香港系イギリス人アーティスト Eva Liu のソロプロジェクト mui zyu(ムイ・ジュー) がリリースしたシングル「時の流れに身をまかせ (Give Yourself to the Flow of Time)」は、1986年にテレサ・テンが大ヒットさせた不朽の名曲を大胆に再構築したカバー作品です。荒木とよひさ作詞、三木たかし作曲による原曲の持つエッセンスを大切にしながら、mui zyu は友人に借りたヴィンテージ・シンセサイザー「DX7」を導入し、当時のサウンドパレットを再現。さらに、レギュラー・コラボレーターの Coco Inman によるバイオリンのアレンジを施し、自身のキーに合わせて原曲より全音(2半音)下げることで、ノスタルジックでありながらも彼女のドリーミーで内省的なインディー・ポップの世界観に見事へと昇華させています。
このカバーは、mui zyu 自身のパーソナルな記憶やルーツと深く結びついています。幼少期から家族の集まりのカラオケやドライブ中に母親と大声で歌い、数々の言語で歌い上げたテレサ・テンのディスコグラフィーから多大な影響を受けて育った彼女は、自身の日本語レッスンの成果を試す意味も込めて本作に挑戦しました。「もしもあなたと逢えずにいたら 私は何をしてたでしょうか」というあまりにも有名な歌詞が紡ぐ、運命に身をゆだねる切なくも強い愛のメッセージを、彼女の儚く浮遊感のあるウィスパーボイスが優しく包み込みます。世代や国境を越えて愛され続ける名曲に、新たな息吹を吹き込んだ感動的な1曲です。
