アメリカの作曲家兼プロデューサーであるTyondai Braxtonは、マルチメディア作品からオーケストラ、ソロのエレクトロニクスまで多岐にわたる音楽を手掛け、物語性を孕んだ立体的で鮮やかなサウンドスケープを構築してきました。かつてはニューヨークのマスロックバンド、Battlesのメンバーとしても活躍し、これまでにPhilip GlassやKronos Quartetといった巨匠たちともコラボレーションを重ねてきた、現代音楽シーンの重要人物です。
最新作の「Piiano」は、加工されたピアノの音色を軸に、周囲を渦巻くようなエレクトロニクスが不気味かつ未知の領域を演出する一曲です。WarpやNonesuch Recordsからリリースされた過去作『Central Market』や『HIVE1』で見せた独自の美学を継承しつつ、聴き込むほどに細部が浮き彫りになる緻密な音響設計が施されています。Four TetやTim Heckerらとステージを共にしてきた彼らしい、実験的でありながら没入感の強い仕上がりとなっています。v
