ベルファストの異才Chalk、待望のデビュー作を3月発売。紛争の影とダンス・パンクが交錯する『Crystalpunk』。北アイルランドの次世代を象徴する、2026年ポストパンク界の最重要盤。

ベルファストを拠点とする Ross Cullen と Benedict Goddard の二人組、Chalk がデビューアルバム『Crystalpunk』を3月13日に ALTER Music からリリースします。彼らは映画学校で Gilla Band のポスターをきっかけに意気投合し、2022年の結成以来、インダストリアル、ダンス、パンクを融合させた独自のサウンドで急速に支持を広げてきました。本作は、DIY Magazine の「Class of 2026」に選出されるなど、今最も注目される彼らの集大成となる一作です。

アルバムのタイトル曲『Crystalpunk』は、紛争の傷跡が残る北アイルランドで育った彼らの青春時代の混乱、レジリエンス(回復力)、そして複雑なアイデンティティを反映しています。「このレコードは、混乱と断片化した自己を継承した世代のために旗を振るもの」と語る通り、過去の対立に加担するのではなく、活動家やパンク、レイバーたちが作り上げてきた土壌から「未来を選択する」という強いメッセージが込められています。

ライブバンドとしての実力も凄まじく、先行シングル「I.D.C.」に見られる凶暴なエネルギーは、深夜のウェアハウス・パーティーからアリーナまでを揺るがすパワーを秘めています。すでに IDLES や Fontaines D.C. とのツアーや、Glastonbury を含む世界11カ国でのパフォーマンスで熱狂的なファンを獲得しており、2026年は SXSW 出演や過去最大規模の英愛ツアーを経て、さらなる飛躍を遂げることが期待されています。

ナント発 Swirls、3月発売の新作『Surge』より「Neverland」を公開。スラッカー・パンクの気だるさと成長の衝動が交錯する意欲作

フランス・ナントを拠点に活動するスラッカー・パンク4人組 Swirls が、2026年3月6日にリリースされるニューアルバム『Surge』から、新曲「Neverland」のミュージックビデオを公開しました。本作は Howlin Banana と À Tant Rêver du Roi からのリリースとなります。前作『Top of the Line』(2024年)の無邪気さと、成長への衝動の狭間で揺れる感情を描いたこの曲は、アルバム制作過程で最初に生まれた重要な一曲です。

サウンド面では、ルーズなアルペジオギターが人生の危うさを描き、ブリッジでのベースソロや落ち着きのないドラム、そして消え入りそうなボーカルが、アイデンティティの混乱や「大人になることへの拒絶」を見事に表現しています。ビデオもまた、ストーリーを語るのではなく、時間を止めたような親密な空気感を提示。オーストラリアのパンクシーンや Parquet Courts に通じるラフな美学を継承しつつ、より鋭く、自覚的な進化を遂げた彼らの現在地を映し出しています。

2022年の結成以来、「スタイルを持って、努力しすぎずに騒音を鳴らす」ことを信条としてきた彼らですが、新作『Surge』ではその即興性を失うことなく、より研ぎ澄まされたエレクトリックな響きを追求しています。性急なインパクトよりも、余韻や感覚を重視した「Neverland」は、リスナーを静かに没入させる「心の状態」そのもの。スラッカー・パンクの気だるさと、ガレージ・ロックの熱量が同居する、2026年注目のインディー・アンセムと言えるでしょう。

Ulrika Spacek – “Picto”

Ulrika Spacekが、2026年2月6日にリリースされるニューアルバム『EXPO』からの最新シングル「Picto」のオフィシャル・ビデオを公開しました。メンバーが「再びコレクティブとして活動できる喜びを感じた」と語る通り、本作は個人の表現に固執するのではなく、集団での芸術制作を讃える内容となっています。レコーディングの初期段階からスタジオでの「楽しさ」に満ちていたこの曲は、バンドに新鮮な活力を与え、歌詞にある通り「新たな領域(new terrain)」を切り拓く象徴となりました。

サウンド面での大きな特徴は、アウトロにAI技術を採用している点です。フロントマンであるRhysの声をAIで女性の声へと変換させるなど、実験的な試みが取り入れられています。この楽曲制作を通じて、バンド内には今後の音楽制作に対する大きな楽観主義が生まれました。自分たちの限界を超え、テクノロジーと集団の創造性を融合させた「Picto」は、新生Ulrika Spacekの幕開けを告げる重要な一曲に仕上がっています。

The Family Men – “Solving The Light Issue”

The Family Menが、最新シングル「Solving The Light Issue」をリリースしました。前作「Calamity」の興奮も冷めやらぬ中で発表された本作は、彼らの真骨頂である「Total Harmful Sound(完全なる有害なサウンド)」をさらに別の角度から追求した意欲作です。

サウンド面では、ザラついた無骨な質感(グリッティ)と、思わず体が動くようなダンスミュージックの要素が絶妙なバランスで融合しています。その力強い音の配合は中毒性が高く、一度聴けば何度も繰り返し再生したくなるような、彼らの底知れない魅力を放つ一曲に仕上がっています。

Holy Fuck、通算6作目のニューアルバム『Event Beat』を発表。一切の妥協を排し、生のビートと即興性にこだわった渾身の全11曲

カナダの4人組エレクトロ・ロック・バンド、Holy Fuckが、待望の6枚目となるニューアルバム『Event Beat』を2026年3月27日にリリースすることを発表しました。ブライアン・ボーチャード、グラハム・ウォルシュら不動のメンバーで構成される彼らにとって、通算11曲の新作を携えた、エキサイティングな帰還を告げる一作となります。

本作の最大の特徴は、バンドが結成以来貫いてきた「Holy Fuck流」の制作スタイルにあります。クリックトラックやループといったデジタルな制約を一切排除し、即興演奏と生のパーカッションを重視。全曲の作曲、プロデュース、ミックス、演奏のすべてをメンバー自身が手がけ、あらゆる音の要素を可能な限り「ライブ」な状態でパッケージすることに心血を注ぎました。

「すべてのビートに人間の体温(human touch)を感じてほしい」というバンドの願いが込められた本作は、緻密でありながらも予測不能な躍動感に満ちています。デジタル全盛の時代にあえて生の感触を追求した『Event Beat』は、彼らが長年のキャリアで磨き上げてきた、スリリングで肉体的なサウンドの到達点と言えるでしょう。

Total Controlのボーカルが新バンドStation Model Violenceを始動。Buz (R.M.F.C.)らと紡ぐ、伝説的パンクCrisisの血統と「田園的サイケデリズム」が交錯する濃密な衝撃作。

オーストラリアのパンクシーンを代表する Total Control、Den、R.M.F.C. のメンバーが集結した新たなスーパーグループ、Station Model Violence が始動しました。セルフタイトルのデビューアルバムの発表にあわせ、先行シングル「Heat」が公開。情熱と鋭いフォーカスが同居するこの楽曲は、シーンの重要人物たちが再び手を取り合ったことで生まれた、圧倒的な推進力を感じさせる仕上がりです。

中心人物の Dan Stewart は、今作のインスピレーションの源として、Iggy Pop が Neu! のサウンドを「田園的なサイケデリズム」と評したエピソードを挙げています。2019年末の日本ツアー以来、パンデミックによる長い停滞期を経てシドニーへ移住した彼は、自身の血管に沈殿した静滞を打ち破るべく新バンドを結成。かつて断念したプロジェクト KX Aminal の楽曲を吸収しながら、盟友たちと共にこの新たな「獣」を創り上げました。

アルバムの制作には1年の歳月が費やされ、Mikey Young がミキシングを担当。伝説的なパンクバンド Crisis を彷彿とさせる緊張感と、複雑に重なり合う音像が特徴です。シングル「Heat」は、ココナッツの香りと生々しい汗の匂いが漂うような、彼ら独自の美学と音楽的野心が結晶した一曲となっており、2026年のオルタナティブ・シーンにおいて大きな注目を集めています。

ライブ未経験でRough Tradeと契約したLAの異才、The Sophsが3月13日にデビュー作を発売。タイトル曲「GOLDSTAR」は、ラテンの熱量と凶暴な衝動が炸裂するポストパンクの新境地。

ロサンゼルスの6人組バンド The Sophs が、名門 Rough Trade Records より待望のデビューアルバム『GOLDSTAR』を2026年3月13日にリリースすることを発表しました。ライブ未経験のままデモをレーベル首脳陣に送りつけ、その才能だけで契約を勝ち取ったという異例の経歴を持つ彼らが、世界ツアーを経てついにその全貌を明らかにします。

アルバムのリリース発表にあわせ、タイトル曲「GOLDSTAR」が公開されました。ラテン音楽の要素を背景に、凶暴で爆発的なエネルギーが炸裂するこの楽曲は、エリック・ダニエルズが監督したビデオと共に彼らの野心的なサウンドを象徴しています。フロントマンのイーサン・ラモンは、この曲を「神に向かって自分は善人だと叫ぶ最悪な人間」をイメージして描いたと語っています。

アルバム全体を通して問いかけられるのは、「間違った理由で善人であることは、その人の善性を損なうのか?」という道徳的なパラドックスです。昨年リリースされた「I’M YOUR FIEND」などのシングルで見せた鋭利なポストパンク・サウンドが、このデビュー作でどのように深化しているのか注目が集まります。現在、アルバムの予約受付も開始されています。

マサチューセッツの雄Landowner、待望の新作。結成以来の美学「抑制と精密」が最高潮に。先行シングル「Rival Males」を皮切りに、最も完成されたミニマル・パンクの全貌が今明かされる。

マサチューセッツ州西部を拠点とするパンクバンド Landowner が、2026年2月27日に Exploding in Sound Records からリリース予定の5枚目のアルバム『Assumption』より、先行シングル「Rival Males」を公開しました。彼らの音楽は、歪みを一切排除した「研磨されたようにクリーンでミニマルなパンク」という独自のスタイルを貫いており、タイトかつ高速なリズムセクションと、エフェクトなしで鋭く叩きつけるギターサウンドが特徴です。

バンドの創設者 Dan Shaw が当初掲げたコンセプトは、「Antelope が Discharge の楽譜を読んでいるかのような不条理なサウンド」を追求する「weak d-beat(弱いDビート)」という架空のジャンルでした。2017年に現在のライブバンド編成となって以降、この抑制とミニマリズムを極めた実験的なアプローチは、グローバルなシステムや現代社会の不条理を鋭く突く歌詞と融合し、The Fall や Uranium Club にも比肩する唯一無二のアイデンティティを確立しました。

最新作『Assumption』は、オンライン上の情報の断片から安易に結論を下したり、思考をAIに委ねたりする現代の「想定(Assumption)」という多層的なテーマを冠しています。長年の活動で培われた機械的な精密さと人間味あふれる躍動感が共存しており、彼らのキャリアにおいて最も結束力が強く、完成された作品となっています。

Sleaford Mods – “Elitest G.O.A.T.” (Feat. Aldous Harding)

Sleaford ModsのJason Williamsonが、お気に入りのミュージシャンとしてAldous Hardingの名を挙げ、2020年のタスマニアのフェスで彼女のライブに衝撃を受けた出会いを語っている。Williamsonは、アコースティックギターを手にジョン・ライドンのような眼差しでステージに立つ彼女のミニマルな音楽と、古さと現代性が同居する歌声に一瞬で魅了されたという。その後二人は親交を深め、単なる音楽的なリスペクトを超えた友人関係を築いてきた。

今週リリースされるSleaford Modsのニューアルバム『The Demise Of Planet X』には、この二人のコラボレーションによる楽曲「Elitest G.O.A.T.」が収録されている。鋭く不穏なピアノ・ポップの質感を備えたこの曲は、これまでのコラボ作以上にHardingの歌声がModsのビートと見事に調和しており、まるで両者が中立的な表現空間で出会ったかのような、完璧なコンビネーションを見せている。

Agassi – “Keine Energie geht verloren” (feat. Frank Spilker)

このテキストは、2022年に急逝した親友への深い追悼の意を込めて綴られたものである。書き手は、自分自身に多大なインスピレーションと影響を与えた亡き友人のエネルギーや音楽への向き合い方を、自身の内に留め、継承していくことを切に願っている。

その想いを象徴するのが、共通の友人が贈った「Keine Energie geht verloren(エネルギーは決して失われず、ただ形を変えて受け継がれる)」という言葉だ。この一節は、友人が形を変えても常に傍にあり続けるという確信と、失われた悲しみを永遠の絆へと昇華させる力強いメッセージとなっている。