Frau Lehmann – “Die Alte Leier”
FRAU LEHMANN のニューシングル「Die Alte Leier」(古い常套句)は、文字通りバンドのファンにとってはよく知られた、何度も演奏されてきた楽曲です。ヴォーカリスト兼作詞家の Fiona Lehmann が、17歳の時にバーデン=ヴュルテンベルク州の「亡命地」にある自室で書いたもので、彼女曰く「このような曲を書くことが可能な唯一の年齢」で生まれたものです。発表までに10年の歳月と多数のライブバージョンを経て、ついにこの曲はリリースに最適なアレンジと形を見つけ、セカンドシングルとして特別に世に出されました。
このカルテットは、先にリリースされたシングル「DLF Kultur will dass wir brennen」の音楽的路線を継承していますが、「Die Alte Leier」では反抗、パンク、切迫感といった要素が歌詞により強く現れています。一方で、穏やかなギター、正確に配置された木琴(Xylofon)、そしてハーモニカが、歌詞の持つメランコリーに加えて慰めを与える、ほとんど陽気な空間を切り開いています。これにより、楽曲は内包するパンク的な精神と、聴き手を包み込むような温かいサウンドのコントラストを生み出しています。
Arms and Sleepers & aLex vs aLex – “get it, never (alt)”
Arms and Sleepers と aLex vs aLex による新しいコラボレーショントラック「get it, never (alt)」が、Future Archive Recordings から2025年11月5日にリリースされました。Arms and Sleepersは、ボストンのMax Lewisによるエレクトロニック/ダウンテンポ・プロジェクトであり、その感情的でシネマティックなサウンドスケープで知られています。一方、aLex vs aLexについては具体的な情報が少ないですが、このコラボレーションは、両者のポストロックやエレクトロニカの境界線を探る、内省的でテクスチャ豊かな音楽的対話を提供していると推測されます。
この楽曲は、レーベルFuture Archive Recordingsからのリリースとなります。このレーベルは、アンビエント、エレクトロニカ、ポストロックといったジャンルを中心に、革新的で感情的なサウンドを持つアーティストを数多く擁しています。タイトルに「(alt)」とあることから、「get it, never」という曲のオルタナティブ・バージョンまたはリミックスである可能性が高く、オリジナル曲とは異なる新しいアプローチや雰囲気を探求していると見られます。両者のファンにとって、このトラックは彼らの音楽的世界観を広げる重要な作品となります。
Agassi – “My Favourite Batman”
イギリス人シンガーの Ben Galliers(The Voo)とドイツ人プロデューサーの Mark Tavassol(Wir sind Helden)が、庭のフェンス越しというパンクらしからぬ出会いから、5人組のポストパンクバンド Agassiを結成しました。彼らの音楽は、「無礼で、感情的で、直接的」であり、無政府主義的でありながら善良な若者の側面も持ち、ドリーミーなインディー要素も併せ持っています。彼らのサウンドは、英語で歌われる「Neue Deutsche Welle(ノイエ・ドイチェ・ヴェレ)」とも形容されます。バンドのテーマは、「方向性の定まらない若者の姿」であり、「Tell me what to say and I’ll shout it」というフレーズが象徴するように、模倣や自己抑制の時代を表現しています。
公開された歌詞には、方向性を持たない若者の内面と日常が詳細に描かれています。「East end」の洗濯洗剤の匂いがする薄暗い部屋、Jason Stathamのポスター、そしてベネチアンブラインドで閉ざされた窓(隠すものは何もないにも関わらず)といった情景が並びます。主人公は、「ビール腹は誕生日スーツでしか見えない」ような控えめな人物であり、マルセイユでの経験にも関わらず「言うべきことをもっと持っていると思っていた」と内面の空虚さを抱えています。「Eavesdropper(盗み聞きする者)」というフレーズが繰り返され、彼は「真実などない」「何を言うべきか教えてくれれば叫ぶ」と、自己の意見の欠如と模倣性を告白します。カフェでの日常や、職場の人間関係(「Michelle at the office doesn’t like him」)に気を使いながら、「Cardboard life(段ボールのような人生)」を送る姿は、現代社会の不安と適合の物語を鮮明に描き出しています。
オーストラリア・サーフコースト発のガレージロック Sargent Baker:多作な活動を経て新作LP『Loose Ends』からの先行シングル「Gotta Be The One」を公開
オーストラリア、ビクトリア州のサーフコーストを拠点とするガレージ/ロックバンド、Sargent Bakerは、次期LP『Loose Ends』(2026年1月16日リリース予定)からの先行シングルとして「Gotta Be The One」をリリースしました。この楽曲のビデオはIndiana Flexmanが撮影・編集を担当しています。バンドは、Rob Voss、Zach Brady、Lachie Thomas、Yuji Fergussonという4人の親友で構成されており、2022年の結成以来、地元シーンで急速に地位を確立してきました。
Sargent Bakerは結成からわずか数年ながら、既に2枚のフルアルバムと多数のシングルをリリースしており、その多作ぶりが際立っています。彼らは絶え間ないサウンドの変化と実験を続けており、特に直近のLP『Full Fist of Living』(2025年1月リリース)は、バンドが結成以来追い求めてきたサウンドだと表明しています。この積極的な創作活動と進化への意欲が、彼らの音楽の魅力の一つとなっています。
彼らは自身のヘッドラインショーを行う一方で、オーストラリアのトップクラスのバンドとの共演も多数経験しています。Spiderbait、The Southern River Band、CIVIC、The Pretty Littlesなど、国内有数のバンドのサポートアクトを務めてきたことは、ライブバンドとしての高い実力と、オーストラリアのロックシーンにおける確固たる存在感を証明しています。
友情が生んだ音楽の奇跡:Euphoria AgainとDogwood Talesがエゴを手放し、8人編成のライブレコーディングで制作したコラボ・アルバム『Destination Heaven』
Euphoria AgainとDogwood Talesは、コラボレーション・アルバム『Destination Heaven』を2026年1月7日にBorn Losers Recordsからリリースすることを発表しました。これに先行して、ファーストシングル「Destination Heaven」が公開されています。ハリスンバーグとフィラデルフィアという異なる環境を拠点とする両バンドですが、音楽を通じて深い理解とアイデンティティを共有していることが、このプロジェクトの核となっています。
このアルバム制作は、当初、スプリットの収録と、いくつかのコラボレーション・ヴォーカルやギターソロを計画する程度でした。しかし、熱い8月の週末にシェナンドー渓谷で合流すると、それはすぐに8人編成のライブバンドへと発展しました。彼らは事前の準備がほとんどない状態で、メロディやアレンジをその場で学び、形作り、そして即座に一斉に録音するという、本能的なプロセスを経て全曲を完成させました。
このレコードは、友情と人々を結びつける楽曲を祝福するためのものです。制作に携わったバンドメンバーは、「心から信頼し、深く尊敬する人々」であり、彼らとの特別なプロセスを通じて、エゴを十分に手放すことで初めて全体像(big picture)が本当に浮かび上がってくることを実感したと述べています。このアルバムは、彼らが音楽と人生において共有する、かけがえのない関係性の証となっています。
人生の変化と自然との和解:Natalie Jane Hillがニューアルバム『Hopeful Woman』で描く、人間のスケールで築かれた賢明で人道的な希望
テキサス出身でノースカロライナ州在住のシンガーソングライター、Natalie Jane Hillは、ニューアルバム『Hopeful Woman』を3月6日にDear Life Recordsからリリースします。このアルバムは、人間が自然の荒野と都市、部屋の模様替えと窓を開ける行為、そして自然災害といった等身大の出来事と和解しようと試みる、細やかで人生のスケールに合わせた楽曲群で構成されています。「Into the current of life I will fly, / Changing and loving and growing and trying」と歌われるように、嵐が通り過ぎる間も、静かな観察と内省を通じて、成長と適応が体内で代謝されていく様子が描かれています。
アルバムは、故郷テキサス州ロックハートと現在の居住地であるノースカロライナ州西部で、ライブ形式で二部構成で録音されました。Hillは、Edith Frostの録音を思わせるニュアンスと繊細さに満ちた、小規模ながら集中的なアンサンブルを起用しています。特に、マルチインストゥルメンタリストのパートナーであるMat Davidson(マンドリン、ペダルスチール、フルート、フィドルなど)の貢献は際立っており、先行シングル「Never Left Me」では痛切なペダルスチールが響き渡ります。Hillのヴォーカルは、Hope SandovalやKaren Daltonを連想させつつも、より人間的で丈夫で、大地に近い力を持っています。
「Never Left Me」を含むこの作品全体は、希望が無謀な豊饒さではなく、嵐が去るのを待ちながら一歩ずつ測られたステップの中で根付き、成長するという思想を表現しています。「And I know through time we’ll give and we’ll let go, / And I know this time I’ll give and I’ll let go」と歌うHillのメッセージは、時間の経過と共に与え、手放すことへの受容を示しています。このアルバムが描くのは、人間のスケールに合わせて精巧に築かれた、賢明で人道的な希望です。
Kiwi Jr. – “Hard Drive, Ontario”
トロントのバンド、Kiwi Jr.が、約3年ぶりとなる新曲「Hard Drive, Ontario」を発表しました。テンポや拍子が変化するこのシングルは、最初は少し戸惑うかもしれませんが、すぐに耳から離れなくなる強烈な中毒性を持っています。
作詞のきっかけについて、ジェレミー・ゴーデットは「どこかの未舗装の道の脇にある納屋に書かれたWi-Fiパスワードを見たとき」だったと語っています。この曲は、「もはやどこか別の場所でやり直すことはできないこと、そして私たちがインターネットによっていかに束縛されているか」を描いています。歌詞は、都会の人間が田舎暮らしを装おうとする若者たちの物語を語りますが、ガソリンが切れて道で悪い人たちに出会うという、ホラー映画のような結末を迎えます。楽曲のリリースと同時に、架空のHard Drive Ontario社のコマーシャル風ビデオも公開されています。
Kisses – “Butterfly Eyes”
メルボルンを拠点とするLo-Fiフォーク・ドリームポップバンド Kisses が、bedroom suck records からニューシングル「Butterfly Eyes」をリリースしました。歌詞は、「道の端の塵の中で、通り過ぎる人々の中」で「蝶の瞳(butterfly eyes)」を持つ「あなた」を生かそうとする儚い命への試みを歌っています。また、「駅に座り、夕食を待つ間、あなたが川に石を投げ入れるのを見た」といった日常的な光景を通じて、叙情的で内省的な雰囲気を醸し出しています。
楽曲の後半では、「あなたが目を覚ましている間に、私はまだ眠っている」が、「あなたは私の夢の中にいる」と歌われ、現実と夢の境界、そして片方だけが見ている世界への憧憬が表現されています。「子守唄(lullaby)」や「あなたの人生」を求めてほしいと願うフレーズは、愛と保護、そして親密な繋がりへの深い希求を示唆しています。
Romy – “Love Who You Love”
The xxのメンバーであるRomyは、2023年のデビュー・ソロアルバム『Mid Air』を締めくくる「象徴的な最終章」として、ニューシングル「Love Who You Love」をリリースしました。このトラックは、2020年から手がけられていたもので、BloodPopとバンドメイトのJamie xxがプロデュースを担当しています。楽曲には、Jamie xxの影響が感じられるテクスチャ豊かなハウスビートが特徴的に鳴り響いています。Romyは、これを「誇り高きクィア・ラブソング」だと述べています。
Romyは、LGBTQ+コミュニティにとって愛を公然と示すことが依然として困難な課題である世界において、この曲が愛を祝福し、変化を求めることが重要だと感じています。彼女は、クラブカルチャーを通じて出会った友人やロールモデルから勇気を得てきた経験を明かし、「誰もあなたから愛を奪うことはできない。それはあなたのものだ」というメッセージを込めています。この楽曲は、コミュニティが信じられないほどの挑戦に直面しても団結し、立ち直ってきた歴史に敬意を表する、可視性とプライドのラブレターとなっています。
Charlotte Day Wilson – “Selfish”
カナダを代表するインディー・ポップ/R&Bのアーティストであるシャーロット・デイ・ウィルソンが、新シングル「Selfish」をリリースしました。この曲は、夏にリリースされたOuriとのコラボ曲「Behave !」に続くもので、クリアで推進力のあるサウンドが特徴であり、曲中に散りばめられた言葉のないメロディは「Tom’s Diner」を彷彿とさせます。
ウィルソンは「Selfish」について、「楽に完成した曲の一つ」だと述べています。「私自身と、Saya Gray、Ace G、Braden Sauderの間で、純粋で協力的な安らぎをもって、合計約3時間で出来上がりました」と語っています。Saya Grayがピアノでコードを弾き始めた瞬間、「曲がどこへ向かっているのか直感的にわかった」そうで、「ソングライターとして夢見るような、疑問がなく、答えだけがある瞬間でした」と制作過程の喜びを語っています。
