Jacco Gardner – ‘Cabinet of Curiosities’ (Trouble In Mind)

今日みたいな風の強い時は革ジャンにするべきだった。外に出る際の防寒は工夫で少しは変るが、家の中にいて寒い場合、暖房を使っても限界がある。今朝なんて布団に入っていてかなり寒気がするから、風邪をひいたのかと思って、どうしようと思っていたら、日が差し込む時間になってから普通に戻った。朝、5時6時くらいの寒さが尋常じゃない。角部屋で採光抜群だが温度変化が激しすぎる。室内砂漠である。このままでは孤独死してしまうかもしれない。温かくなる気分の音楽でも聴いて落ちつこう。クーラータイプの暖房が嫌いなので、部屋ではハロゲン・ヒーターを使っているが、これは局地的には温まるが、部屋全体を補うものではない。Jacco Gardner の音楽はなんだろう。さっきのクーラータイプじゃないし、ホットカーペットでもない。ガスや石油に近いがもっと色味が欲しい。つまり火が見えるような暖房。暖炉なんて普通はないから、石油でもドラム缶みたいにでかいヤツ。地元の学校ではいつもあれだった。高校時代は、毎朝灯油を貰える量が決まっていて、いざって時に困らぬよう節約してつかっていたな。火を起こすとしてくる灯油の臭いもなんかいい。そして徐々に熱くなってきて、やっと寒さから解放される。そのままストーブの前にいると、だんだんポーッとしてくるんですよね。しばらくその感じに慣れていると、なかなか離れることができなくなる。ずっとストーブを占領していたいけど、他のヤツが割り込んできて幸せな時間も終了。そんな思い出と共に温まるような音楽です。でも、いまもこうやって書いている最中も背筋が凍りつくくらい寒い。こうなったら風呂に入るしかないな。

6.0/10

Maston – ‘Shadows’ (Trouble In Mind)

年の感じだとお孫さんと思われる赤ん坊を乳母車に乗せた女性が前方からやってきた。そして信号も横断歩道もない小さな交差点に差し掛かるとその女性は、目ん玉をひんむきながら「ほ〜ら、みぎよし、ひだりよし、だいじょ〜〜ぶ」と、首を左右に大きくふりながら車が来ないのを確認していた。非難を承知で言いますが、おまえが大丈夫かっておもったさ。どうも母親などが子供をあやしたり、諭したりする時のあの口調が苦手だ。子供にとってあれはいい効果があるの?母親学校とかで教えてんの? 普通にしゃべってはいけないのだろうか。そんなことを思いつつ Maston を聴けば、これまた少々過剰な演出が目立つのでした。インスト曲を挟みながらの60年代を思わせる音楽で構成されているのですが、ノスタルジアを煽るようにイメージ・ソングが合間合間に流れ、サーフサイケ・ポップ風な唄入り曲でまとめられている。オルガン系の音色が全体をセピア色の枯れた感じで包み込み、Frank Maston の歌うメロディは物憂い雰囲気を醸し出している。インスト曲とそうでないものに基本的な違いはないですが、それが入ることによって、ソングライター作というよりは、楽曲に耳が傾く内容。なので、唄もの系と思わせておいて、そうでもないような感じがあります。ただ、全体としてはあまり多くの印象を残せてはいないかな。

5.5/10

Kurt Vile – “Wakin On A Pretty Day”

[youtube http://www.youtube.com/watch?v=bd0K76H7sU8&w=640&h=360]

やっときました。出ると言われていた Kurt Vile のニュー・アルバムから最初の曲のビデオ “Wakin On A Pretty Day” です。新作アルバムのタイトルでもあるこの曲は、アルバムのオープニング・トラックでもあり、9分に及ぶ長い曲。そして、こちらの映像はジャケット写真が出来上がっていくドキュメンタリー映像です。アルバム Wakin On A Pretty Day は、Matador から 4/8 のリリースです。

Julianna Barwick – “Pacing”

2011年にリリースした The Magic Place 以降は、Ikue Mori とのコラボ作や Helado Negro との OMBRE プロジェクトとしての作品はリリースしていた Julianna Barwick が久々にソロ・リリースを致します。”Pacing” は、ピアノをバックに歌う美しい曲で、3/5 に Suicide Squeeze Records からリリースされる EPからの曲になります。

[youtube http://www.youtube.com/watch?v=yFBXBfx7o5c&w=640&h=360]

Ashley Paul – “Soak the Ocean”

ブルックリンを拠点にするフリー・フォーク、即興、実験サウンドの女性プロデューサー Ashley Paul が、昨年の Slow Boat に続いて新作アルバムをリリースするようです。”Soak the Ocean” は、先行曲になりますが、実験性は保ちながらも、いつもよりもヴォーカルを重ね、音色も綺麗な可愛い曲。アルバムは 3/18 に REL Records からリリースになりますが、たのしみですね。

Night Beds – ‘Country Sleep’ (Dead Oceans)

ファミレスでちょいと作業をしていると後ろの席には若いカップルが座った。どうも彼女は機嫌が悪いようだ。彼氏が盛り上げようと必死になっている。「ほらあ、この頃の笑顔を思い出してよ〜」と、たぶん携帯の思いで写真を見せているよう。その甲斐あって彼女の機嫌も徐々に回復してきたようだ。その後、互いの似顔絵を書いて楽しんでいるが、彼女が書いた似顔絵が気に食わなかったのか、今度は彼氏が無言になりだした。どんな絵だったか分からないが、「似てるじゃ〜ん」と笑ってるこの彼女はなかなかの難物だ。ナンブツ、ナイベツ、ナイトベッツ。。無理がありますな、でも Night Beds です。ナッシュヴィルの Winston Yellen によるソロアーティストでこれがデビュー作。唄が中心にある場合、そこに付随する楽曲もひとつの個性になるが、彼の場合色々とやってるようであるが、方向は見えている。つまり、ロック、フォーク、カントリー、ジャズ、クラシックとかが、綺麗な感じでまとまっている。オルタナ系ソングライターの作品ではこのパターンが結構多いと思う。特にこのレーベル周辺に強く感じるもの。歌がうまいのは分かります。本人は立派な自分の音楽を作ったと思ってるかもしれないけど、さっきの彼女に言わせたら「にてるじゃ〜ん」ってね。

5.0/10

Grouper – ‘The Man Who Died in His Boat’ (Kranky)

Type 以降は、レーベルがよく分かんなかったんで、Kranky に収まってもらったのは分り易くて好都合です。そしてその Type から 2008年にリリースされた GrouperDragging A Dead Deer Up A Hill (今回同時に再発)は、それ以降の Grouper よりも、最も Grouper していたというか、そこから彼女はどんよりと深い方向に向かっていった。と、言ってもこの当時でもそれなりにドローンを基調としたスタイルであったので、一般的なフォーク・ソングに比べたらかなり屈折した音楽ですが。でも、言うなれば最もポップであったと言われる作品と同時期に録音されていたらしい未発表音源を集めたものがこの The Man Who Died in His Boat だそう。よくある未発表音源がリリースされる場合は、大体がお金以外の他ならないと思うのですが、こちらの作品集はそういうものでもなさそう。彼女自身がこれらの曲をリリースしなかったのは、Grouper としての音楽ではないと自己診断したからなのか、ただ曲が気に入らなかっただけなのか、それともすっかり忘れていただけなのか。初期段階でこのようなフォーク・ソングを密かに作っていた彼女がその後、実験性を高めていったのはなんでだったんだろう。そして、このような音楽をやることはもうないのだろうか。それは今年中には出るらしい本当の新作アルバムで判るでしょう。

8.0/10

Indians – ‘Somewhere Else’ (4AD)

ここ最近の好調ぶりが恐ろしくもある 4AD が新たに契約した Indians はコペンハーゲンの Søren Løkke Juul による歌い手です。ここ最近と限定しましたが、実際は常に安定した供給を保っていたのかも知れませんが、ずっと 4AD に注視していたわけでもないので、そう感じているのは自分だけかなのかもしれません。なので、最初にこの方の名前を聞いたときは、もう何枚かアルバムをリリースしている人かと勘違いをしておりました。でも、その勘違いはあながち間違っていないというか、音楽的にはかなり落ちついております。ザックリ言うとフォークとエレクトリックの組合せに、今風なソウルポップを加え、そこに北欧のシンガーが唄っている感のあるヴォーカル・スタイル。なぜスウェーデン系の唄っていつも健康的なメロディなんでしょうね。彼はデンマークですが、それに通じるとこがあります。そしてデンマークで 4ADと言えば、Efterklang ですが、彼等のものとは違うけど、同様に歌がうまい。Bon Iver にも比較されるところがあるようですが、レーベルはこういうアーティストが本当に好きなんですね。あまりリリースもない早い段階で契約したのも、レーベルとしてなにか刺さるものがあったのでしょう。でも、もし 4AD から出ていなかったら、一生 Indians を聴くことなかったかもしれないです。

5.5/10

[youtube http://www.youtube.com/watch?v=XbB_sE3knvI&w=640&h=200]

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