脆弱さから不屈の闘志へ。Joudyが放つ新曲『Nail』が、ファズの轟音と剃刀のようなギターで描く、剥き出しのカタルシス

ニューヨークを拠点に活動するオルタナティブ・ロックバンドJoudyが、ニューアルバム『Permanent Maintenance』からの第1弾シングル「Nail」をリリースしました。本作は2026年7月24日にインディーレーベルTrash Casualからリリース予定のアルバムに先駆けた一曲です。パンチの効いたドラム、ファズの効いた重厚なベース、そして剃刀のように鋭いギターが、脆弱な心情から不屈の反抗心へと変化していく様子を、生々しくカタルシスに満ちたアンセムとして描き出しています。

アルバム『Permanent Maintenance』は、これまでのJoudyのキャリアの中でも最もバイタルで強烈な時代の幕開けを象徴する作品です。フロントマンのDiego Ramirezは、本作のテーマについて「痛みとは愛によって研ぎ澄まされた上質なナイフである」と述べており、高揚感のあるロックをより短く、より激しく、そしてより強固に昇華させたサウンドを展開しています。制作には、プロデューサーのMarco Buccelliをはじめ、Benny Grotto(ミックス)、Alan Douches(マスタリング)といった実力派が名を連ね、バンドの持つ熱量を余すことなくパッケージしています。

楽曲のリリースとあわせて、Gabriel Duqueが監督、Anyelo Troyaが撮影監督を務めたミュージックビデオも公開されました。映像制作においても、Diego Ramirez自身がラインプロデューサーとして携わるなど、バンドのクリエイティブなコントロールが細部まで行き届いています。「Nail」は、彼らが追求する「絶え間ないメンテナンス(Permanent Maintenance)」というテーマの通り、磨き上げられた鋭利な表現が光る一曲となっています。

Indigo De Souza – “Come To God”

Indigo De Souzaが発表したニューシングル「Come To God」は、彼女の人生における劇的な転換点から生まれました。洪水ですべての持ち物を失い、最も親密だった人間関係が突然終わりを迎えるという過酷な状況の中で、彼女は住み慣れた土地を離れ、ロサンゼルスへと移住することを決意しました。

現実が根底から覆されるような混乱の中で、彼女は「悲しみ(grief)」を非常に重要な教師であると再認識したと語ります。悲しみは循環しながら自分を新しい姿へと生まれ変わらせ、いかなる状況でも「自分の身体は安全な場所である」と教えてくれる存在であるという、再生への力強いメッセージがこの曲には込められています。

沈黙を破り提示される、10編の新たな寓話。H. Hawklineら気鋭の奏者たちと共に、Aldous Hardingがその独創的なソングライティングをさらなる深化へと導く

ニュージーランド出身のシンガーソングライターAldous Hardingが、5月8日に4ADから通算5作目となるスタジオアルバム『Train on the Island』をリリースすることを発表しました。本作は、PJ Harveyらを手掛ける長年のパートナー、John Parishと共に、ウェールズのロックフィールド・スタジオにて制作されました。このスタジオは、彼女の過去3作が録音された場所でもあり、馴染み深い環境での創作となっています。

本作には、ペダル・スティールのJoe Harvey-Whyte、ハープのMali Llywelyn、H. Hawklineとしても活動するHuw Evansなど、多彩なプレイヤーが集結しました。アルバムからの先行シングルとして公開された「Last Stop」は、静かなピアノバラードから始まり、次第に心地よいグルーヴへと展開していく楽曲です。あわせて、Michelle Henningが監督を務めたミュージックビデオも公開されています。

全10曲を収録したこのアルバムは、これまでの作品で培われた独創的な音楽世界をさらに深める内容となっています。シンセサイザーのThomas PoliやドラムのSebastian Rochfordといった熟練のアーティストたちが加わったことで、オルガンやハープが織りなす豊かで繊細なアンサンブルが期待されます。

光の差さない自室で、テープに刻まれた真実の断片。Greg Mendezが15年の無名時代を経て到達した、静謐で切実な最新作『Beauty Land』

フィラデルフィアのシンガーソングライターGreg Mendezが、名門Dead Oceans移籍後初となるフルアルバム『Beauty Land』を5月29日にリリースすることを発表しました。2024年のEP『First Time / Alone』に続く本作は、その大半が自宅スタジオでテープに直接録音されており、10年以上のキャリアを経て独自の地位を築いた彼の新たな出発点となります。

アルバムの幕開けを飾るリードシングル「I Wanna Feel Pretty」もあわせて公開されました。この楽曲は、前作までの剥き出しでミニマルな質感を引き継ぎつつ、後半にかけてオーケストレーションが加わっていく構成が特徴です。Rhys Scarabosioが監督したビデオと共に、Mendezのソングライティングの真髄を味わえる仕上がりとなっています。

Mendezは本作の背景にある「アメリカン・ドリーム」の空虚さについても語っています。郊外のショッピングモールや住宅開発地に囲まれて育った彼は、それらを「消費主義の大聖堂」と呼び、誰もが属することのできないホログラムのような約束の虚しさを音楽と映像に投影しました。この孤独で壮大な視点が、アルバム全体を貫く重要なテーマとなっています。

『メジャーでの支配には苦い後味しかなかった』――Basementが8年の沈黙を破り、原点のレーベルで鳴らす純粋な情熱と再起のサウンド

イギリスのエモ・バンドBasementが、2018年以来となる待望のニューアルバム『Wired』を5月にRun For Cover Recordsからリリースすることを発表しました。先行シングルとして、タイトル曲「Wired」と「Broken By Design」の2曲が公開されています。メジャーレーベルでの活動を経て、原点であるインディーレーベルへと帰還した彼らは、かつての制約から解放された自由な創作意欲を取り戻しています。

プロデューサーにJohn Congletonを迎えた本作は、バンド内のコミュニケーションを改善し、活動の原点である「純粋に楽しむこと」へと立ち返るプロセスから生まれました。ボーカルのAndrew Fisherは、先行曲について「制御不能な感情の表出(Wired)」や、「失敗から学び、友人として再びクリエイティブに向き合う決意(Broken By Design)」を歌っていると説明しており、過去の苦い経験を糧にした精神的な成長が色濃く反映されています。

先行曲はそれぞれ、Ashley Rommelrath(Wired)とTas Wilson(Broken By Design)が監督を務めたミュージックビデオと共に公開されました。2024年の復活ライブで過去の楽曲がバイラルヒットし、新たな世代のファンを熱狂させている彼らにとって、本作は過去の栄光の焼き直しではない、最も力強く自信に満ちた再出発の声明となっています。

Joni Mitchellの再来か、70年代の亡霊か。ロサンゼルスの新星Haylie Davisが、Karen Carpenterの影を纏い歌い上げるデビュー作『Wandering Star』

ロサンゼルスを拠点とするシンガーソングライターHaylie Davisが、デビューアルバム『Wandering Star』のリリースを発表し、あわせてタイトル曲の先行配信を開始しました。本作は、Carole KingやJoni Mitchellらが築いた70年代初頭のシンガーソングライターの精神を継承しており、親密で映画的な物語が展開される、彼女の「成長の記録」とも言える一作です。

アルバムは、Karen Carpenterを彷彿とさせる哀愁漂うピアノ・バラードから、Emmylou Harrisのようなコズミック・カントリー、さらにはClairoを彷彿とさせる現代的なローファイ・フォークまで、多彩な音楽性を内包しています。Rolling Stone誌が「ローレル・キャニオン風のフォーク・ポップ」と称賛した彼女のスタイルは、今作でLana Del ReyやWeyes Bloodにも通じる成熟した世界観へとさらなる広がりを見せています。

現代ポップスへの新鮮なアプローチが光る本作は、キャッチーなフックや高揚感のあるコーラス、そして聴き手の心を揺さぶるストーリーテリングに溢れています。制作にあたり彼女は、Sam BurtonやNoel Friesen、Connor Gallaher、Pierce Gibsonといった協力者たちへの深い感謝を述べており、多くの助けによってこの野心的なデビュー作が完成したことを強調しています。

Friko – “Choo Choo”

シカゴを拠点とする4人組バンドFrikoが、4月24日にATO Recordsからリリースされるニューアルバム『Something Worth Waiting For』より、新曲「Choo Choo」を公開しました。先行曲のバラードから一転、今作は「列車の魔法」を遊び心たっぷりに描いたキネティック(動的)なエネルギーに満ちた楽曲です。ライブパフォーマンスの力強さを反映するように、加速と減速を繰り返しながらジェットコースターのような結末へと突き進みます。

ボーカルのNiko Kapetanは、この曲をバンドという「家」のような絆に対するエモーショナルなオマージュであると語っています。作曲中にふと口にした「Choo Choo」というフレーズから生まれたこの曲は、単なる列車の歌にとどまらず、メンバー間の結びつきを象徴する重要なピースとなっています。緩急自在な展開が心地よい、ライブ映え間違いなしの熱量の高い一曲に仕上がっています。

Bonnie “Prince” Billy – “Life Is Scary Horses”

Bonnie “Prince” Billyがアルバム『We Are Together Again』からの先行シングルとして発表した「Life Is Scary Horses」は、MekonsのメンバーであるSally TimmsとJon Langfordによる楽曲「Horses」(2000年作)の「スピリチュアル・カバー」です。これまでも「Horses」をカバーしてきたWill Oldhamは、原曲が問いかけていた未解決の疑問を自らの解釈で新たな楽曲として昇華させたいと考え、この曲を制作しました。本作にはオリジナルの制作者の一人であるSally Timmsがバックボーカルとして参加しており、楽曲の深みを一層高めています。

Braden Kingが監督を務めたミュージックビデオは、記憶や過ぎ去りゆく世界をテーマにした、「未来に向けた哀歌」のような映像作品として完成しました。Ryder McNairによる美しいストリングス・アレンジとThomas Deakinの口笛が彩るこの楽曲は、「人類の時代は終わりを迎えた」という示唆的な歌詞を含み、聴き手に人間という種の存在意義を問いかけます。長年のコラボレーターであるBraden Kingとの絆から生まれたこの作品は、かつて存在した者たちを知ろうとする未来に向けたメッセージのような響きを持っています。

ハードコアの枠を突き破り、パンクの最も不穏で角ばった領域へ。不協和音と突発的なパンチが交錯する、Choncyのより剥き出しになった最新スタイル

シンシナティ出身のパンク・カルテットChoncyが、4月17日にFeel It Recordsからリリースされる3rdアルバム『Trademark』より、楽曲「Dressing the Part」を公開しました。50年以上の歴史を持つパンクというジャンルの限界に挑み続ける彼らは、特定の時代背景に縛られることを拒み、イギリスの都市部からアメリカ中西部の荒廃した地域まで、多様なオルタナティブ・ミュージックのモチーフを自在に操っています。

今作では、これまでの「キッチンシンク」のように何でも詰め込むスタイルから一転、ハードコアのルーツを削ぎ落とし、より疎外的で角ばったポストパンク的な領域へと進化を遂げました。狂気を感じさせる不協和音とゴツゴツとした力強いリズムが予測不能に交錯し、リスナーに対してこれまで以上に強い緊張感と注意を要求する、アグレッシブなサウンドへと深化しています。

前作以降、メンバーがオハイオとニューヨークに分かれたことで、制作は完全リモート体制へと移行しました。ブルックリンとシンシナティの寝室や練習スペースで自ら録音された全10曲は、物理的な距離を飛び越えてピンポンのようにデモをやり取りする中で磨き上げられました。離れ離れになってもなお研ぎ澄まされた彼らの「トレードマーク」といえるDIY精神が、本作には凝縮されています。

ノイズはもう飽きた。実験音楽界の異端児Callahan & Witscherが、ミレニアム・ポップの皮を被りアンダーグラウンドの終焉を歌うメタ・ロックの極致

Jack CallahanとJeff Witscherによるユニットが、5月29日発売のニューアルバム『Sorry To Hear That』より、F.G.S.をフィーチャーした先行シングル「Rather Be Alone」をリリースしました。長年アメリカの実験音楽シーンの最前線で活動してきた二人が、ノイズへの倦怠感から「ミレニアム期のポップ・ロック」へと舵を切った前作の路線を継承しつつ、Drew MullinsとSteve Marcarioが監督を務めたビデオと共に、新たな展開を見せています。

本作は、前作『Think Differently』が受けた反響と、それに伴う狂信的な熱狂や失望、そして人間関係の断絶といった生々しい記録を内包した「メタ・メタ・コンセプチュアル」な作品です。制作に費やされた9ヶ月間の個人的・職業的な混乱を物語として落とし込み、演奏する側とされる側の双方に向けた痛烈な批評性を備えています。

サウンド面では、前作以上にギターやブレイクビートが強調され、内省的な倦怠感と自虐的なユーモアがさらに純化されています。ゲスト陣にはMarlon DuBois(Shed Theory)やCloud Nothingsのメンバー、そして先行曲に参加したF.G.S.ことFlannery Silvaなど、インディーシーンの新旧の戦友たちが集結しており、アンダーグラウンドの精神を持ちながらポップの構造を解体する野心的な一作となっています。

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