Thundercat、6年ぶりの新作『Distracted』を発表!亡き親友Mac Millerとの未発表曲やA$AP Rockyら豪華ゲストが多数集結

Thundercatが、2020年のグラミー賞受賞作以来となる待望の5thアルバム『Distracted』を、4月3日にBrainfeederからリリースすることを発表しました。今作は、前作からちょうど6年という節目の日に発売されます。制作陣には、Adeleらを手がける世界的プロデューサーGreg Kurstinをメインパートナーに迎え、Flying LotusやThe Lemon Twigsらも参加。先行シングルとして、Lil Yachtyをフィーチャーしたファンキーでレトロな質感の「I Did This To Myself」が公開されています。

客演陣の豪華さも今作の大きな見どころです。AAP Rockyの最新作に貢献するなど、互いの音楽的交流が反映された密度の高い作品であることが伺えます。

アルバムの核心にあるのは、過剰な刺激(overstimulation)と内省の間の葛藤です。Thundercatは現代の技術的「進歩」に対して懐疑的な視線を向け、かつて『スター・トレック』に憧れた宇宙旅行の夢と、カメラのアップグレードや監視に終始する現実のギャップを鮮やかに描き出しています。期待されていた未来と、実際に手にした現実との乖離を、ユーモアと失望を交えて表現した、現代社会への鋭い批評性を備えた一作です。

自宅ジャムから奇跡の再始動。Marmozetsが8年ぶりに帰還!親としての時間を経て生まれた新作『CO.WAR.DICE.』の全貌

イギリスのロックバンドMarmozetsが、2018年以来となる待望のニューアルバム『CO.WAR.DICE.』を5月22日にNettwerk Music Groupからリリースすることを発表しました。本作は、現在の世界情勢を反映しつつ「自分たちの力で世界をより良い場所にしよう」という誓いが込められた作品です。ボーカルのBecca Bottomleyは、アルバム全体を通じて、物語が希望に満ちた「ハッピーエンド」へ向かう構成になっていると語っています。

アルバム制作のきっかけとなった新曲「New York」は、意図して書かれたものではありませんでした。親となり活動を休止していたBeccaとJackの夫妻が、ある金曜の夜、ヨークシャーの自宅で即興のジャムを行っていた際に自然と生まれたものです。初めてアメリカを訪れた時の記憶をテーマにしたこのニューウェイヴ調の楽曲が、再びバンドとして歩み出す大きな原動力となりました。

「New York」は、JFK空港でシガーを吸う警察官や、タクシーから流れるTotoの「Africa」など、当時の鮮烈な情景を70年代パンクのエネルギーで封じ込めた一曲です。最初のレコード契約を勝ち取るためにマンハッタンで行ったライブの狂騒が、今の彼らのエキセントリックな感性と結びついています。8年の歳月を経て、親としての経験と初期衝動が融合した、Marmozetsの新たな章がここから始まります。

The Proper OrnamentsやUltimate PaintingのJames Hoareが贈るPenny Arcade最新作。ギターを脇役に据えた、ミニマリズムの極致『Double Exposure』

The Proper OrnamentsやUltimate Paintingでの活動で知られるJames Hoareが、ソロ・プロジェクトPenny Arcade名義での第2弾アルバム『Double Exposure』を4月17日にTapete Recordsからリリースすることを発表しました。これに合わせ、フランスのマルセイユで撮影された先行シングル「Rear View Mirror」のミュージックビデオが公開されています。

「Rear View Mirror」は、これまでの彼の特徴であった豪華なアレンジとは対照的な「レス・イズ・モア(少ないほど豊か)」の哲学を反映した楽曲です。Krautrockの先駆者たちが愛用したヴィンテージのリズムボックス「Elka Drummer One」の機械的なパルスを中心に構築されており、催眠的で骨格のみを抽出したようなリズムが、過去を振り返ることを戒めるシンプルな歌詞を支えています。

本作『Double Exposure』はギターを主役から外した初の試みであり、ミニマリズムが追求されています。フランス人ドラマーのJem-emmanuel Fatnaによるパーカッションや、Max Clapsのコーラス・ギターが繊細な彩りを添えていますが、あくまで全体の焦点は生々しく即興的なエネルギーに置かれています。移住先のフランス南部での生活が、そのデモのようなローファイな質感と、無駄を削ぎ落とした新境地へと彼を導いています。

Metronomyのドラマー、DJ、そして表現者として。Anna Priorが新作「Silence」で示す、独自のポップ・インテリジェンス

Metronomyのドラマーとして世界的に活躍する傍ら、DJやソロミュージシャンとしても独自の地位を築いているAnna Prior。彼女が、2月26日にBeat Palace Recordsからリリース予定のニューEP『Firefly』より、最新シングル「Silence」を公開しました。ロンドンのSoho Radioで自身の番組『Beat Palace』を持つ彼女らしく、ダンスミュージックの素養とポップな感性が融合した期待の一曲となっています。

本作は、ドラマーとしての卓越したリズム感はもちろん、ソロアーティストとしての彼女のアイデンティティをより鮮明に打ち出した作品です。Metronomyでの活動とは一線を画し、多くの熱心なリスナーを持つラジオ番組のホストとしての経験や、DJセットで培われたフロア感覚がサウンドに深く反映されています。待望のEPリリースを目前に、彼女が描く「静寂(Silence)」がどのような高揚感をもたらすのか、シーンからの注目が集まっています。

El Ten Eleven、結成23年目の深化。加速する時代の不安を射抜く新作『Nowhere Faster』を発表。新曲「Uncanny Valley Girl」で描くAI時代のパラノイア。

LA発のポストロック・デュオEl Ten Elevenが、通算16枚目のアルバム『Nowhere Faster』をリリースします。23年のキャリアで最も長い活動休止期間(実際には制作に没頭していた期間)を経て生まれた本作は、目的地不明のまま加速し続ける現代の「速度」への違和感や、人生の不条理な集積をテーマに据えています。今回初めて本物のストリングスやピアノを導入し、これまで以上に重層的で深みのあるサウンドパレットを展開しています。

先行シングル「Uncanny Valley Girl」は、AI時代のパラノイアを冷徹に見つめた楽曲です。長年封印していたディレイ・ペダルを復活させ、濃密なベースの壁を築き上げる一方で、Tim FogartyのタイトなドラムがSF的な不安感に確かな輪郭を与えています。また、アルバムの前半(サイドA)をエレキベース、後半(サイドB)をペダル加工したアコースティックベースで構成するなど、楽器の質感を通じて感情の重みを変化させる実験的な試みもなされています。

アルバムの終盤では、カート・ヴォネガットの小説『スローターハウス5』から着想を得た「So It Goes」などが収録され、加齢や喪失、有限な人生への向き合い方が描かれています。フレットレス・ベースにカポタストを巻くといった奇妙な音響実験を経て辿り着いたアメリカーナ風の哀歌は、加速を止めた瞬間に訪れる内省の時間を象徴しています。足元の地面が揺らぎ始めたとき、何を聴き、何に合わせて踊るのかを問いかける、彼らの集大成とも言える一作です。

Green-Houseの最新作『Hinterlands』がGhostlyより登場。細野晴臣やFFの要素を織り交ぜ、バイオミミクリーを掲げた重層的な音響で、自然と調和する理想郷を描く。

Olive ArdizoniとMichael FlanaganによるデュオGreen-Houseが、新天地Ghostly Internationalから3枚目となるアルバム『Hinterlands』を3月にリリースします。2025年のロサンゼルス山火事という過酷な環境下で制作された本作は、単なるアンビエントの枠を超え、IDMや現代音楽の要素を飲み込んだ重層的な仕上がり。環境不安や政治的な閉塞感が漂う時代において、あえて「幸福」や「喜び」という感情を肯定し、ユートピア的な理想を共有するための道具として、極めて誠実でラジカルな音楽を提示しています。

先行シングル「Farewell, Little Island」は、テクノロジーによって沈む村を描いたアニメ映画から着想を得ており、軽やかなギターサンプルが静かな美しさと悲劇の絶妙なバランスを保っています。アルバム全体では、細野晴臣の『パシフィック』を彷彿とさせる「Sun Dogs」や、ファイナルファンタジーの音楽(特にチョコボの記憶)へのオマージュを感じさせる「Valley of Blue」など、多彩な影響源が螺旋状に絡み合っています。彼らが提唱する「バイオミミクリー(生物模倣)」の概念が、オーケストラのような壮大な響きとなって結実しました。

ビジュアル面では、ヨセミテ国立公園などで撮影した風景を水滴越しに拡大したマクロ写真のアートワークを採用。これは、有機的な自然とデジタルな音響工作が交錯する彼らの音楽的な小宇宙(マイクロコスモス)を象徴しています。サニベル島での幼少期の記憶から山々の広大な景色まで、リスナーを空想の旅へと誘う本作は、驚異の念の裏にある深い憂慮さえも慈しみ、音楽によって自然界との繋がりを再生させようとする彼らの揺るぎない信念の証明です。

DehdのJason Balla、ソロ・プロジェクトAccessoryを本格始動。亡き母のピアノで綴るデビュー作『Dust』

シカゴのインディー・ロック・バンドDehdのメンバーとして活躍するJason Ballaが、ソロ・プロジェクトAccessory(アクセサリ)としてのデビュー・アルバム『Dust』を4月にリリースすることを発表しました。これまで「Wherever You Are Tonight」などのシングルを単発で発表してきましたが、ついにフルレングスの作品として結実します。本作の多くは、亡き母から譲り受け、数年間保管されていたピアノを用いて作曲され、彼のホームスタジオでレコーディングされました。

先行シングルとして公開された「Calcium」は、混迷を極める現代社会への深い洞察から生まれた楽曲です。Ballaは、ニュースから流れる苦しみや憎しみが日常の背景となっている現状に「真の絶望」を感じていた時期にこの曲を書いたと語っています。降り積もる瓦礫のような出来事の中に何らかの秩序を見出し、意味を与えようと葛藤する内面が、繊細なサウンドを通じて描き出されています。

Dehdで見せるエネルギッシュな側面とは対照的に、Accessoryではよりパーソナルで内省的な世界観が展開されています。母のピアノという極めて私的なルーツに触れながら、燃え盛る世界の中で「生きること」を問い直す本作は、Ballaのソングライターとしての新たな深化を証明しています。静かな冬の夜に寄り添うような温かさと、現代的な憂鬱が同居する、美しくも切実なインディー・フォーク作品となりそうです。

ファッション界も注目する鬼才、Lauren Auderが放つ最新アルバム。スプリングスティーンからミニマリズムまでを飲み込む圧倒的世界観

音楽とファッションの両界でカリスマ的な存在感を放つマルチクリエイター、Lauren Auderが、3月27日にニューアルバム『Whole World As Vigil』をuntitled (recs)よりリリースします。これまでにVegyn、Danny L Harle、Caroline Polachekといった最前線のプロデューサーたちと共作し、モデルとしてもGucciやCelineなどの世界的メゾンと歩んできた彼女。2023年のデビュー作に続く本作は、昨年末に公開されたマッドチェスター風のシングル「yes」に続き、彼女のさらなる進化を告げる待望のプロジェクトです。

現在公開中の新シングル「Praxis」は、インダストリアルなノイズと彼女特有のポップな感性が均衡を保つ、怒涛のサウンドが特徴です。特筆すべきは、金属を切り裂く電動ドリル音のサンプルを楽曲の核に据えている点です。彼女はこの「止まることのない動き」を、自らの哲学である「前進し続けることこそが生きる理由になる」という信念に重ね合わせ、眩い光と轟くような闇が入り混じるエモーショナルな楽曲へと昇華させました。

音楽的なインスピレーション源として、ミニマリズムの巨匠Steve Reich、独創的なポップアイコンKate Bush、そしてBruce Springsteenの名を挙げており、これら一見異質な世界をLauren Auderというフィルターを通して唯一無二の形へと統合しています。緻密に構成された音像と力強いメッセージが同居する本作は、現代の音楽シーンにおける彼女の重要性を改めて証明する、記念碑的なアルバムとなるでしょう。

エモ、マスロック、そして狂気。Love Rarelyが新曲「Will」で提示する、トラウマを凌駕する圧倒的カタルシス

リーズのオルタナティブ・シーンから登場したLove Rarelyが、待望のデビューフルアルバム『Pain Travels』を今春リリースします。本作は、エモ、ポストハードコア、マスロックの境界線を縦横無尽に駆け抜ける野心作。ギターのLew Taylor自らがプロデュースを手がけ、寝室や即席の録音スペースで1年をかけて制作されました。家族のトラウマや機能不全な家庭、そして過去の傷に縛られずに大人へと成長していく葛藤を、恐れを知らない剥き出しの感情で描き出しています。

サウンド面では、複雑な変拍子やプログレッシブな構成、さらにはラジオで即通用するようなキャッチーなフックと、突発的に爆発するヘヴィネスが同居する圧倒的な密度を誇ります。アルバムの幕開けを飾る新曲「Will」は、まさにその「全部盛り」な彼らのスタイルを象徴する一曲。Alex Dixonが監督したビデオでは、ボーカルのCourtney Levittが矢を射られ、口紅まみれになるという衝撃的なビジュアルを通じて、楽曲の持つ混沌と美しさが表現されています。

また、本作は「脳を抉る」ほど強烈なインパクトを与えるカバーアートも大きな話題を呼んでいます。すでにCallous Daoboysとのツアーも決定しており、2026年のUKロックシーンにおいて無視できない存在感を放っています。これまでに発表された人気シングル「Disappear」なども収録された本作は、単なる音楽作品を超え、傷跡を力強い自己定義へと変えていくバンドの魂の証明と言えるでしょう。

スウェーデンの新星Duschpalatset、新曲「Jag tror jag är sjuk」を公開。心震えるシャッフル・ポップの最新形

スウェーデン・ウメオ出身の4人組インディーポップ・バンド、Duschpalatset(ドゥッシュパラセット)が、ニューアルバム『Du du du du du』を4月17日にRama Lama Recordsからリリースします。先行シングル「Jag tror jag är sjuk」は、アルバムの冒頭を飾るにふさわしい、わずか2分間の疾走感あふれる「陽だまりのようなシャッフル・ポップ」です。この曲は、誰かに盲目的に恋い焦がれるあまり、自分の自由な時間も給料も、何もかもを捧げてしまいたいと願う、あまりに無力で情熱的な愛の姿を鮮やかに描き出しています。

本作は、バンドと長年タッグを組んできたプロデューサー、Henrik Oja(Säkert!などで知られる)と共に制作されました。レコーディングでは「背景にアコースティックギターを忍ばせることで全体の響きを豊かにする」といった技術的な工夫や、隠し味としてのシンセサイザー、アンビエントなフィードバック音などが重層的に重ねられています。これにより、彼らの持ち味である「きしむようなインディーポップ」に、まるで3Dのような立体的な奥行きと洗練された響きが加わっています。

アルバムタイトルの「Du du du du du」には、ダダイズム的な反復と循環の意味が込められており、口ずさむメロディであると同時に、誰かに向けられた終わりのない言葉でもあります。バンドは「自分たちを変えようとしたのではなく、同じことを続けて、より良くなった結果だ」と語ります。甘い共依存を描く曲から、成長と別れを歌う「Uman river」のような切ないナンバーまで、全8曲。かつてThe Wannadiesと共に英国ツアーを成功させた彼らが、自分たちの居場所を確信し、音楽を楽しむ姿勢を貫いた、瑞々しい傑作が誕生しました。

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