Aino Salto – “Poppies Forever”

スイスを拠点に活動するアーティスト Aino Salto が、ニューシングル「Poppies Forever」をリリースしました。彼女は Phoebe Bridgers や Mitski といったシンガーソングライターの叙情性と、Björk が描き出す広大な世界観から影響を受けており、独自の音楽宇宙を構築しています。緻密に構成されたトリック・トラック・ビートと詩的なリリックが融合し、一見混沌としていながらも筋の通った、彼女ならではの表現スタイルを提示しています。

本作においても、内省的な独白と実験的なエレクトロニクスの幸福な調和が大きな魅力となっています。Aino Salto が紡ぐ言葉は、狂気の中に秩序を感じさせるような独特の説得力を持ち、リスナーを彼女のパーソナルな物語へと引き込みます。スイスの静謐な空気感と、現代的なオルタナティブ・ポップの鋭さが同居した、次世代の才気を感じさせる仕上がりです。

Snail Mail – “Tractor Beam”

Lindsey Jordanによるプロジェクト Snail Mail が、ニューアルバム『Ricochet』のリリースを今週金曜日に控え、新曲「Tractor Beam」を公開しました。米人気番組『ザ・トゥナイト・ショー』でのパフォーマンスに続いて発表された本楽曲は、アルバムの幕開けを飾るナンバー。ジョーダンは今作について、重いテーマを扱いながらもどこか希望を感じさせるものにしたかったと語っており、アルバム全体のトーンを決定づける重要な一曲となっています。

「Tractor Beam」の制作において、彼女はグレッグ・アラキ監督の映画『ミステリアス・スキン』から強いインスピレーションを受けています。劇中で描かれる「エイリアンによる誘拐」を、解離性障害による「失われた時間」のメタファーとして捉え、楽曲へと昇華させました。ニュージャージー州の羊牧場で撮影されたミュージックビデオと共に、2026年のインディー・ロックシーンを象徴する、内省的でいて壮大なスケールのサウンドが展開されています。


Kristin Hersh – “Sundial”

Kristin Hershが、年内にリリース予定の新アルバムからの第一弾シングルとなる「Sundial」を公開しました。この楽曲は、チェロの低く影を帯びたアンサンブルと彼女の歌声がゆっくりと展開する、極めて静謐でアトモスフェリックなナンバーです。ミュージシャン同士が演奏を始める直前に心拍数が同調するという現象に着想を得ており、音楽を通じて結ばれた奇妙で永続的なつながりや、特定の音やテンポが雷のように突然かつての記憶を呼び覚ます瞬間を、神秘的なムードで描き出しています。

「Sundial(日時計)」というタイトルが示す通り、彼女は個人の持つ「音の物語」を、嵐のような暗闇と太陽の輝きを併せ持つ強烈な指標として捉えています。今春にはThrowing Musesとして全米ツアーを行い、秋には新作を携えてイギリス・ヨーロッパでのソロツアーを予定している彼女にとって、本作は新たな創作の扉を開く重要な一曲となりました。形を失わない記憶と、音の中に生き続ける他者との繋がりを、深みのあるサウンドで体現しています。


Julia Cumming – “Please Let Me Remember This”

Sunflower BeanのJulia Cummingが、来月リリース予定のソロアルバム『Julia』から、新シングル「Please Let Me Remember This」を公開しました。The Beach Boysの「Busy Doing Nothing」にインスパイアされたという本作は、「なぜ幸せな記憶よりも悲しい記憶の方が残りやすいのか」という問いから始まり、記憶という形のない経験を繋ぎ止めようとする切実な想いが込められています。

Juliaは、記憶における「抗えない surrender(降伏)」の感覚に魅了されており、自身の制御できない記憶の断片をヴィネット(小品)のように繋ぎ合わせることで、この楽曲を構築したと語っています。形のない一瞬の体験を、あたかも手に取れるものへと変えようとする彼女の音楽的探求は、聴き手に深い共感を呼ぶ仕上がりとなっています。

Soulwax – “Perfect We Are Not”

Soulwaxの最新トラック「Perfect We Are Not」は、ロンドンの伝説的スタジオで行われたプロジェクト「Abbey Road After Hours」から誕生しました。バンドはStudio OneからThreeまで全ての歴史的空間を一つのクリエイティブな環境として活用し、3人のドラマーを含むフルライブバンド編成でセッションを敢行。スタジオが誇る膨大なアナログ機材を駆使して書き下ろされたこの曲は、そのままアナログ盤に直接カッティングされ、同所で開催された2manydjsのセットのオープニングを飾るという記念碑的な初披露を遂げました。

現在、単独シングルとしてリリースされた「Perfect We Are Not」は、その場の即興性と熱量をダイレクトに伝えています。スタジオでの直感的かつパフォーマンス重視のアプローチが反映されたこの力強い楽曲は、彼ら自身のレーベルDEEWEEから限定12インチ盤としてもリリースされる予定です。名門スタジオの伝統とSoulwaxの革新的なダンス・ロックが融合した、まさに今の彼らを象徴する一曲となっています。


Miki Berenyi Trio – “Island Of One”

Miki Berenyi(元Lush)率いるMB3の新曲「Island of One」は、彼女が昨年Nilüfer Yanyaの楽曲「Just A Western」のラテン調のビートに魅了されたことから誕生しました。当初のインスピレーションから変化を遂げ、MB3のメンバー全員が装飾を加えることで、60年代風の軽快さと疾走感のあるギターが特徴的な、ライブセットに映えるキャッチーでエネルギッシュな楽曲へと進化しています。

レコーディングとプロデュースは各メンバーのホームスタジオで行われ、ミックスはBella UnionのレーベルメイトであるPaul Gregoryが担当しました。制作の過程で初期の構想から「程よい距離感」まで変化したという本作は、彼女たちの今のバンドアンサンブルの勢いを感じさせる仕上がりとなっています。


Squirrel Flower – “Wheels” (w/ Babehoven & Billie Marten)

Squirrel Flowerは、BabehovenとBillie Martenをフィーチャーした自身のニューシングル「Wheels」について、Dolly Parton、Linda Ronstadt、Emmylou Harrisによる1987年のアルバム『Trio』からインスピレーションを得たと語っています。

「自分の歌声を本当に輝かせられるような曲を書きたいと思っていました。最終的なボーカルテイクは、眠たげでルーズな、オリジナルの仮録り(スクラッチテイク)を使用しています」と彼女は述べています。「BabehovenのMayaとBillie Martenは、それぞれの天使のようなハーモニーをリモートで、完璧に録音してくれました。数年前にガソリンスタンドの店員から『君の車輪が地面から離れませんように(道中ご無事で)』と言われたことに着想を得ています」

このシングルに参加しているBillie Martenの他のプロジェクトや、最近のインディー・フォーク系のリリースについても詳しくまとめましょうか?

Cheekface – “Black Site”

ロサンゼルスを拠点とする3人組、Cheekfaceが7月にニューアルバム『Podium』をリリースすることを発表しました。かつて「インディー・ロック界で最も苛立たしいバンド」と評されたことを逆手に取るかのように、彼ら特有のシニカルなエネルギーを爆発させています。先行シングル「Hostile Street」では、跳ねるようなベースラインとシンセの質感が、彼ららしい「饒舌で神経質なパーティー・ロック」を最新の形へとアップデートしています。

新たに公開された「Black Site」は、カウベルの響きとサーフ調のギター、そして焦燥感のあるニュー・ウェイヴ風のベースが絡み合う、中毒性の高い一曲です。フロントマンのグレッグ・カッツは、過去の名曲のフレーズをユーモラスに引用しながら、現代社会の混沌を軽快なリズムに乗せて描き出しています。DIY精神に裏打ちされたウィットと、どこか楽観的な終末観が同居する、彼らの新境地を示す仕上がりとなっています。


The North Country – “Never Over”

The North Country の最新シングル「Never Over」は、ワシントンD.C.を拠点に活動するこのコレクティブの真骨頂とも言える、多層的なサイケ・ポップ・アンサンブルです。複雑に編み込まれたギターのレイヤーと、浮遊感のあるシンセサイザーのテクスチャが、実験的ながらも親しみやすいグルーヴを生み出しています。パンデミック以降の不確実な世界における「継続」や「回復力」をテーマに、ジャンルの境界を曖昧にする自由なアプローチが光る一曲です。

本作の聴きどころは、DIY精神に基づいた緻密なプロダクションと、ボーカルのアンニュイなメロディラインが織りなす独特のコントラストにあります。祝祭的なホーンの響きや意表を突くリズムの変化が、リスナーを飽きさせないダイナミックな展開を作り出しており、インディー・ロックの枠を超えた奥深いサウンドスケープを提示しています。日常の断片をアーティスティックな視点で切り取った、彼ららしい独創的なポップ・ミュージックに仕上がっています。


Commoner – “Last Exit”

アリゾナを拠点に活動するシューゲイザー/ポスト・ハードコア・バンド Commoner が、新曲「Last Exit」をリリースしました。本作は、昨年10月に発表されたシングル「Breach」のB面曲として公開されたものです。

昨秋に名門 Pure Noise Records との契約を果たした彼らは、レーベル移籍後初となる本格的な動きを見せています。この春には Being As An Ocean や Lagrimas とのツアーも控えており、重厚な轟音とエモーショナルなメロディが交錯する彼らのサウンドが、全米のステージでどのように響くのか期待が高まっています。


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