Miss Grit – “Mind Disaster”

Miss Gritが、来月リリースのニューアルバム『Under My Umbrella』から新たな先行曲「Mind Disaster」を公開しました。この楽曲について本人は、「アルバム全体の音のパレットを形作る上で、大きな助けとなった重要な曲」であると語っています。

特にインストゥルメンタル・パートへの思い入れは強く、アルバムの中で最も気に入っている演奏であることも明かされました。制作には多くの親しい友人たちが携わっており、信頼する仲間と共に作り上げたサウンドが、新作の世界観を象徴する一曲となっています。

「サイバーパンク」の熱狂を経て、Rosa Waltonが踏み出す新たな創造のステップ —— ソルフェージュのような脆弱さと大胆な野心が共鳴するソロデビュー作『Tell Me It’s A Dream』の全貌

Let’s Eat GrandmaのJenny HollingworthがJenny On Holiday名義でソロデビューしたのに続き、もう一人のメンバーであるRosa Waltonも、ソロデビューアルバム『Tell Me It’s A Dream』を6月5日にTransgressiveからリリースすることを発表しました。本作はDavid Wrenchとの共同プロデュースで、John Victor(ギター)やElena Costa(ドラム)らが参加。さらに「Prettier Things」にはJennyもゲスト参加しています。「究極の自由」を追求し、世界に溢れる美しさや野心を詰め込んだ、彼女にとっての夢を追う決意表明とも言える作品です。

ソロプロジェクトの始動についてRosaは、決してユニットから離れるためではなく、自身の感情を整理し、地に足をつけるための書き留めから始まったと説明しています。それが周囲の人々との交流や、共に音楽を作る喜びを通じて、一つの大きな形へと成長していきました。個人的なプロセスの延長線上にありながら、仲間たちとの連帯感によって彩られた、極めてポジティブな創作の記録となっています。

第1弾シングルとして公開された「Sorry Anyway」は、他人の目や既存の枠にとらわれず、自分らしく野心を追い求める姿勢を歌ったアンセム的なシンセポップです。レコーディングではあえて「投げやりで、型にはまらない乱雑さ」を楽しみ、彼女にとっての新境地となるボーカルスタイルも披露しています。Ivana Bobicが監督したミュージックビデオと共に、ありのままの自分を肯定するRosa Waltonの新たな幕開けを象徴する一曲です。

Sam Akpro & TYSON – “Wayside”

ロンドン・ペッカム出身の才気溢れるアーティスト Sam Akpro が、ソウルシーンの先駆者 TYSON を迎えたニューシングル「Wayside」を名門 ANTI- からリリースしました。絶賛された2025年のデビューアルバム『Evenfall』以来の新曲となる本作は、盟友 Finn Billingham との共同制作によるダブの要素を含んだスローバーナーです。トリップ・ホップとネオ・ソウルの狭間にある「夜の境界線」を思わせるリッチなプロダクションが特徴で、変則的なビート、重厚なベース、そして印象的なブラスの響きが、二人の交互に重なるボーカルを際立たせています。

楽曲の制作過程では、キャンバーウェルのスタジオ付近で火災が発生し、急遽リモートでの作業を余儀なくされるという予期せぬ事態もありましたが、結果としてニューヨークから届けられた TYSON の歌声が見事に融合しました。歌詞では、絶え間ない変化の中で感じる孤独や、同じ場所を堂々巡りしているような自己への苛立ちが描かれていますが、サウンド全体には催眠的で瞑想的な心地よさが漂っています。変化の連続の中で立ち止まり、自らの内面を見つめ直すような、切なくも癒しに満ちた一曲です。

Ebbb – “Home Ground”

ロンドンのWindmillシーンから登場し、現在Ninja Tuneからリリースを重ねて注目を集めているトリオ、Ebbbが新曲「Home Ground」を公開しました。バンド名こそ奇妙ですが、その音楽性は高く評価されており、数ヶ月前の「Book That You Like」に続く本作は、持続するオルガンの音色と巧みなヴォーカル・ハーモニーが印象的なミニマル・トラックです。The Beta Bandを彷彿とさせる、どこか取り憑かれたような、それでいて催眠的な心地よさを備えた一曲に仕上がっています。

ヴォーカルのWill Rowlandによれば、歌詞では「考えすぎや後悔」と、対照的に「羞恥心や自己疑念を持たず自由に生きる人物」との対比を描いているとのことです。もともと数年前にインストゥルメンタルとして書かれたものの、当時は形にならなかったこの曲ですが、最近になってゼロから再構築したことで全てのピースがはまり、「本来あるべき姿」に辿り着くことができたと語っています。

Metric – “Time Is A Bomb”

Metricが最新アルバム『Romanticize the Dive』からの第2弾シングルを公開しました。フロントウーマンのEmily Hainesは、昨今のウェルネスブームについて「死を避けられないという絶え間ない意識に対する自然な反応」と捉えており、この楽曲では「時間を止めたいと願う無力感」と「限られた生命力を最大限に使い切りたいという欲求」の間に生じる内面的な葛藤を表現しています。

現在の平穏な生活を愛していると語る彼女ですが、残された時間を個人的な損得勘定や退屈な保身に費やすつもりはないと断言しています。かつてのようなスピーカーからのダイブやクラウドサーフィングはしなくなったとしても、「『絶対にしない』と言うにはまだ早すぎる」と語り、遊び心を忘れないエネルギッシュな姿勢を楽曲に込めています。

Gia Margaret – “Good Friend”

Gia Margaretが4月にリリースするニューアルバム『Singing』より、最新シングル「Good Friend」が公開されました。本作は、声の負傷によって歌えなかった時期を乗り越え、インストゥルメンタルやアンビエントへの傾倒を経て再び「歌」へと回帰した彼女の復帰作です。Frou FrouのGuy Sigsworthと共同制作されたこの曲は、ターンテーブルのスクラッチとグレゴリオ聖歌を融合させた独創的かつ軽快なサウンドが特徴で、多忙な日々の中で大切な人のためにどう時間を作るかという葛藤を明るく描き出しています。

この曲はもともと2019年末のツアー後に書かれたもので、その後のパンデミックによるツアー中止や将来への不安に直面する中で、彼女自身のクリエイティブなプロセスに「軽やかさ」を取り戻すために発掘されました。困難な時期に支えてくれる友人たちの存在、そして音楽そのものが「良き友人」になり得ることを再確認させてくれる一曲となっています。監督Guy Kozakによるミュージックビデオと共に、彼女の新たな章の幕開けを告げる作品です。

伝説のフォーク巨匠 Michael Chapmanを指針に。Finkが最新作で体現する、年齢を重ねても枯れない『終わらぬ放浪癖』

イギリスのフォーク・トリオ Fink が、通算9枚目となるニューアルバム『The City Is Coming to Erase It All』の詳細を発表し、リードシングル「Memorise Your Senses」を公開しました。2024年の前作『Beauty In Your Wake』に続く本作は、フロントマンの Fin Greenall が拠点とするコーンウォールの風景から深い着想を得ています。7分間に及ぶ先行曲「Memorise Your Senses」は、都会の喧騒へ戻る前に心象風景を焼き付ける瞬間や、社会生活で被る「仮面」、そしてキャリアという果てなき欲望への葛藤を内省的に描いています。

本作は、1970年の Michael Chapman によるカルト的名盤『Fully Qualified Survivor』を指針に制作されました。アルバムの幕開けを飾る「Wishing For Blue Sky」は、ブリストルの郊外で世界へ飛び出す日を待ちわびていた若き日の渇望から生まれた楽曲です。かつてバックパッカーや路上演奏でヨーロッパを渡り歩いたメンバーたちの実体験が、オープンチューニングのアコースティックギターが奏でる瑞々しいサウンドの基盤となっています。

アルバム全体を通じて表現されているのは、単なるノスタルジーではなく、成熟した大人となった今も消えない「終わることのない放浪癖(ワンダーラスト)」です。彼らは、1974年当時の名盤のような「一つの物語としてのアルバム形式」を追求しており、冒頭の挨拶からインストゥルメンタルの終幕まで、好奇心を持ち続けるリスナーを旅へと誘います。家庭という安らぎの中にありながら、なお未知の世界を再発見しようとする、止まない情熱と飢えが凝縮された一作です。

Painting – “WYWAYWG” (Oh No Noh Remix)

ベルリンを拠点とするアヴァン・ポップ・トリオPaintingが、アルバム『Snapshot Of Pure Attention』の収録曲を多角的に再解釈するリミックス・シリーズを始動しました。その第2弾として、ライプツィヒの音楽家Markus RomによるソロプロジェクトOh No Nohとコラボレーションした「WYWAYWG (Oh No Noh Remix)」が、2026年3月4日にSinnbusとLost Mapよりリリースされました。MIDIロボットや磁気テープを駆使するRomは、原曲のボーカルパターンが持つ反復性に注目し、それを起点に瞑想的なトランス状態へと誘う独創的なリミックスを完成させています。

原曲の「WYWAYWG」は、テクノビートに乗せて3人の声を重ね合わせるラップ的なアプローチから生まれた楽曲であり、ニューウェーブ風のベースやサックス、さらにはBillie Eilishにインスパイアされたシンセラインが複雑に交錯する野心作です。歌詞の一節である「Snapshot of pure attention(純粋な注目のスナップショット)」はアルバムのタイトルにも採用されており、私たちの内側と外側に存在する無数のアナログ・デジタルな現実への知覚を象徴しています。今回のリミックスは、そうしたPaintingの多層的な世界観を、Oh No Noh特有のポストロックやインディートロニカの質感で鮮やかに描き直したものとなっています。

『ストレンジャー・シングス』最終章を経て次なるステージへ。実験的ヴォコーダーとベッドルーム・フォークが交錯する、Maya Hawke渾身の4thアルバムが始動

『Stranger Things』最終シーズンのリリース直後、そして『Hunger Games』シリーズへの参戦を控えるなか、Maya Hawkeが新曲「Devil You Know」と共に帰ってきました。この曲は、近日発売予定の4枚目のアルバム『Maitreya Corso』の幕開けを飾る一曲です。Laurie Andersonの「O Superman」を彷彿とさせるヴォコーダーと、弾むようなラップ調のヴァースが交互に現れ、ピアノと手拍子によるベッドルーム・フォークのサウンドがそれらを支えています。

新曲についてMaya Hawkeは、「創造のプロセスから野心や強欲を排除しようとすることについて歌ったもの」だと明かしています。アルバム全体としても、毒されるものから大切なものを守る方法を学ぶことがテーマとなっており、プライドから創造を、支配から愛を、そして嫉妬から共同作業を守るという彼女の強い意志が込められています。

今作『Maitreya Corso』は、パートナーであるChristian Lee Hutsonと共に書き上げ、録音した2枚目のアルバムであり、マルチ奏者兼プロデューサーのBenjamin Lazar Davisとも再びタッグを組んでいます。仏教にインスパイアされたアルバムタイトルや実験的なサウンドを持つこのシングルは、明晩開催される「Tibet House Benefit」への出演を控える彼女にとって、最高のプロモーションとなるでしょう。

CATSINGTON – “many gears ago”

ロサンゼルスを拠点とするバンド CATSINGTON が、近日リリース予定のアルバム『don’t be embarrassed』より、新曲「many gears ago」のミュージックビデオを公開しました。ボブ・フォッシー監督の映画『All That Jazz』(1979年)の映像をフィーチャーしたこのビデオは、バンドが奏でる「思わず微笑んでしまうような、あるいは少し眉をひそめて考え込んでしまうような」ドリーミーなサウンドと見事に共鳴しています。ソングライターの Jeff Katz を中心とした4人編成による、繊細で万華鏡のようなアンサンブルが、視覚と聴覚の両面から独特な浮遊感を作り出しています。

歌詞の面では、時を経て変化していく「心の歯車(gears)」をメタファーに、自己愛と「他の誰かになりたい」という切実な変身願望の矛盾が描かれています。「ステージの上で隠れる方がずっと楽だ」という一節は、映画の煌びやかさと虚無感の対比を象徴しており、自分自身を忘れたいと願いながらも、大切な誰かを忘れられず、自分を変えてほしいと請う人間の脆さが浮き彫りになります。Jeff Katz によるプロデュースと Will Evans によるマスタリングが、この内省的でどこか演劇的な物語に、現代的で温かみのある響きを与えています。

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