Dummy – “N Of 1”

高い評価を獲得した2024年作『Free Energy』に続くニューアルバム『do you love the color of the sky?』のリリースを直前に控え、先行シングル「Full Spectrum Dominance」「April Limousine」「Alluvial Fan」に続いて公開された最終先行トラックです。彼らが得意とする幻想的で星空を見上げるようなシンセサイザーとギターのドローン音景をベースにしながらも、意図的に仕込まれたキャッチーなフックと打ち打つ太いビートで全体をパワフルに牽引する、Dummyならではのダイナミズムが凝縮された一曲に仕上がっています。

ギターの Joe Trainor が「氷河のようにゆったりとしたギター・ドローンを切り取り、ジャングルにインスパイアされたリズムの文脈へ再構築するアイデアが気に入っていた。誰も聴いたことがないポップソングのリミックス・バージョンのようなサウンド」と語る通り、実験的なアンビエント/ノイズ音響と疾走感あふれるビートが見事に交差。サイケデリックな浮遊感とクラブ/ダンス・ミュージックの衝動が心地よく同居する、バンドの進化を強く印象づけるサウンドを展開しています。


Dummy – “April Limousine” / “Alluvial Fan”

ロサンゼルスを拠点に活動するバンド Dummy が、10月16日に Polyvinyl からリリースされるニュー・アルバム『do you love the color of the sky?』より、新曲「April Limousine」と「Alluvial Fan」を公開しました。アルバムのイントロダクションとして作品全体のテーマを投げかける前者は、自然の美と迫りくるテクノロジーの混沌を描いた映像とともに展開。続く「Alluvial Fan」では、2000年代アニメの世界観に着想を得たデジタル接続と自己の曖昧さを、ゲスト・ボーカル(New Issue の Allyson と Paul)を迎えた緻密なアンサンブルで表現しています。

ノイズ・ポップや実験的なエレクトロニカを軽やかに横断するサウンドは、過酷なライブパフォーマンスを経てバンドとしての脱皮を遂げたからこその説得力に満ちています。「音楽制作は楽しむものではない」という冗談交じりの言葉の裏には、妥協なく作品と向き合う真摯な情熱が込められており、緻密に練られたコンセプトを軽々と形にするクリエイティブな深化が随所に光ります。独自のアイデアを確実に作品へと昇華させる強烈な自我と表現力を証明した本作は、彼らのディスコグラフィーにおける大きな飛躍を感じさせると同時に、新作アルバムへの期待を最大限に高めています。


Anamanaguchi – “Yeah I Guess”

Anamanaguchiのシングル「YEAH I GUESS」は、SF小説家ジーン・ウルフの『新太陽の書』からインスピレーションを受けて制作された楽曲です。予測やプログラムされた反応で満ちた世界において「自己の自由意思で行動することの意味」や「自身の人生をコントロールできると気づいた際の自由の奇妙な重み」というテーマが探求されています。バンドはパンク・ミュージックが持つ人間的な感情を核にしつつ、完全なパンクでありながら完全なデジタル作品としての表現を目指しました。

制作プロセスにおいては、Game Boyで作曲されたメロディを出発点に、最初は荒々しくパワフルなパンク・デモへと仕上げられ、そこから様々なソフトウェアを駆使してサウンドを極限まで押し広げる実験が行われました。バンド自身と使用するテクノロジーという二つの相反する力を限界までぶつけることで、デジタルと肉体性が融合した唯一無二のサウンドが生み出されています。


IAN SWEET – “987”

ロサンゼルスを拠点に活動するマルチアーティストJilian MedfordによるプロジェクトIAN SWEETが、Polyvinyl Recordsからリリースされた最新アルバム『Shiverstruck』より「987」のミュージック・ビデオを公開しました。ニューヨーク滞在中の困難や混乱と真摯に向き合う中で生まれた本楽曲は、生活の散らかりや過去の痛みを抱えながらも、自分自身に優しさと理解をもって歩んでいこうとする内省的なメッセージが込められたトラックです。子どもたちと関わる仕事を通じて得た嘘のない直感と誠実さが楽曲の核となっており、胸に響くエモーショナルなサウンドが広がります。

Lucy Sandlerが監督を務めた本ビデオは、実際のスクラップ工場(ジャンクヤード)で撮影された、楽曲のコンセプトを力強く可視化した映像作品です。ひしゃげた車やがれきが積み上がるカオスなロケーションの中を、主人公が時にはしゃぎ、乗り越えながら動き続ける姿が捉えられており、まさに「散らかった現状(スクラップ)の中に美しさを見出し、前へと進んでいく」という精神性を象徴。ボブ・ベイカー・マリオネット・シアターでのソールドアウト公演やソールドアウトを記録したツアーを経て、10月から本格的な北米ツアーに挑むIAN SWEETの勢いと凛とした佇まいを印象付ける仕上がりとなっています。

Squirrel Flower – “Cleveland”

シカゴを拠点に活動するシンガーソングライター Ella Williams によるソロ・プロジェクト Squirrel Flower が、最新シングル「Cleveland」とそのミュージックビデオを公開しました。本楽曲は、先行公開された「Reelin」「Not Me」「Sick Tooth」に続くトラックであり、待望のニューアルバム『Say A Prayer To The Gods Of Getting Going』からの最新シングルとなっています。元々は自身のファミリーバンド「uncommon rat」で書き下ろされた楽曲であり、ラストベルト地域の都市が持つ不思議な磁力や気候移住の可能性、そして「恋愛よりも街を選ぶこと」をテーマにしたダイナミックなギター・ロックに仕上がっています。

あわせて公開されたミュージックビデオは、Jackson James が監督を務め、Ella の母親の発案によるコンセプトをもとに制作されました。映画『マドンナのスーザンを探して』に影響を受けたという映像は、クリーブランドへとヒッチハイクする姿から、甘ったるいアメリカの家庭的幻想を描いた夢のシーンへと展開。楽曲の持つ力強いギターサウンドと陽光あふれるスケール感を見事に映像化し、新作『Say A Prayer To The Gods Of Getting Going』への期待感を高める作品となっています。


時代のトレンドを鮮やかに一蹴――Dummyが新作『do you love the color of the sky?』で提示する、ノイズと政治的批評を飲み込んだ新たなドリームポップの未来

ロサンゼルスを拠点とするエレクトロニック・ロック/レトロ・フューチャリスト・バンド、Dummyが、名門レーベルPolyvinyl Records移籍第1弾となるニューアルバム『do you love the color of the sky?』の10月リリースを発表しました。高い評価を得た2024年作『Free Energy』に続く本作は、バンド自身とJoo-Joo Ashworthが共同プロデュースを担当。地球環境の悪化(「April Limousine」)や監視社会の常態化(「N of 1」)といった重厚な社会的テーマに踏み込みつつも、ブレイクビーツやポップな彩りを融合させた、彼らにとって最も政治的に鋭利かつ魅力的な「アンチ・ツァイトガイスト(時代の精神に反する)」作品となっています。

その到来を告げるリードシングル「Full Spectrum Dominance」は、Disco InfernoやSeefeel、Björk、さらにはマドンナの『Ray Of Light』といった多岐にわたる影響を散りばめたアグレッシブな楽曲です。ギタリストのJoe Trainorが「より重いサウンドを目指したニューメタル的な試みだったが、タンバリンを加えることでダンサブルになった」と語る通り、Deee-Liteのポップな躍動感とDeftonesのような重厚さが融合した刺激的なグルーヴに仕上がっています。

本シングルで描かれるテーマは、現代のAI技術と芸術の価値低下に対する痛烈な問題提起です。キーボーディスト/シンガーのEmma Maatmanは、テック業界の大富豪たちがAIを「全能の錬金術」のように扱う風潮(テクノ封建主義)を指摘し、全人類の知的財産や共同の成果が基本物質(Prima Materia)として奪い取られている構造を批判しています。過激な批判精神を秘めながらも、徹底したライブ活動で磨かれた抜群のバンド・アンサンブルと中毒性のあるビートで聴く者を惹きつける、彼らの創造的飛躍を象徴する強力な一曲です。


Dummy – “Full Spectrum Dominance”

ロサンゼルスを拠点にするエレクトロニック・ロック/レトロ・フューチャリスト・バンド、Dummy(ダミー)が、名門レーベル<Polyvinyl>移籍第1弾となるニューアルバム『do you love the color of the sky?』のリリースを発表し、先行シングル「Full Spectrum Dominance」を公開しました。前作『Free Energy』(2024年)に続く本作の口火を切る今作は、メンバーのJoe Trainorが「ニューメタル的な重さを目指しつつ、タンバリンを加えてダンサブルに仕上げた(Deee-LiteとDeftonesの融合)」と語る通り、重厚なビートとポップなノリが同居するアグレッシブなトラックになっています。

テーマ面では現代のAI議論や芸術の軽視に切り込んでおり、シンガー/キーボーディストのEmma Maatmanはテック業界の大富豪たちがAIを全能の「錬金術」のように扱う風潮(テクノ封建主義)を痛烈に批判しています。人類の知的財産や共同の成果(素材=Prima Materia)を吸い上げる巨大テクノロジー構造への鋭い問題提起を、骨太なグルーヴに乗せて提示した楽曲です。併せて公開されたPost Man Animation制作のミュージックビデオでも、その独特でサイケデリックな世界観を鮮烈に映像化しています。


IAN SWEET – “Wild Heart”

ロサンゼルス出身のJilian MedfordによるプロジェクトIAN SWEETが、Polyvinyl Recordsよりリリースした最新アルバム『Shiverstruck』からの注目曲「Wild Heart」。本作は、感情の解放と力強い自己肯定をテーマにした鮮烈なインディ・ロック・ナンバーです。切なくも突き抜けるようなボーカルとダイナミックに展開するギターサウンドに乗せて、「もう泣くほどの価値もない」「傷ついた心(wild heart)の鼓動を誰も止めることはできない」という切実な決別と力強い希望が歌い上げられています。

映像作家Lucy Sandlerが監督および編集を手掛けたミュージックビデオは、楽曲の持つエネルギーと胸を打つエモーショナルな世界観を印象的な映像美で展開しています。感情の混沌や内なる葛藤をリアルに捉えつつ、暗闇から抜け出して自分自身の足で前へと進んでいく力強いストーリーが描かれており、アルバム『Shiverstruck』を象徴する重要な一曲として視覚・聴覚の両面から強烈なインパクトを残す作品に仕上がっています。

Squirrel Flower – “Not Me” & “Sick Tooth”

Squirrel Flower(エラ・ウィリアムズ)は、ニューアルバム『Say A Prayer To The Gods Of Getting Going』のプレビューとして、「Not Me」と「Sick Tooth」の2曲のシングルを公開しました。この2曲は彼女の異なる音楽性を表現しており、「Sick Tooth」が歪みに包まれた疾走感のある仕上がりである一方、「Not Me」はエレガントなルーツ・ロック・バラードとなっています。「Not Me」はニューメキシコ州シルバーシティでの目覚めの際に夢からインスピレーションを得て即座に録音されたもので、書籍『Women Who Run with the Wolves』の「妥協せず自らの欲望や直感に従う」という教えや、リンダ・ロンシュタットの音楽から大きな影響を受けて制作されました。

「Not Me」のオフィシャル・ミュージックビデオでは、赤いカーテンが印象的なレトロなステージの上で、エラ・ウィリアムズが感情豊かに歌い上げる姿が捉えられています。楽曲の壮大な世界観に合わせ、手振りを交えながら時に繊細に、時に力強く表現するパフォーマンスが特徴的です。このビデオはのカウントから一気に引き込まれる構成となっており、彼女が自身の歌声を最大限に活かすためにこだわったアレンジやプロダクションが、映像の演出とも美しく融合しています。


Plato III feat. Bei Bei – Stay Sane (ELUCID Remix)

ヒップホップ・アーティスト Plato III の楽曲「Stay Sane」に、東海岸のラッパーであり、アブストラクト/アンダーグラウンド・ヒップホップ・シーンのアイコンとして絶大な支持を集める Armand Hammer の ELUCID を迎えた新たなリミックス「Stay Sane (ELUCID Remix)」がリリースされました。オリジナルが持つ世界観をさらに深く掘り下げるように、ELUCID はその独自の鋭い視点から紡がれた強烈な新リリックを注ぎ込み、楽曲にダークで緊張感のある新たな息吹をもたらしています。

このリミックスにドラマチックな美しさと豊かな奥行きを添えているのが、中国の伝統楽器である古筝(グーチョン)の奏者/コンポーザーとして知られる Bei Bei による見事なストリングス・アレンジメントです。ELUCID のエッジの効いたスピリットあふれるラップと、Bei Bei が奏でる優美でシネマティックな弦の響き、そして Plato III のオリジナルの核がスリリングに融合。ジャンルやカルチャーの境界線を鮮やかに飛び越え、混沌とした世界の中で「正気を保つこと(Stay Sane)」の切実さを描き出した、極めて芸術性の高いコラボレーションに仕上がっています。


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