Filth Is Eternal – “Hellfire”

シアトルを拠点に活動するFilth Is Eternalが、今週金曜日にニューアルバム『Impossible World』をリリースします。本作にはThe Blood BrothersのJohnny Whitney、Fall Out BoyのJoe Trohman、BaronessのGina Gleasonといった豪華なゲストが参加しており、すでに公開されている「Stay Melted」や「Long Way」に続く最後のアドバンス・トラックとして、新曲「Hellfire」が披露されました。

最新シングル「Hellfire」は、これまでのバンドのスタイルとは一線を画す、初期グランジを彷彿とさせるエネルギッシュなリフ・アタックが特徴的です。中盤のギターソロでは本格的なメタル・サウンドへと展開し、「いかなる犠牲を払ってでも、より良い世界のために戦い抜く」という決意が込められています。Marcy Stone-Francoisが監督を務めた、アニメーション調のミュージックビデオと共に公開されています。

90年代インディー・ロックの衝動を現代に呼び覚ますBummer Camp、渾身の先行シングル「One Bullet」で描く焦燥と再起の物語

Bummer Camp(ニューヨークのMatt DeMelloによるプロジェクト)がリリースした「One Bullet」は、アルバム『Fake My Death』の核心を予感させる重要な先行シングルです。この楽曲は、90年代インディー・ロックの疾走感と、パワー・ポップ特有の甘酸っぱくも切ないメロディが同居したサウンドが特徴。アルバム全体のテーマである「自己の再定義」や「過去からの脱却」を象徴するかのような、エネルギッシュな一曲に仕上がっています。

リリックの面では、アルバムタイトル『Fake My Death(自分の死を偽装する)』というコンセプトとも共鳴し、行き詰まった現状や古い自分を断ち切ろうとする切実な衝動が描かれています。「One Bullet」という言葉は、暴力的な意味よりもむしろ、一世一代のチャンスや、後戻りできない決断といった比喩として機能しており、Matt DeMelloらしい内省的かつ皮肉の効いたストーリーテリングが展開されています。

サウンド面では、Dinosaur Jr.を彷彿とさせる歪んだギター・テクスチャーと、地元のライブハウスの熱気を感じさせるDIYな質感が際立っています。先行シングルとして、アルバム『Fake My Death』が持つラフで誠実なロック・スピリットを見事に提示しており、単なるノスタルジーに留まらない、現代のインディー・シーンにおけるBummer Campのアイデンティティを強く印象付ける仕上がりです。

家族の記憶と共感の旋律。MoaningのSean Solomonがソロデビュー作で描く、静かなる再生の物語

ロサンゼルスを拠点に活動するシンガーソングライター兼アニメーター、Sean Solomonが、ソロデビューアルバム『The World Is Not Good Enough』を4月17日にANTI- Recordsからリリースすることを発表しました。プロデュースには、Purple MountainsやWaxahatcheeを手掛けたJarvis Taveniereを起用。全8曲を収録した本作は、彼の音楽キャリアにおける新たな章の幕開けを告げるものとなっています。

アルバムのアナウンスとともに公開された先行シングル「Remember」は、家族への共感をテーマにした楽曲です。ショウでの演奏中、多くの観客がこの曲に自身の家族を重ね合わせて共感することに気づいたというSolomonは、「親という役割を超えて、一人の人間としての親に対して共感を持つことの難しさ」に触れ、この曲で「良い記憶を留めようとすること」を表現しています。

ミュージックビデオは彼自身が制作しており、デジタル化した古い家族のホームビデオを再構築して使用しています。SolomonはかつてSub Popから2枚のアルバムをリリースしたバンド Moaning の中心人物であり、それ以前はフォーク・パンク・ユニット Moses Campbell の一員としてL.A.の伝説的なDIY会場 The Smell などで腕を磨いてきました。長年の活動を経て辿り着いた、極めてパーソナルな表現が本作に凝縮されています。

『メジャーでの支配には苦い後味しかなかった』――Basementが8年の沈黙を破り、原点のレーベルで鳴らす純粋な情熱と再起のサウンド

イギリスのエモ・バンドBasementが、2018年以来となる待望のニューアルバム『Wired』を5月にRun For Cover Recordsからリリースすることを発表しました。先行シングルとして、タイトル曲「Wired」と「Broken By Design」の2曲が公開されています。メジャーレーベルでの活動を経て、原点であるインディーレーベルへと帰還した彼らは、かつての制約から解放された自由な創作意欲を取り戻しています。

プロデューサーにJohn Congletonを迎えた本作は、バンド内のコミュニケーションを改善し、活動の原点である「純粋に楽しむこと」へと立ち返るプロセスから生まれました。ボーカルのAndrew Fisherは、先行曲について「制御不能な感情の表出(Wired)」や、「失敗から学び、友人として再びクリエイティブに向き合う決意(Broken By Design)」を歌っていると説明しており、過去の苦い経験を糧にした精神的な成長が色濃く反映されています。

先行曲はそれぞれ、Ashley Rommelrath(Wired)とTas Wilson(Broken By Design)が監督を務めたミュージックビデオと共に公開されました。2024年の復活ライブで過去の楽曲がバイラルヒットし、新たな世代のファンを熱狂させている彼らにとって、本作は過去の栄光の焼き直しではない、最も力強く自信に満ちた再出発の声明となっています。

The High Curbs & The Red Pears – “PROMISE”

カリフォルニア州チノを拠点とする The High Curbs が、同じくシーンを牽引する The Red Pears とタッグを組み、Lauren Records からニューシングル「PROMISE」をリリースしました。2013年の結成以来、スケートボード、ピザ、そしてガレージロックという固い絆で結ばれた彼らは、地元のスケートパンク・コミュニティの精神を体現し続けている存在です。

本作でも、Eduardo Moreno(ヴォーカル)、Tony Tankarino(ギター)、Aaron Korbe(ドラム)の3人による、粗削りながらもキャッチーなガレージサウンドが健在。盟友 The Red Pears とのコラボレーションにより、DIYシーン特有の親密さと爆発的なエネルギーが融合した、ファン待望の一曲に仕上がっています。

Maggie Gently – “The Moon is Soft”

サンフランシスコを拠点とするインディー/オルタナ・ロック・アーティスト、Maggie Gently がニューシングル「The Moon is Soft」をリリースしました。ニューイングランドから愛する人を追って西海岸へと移住した彼女の背景を映し出す本作は、都会的なインディー・ロックの疾走感に、エモの影響を色濃く受けたメロディアスで誠実な響きが同居しています。歌詞では、離れた地への想いや孤独感、そして静かな生活を共に歩むパートナーへの愛着が、柔らかく繊細な筆致で描かれています。

楽曲の核心にあるのは、変化(トランジション)や「緩やかさ」への慈しみです。「月は柔らかい」という象徴的なフレーズとともに、夜の静寂の中で繰り広げられる内省的な感情や、未来を予感させる希望が綴られています。孤独に押しつぶされそうな瞬間に差し込む救いのような温かさが、力強いインディー・サウンドに乗せて届けられており、聴き手の心に深く寄り添う一曲に仕上がっています。

Tigers Jaw – “Primary Colors”

スクラントン出身のベテラン・エモバンドで、常に進化を続ける Tigers Jaw が、長年の協力者である Will Yip をプロデューサーに迎えたニューアルバム『Lost On You』を来月リリースします。既に「Head Is Like A Sinking Stone」や「Ghost」を公開していますが、本日、新たなシングル「Primary Colors」が発表されました。Ben Walsh と Brianna Collins の二人が互いに向かって叫び合うような、激しくも傷ついたエモーションが交錯するデュエット曲となっています。

「Primary Colors」について Ben Walsh は、「何かの余波に深く囚われ、感覚が完全に圧倒されてしまうこと」を描いた曲だと語っています。「もしも」という後悔と、前へ進む決意の狭間で揺れ動く精神状態を表現しており、ミュージックビデオでは、記憶へと通じる扉がある空間を舞台に、関係の始まりからゆっくりと破綻していくまでの旅路を再現しています。

エモ、マスロック、そして狂気。Love Rarelyが新曲「Will」で提示する、トラウマを凌駕する圧倒的カタルシス

リーズのオルタナティブ・シーンから登場したLove Rarelyが、待望のデビューフルアルバム『Pain Travels』を今春リリースします。本作は、エモ、ポストハードコア、マスロックの境界線を縦横無尽に駆け抜ける野心作。ギターのLew Taylor自らがプロデュースを手がけ、寝室や即席の録音スペースで1年をかけて制作されました。家族のトラウマや機能不全な家庭、そして過去の傷に縛られずに大人へと成長していく葛藤を、恐れを知らない剥き出しの感情で描き出しています。

サウンド面では、複雑な変拍子やプログレッシブな構成、さらにはラジオで即通用するようなキャッチーなフックと、突発的に爆発するヘヴィネスが同居する圧倒的な密度を誇ります。アルバムの幕開けを飾る新曲「Will」は、まさにその「全部盛り」な彼らのスタイルを象徴する一曲。Alex Dixonが監督したビデオでは、ボーカルのCourtney Levittが矢を射られ、口紅まみれになるという衝撃的なビジュアルを通じて、楽曲の持つ混沌と美しさが表現されています。

また、本作は「脳を抉る」ほど強烈なインパクトを与えるカバーアートも大きな話題を呼んでいます。すでにCallous Daoboysとのツアーも決定しており、2026年のUKロックシーンにおいて無視できない存在感を放っています。これまでに発表された人気シングル「Disappear」なども収録された本作は、単なる音楽作品を超え、傷跡を力強い自己定義へと変えていくバンドの魂の証明と言えるでしょう。

Julien Bakerも参加。The Saddest Landscape新作『Alone With Heaven』が提示する「一瞬の救済」

ボストンのポストハードコア・バンド、The Saddest Landscapeが、10年以上の沈黙を破りニューアルバム『Alone With Heaven』を4月にリリースします。本作はアナログ録音への強いこだわりを持って制作され、昨年惜しまれつつ世を去ったSteve Albiniと、名匠Jack Shirleyがエンジニアリングを担当。さらにJulien Baker、Jeremy Bolm(Touché Amoré)、Evan Weiss(Into It. Over It.)といったエモ/パンクシーンの重要人物たちがゲスト参加する、破格のスケールを誇る復活作となりました。

先行シングルとして公開された「From Home They Run」は、激しい疾走感の中に繊細なメロディが息づく、彼ら真骨頂の激情サウンドです。ボーカルのAndy Maddoxは、同曲の中盤セクションについて「絶え間ない不安や抑うつを抱えて生きる者が、稀に感じる一瞬の解放感」を表現したと語っています。また、同時公開された「Hexes」はさらに強烈な熱量を放っており、活動休止期間を経てなお、彼らのエモーションがかつてないほど研ぎ澄まされていることを証明しています。

ビジュアル面においても、The CureやNine Inch Nailsを手がけてきたDaniel Dangerがアートワークを担当し、作品の持つ深遠な世界観を補完しています。楽曲とインストゥルメンタルが交錯する2枚組の構成、そして名だたるコントリビューターたちの参加。これらは単なる話題作りではなく、記憶、忍耐、そして希望を巡る壮大な物語を描き出すための必然的な布陣と言えるでしょう。

ベルギー発Feverchild、待望のデビューアルバムを発表!「取り残される恐怖」と向き合い、愛や孤独を瑞々しく描く。先行曲「Endless」を筆頭に、現代を生きる大人たちへ贈るエモの新旗手。

ベルギー・ゲントを拠点とするバンド Feverchild が、2026年3月20日にデビュー・フルアルバム『Center of the Earth』をリリースします。アルバムの表題曲で繰り返される「周りに取り残されるのが怖い」というリフレインは、大人になる過程で誰もが直面する葛藤を象徴しており、愛への渇望、孤独、そして逃れられない記憶といった本作の核心的なテーマを浮き彫りにしています。

先行シングル「Endless」はバンドの核となるサウンドを象徴していますが、アルバムの深部ではより重厚な感情の揺れが描かれています。「Forms of Falling Gently」では静かな旋律から力強いクレッシェンドへと向かう構成で緊張感を表現し、「Out of My Hands」や「Zero Gravity Hearts」では疾走感あふれるリズムと合唱を誘うコーラスを展開。最後を飾る「Turpentine」では一転してアコースティック・ギターと歌声のみの親密な空間を作り出し、作品を締めくくります。

ベルギーから届いたこの野心作は、現代のエモ/オルタナティブ・シーンにおいて極めて重要な一枚となるでしょう。取り残されることへの恐怖は時に人を怯えさせますが、『Center of the Earth』という作品は、その恐怖こそが次の一歩を踏み出すために必要な通過点であることを示唆しています。

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