Planning For Burial & Psalm – Split

ペンシルベニアを拠点とするThom Wasluckのソロ・プロジェクトPlanning For Burialと、ニューヨークの新鋭トリオPsalmによるスプリット・シングルが、Portrayal Of Guiltの運営するレーベルより解禁されました。スプリット作品という文化の真価を提示する本作は、互いに異なる音楽性を持ちながらも共鳴し合う2組が真摯に向き合い、力強い一つのステートメントとして創り上げた強力な作品となっています。

Planning For Burialによる楽曲「R.W.H.」は、7分間にわたり静かに熱量を高めていくスローコア〜ドローン・ロックを展開し、バンドLowの初期スローコアや後期の実験的アプローチに通じる深遠な美しさを漂わせています。対するPsalmの「The Shroud Of Want」は、スクリーモとドゥーム・メタルを融合させた咆哮が炸裂する7分超のエピックであり、圧倒的なカタルシスで聴き手を呑み込みます。不穏な空気感をじっくり紡ぐ前者に続き、激しい感情をダイレクトに爆発させる後者が絶妙なコントラストを生み出し、双方の重厚な世界観が見事に結実したスプリットに仕上がっています。


LOCKSTEP – “Solvent Sound”

ナッシュビルを拠点に活動するLOCKSTEPのニューシングル「Solvent Sound」は、間もなくリリースされる彼らの待望のデビュー・フルアルバム『I Know What I Saw』の核をなす、強烈なインパクトを持ったナンバーです。バンドが得意とする静寂と不穏な空気感、そしてすべてを押しつぶすような爆音のノイズの対比がさらに研ぎ澄まされており、無駄を徹底的に削ぎ落としたことで、一音一音の持つ破壊力が一段と増しています。彼らがこれまでのキャリアで追求してきた、重厚さとアトモスフェリックな響きが完璧な形で結実した仕上がりです。

サウンド面では、地を這うようなヘヴィでスローバーニングなリフと、幾重にもレイヤーされた緻密で分厚いギターサウンドが執拗に波及し、聴き手を圧倒します。催眠的でありながらも息が詰まるような独特の緊張感を保ちながら、楽曲は明確な意図を持ってじわじわと展開し、ダイナミックな緩急(緊張と緩和)によってリスナーを彼らのディープな世界観へと引きずり込みます。まさにLOCKSTEPというバンドの現在地を示す、最も純度の高い決定的なステートメントと言える一曲です。


Chelsea Wolfe – “Death is Not the End”

ダーク・オルタナティブ/ゴシック・ロックのカリスマ、Chelsea Wolfeがニューシングル「Death is Not the End」をリリースし、同時にミュージックビデオを公開しました。本作は、HEALTHとのコラボレーション曲「Mean」以来となる待望の新曲であり、もう一つのシングル「The Dark」と共に2曲同時にサプライズ解禁されたうちの1曲です。長年のコラボレーターであるBen Chisholmに加え、元Nine Inch NailsのギタリストであるRobin Finckや、Fiona Appleらの作品で知られる敏腕セッションドラマーのMatt Chamberlainを迎えて制作され、豪華な布陣による緊迫感あふれるアンサンブルが実現しています。

楽曲は、しなやかなピアノの音色と、「死がまるで海のようなもので、そこに自分が浮かんでいることを願い続けている」と呟く、彼女の深く実存的な探求を宿した囁き声のようなボーカルから静かに幕を開けます。しかし終盤にかけて、魂を爆発させるような重厚なムード・ロック・ギターが炸裂し、息をのむほど壮大なカタルシスへと変貌を遂げるドラマチックな構成が特徴です。楽曲の世界観をそのまま投影したミュージックビデオは、広大で瑞々しい海を舞台に撮影されており、生と死の境界線を彷彿とさせる美しくも退廃的な映像美で、聴く者を圧倒的な没入感へと誘います。

Sleep – “Have Spacesuit Will Travel”(4:20 Flexi Edit)

伝説的なドゥーム・メタルバンド Sleep の最新シングル「Have Spacesuit Will Travel (4:20 Flexi Edit)」は、バンドにとって数々の大転換点となる驚きのサプライズ・リリースです。長年バンドの核であった Matt Pike (ギター) と Jason Roeder (ドラム) が不参加という異例の体制でレコーディングされており、フロントマンの Al Cisneros (ボーカル/ベース) に加え、ギターには Bubba Dupree (Void、Brant Bjork)、ドラムには名手 Dale Crover (Melvins) という、かつて Cisneros も在籍した Shrinebuilder の繋がりを彷彿とさせる強力な新布陣が敷かれています。お馴染みの Arik Roper が手がけたアートワークとともに Third Man Records からリリースされた本作は、これまでの熱狂的なラインナップを愛するファンの間で大きな衝撃と議論を呼んでいます。

楽曲は、タイトル通りバンドの代名詞でもある「4:20」にきっちりフェードアウトするエディット版となっており、今後のフルバージョン(未編集版)の存在を期待させる仕上がりです。Matt Pike の不在という記念碑的な変化を伴いつつも、Al Cisneros 特有の重厚なボーカルと Dupree による特徴的なギターソロ、そして Dale Crover の強靭なドラミングが見事に融合し、Sleep の名に恥じないヘヴィなサイケデリック・ドゥームを展開しています。今回のリリースに併せて、コミック本の付属や米国ツアー、そして音楽フェス「Levitation」へのヘッドライナー出演も発表されており、バンドの新たなフェーズの幕開けを告げる重要作となっています。


緻密にレイヤードされたギターと、脳裏に焼き付くスローバーニングなリフの衝撃。気鋭のクリエイター陣による強烈なMVとともに、LOCKSTEPが提示する現代重音音楽の新たなステートメント

アメリカ・ナッシュビルを拠点に活動し、シューゲイズ、ドゥーム、ヘヴィロックを融合させた独自のサウンドを展開するLOCKSTEPが、2026年7月24日にProfound Lore Recordsから待望のデビュー・フルアルバム『I Know What I Saw』をリリースします。それに先駆け、アルバムからの先行シングルが、Matt MathesonとCourtney Haleが撮影・構成を手掛け、Vitor Jabourがエディットを担当したミュージックビデオとともに公開されました。

これまで2023年のEP『Arrival』や、2025年のシングル「Drag Along」といった作品のリリースを重ね、Prize HorseやGummといったバンドとのツアーで実力を磨いてきた彼らですが、今回のフルアルバム『I Know What I Saw』は、バンド史上最も焦点が絞り込まれた、完全なステートメントとなる一枚に仕上がっています。これまでの活動で培ったヘヴィネスをさらに研ぎ澄まし、余分なものを徹底的に削ぎ落とすことで、一撃のインパクトを最大化させた新境地を提示しています。

先行シングルおよびアルバムに収録される楽曲群は、圧倒的でじわじわと燃え広がるようなリフと、緻密にレイヤードされたギターサウンドが特徴で、聴き手を飽きさせることなく、催眠的でありながら息が詰まるような緊迫した世界へと引き込みます。明確な意図を持って構築された楽曲は、常に緊張と緩和の感覚を保ちながら、聴き手をその深淵へと引きずり込んでいきます。これまでのLOCKSTEPのなかで最も鮮明で、最も完成された姿がここに具現化されています。


結成20年、虚無へ捧ぐ「純度100%」の暗黒説教。ドゥーム・メタルの伝統を継承するWitchsorrowが到達した深淵。

イギリス・ハンプシャーを拠点とするドゥーム・メタル・トリオ Witchsorrowが、結成20周年を目前に控えた通算5作目のニューアルバム『The Devil And All His Works』をリリースすることを発表し、先行シングル「Bacchus」を公開しました。Black SabbathやSaint Vitusといったジャンルの先駆者たちを崇拝し、伝統的なドゥーム・メタルを頑なに守り続けてきた彼らは、今作でもその純度をさらに高め、より深く重厚な暗黒の世界を提示しています。

前作『Hexenhammer』から8年ぶりとなる本作は、長年活動を共にしたドラマーWilbrahammerの遺作であると同時に、新ドラマーScott ‘Doom’ Taylorの加入を経てさらなる深化を遂げた意欲作です。SvalbardのSerena CherryやEmployed To ServeのSammy Urwinといったゲストを迎え、パイプオルガンを導入した荘厳な楽曲から、罪と背徳を祝う「Bacchus」のようなナンバーまで、ドゥーム・メタルの伝統と独自の鋭利な感性が融合したサウンドに仕上がっています。

アルバムのタイトルと歌詞は、作家Dennis Wheatleyのオカルト本から着想を得ており、あらゆる事象に潜む「悪魔」という存在を比喩として、退廃の喜びや喪失、現実の影に潜む暗黒を多層的に描き出しています。ボーカルのNecroskullが「純粋なドゥームであることを突き詰めた」と語る通り、20年にわたりシーンの第一線で「虚無への賛歌」を捧げ続けてきた彼らの、最も魅力的で力強い説教(サーモン)とも言える作品です。


歪んだギターと神経質なビートが描き出す都市の孤独――物理的な打撃と静寂の対比によって「人間であること」を問う、Truck Violenceの新たなる実験

カナダのTruck Violenceが、2作目となるフルアルバム『The weathervane is my body』を6月26日にリリースすることを発表しました。本作は、彼らにとって新たなレーベルであるThe Flenserからの初作品となり、カナダ国内ではMothlandから発売されます。Chat Pileにも通じるノイズロックやポストハードコアの系譜を継ぐ彼らのサウンドは、先行シングル「New Jesus」でも遺憾なく発揮されており、その痛烈で容赦のない音楽性が早くも注目を集めています。

Karsyn Hendersonによれば、先行シングル「New Jesus」は、国境の南側やSNS上で進行するファシズム的な傾倒に対する憤りを込めた楽曲です。政治的な権力闘争が真実を軽視するポスト真実の文化を生み出し、それが政治だけでなく芸術の領域をも破壊していること、そしてそうした状況に対する若年層の無関心や冷笑的な態度を鋭く批判しています。Hendersonは、権力の追求が「自然の摂理」として受け入れられてしまう現状に対して、強い警鐘を鳴らしています。

また、アルバムのテーマについてHendersonは、世界という予測不可能な風の中で、私たちは不完全な存在として互いに寄り添い、何かを作り上げなければならないと語ります。失敗や不完全さの中にこそ人間らしい美しさが宿ると説く本作は、多様な叫びが重なり合う人間味に溢れた構成となっており、ノイズや不協和音の裏側にある「完璧で崇高な静寂」の重要性を提示する、極めて人間的な作品に仕上がっています。


WARNING – Stations

英国のドゥーム・メタル・パイオニア WARNING が、歴史的名盤『Watching from a Distance』(2006年)以来、実に20年ぶりとなる待望のニューアルバム『Rituals of Shame』を6月19日に Relapse Records からリリースすることを発表しました。あわせて先行シングル「Stations」の配信も開始。中心人物の Patrick Walker は、2025年1月から週7日体制で制作に没頭し、白紙の状態から本作を書き上げたと語っています。

レコーディングはイギリスのサウスポートにある築140年の元教会を改装した The Arch Studio で行われ、Chris Fullard(Idles、Sunn O)))、Ulver)が録音とミキシングを担当。Walker 自身の人生における変容の時期を反映した本作は、Marillion のような野心的な楽曲構造と、June Tabor を彷彿とさせる簡素で感情的な透明感を併せ持っています。ヘヴィな音楽の中に深い情緒を吹き込む彼ら独自のスタイルは、20年の歳月を経てさらなる深化を遂げています。

歌詞の面では、これまでの Walker の作品を一貫して特徴づけてきた「渇望」「別離」、そして何よりも「愛」というテーマが深く掘り下げられています。長年のファンにとっても、また新たなリスナーにとっても、この新作は彼の現在の感情的な風景を映し出す鏡のような存在です。2025年を通じて全身全霊で取り組んだこのプロジェクトは、単なる復活作を超え、WARNING というバンドの新たな一章を告げる記念碑的な作品となっています。


元My Dying Brideの面々が集結——新体制で挑むGODTHRYMMが、過去最高の重厚さと多様性を備えた新作の全貌を公開

イギリスのドゥーム・メタルの重鎮 Godthrymm が、Profound Lore Recordsより5月29日にニューアルバム『Projections』をリリースすることを発表しました。2023年の『Distortions』以来となる本作は、バンドにとっての「Visions三部作」を完結させる重要な位置付けとなります。あわせて公開されたリードシングル「Truth In My Own」は、フロントマンの Hamish Glencross が「アルバムで最も拳を握りしめ、ヘッドバンギングしたくなる曲」と語る通り、ストレートで重厚なヘヴィメタル・サウンドに仕上がっています。

本作はバンドのラインナップが拡大してからは初となるフルアルバムで、Hamish Glencross (G/Vo) と Shaun Taylor-Steels (Dr) のコンビに加え、キーボード兼共同ボーカルの Catherine Glencross、ベーシストの Bob Crolla、そして新ギタリストの Kris McLaughin が参加しています。また、ゲスト陣も豪華で、「Trenches Deep」には English Dogs の Adie Bailey と Xentrix の Jay Walsh が、「Endure My Skin」には元 My Dying Bride の Aaron Stainthorpe が名を連ね、サウンドの厚みをより強固なものにしています。

Hamish Glencross は、本作がバンドの内省や感情のコントラストを深く掘り下げた、最も自分たちらしい作品であると強調しています。1作目での情熱の再燃、2作目での壮大な進化を経て、今回の『Projections』では音楽的な魂の深淵へと到達したと述べています。Ash Pears が監督を務めた熱狂的なミュージックビデオとともに、ドゥーム・メタルの極致を追求しながらも、多様な感情が渦巻く野心的なアルバムとして期待を集めています。

道徳的負債を音像へと溶接し、エントロピーの深淵を歩む旅——リトアニアの異端ERDVEが、緻密なアンサンブルで綴る『精神の建築学』

リトアニアの実験的メタルバンドERDVEが、待望のニューアルバム『Epigrama』よりリードシングル「Nyra」を公開しました。この楽曲はアルバム全体の感情的・概念的な重力を象徴しており、悲嘆を一過性の反応としてではなく、未解決の責任や記憶の循環の中に個人を閉じ込める抗いがたい「力」として描き出しています。

濃密な空気感と計算されたテンポで展開する「Nyra」は、喪失と回想に関する息の詰まるような瞑想録です。唐突な攻撃性に頼るのではなく、緻密に構成された緊張感を通じて楽曲が深化していき、重厚なギターと抑制されたリズムの動きが、聴き手に心理的な圧迫感をじわじわと与え続けます。この制御された激しさは、細部まで意図的に配置されたアルバムの「感情的な建築物」としての完成度を裏付けています。

楽曲と共に公開されたミュージックビデオは、リトアニアのヨネイキシュケスにある「ヨーロッパ・パーク(Europos Parkas)」で撮影されました。Sol LeWittの『Double Negative Pyramid』やMagdalena Abakanowiczの『Space of Unknown Growth』といった記念碑的な彫刻作品群の中で展開される映像は、楽曲の持つ構造的な美学と共鳴し、視覚的にも深い思索を促す仕上がりとなっています。

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