランスを保ち、終盤の5分過ぎには耳を突き刺すようなフィードバック・ノイズがトラック全体を飲み込んでいく、前衛的でスリリングなサイケ・ロックを展開しています。アルバムのスタイリッシュなサイケデリアを予感させる、味わい深いサイケデリックな映像に仕上がったビデオも必見です。

今回の楽曲およびアルバムは、ダダイスム(ダダ)的な芸術マニフェストではなく、メンバーであるKyle Hagerの私生活に根ざした極めてパーソナルなメッセージが込められています。メキシコにてネオサイケの重鎮Joo Joo Ashworthや、Lorelle Meets the ObsoleteのLorena Quintanilla、Alberto Gonzálezを迎え制作された本作。Kyle Hagerが「この曲はバランスについての歌」と語るように、家庭を持ち親となった彼が、子供たちと過ごす大切な時間と、自分自身の情熱である創作活動との間で揺れ動くプレッシャーや葛藤、そして単なる「パパ(dada)」以上の存在でありたいと願う自己への許しが、リアルかつエモーショナルに表現されています。

25年の沈黙を破りグラスゴーの伝説が再集結! ミットフォード姉妹の悲劇からピンチョンまでをポストパンクに昇華した、The Yummy Fur 渾身の先行シングル「Unity Over Europe」が遂に解禁

スコットランド・グラスゴー出身のポストパンク・バンド The Yummy Fur が、実に25年ぶりとなるニューアルバム『Everybody Talks About the Weather』(Upset The Rhythm より9月24日リリース)から、先行シングル「Unity Over Europe」を発表しました。フロントマンの John McKeown、ギタリストの Brian MacDougall、そして Franz Ferdinand のメンバーとしても知られるドラマーの Paul Thomson というオリジナルの核心トリオが再集結。本作は、ミットフォード姉妹(ダイアナ、ユニティ、ナンシー)の悲劇的な伝記ディテールをベースに、作家トーマス・ピンチョンや画家フランシス・ベーコンへのオマージュを衝突させた「狡猾で複雑な二幕物の演劇」のような構造を持っており、バンドの健在ぶりを鮮烈に印象づける鋭利なナンバーに仕上がっています。

彼らのニューアルバム『Everybody Talks About the Weather』は、アート、神話、現実の人生、そして幻想の情景をハイペースでめくっていくような、官能的で曖昧さに満ちた全10曲が収録されています。アルバム制作中、John McKeown はスーザン・ソンタグのエッセイ『解釈に抗して』に影響を受けており、その思想は収録曲「Semolina Ballerina」などにも反映されました。意味を安易に平坦化することを拒み、芸術的な曖昧さを肯定する彼らのスタンスが、削ぎ落とされたミニマルなパンク・サウンドと見事に融合。かつて90年代に見せたカートゥーン的なポップさから、ブライアン・イーノやジョン・ケイルを彷彿とさせる不気味で緊迫感のある音響まで、バンドの全キャリアを有機的なコラージュ素材として昇華した傑作となっています。

アルバムの全編を通じ、カルチャーへの多弁な言及が「奇妙で、セクシーで、可笑しく、そして不条理な」ポップ・ソングへと鮮やかに変換されています。映画監督バーバラ・ローデンの生涯を前衛的な批評性とともに描いた「Wanda」や、バンドの90年代のインナーサークルを描いたタイトルトラックなど、一筋縄ではいかない楽曲が並びます。アルバムのカバーアートは、近年のシングル「New T-Shirt」も手がけた画家の Mac McNaughton が担当しており、夢の中の美術館で見るイメージのように、様々なスタイルやレファレンスが不気味に融合したビジュアルで本作の世界観を補完しています。最後は彼らにしては極めて珍しい、暗闇の後に窓を開け放つような瑞々しい光を感じさせる「Say Hello」で幕を閉じるという、予測不可能な彼ららしい最大のサプライズが用意されたアルバムです。

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