Foot Ox – “Prairie Song”

オレゴン州ポートランドを拠点とする実験的フォーク・バンド Foot Ox によるシングル「Prairie Song」は、彼らのニュー・アルバム『Topanga Canyon』の世界観を優しく象徴するローファイ/アンビエント・フォーク・トラックです。ソングライター Teague Cullen の夢や古い映画に着想を得た叙情的なソングライティングを軸に、素朴なアコースティック・サウンドと繊細で型破りなアレンジが浮遊感のあるメロディを紡ぎ出します。抽象的なイメージで描かれる詩世界と自然体の演奏が重なり合い、聴く者を穏やかな哀愁とノスタルジーへ誘う一曲に仕上がっています。

本作が収録されるアルバム『Topanga Canyon』は、Buck Meek らの住むカリフォルニア州トパンガ・キャニオンの自宅やポーチで録音された作品です。Kisser、AJJ、Pigeon Pit、iji、Lake といった友人ミュージシャンたちが一堂に会し、ほぼライブ録音形式で制作されました。風の音や鳥のさえずり、会話などの環境音までもがそのまま作品に溶け込んでおり、Foot Ox の流動的なコラボレーション精神と、特定の場所や時間で育まれた温かな友情の記憶がダイレクトに刻み込まれた味わい深いアルバムです。


Janky Bungag – “Losing Streak”

カナダ・バンクーバーを拠点に活動するシンガーソングライター Janky Bungag によるシングル「Losing Streak」は、貧困や失敗続きのタフな現実をユーモアと泥臭い美学で歌い上げるトラディショナルなオールドタイム・カントリー/フォーク・ナンバーです。給料が入ってもすぐに底をつき、家賃は滞納、空腹に耐えかねて格安食堂「Bon’s Off Broadway」に駆け込むといった等身大の困窮生活が、弾むようなアコースティック・ギターと叙情的なフィドルの調べに乗せて軽妙に描写されています。

「不幸に打ちのめされはしない、ただ連敗(losing streak)が続いているだけさ」と楽観的に笑い飛ばす歌詞には、厳しい日常を生き抜くためのタフな精神と、古いギター、愛する家族、そしてクラシック・カントリーへの深い情愛が込められています。自虐的でありながらも決して悲壮感を感じさせず、どこか愛おしく温かみのあるメロディラインと素朴なヴォーカルが、聴く者に爽やかな哀愁と前を向く元気を与えてくれる一曲です。


Sierra Ferrell – “Trying to Love You”

ナッシュヴィルを拠点に活躍するシンガーソングライター Sierra Ferrell が、2026年最初となる最新シングル「Trying to Love You」をリリースした。グラミー賞4部門受賞を果たした名作『Trail of Flowers』(2024年)以来の新曲となる本作は、Gabriel Kelly がプロデュースを担当。カントリーやオールドタイム、ニューオーリンズ・ジャズを融合させた彼女固有のスタイルをベースに、スローで妖艶な展開から Jefferson Airplane を思わせるサイケデリックかつアンセム的な高揚感へとビルドアップしていく、中毒性の高い楽曲に仕上がっている。

彼女の卓越した歌唱力と予測不能なボーカルアプローチが余すことなく発揮された「Trying to Love You」は、近年のライヴ「Heavy Petal」ツアーのセットリストでもすでに定番曲として親しまれている。伝統的なルーツ・ミュージックと現代的な感性を自在に行き来する Sierra Ferrell らしさに満ちており、ジャンルの垣根を打ち破り新たな音楽体験へと聴き手をいざなう意欲作だ。


自宅前で起きた銃撃の記録から描く生々しいアメリカーナ:DIYシーンの異才Brody Priceが、歪んだグルーヴとありのままの脆弱性を注ぎ込んだ待望のニューアルバムを解禁

DIYシーンで根強い支持を得るオルタナ・カントリーの才人Brody Priceが、Gar Hole Recordsより2026年10月9日にニューアルバム『Leaf Miner’s Daughter』をリリースすることを発表しました。前作『Win A Trip To Palm Springs』(2022年)に続く本作は、クラシックなオルタナ・カントリーを骨格としながら、歪んだギターや重厚でスローなグルーヴ、不協和音を巧みに織り交ぜた重厚なアメリカーナ・サウンドを展開。過酷な時期やアルコール依存症の苦悩を乗り越え、断酒13ヶ月を迎えた彼が、ありのままの脆弱さと不屈の精神を注ぎ込んだ感動的なパノラマ作品となっています。

そのアルバムからの先行シングルとして公開された「Breathing Again」は、テキサス州ダラスのオーク・クリフ地区にある自宅のすぐ外で起きた実録的な銃撃事件を描いた、今作の中でも際立って胸を打つ楽曲です。下降していくアコースティック・ギターの旋律が静かな瞬間に忍び寄る悲しみの反復を捉え、南部コミュニティのリアルな情景や貧困の現実を克明に浮き彫りにしています。実際の電話の音声やメディアのクリップ音声を重ねるなど実験的なアプローチも光り、緊迫感とともに強い没入感を生み出しています。

アルバム全体を通して語られる「Things fall apart and then I keep them around(物事は崩壊し、それでも私はそれを手元に残す)」というマントラが示す通り、本作は破壊から改革、そして再生へと向かう許しと和解の旅を描いています。がれきの中に美しさを見出し、生きていくことの心地悪ささえも受け入れながらバラバラになった破片を組み直していくBrody Priceの姿は、聴き手の苦痛にも静かに寄り添い、深い救いと共感をもたらしてくれます。


Brody Price – “Breathing Again”

2026年10月9日にGar Hole Recordsよりリリースされる最新アルバム『Leaf Miner’s Daughter』からの先行シングル「Breathing Again」は、Brody Priceの自宅ドアのすぐ外で発生した凄惨な銃撃事件という実体験を描いた、痛烈で強いメッセージ性を放つ楽曲です。下降していくアコースティック・ギターの旋律が、静かな瞬間に不意に押し寄せる悲しみの反復を繊細に捉えており、テキサス州ダラスのオーク・クリフ地区における日常の空気感や、貧困と隣り合わせにあるコミュニティのリアルな姿を克明に浮き彫りにしています。

あわせて公開されたミュージックビデオはBrody自身とMarleyによって制作され、楽曲の持つ深遠で生々しい世界観を映像として補完しています。崩壊のなかから再生を見出そうとする本作のテーマを象徴するように、視覚と聴覚の双方から聴き手の潜在意識へと深く潜り込み、彼が描く過酷なリアリティとそこから立ち上がろうとする柔らかな希望を印象的に描き出しています。


Orville Peck – “Too Little, Too Late”

仮面を被ったカントリー・シンガーとして知られるOrville Peckが、9月18日にリリース予定のニューアルバム『Mule』からの先行シングル「Too Little, Too Late」を発表しました。EP『Show Pony』やアルバム『Bronco』に続く本作は、Rolling Stone誌のインタビューで彼自身が「人生で最悪の1年だった」と明かすほど壮絶な依存症や人生の転換期を経て制作された、極めてパーソナルなアルバムの一端を担う楽曲です。Dan Wilsonらと共作された本楽曲は、ドゥーワップやロカビリーの要素を漂わせる躍動的なカントリー・ポップサウンドが印象的で、Emmylou Harris、Noah Cyrus、Allison Russellが参加した前作のプロローグ曲「Prologue (Eulogy of a Man Turned Mule)」に続き、アルバムの持つ多様で豊かな表現力を力強く提示しています。

同時に公開されたミュージックビデオには、SymoneやZane Phillipsなどの豪華なキャストが出演し、エネルギッシュな振り付けと華やかなスタイリングで魅せるヴィジュアルが広がっています。過去の葛藤や痛みを乗り越え、それを圧巻のエンターテインメントへと昇華させたパフォーマンスは、彼特有のシアトリカルで伸びやかなヴォーカルスタイルと見事に調和しています。今秋に控えるノースアメリカツアーへの期待を煽るとともに、暗闇を経て新たな章へと足を踏み入れたOrville Peckのタフな表現力と成熟をストレートに刻み込んだ映像作品です。


Brennan Wedl – “Let’s Be Models”

ナッシュヴィルを拠点に活動するシンガーソングライターBrennan Wedlが、セルフタイトルのデビュー・アルバムより公開した新曲「Let’s Be Models」。先行シングル「Pretty Little Fantasy」の刺激的な疾走感とは打って変わり、リラックスした雰囲気が漂う本作は、マクドナルドやラインストーンで装飾されたパンツ(bedazzled pants)といったモチーフを散りばめながら、日常の退屈さの中に潜む魔法や情熱を描いています。現代における友情のきらめきや慌ただしさを等身大のユーモアとカントリー/インディ・ロックのニュアンスを込めてポップに表現した一曲です。

Wedl自身とBlaire Beamerが共同監督を務めたミュージック・ビデオは、楽曲が持つチャーミングで少し破天荒な魅力をストレートに映し出しています。ストレスフルな日常の中でも自分らしく輝き、少し羽目を外して楽しむ人々の姿を遊び心いっぱいに描写しており、親しみやすさとセンス溢れる映像美が楽曲のレイドバックしたムードを最高に引き立てています。


Wild Pink – “500 Is The New 250 (Chapter III)”

インディ・ロック・バンドWild Pinkが、最新アルバム『Still Coming Down』から発表した先行シングル「500 Is The New 250」。MJ Lenderman本人が参加していることもあり、彼の名盤『Manning Fireworks』を彷彿とさせる寂寥感とストリートな洒脱さが漂う本作は、サイバートラックに乗って馴染みのバーに行き、スマホで賭け事をしながら一人で飲む男の哀愁を描いています。そうした脱力感あふれるストーリーテリングの一方で、豪快に鳴り響くギター・シュレッド(早弾き)が全編を力強くドライブさせており、グッと心を引き寄せるエモーショナルなギター・ロックに仕上がっています。

あわせて公開されたミュージック・ビデオは、楽曲が持つ現代的な孤独感とロックンロールのダイナミズムを鮮烈に映像化しています。虚無感漂う日常の描写とダイナミックな演奏シーンが交錯し、現代社会の歪みや切なさを漂わせながらも、Wild Pinkらしいエネルギッシュなギター・サウンドの爽快感をストレートに伝える仕上がりとなっています。


young friend – “Miracle”

バンクーバー出身のシンガーソングライター Drew Tarves によるソロプロジェクト young friend が、ニューシングル「Miracle」をリリースしました。前作『motorcycle sound effects』(2025年)で見せた親しみやすさや誠実さをベースにしつつ、本作は、まもなくリリースされるニューアルバム『New Entertainment』の幕開けを飾る楽曲となっています。今作で彼は「ノスタルジー」をコンセプトに掲げ、今この瞬間を生きることと、過ぎ去りゆく時間というより複雑な感情を表現しており、旧知のプロデューサー David Marinelli とタッグを組んで制作されました。

楽曲は、アコースティック・ギターの響きと優しいドラムビートが印象的な、アンセム感の漂うフォーク調の仕上がりで、アルバムが持つノスタルジックなトーンを美しく引き出しています。「Miracle」において young friend は、愛する人が笑顔で見つめてくれる日常のささやかな瞬間に焦点を当て、自分たちの生み出すものが時の試練に耐えうるのかというほろ苦い問いを投げかけながらも、それを祝福すべき「奇跡」として温かく描き出しています。


Ok Cowgirl – “Cruise The Town”

ブルックリンを拠点に活動するインディー・ロック・バンドOk Cowgirlのニューシングル「Cruise The Town」は、8月21日にEasy Does It Recordsからリリースされるセカンド・アルバム『Rhinestone Cowgirl』からの先行カットです。MJ LendermanやIndigo De Souzaを手がけた名プロデューサーAlex Farrarを迎えて制作された本作は、アップビートで軽快な(buoyant)サウンドが印象的なナンバー。ヴォーカルのLeah LavigneがギタリストのJohnによるリフからインスピレーションを得て歌詞とメロディを書き下ろした共作曲であり、「窓全開で暖房をつけてドライブする」ような爽快感の中に、人生のあらゆる要素をコントロールしようと必死になってしまう自分自身の手を緩め、もっと気楽に生きようとする内省的でエモーショナルなメッセージが込められています。

前作のセルフ・ディストラクションな内省から一歩踏み出し、より大きく、明るく、そして自己確信に満ちたカタルシスを描き出すアルバムの方向性を象徴するように、本曲のビデオおよびサウンドはバンド特有のダイレクトなソングライティングと豊かなアンサンブルをより鮮明に引き立てています。7月17日のUnion Pool公演や8月22日のBaby’s All Rightでのリリース記念ライブといった地元ニューヨークでのステージも控える中、彼女たちの進化と新たな音楽的冒険をしっかりと視覚的・聴覚的に提示する、解放感に満ちた爽快な仕上がりとなっています。

1 2 3 32