すべてをコントロールする恐怖を捨てて――villagerrrが最新作『Carousel』で見出した、他者と繋がり『チーム』になることの甘美な救い

Mark Scottによるプロジェクト、villagerrr(ヴィレジャー)が、5月29日にWinspearからリリースされる5枚目のアルバム『Carousel』より、リードシングル「Locket」を公開しました。本作は、他者との真のつながりや誠実な表現を追求した一作です。自身の露出が増えることへの葛藤を抱えながらも、2年の歳月をかけて友人たちとの共同作業を深めることで、これまでのDIYスタイルを超えた豊かでダイナミックな音像へと到達しました。

先行曲「Locket」は、重層的なボーカルが溶け合うアルバムの感情的な核となる楽曲です。今作ではTeetheやRug、Hemlockといった多彩なコラボレーターを迎え、スロウコアからシューゲイザー、フォーク、さらには疾走感のあるロックまでがシームレスに展開されます。ウルトラマラソンを完走するほどのランナーでもあるScottは、自らミックスを手がける過程で雑念を削ぎ落とし、草原の微細なディテールから嵐の雄大な風景までを描き出す独自の耳を研ぎ澄ませました。

アルバムの背景には、混迷を極めるアメリカの社会情勢に対する健全な懐疑心と、それでもなお「誰かとチームになること」への希望が込められています。すべてを一人でコントロールしようとする恐怖を捨て、周囲に心を開くことで生まれた本作は、消費されるだけの芸術ではなく、一対一の絆を築くための手段としての音楽を提示しています。誠実な表現が困難な時代において、他者と手を携えることの尊さを証明する、彼にとって最も大胆かつ繊細な物語です。

白髪の旧友との再会、そして16年ぶりの帰還。Adam Rossが原点のスタジオで刻んだ、過ぎ去りしグラスゴーの記憶と時の流れの残酷さ

5月15日にFika RecordingsからリリースされるAdam Rossの3rdアルバム『Bring On The Apathy』より、リードシングル「Berkeley Street」が公開されました。本作はグラスゴーのGreen Door Studioにてテープ録音され、C DuncanやGillian Fleetwoodら豪華な面々によるバック・ボーカルが、Ross特有の叙情性と温かみのある世界観にこれまでにない豊かさを添えています。

この楽曲は、2025年1月の「Celtic Connections」出演のためにグラスゴーを訪れた際、かつての居住地付近を散策した経験から生まれました。10年以上前に住んでいた街の風景は馴染み深いものでしたが、再会した知人の髪が白髪になっていたことに時の流れの残酷さを痛感したといいます。その個人的な記憶と感情が、楽曲の核となる親密さと切なさを形作っています。

レコーディングが行われたGreen Door Studioは、Rossが2009年にRandolph’s Leapとして初めてEPを録音した、彼にとって原点とも言える場所です。16年の歳月を経て「今こそが戻るべき時」と感じて制作されたこの曲には、Beth Chalmersがグラスゴーのウエストエンドで撮影したビデオも添えられており、過ぎ去った時間への追憶を完璧に視覚化しています。

LavaLove – “Never Better”

南カリフォルニアのバーシーンから現れたLavaloveが、4月3日にPure Noise Recordsよりリリースされるニューアルバム『TAN LINES』から、新曲「Never Better」を公開しました。ボーカル兼ギタリストのTealarose Coyが「パートナーにとって最高の元恋人になると無意識に確信させるような催眠的な曲」と語る本作は、エモーショナルな絶叫とアルバム中で最も気に入っているというエンディングの歌詞が際立つ、中毒性の高いナンバーに仕上がっています。

プロデューサーにAnton DeLost(State Champs, The Warningを手掛ける)を迎えた本作は、60年代のポップスやサーフミュージックの簡潔さを、現代的なインディロックやサイケポップの質感でフィルターにかけた、自信に満ちた太陽のエネルギー溢れる作品です。誰の許可も得ず、ただより明るく自由な生活を追い求めるエスケープ(逃避)の精神を核心に据え、果てしない夏の興奮をタイムレスかつダイレクトなサウンドへと昇華させています。

Fcukers – “if you wanna party, come over to my house”

Shanny Wise(ボーカル)とJackson Walker Lewis(ベース、キーボード、プロダクション)からなるデュオ、cukersが、Ninja Tuneよりニューシングル「if you wanna party come over to my house」をリリースしました。先週末にAustinで開催されたハウスパーティーでDylan Bradyと共に披露されたこの楽曲は、3月27日に発売されるデビューアルバム『Ö』からの先行リリースであり、明日放送の『The Tonight Show Starring Jimmy Fallon』にて彼らのテレビ初出演も決定しています。

デビューアルバム『Ö』は、Kenneth Blume [FKA Kenny Beats]のプロデュースにより、3人の出会いの直後に行われた2週間のスタジオセッションで制作されました。本作のミックスはマルチグラミー賞受賞エンジニアのTom Norrisが担当しており、さらに3曲でDylan Bradyが追加プロダクションとして参加しているなど、注目の制作陣が集結した意欲作となっています。

MEMORIALS – “Dropped Down The Well”

MEMORIALSの新曲「Dropped Down The Well」は、2026年3月27日にFire Recordsからリリースされるニューアルバム『All Clouds Bring Not Rain』からの先行シングルです。元ElectrelaneのVerity Susmanと、元WIREのMatthew Simmsによるこのデュオにとって、本作は昨年のライブ披露時からすでにファンの間で高い人気を博している一曲となっています。

アルバムのリリースに伴い、バンドは大規模なツアーを予定しています。2026年4月のフランスおよびイギリス公演を皮切りに、5月には北米、6月には再びヨーロッパを巡るスケジュールとなっており、新境地となるアルバムを携えて世界各国のステージに立つ彼らの姿に期待が高まります。

Lofi Legs – “A Dream I Had”

サンフランシスコを拠点とするLofi Legsは、中心人物パリ・コックス=ファーの瑞々しい感性を核に、ベイエリアのDIYシーンで磨かれたロックプロジェクトです。彼らの音楽は、緻密に計算された商業音楽とは対極にあり、ガレージでのセッションや夕暮れの情景を思わせる生々しく温かいサウンドが特徴です。恋愛、サイケデリックな体験、そして疎外感といった普遍的なテーマを、星空のようなバラードと力強いギターサウンドで描き出し、聴き手の心に深く寄り添います。

最新シングル「a dream i had」は、かつての恋人との再会をテーマに、過去の愛が静かに再生する瞬間を繊細に捉えています。洗練されすぎないインディー特有の熱量と、記憶の断片を繋ぎ合わせるようなドリーミーな旋律が、単なる懐古を超えた「成熟した愛の姿」を浮き彫りにします。激しい花火のような衝動ではなく、一度途切れた愛が再び自分の一部として息づき始める心地よさを、この曲は穏やかな安らぎとともに提示しています。

L.A. Sagne – “Rain On My Skin”

アムステルダムのL.A. Sagneが近日リリース予定のアルバム『Good Company』から、先行シングル「Rain On My Skin」を発表しました。本作は彼らのキャリア史上最もキャッチーな一曲であり、大砲のようなドラムフィルとチェーンソーを彷彿とさせる荒々しいベースラインが、重厚かつ強烈なグルーヴを刻みます。Aメロの削ぎ落とされたタイトなアレンジから、サビで一気に爆発するスラックなギターと生々しいビートへの展開は圧巻で、パンクでありながら驚くほどダンスフルな仕上がりとなっています。

歌詞の面では、個人の絶望や世界を救う術を持たない葛藤を歌いながらも、どこか聴き手を安堵させる不思議な包容力を備えています。バンド自身は「ひどく混乱している」と自称していますが、サウンドには微塵の迷いも感じさせない誠実さと高揚感が溢れています。最後の一節「誰かにとびきり親切にしろ!(GO BE FUCKING NICE TO SOMEONE!)」というメッセージに象徴されるように、パンクの衝動とポジティブな人間愛が共鳴する、エネルギッシュなアンセムです。

Glom – “One Track Mind”

Sean Dunnevant によるソロプロジェクト Glom が、最新アルバム『Below』のリリースに続き、ファンからの人気も高い待望の新シングル「One Track Mind」を公開しました。本作はアルバムの世界観をさらに補完する一曲となっており、リリース直後の勢いを加速させています。4月には Dashboard Confessional のツアーサポートを務めることも決定しており、5月にソルトレイクシティで開催される Kilby Block Party への出演も発表されるなど、大きな注目を集めています。

さらに、5月13日のナッシュビル公演を皮切りに、アルバム『Below』を提げた北米ヘッドラインツアーがスタートします。buffchick と snowmen をサポートに迎え、5月23日のロサンゼルス(Permanent Records)や6月4日のニューヨーク(Baby’s All Right)を含む各地を巡り、6月6日のワシントンD.C.で千秋楽を迎える予定です。ライブシーンでも着実に支持を広げる Glom にとって、2026年の春はさらなる飛躍のシーズンとなりそうです。

DJ_Dave – “one4u”

ニューヨークを拠点に活動する DJ_Dave が、自身のアイデンティティを象徴するニューシングル「one4u」をリリースしました。彼女は「Live Coding(ライブ・コーディング)」という手法を駆使し、ステージ上でリアルタイムにプログラミング言語を入力して音楽を構築する次世代のプロデューサー/DJです。本作でも、その緻密に設計されたデジタルなビートと、エモーショナルなボーカルが融合。テクノロジーと人間味あふれるポップセンスが交錯する、彼女ならではの先鋭的なダンスミュージックに仕上がっています。

この楽曲は、単なるフロア向けのトラックに留まらず、自身の内面やリスナーへの親密なメッセージをコードに込めたような温かみを感じさせます。アルゴリズムが支配する現代の音楽制作において、あえてそのプロセスを可視化し、表現の一部へと昇華させる彼女のスタイルは、ハイパーポップ以降の新しいエレクトロニック・ミュージックのあり方を提示しています。「one4u(あなたのための一曲)」というタイトルの通り、パーソナルな感情とプログラマブルな精緻さが共鳴し、聴き手を未知のグルーヴへと誘います。

CATSINGTON – “many gears ago”

ロサンゼルスを拠点とするバンド CATSINGTON が、近日リリース予定のアルバム『don’t be embarrassed』より、新曲「many gears ago」のミュージックビデオを公開しました。ボブ・フォッシー監督の映画『All That Jazz』(1979年)の映像をフィーチャーしたこのビデオは、バンドが奏でる「思わず微笑んでしまうような、あるいは少し眉をひそめて考え込んでしまうような」ドリーミーなサウンドと見事に共鳴しています。ソングライターの Jeff Katz を中心とした4人編成による、繊細で万華鏡のようなアンサンブルが、視覚と聴覚の両面から独特な浮遊感を作り出しています。

歌詞の面では、時を経て変化していく「心の歯車(gears)」をメタファーに、自己愛と「他の誰かになりたい」という切実な変身願望の矛盾が描かれています。「ステージの上で隠れる方がずっと楽だ」という一節は、映画の煌びやかさと虚無感の対比を象徴しており、自分自身を忘れたいと願いながらも、大切な誰かを忘れられず、自分を変えてほしいと請う人間の脆さが浮き彫りになります。Jeff Katz によるプロデュースと Will Evans によるマスタリングが、この内省的でどこか演劇的な物語に、現代的で温かみのある響きを与えています。

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