「光」の物語を完結させる Jerk の新章――2026年、日常を彩る極上のデイライト・サウンド

ブルックリンを拠点とするマルチ奏者・プロデューサー、Joni Kinney によるプロジェクト Jerk が、2部構成の物語を締めくくる新EP『as day breaks』を5月15日に DeepMatter Records からリリースします。2025年の前作『as night falls』が深夜の内省的なエレクトロ・ジャズを探求したのに対し、今作はその対となる「昼」の側面を描写。長年のパートナーであるドラマー Martine Wade と共に、温かみと明快さに満ちたサウンドスケープを作り上げています。

先行シングル「steppin out」を含む全7曲は、目覚めから活動、そして思索へと至る一日の中の感情の揺らぎを、エレクトロ・アコースティック・ジャズやファンキーなグルーヴを用いて表現しています。単なる「ビートメイカー」の枠を超え、ジャズ・フュージョンの質感やハウスのリズム、都市の環境音を織り交ぜた緻密な構成は、Jerk の音楽的進化を象徴。特にフォーカストラック「still dreaming」は、睡眠と覚醒の境界(リミナル・スペース)を鳥のさえずりや煌めくチャイムで描き、前作と今作を繋ぐ情緒的な架け橋となっています。

Jerk 本人が「昼でも夜でもない、夢のような本質」と語る本作は、執筆家やビデオ・エッセイストとしても活動する彼の多角的な視点が反映された、極めてナラティブな作品です。BBC 6 Music や Jazz FM など多方面から支持を受けるそのサウンドは、高い実験性を保ちながらも、聴き手の日常に寄り添う親密な接地感を備えています。

シカゴの才媛たちが紡ぐ弦楽の対話:Whitney Johnson、Lia Kohl、Macie Stewart による三位一体のデビュー盤

シカゴを拠点にマルチに活動する3人のミュージシャン、Whitney Johnson、Lia Kohl、Macie Stewart が、コラボレーション・デビューアルバム『BODY SOUND』を3月にリリースすることを正式に発表しました。昨年夏、美しくも哀切な2部構成の弦楽作品「BODY SOUND [STONE PIECE]」を公開した際に予告されていたフルアルバムが、ついにその姿を現します。

本作の各楽曲のタイトルは、Yoko Ono(オノ・ヨーコ)のインストラクション・アートの記念碑的著作『グレープフルーツ(Grapefruit)』から引用されています。アルバムでは、Johnson がヴィオラ、Kohl がチェロ、Stewart がバイオリンを担当し、さらに3人全員がヴォーカルを添えることで、親密かつ重層的なアンサンブルを構築しています。

本日先行公開されたオープニング・トラック「dawn | pulse」は、言葉を排したミニマルなコーラスが印象的な、アンビエント・クラシカルな楽曲です。映画の感動的なシーンを彩るサウンドトラックのような気品を湛えており、彼女たちの卓越した演奏技術と実験的な精神が、静謐な調和の中に結実しています。

Madmax – “u stole my guitar:(“

ノルウェーのトロンハイムにあるNTNU(ノルウェー科学技術大学)で出会った4人組、Madmaxが、ニューシングル「u stole my guitar:(」をリリースしました。本作は、スイスの小さな村という絵画のような美しい環境でバンド全員によって書き上げられた一曲。ミュージシャンとしての挫折に対する恐怖や静かな絶望をテーマにしながらも、飛翔感のある遊び心に満ちたアート・ポップへと昇華されています。

この楽曲は、3月20日発売予定のアルバム『We’re Bringing Dubstep Back!』に収録されます。テューバ、シンセ、ギター、ドラムという極めて独創的な編成を持つMadmaxは、ジャンルの境界に無頓着な姿勢で、変拍子のマスロックから瞑想的なサウンドスケープ、そして中毒性の高いポップソングまでを自在に横断します。自由奔放なダンサーから熱心なリスナーまでを虜にする、彼らの恐れを知らない音楽的探求が凝縮された一作です。

Bel Cobain – “Am I Dumb”

ハックニー出身のシンガーBel Cobainが、Brownwood Recordingsより新曲「Am I Dumb」をリリースしました。本作は、有毒な関係性における自己嫌悪や内面的な葛藤を鋭く突きつける一曲です。不気味でエモーショナルな質感のパーカッシブなトラックの上を、彼女の力強くも甘美な歌声が滑るように駆け抜けます。離脱と学習、そして再び戻ってしまうという負のサイクルを描き、混乱の中で自身の正気を疑うような「怒り」の感情が込められています。

Bel Cobainはこの曲について、混沌とした状況下で判断力が麻痺し、露骨な不敬さえも曖昧になっていく狂気を記録したと語っています。彼女は「決して美しい曲ではないけれど、残酷なほどに正直であり、それがアーティストとして最も重要だった」と述べており、喪失感や怒りの瞬間を一切の飾りなしに表現しました。単なるラブソングではなく、自身の健全性を問う切実な自問自答として、リスナーに強烈なインパクトを与える作品となっています。

Black Flower、最新EP『Motions』をリリース。ライブの幕開けを飾る「Diagonal Walk」がついに解禁。制作の余白から溢れ出した、生命力豊かなグルーヴの結晶。

ベルギーのエキゾチック・グルーヴ・バンド Black Flower が、Sdban Records より2026年3月6日にニューEP『Motions』をリリースすることを発表し、先行シングル「Diagonal Walk」を公開しました。本作は最新アルバム『Kinetic』の制作過程で生まれた膨大なアイデアの中から、特に強い個性を放ち、バンドが「世に送り出すべき」と確信した楽曲を凝縮した特別な作品集です。

シングル「Diagonal Walk」は、アルバム未収録ながらヨーロッパツアーのオープニング曲として長年親しまれてきたファンおなじみの楽曲です。ライブでの演奏を重ねるうちにバンドのお気に入りとなったこの曲を、スタジオで完璧な形に仕上げてついに正式リリース。うねるようなエネルギーと波のように押し寄せるグルーヴ、そして色彩豊かなカウンターポイントが交錯する、彼ららしいダイナミズムに満ちた一曲です。

EPには他にも、ポリリズムと煌めくハーモニーを探求した「Out of One, Many」や、遊び心のある「Trip to the Store」といった楽曲が、さらなるブラッシュアップを経て収録されています。フルアルバムのリリースの合間にあっても尽きることのない創造性を証明する本作は、タイトル通り「動き(Motions)」続けるバンドの生命力を象徴する鮮やかなステートメントとなっています。

Gregory Uhlmann、新作『Extra Stars』をリリース。Alabaster DePlumeやSMLの精鋭らと紡ぐ、14の無限の小品。電子音と pastoral な美しさが交錯する、現代音楽の新たな到達点。

ロサンゼルスを拠点に活動し、Perfume GeniusやHand Habitsのサポート、そして実験的ジャズ・バンド SML の共同リーダーとしても知られるギタリスト、Gregory Uhlmann が、3月6日にニューアルバム『Extra Stars』をリリースします。本作は、近年の旺盛なインストゥルメンタル作品の発表を経て辿り着いた、彼の音楽的進化の重要な転換点となる一枚です。カリフォルニアの古代ブリストルコーン・パインの森から着想を得たという本作は、14の「無限の小品」で構成され、エレクトロニックな処理と牧歌的な美しさが共存するパノラマのような音響世界を提示しています。

先行シングル「Lucia」では、International Anthem のレーベルメイトである Alabaster DePlume をフィーチャー。ビッグサーの断崖に佇むロッジにちなんで名付けられたこの曲は、打ち寄せる波のフィールドレコーディングとUhlmannのギター反復、そしてDePlumeの息遣い豊かなサックスが溶け合う、親密かつ壮大な一曲です。また、2020年の混乱の中でセルフケアとして生まれた7分超の静謐な「Days」や、ギターの概念を覆す音響工作が光る「Burnt Toast」など、アルバムはアンビエントの枠を超えた緻密な和声の深みに満ちています。

制作には、Josh Johnson、Jeremiah Chiu、Booker Stardrum、Anna Butterssといった SML の盟友たちが集結。Uhlmann は、David Bowie や Miles Davis のように他者の才能を指揮しながら、自身のアイデンティティをより鮮明に進化させる卓越したディレクション能力を発揮しています。Cluster & Eno や Yo La Tengo の実験精神にも通じる本作は、単なる「雰囲気」としての音楽ではなく、喜びや渇望を音に宿した、現代で最も進歩的な録音の一つとして結実しています。

mohs. & Léon Phal – “Sonic Poetry”

スイスのジャズ・コレクティブ mohs. と、現代フランス・ジャズ界を牽引するサックス奏者 Léon Phal によるシングル「Sonic Poetry」は、エレクトロニックな質感と生楽器の即興性が溶け合う、まさに「音の詩」と呼ぶにふさわしい一曲です。mohs. が得意とするミニマルで浮遊感のあるアンサンブルを土台に、Léon Phal の情緒的かつエネルギッシュなサックスが重なることで、都会的な静寂と躍動的なグルーヴが同居する洗練されたサウンドスケープを描き出しています。

スイスの革新的レーベル Bridge The Gap から放たれた本作は、ロバート・グラスパー以降の現代ジャズの感性を保ちつつ、アンビエントやクラブミュージックの要素を巧みに取り入れています。静謐な空間に音を配置していくような繊細な導入部から、後半にかけてサックスが物語を語るように高揚していく展開は、新世代のヨーロッパ・ジャズシーンにおける両者の際立った才能を証明しています。

モントリオールの精鋭 Bellbird、Constellation 移籍作『The Call』を発表。鳥の鳴き声と即興演奏が交錯する、静謐で爆発的なジャズの進化系

モントリオールを拠点とするカルテット Bellbird が、名門レーベル Constellation 移籍第1弾となるニューアルバム『The Call』を発表しました。本作のインスピレーション源は、動物界で最も大きな鳴き声を持つ鳥「スズメチャヤ(white bellbird)」。その独特な鳴き声を解析し、爆発的な美しさを湛えたタイトル曲へと織り交ぜることで、音楽家、ジャンル、そして自然界の相互接続性を探求しています。

Claire Devlin(テナーサックス)、Allison Burik(アルトサックス等)、Eli Davidovici(ベース)、Mili Hong(ドラム)の4人は、パンデミック禍のパークジャムを通じて結成されました。絶賛されたデビュー作を経て制作された本作では、特定のリーダーを置かない徹底した合議制を採用。詩や会話、即興ゲームを通じて練り上げられた楽曲群は、ジャズを基盤にロック、フュージョン、フォークを融合させ、MingusやOrnette Colemanからインディーロックまでを想起させる重層的な響きを獲得しています。

録音はモントリオールの伝説的スタジオ Hotel2Tango で行われ、ライブの生々しいエネルギーを封じ込めています。リズム隊が曲のフォルムを決定し、管楽器がリズムやテクスチャを担うという楽器の役割の逆転も特徴的です。また、気候危機や世界の連帯に対するメッセージも込められており、「Blowing on Embers」をパレスチナ解放に捧げるなど、社会・政治的に深く関与するカルテットとしての強い意志が示された、団結力溢れる声明的な一作となっています。

Red Hot Chili Peppers の Flea が贈る初のソロアルバム。Thom Yorke 客演の新曲「Traffic Lights」公開、豪華布陣で綴るジャズの深淵Traffic Lights

Red Hot Chili PeppersのベーシストであるFleaが、初のソロアルバム『Honora』を3月27日にNonesuch Recordsからリリースすることを発表しました。本作は、彼が幼少期から愛してやまないジャズとトランペットへの情熱を凝縮した作品となっています。12月に公開された「A Plea」に続き、Thom Yorkeがボーカルとして参加した新シングル「Traffic Lights」も公開されました。

アルバムのプロデュースはサックス奏者のJosh Johnsonが務め、Jeff Parker(ギター)、Anna Butterss(ベース)、Deantoni Parks(ドラム)といった実力派が脇を固めています。ゲスト陣も極めて豪華で、Atoms For Peaceの盟友でもあるThom Yorkeをはじめ、Nick Cave、Mauro Refosco、Nate Walcottらが参加。Flea自身も本作で歌声を披露しています。

収録内容は6曲のオリジナル曲に加え、バラエティ豊かなカバー曲も収められています。George Clinton & Eddie Hazel、Jimmy Webb、Frank Ocean & Shea Taylor、そしてAnn Ronellの楽曲を、彼独自の解釈で再構築しました。ロックシーンの伝説的ベーシストが、自身の音楽的ルーツであるジャズへと深く潜り込んだ、極めてパーソナルで挑戦的なデビュー作となっています。

YELKA – King Of The World (Radio Edit)

ベルリンを拠点とするYELKAは、Christian Obermaier(ドラム)、Yelka Wehmeier(ベース、ボーカル)、Daniel Meteo(ギター)の3人からなるバンドです。昨年4月にKaraoke Kalkよりリリースされたアルバム『In a Rose Hat』に続き、すでに新作『Jeans』を完成させており、晩春のリリースを予定しています。現在はその到着を待つ間、批評家たちからも愛されるSteely Danの名曲「King of the World」の素晴らしいカバーを公開し、リスナーを惹きつけています。

2025年初夏にPopschutz Studioで録音されたこのカバーは、コーラスで重要な役割を果たすArne Bergerに加え、The Whitest Boy Aliveなどでの活動で知られる鬼才Dan Ra(Daniel Nentwig)がシンセサイザーで参加しています。1970年代屈指のシンセ・フックとされる原曲の美しいメロディを、Dan Raが一聴しただけでYELKAのサウンドに見事に再構築しました。バンド特有のミニマリズムと職人技が融合した、期待高まる仕上がりとなっています。