Cid Rim – “Limbo”

Cid Rimのニューアルバム『SPRINT』から、収録曲「Limbo」のミュージックビデオが公開されました。このビデオはDave Canningが監督を務めています。楽曲「Limbo」は、「My head bangin’ against the crash cymbal.(頭がクラッシュシンバルにぶつかっていた)」というフレーズが示すように、停滞と精神的な混乱をテーマとしています。ビデオは、この出口のない状態や不安定さを、Cid Rim特有のアグレッシブなリズムと音響に乗せて視覚的に表現しています。

ビデオは、楽曲に内在する「リンボ(辺獄)」の閉塞感と、ドラムサウンドが持つ爆発的なエネルギーとのコントラストを巧みに描いていると推測されます。ジャズ・フュージョンとエレクトロニック・ミュージックが融合した推進力のあるサウンドに合わせて、映像は単調な状況から急激なカッティングや抽象的な動きへと変化し、聴き手の五感を刺激します。このビデオは、Cid Rimの音楽が持つ巧妙なリズムのプログラミングと、内面的な葛藤というテーマを視覚的に結びつけていると断言できます。

ルーアン発5人組 wavepoolが描く「逃避」の物語:DusterやCindy Leeと共鳴するスラッカー・ロック/ドリームポップの新星、デビューEP『Crayola』で現実と夢の狭間を探求

2024年に結成されたルーアン拠点の5人組、フレンチ・シューゲイザー/ドリームポップの新人wavepoolが、デビューEP『Crayola』(10月24日リリース、Howlin Banana と Luik Music)から、新シングル「Blue Moon」とそのミュージックビデオを公開しました。これは、「幽玄でメランコリックな」デビューシングル「Tiny Cowboy」に続く第2弾の楽曲となります。彼らのスラッカー・ロック・サウンドは、「決して止まらない波紋」のように広がります。

wavepoolはデビューEPを通じて、気だるいドリームポップと霞みがかったシューゲイザーが織りなす宇宙を作り上げています。このEPは、Duster、Homeshake、Cindy Leeといったアーティストの幽霊のような世界観と共鳴しながら、日常のルーティンの狭い壁から逃れるため、意味を探し、全てを捨てて旅立つ若者たちの物語を描いています。彼らの音楽は、逃げ出すことこそ生き残る道だと信じる人々に向けた、ほろ苦く、正直で、切実なマニフェストとなっています。

新曲「Blue Moon」について、バンドは「何もかもが意味をなさない瞬間についての歌であり、それこそが完全に大丈夫なのだ」とコメントしています。この曲は、不条理で少し道に迷った日常の中で、全てを理解しようとせずに「手放し」、今この瞬間を完全に生きることをリスナーに促します。彼らはこの曲が、「わずかなエレガンスを伴う、気にしないという微妙な芸術」を体現していると説明しています。

dust – “Restless”

オーストラリアのポストパンクバンド dust が、来週リリースされるデビューアルバム 『Sky Is Falling』 から、先行シングル 「Restless」 を新たに公開しました。すでに披露されている「Drawbacks」の不安感や「Alastair」の素早い美しさとは一線を画し、この楽曲はバンドの音楽的幅をさらに広げています。不安を抱かせるようなベースラインから始まり、心もとないサックスと遠く響くギターが加わるサウンドは、半覚醒状態で悩まされるような疲労と絶望感を表現しています。Justin TealeとGabe Stoveが詩的なヴァースを交互に歌い継ぐ中で、歌詞は宇宙や海といった未踏の領域に言及し、ナレーターが切望する自由を探し求めています。

バンド自身は「Restless」について、ポスト資本主義の世界の残虐行為を傍観者としてさまよう顕著な人物像を描いていると説明しています。Gabeのヴォーカルはうなだれたような、無関心で打ちひしがれた雰囲気を持ち、楽曲の終盤に向かって渦巻くようなインストゥルメンテーションの基盤を提供しています。歌詞は、苦悩、欲望、フラストレーション、そして無気力といったスペクトルにまたがり、Justinは、自分自身の苦痛に依存する相手との繋がりを失いかけています。これは、世界観を一致させることができない二人の関係性を描いており、楽曲は「終わりなき無秩序」と「自由への渇望」という普遍的なテーマを探求しています。

HighSchool – “Sony Ericsson”

オーストラリア出身のデュオ、HighSchool(Rory TrobbianiとLuke Scott)が、ハロウィーンにリリースされる予定のセルフタイトルのデビューフルアルバムに先立ち、新シングル「Sony Ericsson」とそのミュージックビデオを公開しました。ビデオは「高校最後の日」に関する不吉なナレーションで始まり、このデュオが「Dipped」に続いてティーンエイジャーのメロドラマの世界へ本格的に踏み込んだことを示しています。

「Sony Ericsson」は、神経質で細々としたニューウェーブのムードを作り出す楽曲で、多くの象徴的なバンドを彷彿とさせます。バンドはこの曲について、「現代的な繋がりが持つ奇妙な力学、人々がテキストで繰り広げるゲーム、そして一つのメッセージがどのように無限の過剰分析へと発展するか」をテーマにしていると説明しています。Rory TrobbianiがJoel Wilsonと共同監督したこのビデオは、ソフトフォーカスの映像美を通じて若き日の愛と裏切りを描き、『ヴァージン・スーサイズ』を思わせる雰囲気を誠実に実現しています。

宮崎駿の「曇りのない目」と日本の金継ぎに捧ぐ:Melody’s Echo Chamberが豪華制作陣と探求する、サイケデリック・ポップにおけるリアリズムと寓話の境界線

フランスのサイケデリック・ポップ・アーティスト、Melody Prochet が、自身のプロジェクト Melody’s Echo Chamber として、5作目のアルバム 『Unclouded』 を12月にリリースすることを発表しました。今月初めに El Michels Affair との共作 「Daisy」 で復帰を果たした彼女は、本日、魅惑的なニューシングル 「In The Stars」 を公開しました。この新作の発表は、彼女の音楽的キャリアにおける新たな、そして内省的なチャプターの始まりを示しています。

アルバムタイトルの 『Unclouded』 は、アニメーター宮崎駿の「憎しみによって曇りのない目で物事を見よ」という言葉からインスピレーションを得ています。Prochetは、自身の新しい時代について、「私の音楽は常に現実と寓話の境界に存在していましたが、生きる経験を重ねるほど、人生を深く愛するようになり、逃避する必要が減った」と語っています。そして、日本の金継ぎ(Kintsugi)のように、散らばっていた自分自身を金でつなぎ合わせたような感覚があると表現し、「ブルーアワー」への愛を持ちつつも、地に足の着いた状態を強調しています。

『Unclouded』 は、スウェーデンのマエストロ Sven Wunder との共同プロデュースおよび共同作曲によって制作されました。このアルバムには、ストリングスに Josefin Runsteen、Dina Ogon の Daniel Ogen(ギター)と Love Orsan(ベース)、The Heliocentrics の Malcolm Catto(ドラム)、そして Dungen の Reine Fiske(ギター)といった才能あるコラボレーターたちが集結しています。本日公開されたニューシングル 「In The Stars」 のミュージックビデオは、Diane Sagnierが監督を務めています。

Whitelandsがセカンドアルバム『Sunlight Echoes』を発表:Slowdiveのニール・ハルステッドも関わる制作秘話と、俳優デヴィッド・ジョンソン、オナー・スウィントン・バーン出演のMVで話題を呼ぶシングル「Glance」

ロンドンを拠点とするグループ Whitelands が、来年初頭にセカンドアルバムとなる 『Sunlight Echoes』 をリリースすることを発表しました。この新作は、昨年発表されたデビューアルバム『Night-bound Eyes Are Blind To The Day』に続く作品となります。この発表と同時に、きらめくようなインディー・ポップ・シングル 「Glance」 も公開されました。このミュージックビデオには、俳優の デヴィッド・ジョンソン(『The Long Walk』、『エイリアン:ロムルス』、『Industry』などに出演)と、女優 オナー・スウィントン・バーン(ティルダ・スウィントンとジョン・バーンの娘で、『ザ・スーヴェニール』シリーズに出演)が出演しています。

「Glance」は、天井を見つめながら、片思いの相手や元恋人が自分のことを考えているのだろうかと悩むような、感情を揺さぶる楽曲です。広大で探求的、そして破壊的な感情を表現しており、伸びやかなギターリフと情熱的なボーカルが特徴です。シンガー兼ギタリストの エティエンヌ・クアルテイ・パパフィオ は、曲の制作に行き詰まっていた時期に、ニール・ハルステッド(Slowdiveのメンバー)にアドバイスを求めたことを明かしています。その後、失恋を経験したことで曲が書けると気づいたと語ると、ハルステッドは「ああ、それならうまくいくね」と笑ったといいます。

ベーシストの ヴァネッサ・ゴヴィンデン は、「Glance」が「もしも」という感情について歌っていると説明しています。現実の空間で二人の見知らぬ人々の間に交わされる最初の「一瞥(Glance)」には、単なる魅力や欲望を超え、即座の親近感、そして安全と安息の場所を垣間見る瞬間がある、と彼女は述べています。このコメントは、曲に込められた、深い人間的な繋がりや可能性への探求というテーマを強調しています。

The New Eves – Red Brick / Whale Station

UKのバンド The New Eves は、高く評価されたデビューアルバムのリリース以来初となる新曲として、ダブルAサイド・シングル 「Red Brick」 と 「Whale Station」 を発表しました。先行曲の「Red Brick」は、切り裂くような歌詞と緊急性のあるドラムで徐々にテンポを上げ、最終的にバンドの代名詞である「ハウルのような」サウンドへと発展します。対照的な「Whale Station」は、自由連想的な歌詞が曲がりくねる、ユニークでポエティックな楽曲です。特筆すべきは、ソングライティング、演奏、プロデュース、エンジニアリング、ミキシング、マスタリングに至るまで、全工程が女性のみによって行われている点です。

「Red Brick」は、アルバム制作終了後の熱狂冷めやらぬ Rockfield Studios でのジャムセッションから生まれました。この曲は、ニューヨーク旅行についての詩をヴォーカルのVioletが即興で乗せたことがきっかけで、「アルバムからの脱却と新境地への道を開いた」画期的な楽曲とされています。この曲によってVioletは自由に表現する場を得、Ninaは初のリードギターを担当しました。アルバムリリース直後にすぐさまスタジオに入り、この曲をレコーディングしたことは、メンバーにとって「異常な」体験であったと同時に、アルバム制作というマラソンの後に「カタルシスを感じる」行為だったと振り返っています。

一方「Whale Station」は、スウェーデンの田舎でのジャムから、Ellaが「Whale Nation」という本の言葉を「まるで異言のように」読み上げたことにインスパイアされて誕生しました。当初は本の言葉を使用できませんでしたが、代わりに全員で集中的に歌詞を制作し、曲の「背骨」を作り上げました。レコーディングでは、あえてセットのプランや構造を持たず、プロデューサーのMartaの協力のもと、即興性を重視してライブ録音されました。バンドはこのアプローチを通じて「曲がなりたい形」に従い、自然な創造のプロセスを追求したと語っています。

プログレッシブ・トリオ Plantoid、セカンドアルバム『Flare』で「気まぐれ」なサウンドを再定義!先行シングル「Dozer」が示す、クラウトロックに触発されたマスロックへの意識的進化

UKのプログレッシブ・トリオ Plantoid が、セカンドアルバム 『Flare』 を 1月30日に Bella Union からリリースすると発表しました。デビューアルバム 『Terrapath』 に続き、今作もライブでバンドと共演することの多い Nathan Ridley がプロデュースを手掛けています。ドラムの Louis Bradshaw は、『Flare』制作にあたり、従来の「非常に気まぐれ」なサウンドを自覚し、「少し再定義」したと説明しています。彼らは、以前ほど直接的にプログレッシブではないとしつつも、その個性的な特徴は保持していると述べており、サウンドの意識的な進化を示唆しています。

この新作から、6分間に及ぶ楽曲 「Dozer」 が先行シングルとして公開されました。「Dozer」は、Bradshaw(ドラム)、Chloe Spence(ギター/ヴォーカル)、Tom Coyne(リードギター)の三者間の精密な相互作用を際立たせつつ、よりマスロックの領域に踏み込んでいます。バンドは、この曲が「世の中のあらゆるノイズの中で安らぎを見つけようとする感情」を体現していると説明しており、必要な時に罪悪感なく休みたいという願望が込められています。

楽曲のインスピレーションは、70年代のクラウトロックが持つモーターリックなパルスから来ています。「Dozer」は、反復的なグルーヴが進化し、制約と収縮を繰り返す中で、捻じれ、そして変化していく様子を描いています。このシングルは、Plantoidが新作で探求している、緻密な演奏技術と内省的なテーマ、そして新たなジャンルへのアプローチを象徴する一曲となっています。

Jordana – “Like That”

ロサンゼルスを拠点とするインディーポップのシンガーソングライター、Jordanaが、今秋リリース予定のニューEP『Jordanaland』から、明るくきらびやかな新曲「Like That」のミュージックビデオを公開しました。Alex LaLiberteが監督を務めたこのクリップは、非常に興味深い表現をしています。Jordanaがニュースキャスターのような人物を演じ、地元のハイプハウスを訪れてインフルエンサーのチームから最新のダンスを学ぶという設定です。

このMVの中でJordanaは、TikTokダンスという文化を揶揄しつつ、同時に彼女が考案した動きが実際に新たなTikTokダンスになり得るという、現代的な皮肉を込めた表現をしています。これは、リードシングル「Still Do」のビデオでも見られたアプローチの延長にあります。その前作では、彼女はニュースキャスターと「主権を有する市民(sovereign citizen)」を自称する女性の二役を演じていました。今回の「Like That」のビデオには自身のNGシーンも含まれており、Jordanaが「女優にはなれない」とぼやく場面があるものの、むしろ彼女の演技の才能が光る仕上がりとなっています。

Tortoise – “Works And Days”

90年代のポストロックの革新者であるバンド Tortoise が、9年ぶりとなる新作アルバム 『Touch』 をリリースします。シカゴでの幼少期のバースデーパーティーの逸話は、まさにこの待望の新作リリースがもたらす「Tortoiseのバーベキューに誰もが参加できる(比喩的に)」状態を象徴していますね。

アルバム詳細と先行イベント
アルバム 『Touch』 からは、すでに 「Oganesson」 と 「Layered Presence」 が公開されていますが、今回、新たにメロウでジャジーなインストゥルメンタル楽曲 「Works And Days」 が公開されました。Alan Peoplesが監督したこのトラックのビデオも必見です。

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