Place To Bury Strangers – “Where Are We Now”

A Place To Bury Strangers(APTBS)のOliver Ackermannは、新曲「Where Are We Now」について、連絡が途絶えてしまった友人たちを振り返る内容だと語っています。「彼らが今どこで何をしているのかと思いを馳せ、すべてが可能だと感じられたあの頃を思い出す」というノスタルジックなテーマが、彼ららしいノイジーなサイケデリック・サウンドと共に描き出されています。

この楽曲も収録されるB面曲コンピレーション・アルバム『Rare And Deadly』は、4月3日にレーベル Dedstrange よりリリースされる予定です。失われたつながりへの思索と、バンドの真骨頂である破壊的な音響工作が融合した、ファン必聴のアーカイブ作品となっています。


My New Band Believe – “Love Story”

元Black MidiのCameron Pictonによる新プロジェクト、My New Band Believeが、セルフタイトルのデビューアルバムから新曲「Love Story」を公開しました。この楽曲は、タイトルのイメージとは裏腹に、憂いを帯びたピアノのイントロから始まる壮大なバラードです。歌詞では、豆を水に浸し、トマトを刻み、米を研ぐといった極めて日常的で細やかな夕食の準備風景が描かれますが、背後で鳴り響くストリングスやアコースティックギターの豊かな音色が重なるにつれ、その光景が現実なのかシュールな幻覚なのかが曖昧になり、最後にはロマンチックな熱病の夢のような余韻を残して幕を閉じます。

Pictonはプレスリリースにて、本作を通じて「現代のシンガーソングライターによるアルバム」の新たなあり方を提示したかったと語っています。2019年から2023年にかけてリリースされた同ジャンルの人気作に対し、彼は「大きな出来事を些細なものに見せ、小さな出来事を無価値にしてしまっている」と感じていました。それに対するカウンターとして、本作ではあえて「日常の小さな断片」に重要な意味を持たせることで、感情の大きなうねりに真実味を与えるというアプローチを取っています。ビデオの最後には、Kiran Leonardが手掛けたストリングス・アレンジの未発表スニペットも収録されており、彼の新たな音楽的野心が垣間見える仕上がりとなっています。


White Flowers – “Heaven”

Katie DrewとJoey Cobbによるダークウェーブ・デュオ、White Flowersが、2021年のデビュー作『Day By Day』に続くニューアルバム『Dreams For Somebody Else』を5月にリリースすることを発表しました。先行シングル「Thinking Of You」や「Tear」に続き公開された新曲「Heaven」は、影のあるベースラインとKatieの透き通るようなボーカルが交錯する、ドリーミーかつ不穏な空気を纏った一曲です。「人生をゆったりとしたブラウスのように着こなして」という切実な歌詞が、彼ら特有の幽玄な世界観を際立たせています。

この楽曲のテーマについて、バンドはジーン・リスの1939年の小説『グッドモーニング・ミッドナイト』の一節を引用しています。それは、長年の不幸の末にたどり着いた「生への執着を捨てた無関心という名の天国」でさえ、世界は残酷に引き戻し、再び地獄へと突き落とすという無慈悲なサイクルを描いたものです。自分たちで監督を務めたミュージックビデオと共に放たれるこの曲は、静謐な美しさの中に、逃れられない運命への諦念と微かな抵抗を封じ込めたダークウェーブの真髄を提示しています。


POND – “Terrestrials”

オーストラリアのサイケ・ロックバンドPondが、2024年のアルバム『Stung!』以来となる強烈な新曲「Terrestrials」をリリースしました。メンバーのJay WatsonによるソロプロジェクトGumの新作『Blue Gum Way』が発表された直後という驚きのタイミングですが、バンドはフルスロットルの状態で帰還を果たしました。今作はグラム・ロックやニューウェーブの不遜で華やかなエネルギーを放ちつつも、単なる過去の模倣に留まらないPondらしい一癖あるオブリーク(難解)な音像が特徴で、聴く者を一気に引き込むスケール感を持っています。

フロントマンのNicholas Allbrookによれば、本楽曲は「地球上で最も奇妙な生き物=人間」をテーマにしています。自らの故郷である地球を破壊し、逃げ出そうとしながらも、一方で愛し合い、育み合うという人間の矛盾した神秘性を、異星人(エクストラテレストリアル)以上の超自然的な存在として描き出しています。Jay Watsonが作曲を手掛け、マランビンビのNowave studioで録音されたこの曲は、昨日や明日を忘れ「今」を生きる子供たちや恋人たちの姿を、カオスな世界に対する微かな希望として提示しているかのようです。


Veps – “If I Was A Mother”

オスロを拠点に活動するインディー・ロック・グループ Vepsが、名門レーベル PNKSLM からニューアルバムをリリースすることを発表しました。現時点ではアルバムの詳細こそ伏せられているものの、その先駆けとして非常にキャッチーな新曲が公開されています。

2021年のデビュー以来、北欧らしい瑞々しい感性と 90年代オルタナの影響を感じさせるサウンドで注目を集めてきた彼女たち。今回シェアされたシングルは、来るべき新作への期待を大いに高める仕上がりとなっており、バンドの更なる進化を予感させるものとなっています。

メジャーでの20年を経て原点の地平へ——ANTI-移籍で手に入れた制限なき自由と、喪失の記憶を成長へと変える誠実な詩学が結実した、Death Cab for Cutieが放つ渾身の11作目

Death Cab for Cutieが、20年にわたり6枚のアルバムを発表したAtlantic Recordsを離れ、インディー・レーベルのANTI- Recordsへ移籍することを発表しました。通算11枚目となる移籍第一弾アルバム『I Built You A Tower』は、6月5日にリリースが予定されています。本作はプロデューサーにJohn Congletonを迎え、わずか3週間のセッションで制作されました。メンバーのDave Depperが「アニバーサリー・ツアーが自分たちの中のノスタルジーを追い払ってくれた」と語る通り、過去の名盤の再評価を経て得た巨大なエネルギーを、新たな創造性へと転換させた意欲作となっています。

ベーシストのNick Harmerが「バンド結成当初の感覚に戻った」と振り返るように、本作の制作過程は「自分たちが良いと思えるものを作る」というシンプルな自信に満ちたものでした。先行シングルとして公開された「Riptides」は、個人的な葛藤と、計り知れない規模で悲劇が続く世界情勢が交錯する中で感じる「麻痺するような無力感」をテーマにしています。Ben Gibbardが紡ぐ内省的なリリックと、バンドが再発見した初期衝動のようなダイナミズムが融合し、現代を生きる私たちの複雑な感情を鮮やかに描き出しています。

アルバムの核心にあるのは、喪失や悲しみと向き合いながら、それを乗り越えていく「再生」の物語です。Gibbardが「感情の地平線にそびえ立つ塔」と形容するアルバムタイトルには、過去の痛みを消し去るのではなく、一つの事実として認め、共生していくという覚悟が込められています。2022年の『Asphalt Meadows』での高評価や、伝説的なツアーの成功を経て、再びインディーの精神へと立ち返った彼らは、7月10日からロサンゼルスのギリシャ劇場2デイズを含む全米ツアーを開始し、新たな黄金期をステージでも証明していくことになります。


Truthpaste – “Bus Song”

マンチェスターを拠点に活動する5人組、TruthpasteのDirty Hit & Memorials of Distinction移籍第一弾シングル「Bus Song」は、彼らの持ち味である気まぐれな遊び心と、新たに開花したエモの側面を融合させた一曲です。デビュー曲のキャッチーさや前作のフォーク的な質感を土台にしつつ、本作では代名詞であるドラムマシンのリズムに乗せて、サックスのマイナーな旋律がギターや揺らめくシンセサイザーを切り裂くように響きます。バンドのミステリアスな雰囲気をさらに強固なものにしつつ、重なり合うボーカルがこれまでにない深みを与えています。

初期の作品に比べて哀愁を帯びたトーンでありながら、パートナーとの歩み寄りをバスの停留所に例えて歌う「甘くファンタスティックな歌詞」は、彼ららしい魅力に溢れています。メンバーのEsmeが「ライブ以外では初めて見せるエモ・ロックな側面」と語り、Euanが「デュエットにすることで完成した」と明かす通り、ジャンルに縛られない自由な実験精神が反映されています。曇り空のバスの窓の外を眺めながら物思いにふける時間にぴったりの、内省的でありながらどこか温かい、バンドの新たな代表曲と言えるでしょう。


GLADIE – “I WANT THAT FOR YOU”

Gladieのニューアルバム『No Need To Be Lonely』が今週金曜日にリリースされるのに先立ち、先行プレビュー曲「I Want That For You」が公開されました。フロントマンのAugusta Kochは、この曲がアルバムのために最後に書かれたものであり、作品全体に込めたメッセージを象徴していると語ります。

楽曲制作のきっかけは、困難な状況にいた親友との「人間でいることは時として奇妙で難しい」という会話にありました。他人の美しさや素晴らしさを認めるのは簡単でも、同じような愛を自分自身に向けるのはいかに困難か、という思いが反映されています。どんなに辛い時でも、自分自身を含めたすべての人に「ここに留まってほしい」という切実な願いと励ましを込めた一曲です。

Lily Seabird – “Demon in Me”

バーリントンを拠点に活動するフォークロック・シンガーソングライター、Lily Seabirdが放つニューシングル「Demon In Me」は、彼女の音楽的進化を象徴する力強い一曲です。昨年のアルバム『Trash Mountain』で見せた削ぎ落とされたデモのような質感から一転、本作はよりラウドでヘヴィな音像へとシフトしています。楽曲はトロンボーンとクラリネットが支える繊細なワルツから始まり、中盤からは爆発的な歪みを伴う壮大なサウンドへと変貌を遂げます。そのダイナミズムは、Neil YoungやBig Thief、さらにはHop Alongといったアーティストを彷彿とさせ、ライブでの圧倒的なエネルギーをそのまま封じ込めたような仕上がりです。

歌詞の面では、不安やうつ病の兆候とも言える「内なる闇」がテーマとなっており、自由への渇望と葛藤が6分間に及ぶドラマチックな展開の中で描かれています。Seabird自身が「歌の終わりには音楽そのものが自由を体現するように意図した」と語る通り、静寂から混沌へと突き抜ける構成は、内面的な解放を音で証明しているかのようです。年内にリリース予定の次作への期待を確信させる本作は、彼女がソロ・アーティストとしての枠を超え、フルバンドと共に新たな表現の境地へと踏み出したことを告げる重要なマイルストーンとなるでしょう。