Viji – “I’ll Make It Easier”

Vijiのシングル『I’ll Make It Easier』は、90年代のオルタナティヴ・ロックへのオマージュを感じさせる、気だるくも中毒性の高いインディー・ポップです。ザラついたギターのリフと、Viji(本名:ヴィッキー・サウスゲート)の透明感がありつつもどこか投げやりなヴォーカルが絶妙に絡み合い、日常の倦怠感や複雑な感情を軽快なメロディの中に落とし込んでいます。

公式ミュージックビデオでは、彼女の独特な美的センスが反映されたDIY的なヴィジュアルが展開され、楽曲が持つレトロで親しみやすい空気感をより際立たせています。シンプルながらも耳に残るフックと、飾らない等身大の歌詞が特徴で、現代のベッドルーム・ポップ・シーンにおいても彼女の個性が光る一曲となっています。


LIV ALMA – “Sense Of Gravity”

LIV ALMA(リヴ・アルマ)の新曲「Sense Of Gravity」は、繊細なボーカル、ノイジーなエレキギター、そして加工されたサンプリング音が交錯する独創的な一曲です。クラシックピアノやジャズ・サクソフォンをルーツに持つヨハンナ・クラインが、パンデミック下の隔離期間中にギターや歌を取り入れたことで始動したこのソロプロジェクトは、「巧みな未熟さ」を感じさせるループサウンドが特徴。本作でも、ポップさとノイズ、レフトフィールドな感覚が絶妙なバランスで共存しています。

制作面では、ケルンを拠点とするドラマー兼プロデューサーのヤン・フィリップと共に、重層的な音作りを展開しています。幼少期からの音楽教育と即興演奏で培った感性が、緻密に構成されたサウンドテクスチャの中に息づいており、軽やかさと奇妙さが同居する唯一無二の世界観を提示。Papercup Recordsからリリースされた本作は、型にはまらないアプローチで、彼女のアーティストとしての進化を象徴する仕上がりとなっています。

EESE – “Struck Me”

ドイツ・ケルンを拠点に活動するLucaとMaxの親友デュオ、EESEの新曲「Struck Me」がPapercup Recordsからリリースされました。2022年のデビューアルバム以降、セルフプロデュースとミックスに徹底してこだわる彼らは、現代的なツールを駆使した緻密な音作りを特徴としています。本作でも、長い時間をかけて磨き上げられた独自の楽曲構造の中に、彼ららしいクリエイティブなアプローチが光ります。

そのサウンドは、エネルギッシュなギターやシンセサイザーの響きと、幻想的でムード溢れる音楽的風景が同居しており、聴き手をメランコリックな旅へと誘います。特徴的なボーカルが、時にダイナミックに、時に浮遊感のある多層的なサウンドスケープと混ざり合い、現代のインディー・シーンにおいて独自の存在感を放つ仕上がりとなっています。


The Album Leaf & Maiah Manser – “Falling”

The Album LeafがMaiah Manserをフィーチャーしたシングル「Falling」は、ビートを排した純粋なアンビエント・サウンドが深い没入感をもたらす一曲です。Jimmy LaValleが得意とする、幾重にも重なり合う繊細なシンセサイザーのレイヤーと、静謐に揺らめくテクスチャが空間を穏やかに満たしていきます。ビートによるリズムの制約がないことで、音の粒子が空気中に溶け込んでいくような、より自由で広大なサウンドスケープが構築されています。

本作において、Maiah Manserの透明感あふれる歌声は、楽器の一部であるかのようにサウンドの波に溶け込み、リスナーを優しく包み込みます。重力から解き放たれ、タイトルの通り「落ちていく(Falling)」ような心地よい浮遊感と、内省的な美しさが共存する仕上がりです。リズムを削ぎ落とすことで、音の響きそのものの美しさとエモーショナルな旋律が際立ち、聴く者を深い瞑想状態へと誘う至高のアトモスフェリック・ミュージックとなっています。


R. Missing – “I’m Not a Guide, I’m a Professional Driver”

R. Missingのシングル『I’m Not a Guide, I’m a Professional Driver』は、ミステリアスな雰囲気を纏ったダーク・ポップな楽曲です。ヴォーカルのシャロン・リベンによる冷ややかでアンニュイな歌声と、ミニマルながらも重厚感のあるエレクトロニック・ビートが融合し、都会的で孤独な夜のドライブを連想させるような独特の世界観を作り上げています。

歌詞の面では、単なる道案内(ガイド)ではなく「プロのドライバー」であるという主張を通じ、他者との距離感や、自らの役割に対するストイックで冷徹なプライドが描き出されています。感情を排したような淡々としたリズムの中に、底知れない緊張感と美しさが同居しており、リスナーを深い内省へと誘う一曲に仕上がっています。

Pat Grossiが向き合う父性と芸術家の「分裂」。Active Child、Alex Gooseとの共同プロデュースによるセルフタイトル・アルバムをリリース

Active Childが、5月15日にSonyよりセルフタイトルのニューアルバムをリリースすることを発表しました。本作はAlex Gooseとの共同プロデュースにより制作されており、発表と同時に新曲「Needed You」が公開されています。

中心人物のPat Grossiは、加齢とともに芸術を追求することがロマンティックなものではなく、より混沌としたものに感じられるようになったと語っています。父親としての顔と、制作のために孤独を必要とする芸術家としての生活が対立し、彼の中に大きな「分裂」を生み出したことが明かされています。

このような内面の葛藤に対し、彼は自分や周囲を不確かな現実から守るために「真実を曲げ、半分だけの真実を語る保護者」としての役割を担うようになったといいます。本作には、そうした個人の生活と創作の狭間で揺れ動く切実な想いが投影されています。


Good Morning Midnight – “Clarity & Circuit Bender”

ミネアポリスを拠点に活動する Charlie Cacciatore によるソロプロジェクト Good Morning Midnight が、ニューシングル「Clarity & Circuit Bender」をリリースしました。流動的なメンバーやコラボレーターと共に形作られるそのサウンドは、常に変化し続けながらも一本の芯が通った一貫性を持ち合わせています。フォークやインディー・ロックの素養を感じさせつつ、独自の感性で紡がれるメロディが特徴です。

本作「Clarity & Circuit Bender」は、プロジェクトの持つ多面的な魅力を凝縮した一曲に仕上がっています。タイトルが示唆するように、明晰さと実験的なテクスチャが共存しており、リスナーを惹きつける繊細なソングライティングが際立ちます。現在進行形のミネアポリスのインディー・シーンにおいて、着実にその存在感を高めている Good Morning Midnight の最新の探究心が反映された重要なリリースです。


Frog – “Dark Out”

ニューヨークを拠点とするデュオFrogが、2025年に発表した『The Count』や『1000 Variations On The Same Song』に続き、ニューアルバム『Frog For Sale』のリリースを控えています。新曲「Dark Out」は、Daniel Batemanの親密ながらもどこか不気味で悲しみを帯びたヴォーカルが印象的な楽曲です。温かみのあるピアノ、優美なストリングス、そして陽気なタンバリンの刻みが重なり合い、彼ららしい独創的で巧みなサウンドを作り上げています。

公開されたミュージックビデオは、Bateman兄弟の幼少期のホームビデオを編集した、非常に愛らしくノスタルジックな映像に仕上がっています。「自分をナイフのように感じてほしい」といった切実な歌詞と、家族の記憶を辿るようなヴィジュアルが融合し、聴く者の心に深く残る一曲となっています。


Heavy Metal Chess Club – “Discrete Math”

フィラデルフィアを拠点とするバンド Heavy Metal Chess Club が、We’re Trying Records よりニューシングル「Discrete Math」をリリースしました。本作は emo や midwest emo のエッセンスを色濃く反映した楽曲で、ジャンルの特徴であるエモーショナルな昂揚感と、レギュラーチューニングで書かれたという独特なアンサンブルが特徴です。SoundCloudやYouTube Musicといった主要プラットフォームで公開されており、シーンにおいて独自の存在感を放っています。

歌詞では、内面的な葛藤や人間関係における脆さが切実に描かれています。自らの恐怖心や、困難な状況で向き合えなかった過去への後悔を吐露しつつ、「視界から外さないでほしい」という切実な願いが綴られています。小枝のように折れてしまいそうな危うさを抱えながらも、相手との繋がりを求める独白のようなメッセージは、瑞々しいギターサウンドと共にリスナーの感情を強く揺さぶる一曲に仕上がっています。


Cat Merkle – “The Same For Us”

シカゴを拠点に活動するシンガーソングライター Cat Merkle が、レーベル Internet & Weed よりニューシングル「The Same For Us」をリリースしました。Amy Winehouse や Lizzy McAlpine に影響を受けた彼女のスタイルは、ドラマチックな昂揚感と親密な情緒を併せ持っています。2024年秋からシカゴの Martyrs’ や Cubby Bear といった名門会場で精力的にライブ活動を展開しており、本作でもそのライブ感のある力強い表現力が存分に発揮されています。

新曲「The Same For Us」は、報われない愛とそれに対する自己決定をテーマにした、痛切でエモーショナルな楽曲です。歌詞では、相手を想いながら書き溜めた「100曲もの未完成の歌」をモチーフに、関係の崩壊を無視し続けようとした葛藤や、相手の不誠実さへの気づきが綴られています。夏の終わりと共に過去を振り切ろうとする決意が込められた本作は、彼女のソウルフルな歌声と相まって、失恋の痛みを超えて前へ進もうとするリスナーの心に深く響く一曲に仕上がっています。


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