LB aka LABAT & Skin On Skin – “Feel So Good Around U”

LB aka LABATとSkin On Skinによるコラボレーション・シングル「Feel So Good Around U」は、現代のダンスミュージック・シーンを牽引する二人のプロデューサーが、その独自のエネルギーを衝突させたフロア・アンセムです。LB aka LABATが得意とする中毒性の高いグルーヴと、Skin On Skinのトレードマークである無骨で破壊力のあるドリル・サウンドやハウスの要素が融合。シンプルながらも強烈なフックを持つボーカル・サンプルが、聴き手を一気に高揚感の渦へと引き込みます。

本作の魅力は、どこか懐かしさを感じさせるレイヴの質感と、最先端のサウンド・デザインが共存している点にあります。「君のそばにいると最高に気分がいい」というタイトル通りのポジティブなヴァイブスを放ちながらも、その奥底には深夜のフロアを揺らすタフでエッジの効いたリズムが貫かれています。互いの強みを最大限に引き出し合ったこのトラックは、クラブ・シーンの連帯感を象徴するような、2026年のダンス・アンセムとして圧倒的な存在感を放っています。

エモ、マスロック、そして狂気。Love Rarelyが新曲「Will」で提示する、トラウマを凌駕する圧倒的カタルシス

リーズのオルタナティブ・シーンから登場したLove Rarelyが、待望のデビューフルアルバム『Pain Travels』を今春リリースします。本作は、エモ、ポストハードコア、マスロックの境界線を縦横無尽に駆け抜ける野心作。ギターのLew Taylor自らがプロデュースを手がけ、寝室や即席の録音スペースで1年をかけて制作されました。家族のトラウマや機能不全な家庭、そして過去の傷に縛られずに大人へと成長していく葛藤を、恐れを知らない剥き出しの感情で描き出しています。

サウンド面では、複雑な変拍子やプログレッシブな構成、さらにはラジオで即通用するようなキャッチーなフックと、突発的に爆発するヘヴィネスが同居する圧倒的な密度を誇ります。アルバムの幕開けを飾る新曲「Will」は、まさにその「全部盛り」な彼らのスタイルを象徴する一曲。Alex Dixonが監督したビデオでは、ボーカルのCourtney Levittが矢を射られ、口紅まみれになるという衝撃的なビジュアルを通じて、楽曲の持つ混沌と美しさが表現されています。

また、本作は「脳を抉る」ほど強烈なインパクトを与えるカバーアートも大きな話題を呼んでいます。すでにCallous Daoboysとのツアーも決定しており、2026年のUKロックシーンにおいて無視できない存在感を放っています。これまでに発表された人気シングル「Disappear」なども収録された本作は、単なる音楽作品を超え、傷跡を力強い自己定義へと変えていくバンドの魂の証明と言えるでしょう。

Michael Cormier-O’Leary、家族の光と影を描く新作EP『Proof Enough』を発表。3部合唱で綴る「現実逃避の物語」

フィラデルフィアのアンサンブルHourの作曲や、Friendship、2nd Grade、そして金延幸子といった名だたるアーティストのドラマーとしても活躍するMichael Cormier-O’Leary。多才な彼がシンガーソングライターとしてのソロ活動を再開し、2023年のアルバムに続く新作EP『Proof Enough』を発表しました。本作は自身の伝記とフィクションを織り交ぜた全6章の「家族ドラマ」として構成されており、家庭という親密な空間に潜む複雑な力学を浮き彫りにしています。

先行シングルとして公開された「Marilyn」は、伝説的なフォーク・グループThe Rochesからインスピレーションを得た楽曲です。Cormier-O’Leary自身の声を重ねた2つのトラックに、22º Haloなどで活動するHeeyoon Wonの声を加えた3部合唱が特徴的なこの曲は、フォーク・ミュージックの伝統的な美しさと現代的な実験性を同居させています。楽曲の中心にあるのは、家庭内の不協和音から逃れるために、クレヨンの絵の世界へと没入する5歳の少女マリリンの物語です。

曲の後半(アウトロ)では、2つのメロディが半音階で行き来しながら振動するような構成が取られており、それは「調和を欠いた家族」や「ひどく不運な一日」を音楽的に象徴しています。両親もまた現実逃避を望みながらそれが叶わないという、世代間の葛藤や沈黙が重層的なハーモニーを通じて描かれています。多作な彼が、ドラムスティックをペンとギターに持ち替え、家族という普遍的なテーマに鋭く、かつ温かい眼差しを向けた一作です。

Fear of MenのJessica Weiss、新プロジェクト「New German Cinema」始動。ファスビンダーに捧ぐ暗黒のポップ宇宙

Fear of Menのフロントパーソン、Jessica Weissが、ソロプロジェクトNew German Cinemaとしてデビューアルバム『Pain Will Polish Me』をリリースすることを発表しました。バンドとしては2016年のアルバム以来沈黙が続いていましたが、今作は彼女が5年の歳月をかけ、ロンドンとロサンゼルスを拠点にAlex DeGrootと共同制作した野心作です。映画監督ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーへの瞑想をテーマに、ポップミュージックとアートハウス映画の感性を融合させた内省的な世界観を提示しています。

先行シングル「My Mistake」は、MerchandiseのCarson Coxとのデュエット曲です。当初はFear of MenのプロデュースをCoxが依頼されたことがきっかけでしたが、結果として全く異なるスタイルの「真のコラボレーション」へと発展しました。この楽曲はイタロ・ディスコの実験から派生したゴシック・クラブ・アンセムであり、愛における献身、破壊、そして解放というアルバムの核となるテーマを、restless(落ち着きのない)で強烈なエネルギーと共に表現しています。

Luke Batherが監督したミュージックビデオは、エロティシズムと悪夢の狭間を描き出しています。ダグラス・サーク作品に見られる鏡を用いたフレーミングで心理的閉塞感を表現し、疎外の象徴としてテレビを配置するなど、ファスビンダーやフランシス・ベーコンの絵画からの影響が色濃く反映されています。70年代のベルリンのアーカイブ映像と共に、アナログ放送の幽霊のように現れるCoxの姿は、逃れられない過去と「ニュー・ジャーマン・シネマ」という運動へのオマージュを視覚化しています。

リーズのポストパンクの旗手Treeboy & Arc、新作『GOOSE』を4月に発表。地下室から世界へ響く、冷徹なノイズと皮肉の美学

リーズ出身の4人組ポストパンク・バンドTreeboy & Arcが、ニューアルバム『GOOSE』を2026年4月10日にClue Recordsよりリリースします。先行シングル「Red」の公開と共に発表された本作は、10代の頃からの友情と、リーズの赤レンガ造りのテラスハウスの湿った地下室で卵パックを防音材にして磨き上げた、彼ら独自のサウンドの進化形です。アヴァンギャルドなノイズとクラウト・パンクの要素をポップな構造にぶつけ、北イングランド特有の皮肉とウィットを交えたダークな世界観を構築しています。

バンドは「個の集合以上の力」を信条とし、緻密に絡み合うギターメロディと堅牢なリズムセクションが、幻滅や損失、あるいはボブ・モーティマーへの執着といった抽象的な物語を支えています。デビュー作『Natural Habitat』では、納得がいかずに一度全編ボツにして再録音するという徹底した完璧主義を見せましたが、今作『GOOSE』でもその実験精神は健在です。EMI Northと提携した地元リーズのClue Recordsから放たれる本作は、より野心的で鋭利なサウンドを追求しています。

これまでにBBC 6 MusicやSo Young Magazineなど主要メディアから絶賛され、Parquet CourtsやShameといった強豪ともステージを共にしてきた彼ら。名匠Matt Peelと共に作り上げた新しいサウンドは、不安から超自然的な事象まで、幅広い感情のスペクトルを冷徹かつ情熱的に描き出しています。地元リーズのDIY精神を核に持ちながら、ヨーロッパツアーを経てさらにスケールアップした彼らの「今」が、この最新作には凝縮されています。

A. G. Cook – “Residue”

Charli XCX主演の新作映画『The Moment』が1月30日に全米公開されるのに合わせ、A.G. Cookが手掛けたサウンドトラックも同時リリースされます。公開された楽曲「Residue」のビデオには、Charli XCX本人が出演。サングラスをかけ、自信に満ちた足取りで倉庫へ向かう彼女の姿や、彼女と同じ格好をしたダンサーたちによる激しいパフォーマンスが描かれています。さらに、ビデオの最後にはKylie Jennerがサプライズで登場し、大きな反響を呼んでいます。

本作は公開前から異例の注目を集めており、A24史上最速のスピードでチケットが完売した限定公開作品となりました。主要都市での50以上の回がすでにソールドアウトしており、Charli XCXとAidan Zamiri監督が登壇するQ&A付き上映も大きな話題です。また、ポッドキャスト番組に出演したCharli XCXは、映画に出演したKylie Jennerの演技を「最高だった」と称賛しており、作品への期待をさらに高めています。

spill tab – “Suckerrr”

LAを拠点に活動するマルチ・インストゥルメンタリスト、spill tabが待望のニューアルバム『AngieAngieAngie』より、新曲「Suckerrr」をミュージックビデオと共にリリースしました。本作は、相手の都合のいい言葉に振り回されながらも、抗えずに自ら戻ってしまう中毒的な恋愛のループを「I’m such a sucker(私はなんてチョロいんだ)」と自虐的に描いた一曲です。Dan Lesserが監督・編集を務めたビデオでは、歌詞に込められた執着や狂気、そして抜け出せない感情の葛藤が、spill tabらしいエッジの効いたビジュアルで表現されています。

サウンド面では、彼女の真骨頂であるオルタナティブ・ポップの感性が光り、「自分のベストな計画ではないと分かっていても、愛を注いでしまう」という脆さと、相手の本心を問い詰めるような切実さが同居しています。ミニマルながらも耳に残る「I, I, I can’t let you go」というリフレインは、リスナーを彼女の私的な世界観へと一気に引き込みます。遊び心とメランコリーが複雑に絡み合う本作は、リリースを控えるアルバム『AngieAngieAngie』への期待をさらに高める、中毒性の高い先行シングルとなっています。

シカゴの奇才Rami Gabrielが放つ衝撃作『Tunderizer』。アラブの調べとインダストリアル・ノイズが家庭の深淵で交錯する

ベイルート生まれシカゴ拠点のマルチ奏者Rami Gabrielが、ソロ2ndアルバム『Tunderizer』を3月27日にSooper Recordsからリリースします。先行シングル「Majesty and Misery」の公開と共に発表された本作は、ポストパンクやインダストリアルの過激な実験性を、家庭という親密な空間へと注ぎ込んだ野心作です。ローファイなノイズ・アートやフィールド・レコーディングを駆使し、鏡を横切る影のように、精緻なソングライティングをあえて音の網目で覆い隠す独特の手法をとっています。

本作の最大の特徴は、カントリーやデルタ・ブルースから、アラブ古典音楽の「タラブ(tarab)」、さらには解体的なノイズに至るまで、あらゆる音域を自在に横断する音楽的語彙の広さです。ウードやブズクを操り、シカゴの伝説的奏者からジャズやブルースを学んだ彼だからこそ成し得た、伝統と前衛の稀有な融合がここにあります。それは抗いがたいメロディと破壊的な静電気のようなノイズが同居する、スリリングな聴覚体験をもたらします。

Rami Gabrielは、自身のプロジェクト「The Arab Blues」を率いる傍ら、Buddy Guyのようなルーツの巨匠からFire-Toolzといった実験派アーティストまで、極めて幅広い層と共演・交流してきました。Jake Karlsonが編集を手がけた新曲のビデオでも、その多層的な芸術性が視覚化されています。伝説的バンドNRBQのメンバーとの共演歴も持つ彼が、ポストパンクの感性で自身のルーツを再構築した本作は、ジャンルの境界線を軽やかに飛び越える現代のアート・ポップと言えるでしょう。

ADULT.が4年ぶりの新作『Kissing Luck Goodbye』を発表。腐敗した世界に突きつける、団結と抵抗のインダストリアル・パンク

デトロイトのエレクトロ・デュオADULT.(Nicola KuperusとAdam Lee Miller)が、前作から4年ぶり、通算10枚目となるアルバム『Kissing Luck Goodbye』を3月27日にDais Recordsからリリースします。混迷を極める現代社会を「地獄絵図(hellscape)」と称する彼らは、絶望に打ちひしがれるのではなく「戦うこと」を選択。25年以上のキャリアを経てなお、現状への怒りと危機感を剥き出しにした、極めて今日的なステートメントとしての作品を作り上げました。

先行シングル「No One is Coming」は、道徳的崩壊や政治的腐敗を痛烈に批判する力強いアンセムです。2025年初頭に書かれたという歌詞は、1年後のリリース現在、より切実な響きを持って響きます。Nicola Kuperusは、人類の幸福よりも私利私欲を優先する権力者たちの姿勢を「政治的コスプレ」と切り捨て、今まさにリアルタイムで起きている混乱に対して、強い警戒心と自立の必要性を訴えています。

この楽曲は、単なる批判に留まらず、コミュニティの結束を促す「徴兵布陣(call to arms)」でもあります。環境科学者の言葉を引用し、これからの時代に最も重要なのは「隣人を知り、互いの強みを理解し、助け合うこと」だと説いています。「誰も助けには来ない、自分たち以外は」という一節には、SNSによる分断や政治的な狂騒に惑わされず、抗議の声を上げ続け、互いに慈しみを持って団結しようという、ADULT.からの切実で希望に満ちたメッセージが込められています。

Sean Solomon – “Black Hole”

アニメーターとしても活躍するミュージシャンSean Solomonが、新曲「Black Hole」をリリースしました。本作は、彼が15歳の時に経験した薬物による精神病エピソードと入院、そしてその後の断酒に至るまでの壮絶な過去を赤裸々に描いた楽曲です。The Microphonesを彷彿とさせる剥き出しのインディー・フォークに乗せて、自身の内面や家族関係への影響を深く掘り下げています。Solomon自身が手描きしたミュージックビデオは、99枚の紙に繰り返し描き込むことで「消すことのできない過ちと成長」というテーマを表現しており、彼がこれまで発表してきた楽曲と同様に、アニメーションと音楽が融合した多層的な世界観を提示しています。

サンフェルナンド・バレーで育ったSolomonは、Elliott SmithやNirvanaといったアーティストの誠実さに影響を受け、かつてはMoses CampbellやSub Pop所属のMoaningのメンバーとしても活動していました。彼は自身の芸術を通じて、暗い過去と向き合いながらも、最終的にはコミュニティや他者との繋がりを見出すことを目指しています。『ザ・シンプソンズ』やアメコミのように、誰もが理解できる親しみやすい形式を借りながら、洗練された複雑なテーマを誠実に語りかける彼のスタイルは、孤独を感じる人々に寄り添い、共に歩むための力強いステートメントとなっています。

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