The Besnard LakesやElephant Stone、Anemoneといった実力派バンドの元メンバー(Paige Barlow、Miles Dupire-Gagnon、Gabriel Lambert)が集結した新進気鋭のトリオ、Hush。彼らがSimone Recordsからのデビューアルバムに先駆け、新曲「Phasing」をリリースしました。本作は、90年代のハウスやトリップ・ホップの質感を取り入れつつも、テープの回転速度を操るヴァリスピード技法を駆使することで、あえて焦跡をぼかしたような「ヒプナゴジック(入眠時心像的)」なポップサウンドを構築。従来の楽曲構造をあえて解体し、聴き手に心地よい眩暈(めまい)を誘うような独特の音響体験を提示しています。
楽曲の核となるのは、Paige Barlowによる透明感溢れるボーカルです。「愛しているなんて、ただの一時的なフェーズ(段階)に過ぎない」と、執着を感じさせない超然とした歌声で綴られる歌詞は、人間関係の脆さや不確実性を浮き彫りにします。現実の繋がりと自分自身の内なる物語の境界を問い直すようなその内容は、BarlowとAabid Youssefが手掛けた、視覚的なブレが印象的なミュージックビデオとも深く共鳴。安定を拒み、常に揺れ動く感情の機微を鮮やかに描き出しています。
