テキサス出身のマルチインストゥルメンタリスト、more eazeことmari rubioにとって、2025年は多忙を極める一年となりました。Lynn AveryとのユニットPink Mustの始動や、claire rousayとの共作EP『no floor』、さらにGrumpyやFriendshipとのコラボレーションなど、休むことなく活動を続けてきました。その勢いは来年にも引き継がれ、彼女のルーツである伝統的なフォークやカントリー音楽を、近年の特徴である霞がかったグリッチ・ミュージックへと統合したソロアルバム『sentence structure in the country』がリリースされます。
このニューアルバムには、Wendy EisenbergやRyan Sawyerといった即興演奏界の精鋭たちが参加しています。先行シングル「bad friend」は、これらの多様な音楽世界が静かに、かつ親密に調和することを示した一曲です。rubioによれば、この曲は長年彼女の中にありましたが、Alan Sparhawkeとのシカゴ公演で演奏したことが再考のきっかけとなりました。伝統的な奏法に縛られず、ギターのようにかき鳴らされるペダル・スティールと、独自のエレクトロニクス設定が、楽曲のユニークな構造を解き明かす鍵となっています。
歌詞の面では、「友人に対して抱いてはいけないはずの恋愛感情」や、人とうまく付き合えず自分を「エイリアン」のように感じてしまう孤独感が描かれています。特に、テキサスで過ごした最後の数年間の対人関係における苦悩が反映されており、長年温められ変容し続けてきたこの曲には、彼女の個人的な内省が深く刻まれています。音楽的、そして精神的な「安らぎ」を求めて回帰したこの楽曲は、アルバム全体の方向性を象徴する重要な作品と言えるでしょう。
