Graham Hunt – “Getting Older”

ウィスコンシン州を拠点に多心的なインディー・ロックを展開するGraham Huntが、リリースを約1ヶ月後に控えたニュー・アルバム『American Pyramid』からの最新シングル「Getting Older」を公開しました。「Waiting For You To Come Home」やBeck以降のオルタナ感溢れる「Riverboat Blues」といった先行曲に続く本作は、Huntが得意とする疾走感あふれるハートランド・ロック・サウンドに、どこか切なく哀愁を帯びたメロディを乗せたストレートなロック・ナンバーに仕上がっています。

間奏部分で見せるピアノとリード・ギターの絶妙な掛け合いが大きな聴きどころとなっており、サビで繰り返される「僕らはみんな歳をとっていくけれど、どうか自分はもう終わりだなんて思わないでほしい」という直球のメッセージが強く心に響きます。楽曲の持つ力強い推進力と前向きな叙情性を捉えた映像と共に、年齢や変化を受け入れながらも進み続ける日常を肯定してくれるような、味わい深く情熱的な作品です。


結成30年を超えるパワーポップの巨星Imperial Teenが放つ7thアルバム『All Over You』——新曲「Overdrive」と共に描く新たなポップ・ユートピア

サンフランシスコ出身のポップ・バンドImperial Teenが、長年籍を置くMerge Recordsより通算7作目となるスタジオ・アルバム『All Over You』を2026年10月9日にリリースすることを発刊し、併せてリードシングル「Overdrive」のミュージックビデオを公開しました。Roddy Bottum、Will Schwartz、Jone Stebbins、Lynn Truellの4人は互いに遠く離れた都市に暮らしていますが、数年に及ぶリトリートとセッションを通じて互いのクリエイティヴィティを結集。結成から30年以上が経過した今も変わらぬ強烈なケミストリーを証明する復帰作となっています。

先行トラック「Overdrive」は、マサチューセッツ州プロビンスタウンでのセッション終盤における一瞬の閃きから生まれ、ボーカルのWill Schwartzがフェリーに乗る直前に奇跡的に一発撮りされた楽曲です。Sex Pistolsへのさりげないオマージュやアルバム唯一のインターネットに関する歌詞を織り交ぜつつ、バンドの真骨頂である緊迫感、ウィット、そしてキャッチーなフックに満ちたフットワークの軽いオルタナ/パワーポップ・チューンに仕上がっています。

アルバム『All Over You』は、バブルガム・ポップや男女の男女ボーカル・ハーモニー、エレクトロ・ビート、グランジのディストーションなどを融合させた、バンド史上最も彩り豊かな音のパレットを展開する作品です。キャピタリズムの下での芸術制作や欲望、途絶といったテーマを扱いながらも、「踊らせ、考えさせ、感情を動かしたい」という彼らの美学を軸に、多幸感とパンク精神が共存する魅力的なポピュラー・ミュージックを提示しています。

Told Slant – “Draw Blood”

ニューヨークのインディー・ロック・シーンを代表するプロジェクトTold Slant(Felix Walworthによるソロ・プロジェクト)が、最新アルバム『What’s Up』からの第2弾シングル「Draw Blood」を解禁しました。先行シングル「Manhattan」に続いて公開された本作は、ニューヨークのインディー・ミュージックならではの美しさと寂寥感が同居した、美しくもどこか荒涼とした表情を見せる楽曲に仕上がっています。

抑圧された感情と深い諦念が漂う本作についてWalworthは、「このアルバムにはあまりにも圧倒的で抱えきれないほどの挫折感や不満が存在しており、それを表現するには宗教的な祈りに頼るほかなかった」と語っています。「汚れた息を肺に溜め込み、汝の弟子を呪い、洪水を祈る」という賛美歌(詩篇)を思わせる詩的な歌詞と、どこか自暴自棄でありながら催眠的なギターの旋律が交錯し、日常の虚無感と幻想が美しく織りなす濃密な音響空間を作り出しています。


Tacoblaster – “Boss Lady / Ghost Off Me”

フランス・ボルドーを拠点に活動するインディーバンド、Tacoblasterがニューシングル『Boss Lady / Ghost Off Me』をリリースしました。本作は、疾走感あふれるガレージパンクやパワーポップのエネルギーと、サーフポップ特有の清涼感あるメロディラインが見事に融合した意欲作です。

サウンド面では、ローファイかつスラッカーロック特有のラフで抜け感のある質感を引き継ぎつつ、スケートポップやインディーロックのキャッチーなフックを凝縮。ボルドーのDIYインディーシーンの熱気をダイレクトに伝える、ガレージポップ〜ポップパンク・ファン必聴の一作となっています。


Lowly – “Softy”

デンマークの5人組バンドLowly(ローリー)が、2026年10月30日にBella Unionよりリリースする通算4作目のニューアルバム『Softy』から、タイトルトラックとなる先行シングル「Softy」とミュージックビデオを公開しました。前作『Keep Up the Good Work』(2023年)を経て制作された本作は、結成から10年以上を共にしてきたメンバー同士が同じ部屋に集まり、互いの信頼と才能だけを頼りに生演奏でアイデアを練り上げるという原点回帰のプロセスで生み出されています。バンドの代名詞であるドリームポップサウンドをより一層拡張させつつ、親となること(Parenthood)、家族、愛、そして喪失といった深い感情的なテーマをリアルに探求した楽曲となっています。

この「Softy」は、長年の活動によって培われた5人の有機的かつ相互依存的な関係性が色濃く反映された、まさに“最もLowlyらしい”サウンドに仕上がっています。言葉による意思疎通すら超えたメンバー同士の息の合ったアンサンブルにより、彼らのこれまでのキャリアにおける輝かしい到達点と、同時に最も繊細で脆弱(ヴ​​ァルナラブル)な瞬間が見事に調和された途切れのないリスニング体験を提供します。自ら作詞・作曲・プロデュースを手掛けた本作は、4枚目のアルバムでありながら、バンドの新たな章の始まりを告げる強いメッセージ性を提示しています。


デンマーク発の5人組Lowlyが提示する圧倒的深遠美:結成10年以上の深固な絆と生演奏の原点回帰が紡ぎ出す、壮大なドリームポップの最高到達点

デンマークの5人組バンドLowly(ローリー)が、2026年10月30日にBella Unionより通算4作目となるニューアルバム『Softy』をリリースします。そのリリースに先駆けて公開されたタイトルトラックの先行シングル「Softy」は、バンド自身によって作詞・作曲・プロデュースが行われた楽曲です。前作『Keep Up the Good Work』(2023年)を経た本作は、UKやヨーロッパ全域で高く評価された初期のドリームポップ・サウンドを踏襲しつつ、さらにオーガニックで壮大なスケールへと拡張されています。

制作過程においては、結成から10年以上が経過した彼らが原点に立ち返り、全員が同じ部屋に楽器を持ち寄って直接アイデアを練り上げるアプローチが取られました。お互いへの深い敬意と信頼のみを道標として生み出されたこの作品は、親となること(Parenthood)、家族、愛、そして喪失といったきわめてパーソナルでエモーショナルなテーマを深く掘り下げています。長年のキャリアで培われた確かな演奏陣の化学反応が、楽曲の力強さと情緒的な深みを際立たせています。

10年以上にわたり単なる共生関係を超えた一つの「有機体」として活動してきた5人だからこそ到達できた本作は、これまでの作品の中で最も“Lowlyらしさ”に溢れた作品と言えます。言葉によるコミュニケーションすら不要とするほどの息の合ったアンサンブルにより、彼らの最大の達成と最も繊細で脆弱な瞬間がシームレスに織りなされています。4枚目のアルバムでありながら、バンドの新たな章の始まりを感じさせる最高傑作の誕生です。


CLUB BRAT – “DANCING WITH BOYS”

CLUB BRATのシングル「DANCING WITH BOYS」は、Venn Recordsより10月2日にリリースされる待望のEP『We Be The Lord』からの先行トラックです。インディー・ロックのエッジとクラブ・カルチャーの躍動感を大胆に交差させたサウンドが特徴で、中毒性の高いビートと疾走感あふれるプロダクションがフロア仕様の強烈なエネルギーを生み出しています。EPの幕開けを象徴するフラッグシップな楽曲として、聴き手を一気に彼らの音楽世界へと引き込みます。

ミュージックビデオでは、タイトルが提示する夜の開放感やダンスフロアでの情熱的なコミュニティの熱量がダイナミックな映像表現で捉えられています。鮮烈なライティングと躍動感あるカメラワークが楽曲のドライブ感と緻密にシンクロし、自由な自己表現や深夜の狂騒を象徴するビジュアルを構築しています。音と映像が互いの熱量を高め合い、作品全体のテーマ性をより鮮明に伝えるクリエイティブに仕上がっています。

Mackeeper – “Truth or Dare”

Mackeeperのシングル「Truth or Dare」は、オルタナティヴ・エレクトロニックやグランジ、インディー・ロックの要素を融合させたエッジの効いた楽曲です。歌詞では、自身の偏屈で一筋縄ではいかない性格を受け入れつつ、相手との刺激的で激しい攻防や感情のぶつかり合いを楽しむような、挑発的でダークな世界観が描かれています。身体的な痛みや傷つきやすさをテーマにしながらも、時間の経過や自己の生を皮肉交じりに捉える独特の歌詞表現が特徴的です。

ミュージックビデオおよび楽曲全体を通して、ゲームの「真実か挑戦か(Truth or Dare)」になぞらえたヒリヒリとする緊張感や、互いの限界を探り合うようなスリリングな関係性が視覚的・音楽的に表現されています。終盤に向けて繰り返される「That was the last time(あれが最後だった)」というフレーズが強烈な余韻を残し、終焉と執着が入り混じる楽曲の世界観をより一層際立たせています。

Sulfate – “Aqui”

Sulfateのシングル「Aqui」は、ニュージーランドの工業地帯ニューリンで制作されたサード・アルバム『And It Wants』からの先行トラックです。David Harrisの力強いドラム、Zac Arnoldによるファズとフィードバック、そしてPeter Ruddellの鋭いギターと堂々としたバリトンボイスがせめぎ合う、本能的で野生味あふれるサウンドを展開しています。オーディオエンジニアのEmily Wheatcroft-Snapeを迎え、完璧に整えられた現代のデジタル音源への反動として、人間が実際に演奏している生の質感を精緻かつリアルに捉えた一曲となっています。

テーマ面では、誰もが回避できない「死」という不可避な運命と、そこから目を背けようとする人間の心理を描いています。Peter Ruddellが「死を先延ばしにしようとするあまり、喜びを失い、まるで生きていないかのような状態に陥ってしまう存在」について述べている通り、ドローンを効かせた強烈なサウンドとともに、重厚で切実な死生観を突きつける作品に仕上がっています。


世界の終末と死の虚無を見つめながら生のリアリティを追求する——Sulfateがギター編成への刷新と重厚なノイズの壁で描き出す、進化と熱狂のサード・アルバム

ニュージーランド出身のノイズ・ロック・バンドSulfateが、サード・アルバム『And It Wants』をリリースします。ニューリンの工業地帯で執筆・録音された全6曲の本作は、Cormac McCarthyの小説やゴシックホラーの狂気などからインスピレーションを受けて制作されました。完璧に整えられた現代のデジタル社会への反動として、生のバンド演奏のリアリティを追求しており、エンジニアのEmily Wheatcroft-Snapeを迎えて人間的な温もりと圧倒的な生々しさを音に閉じ込めています。

今作では、ベースにZac Arnoldが加入し、フロントマンのPeter Ruddellがキーボードからエレクトリック・ギターへ転向するなど大きな編成変更が行われました。機材のシンプル化によって楽曲の構造や反復による緊張感が研ぎ澄まされ、Arnoldが創り出すノイズの壁とDavid Harrisの力強いドラムが融合した、野生味あふれる重厚なバンド・サウンドを確立しています。

先行シングル「Aqui」に象徴されるように、アルバム全体を通じて「不可避な死」や現代社会の虚無感がテーマに掲げられています。しかし、ただ絶望を描くのではなく、世界の終末が近づく中でも自由で熱狂的に躍動し、喜びを見出すための解放的な音楽的背景として機能する作品に仕上がっています。