Drug Church – “Pynch”

ポストハードコア・シーンの寵児 Drug Churchが、2024年の傑作アルバム『Prude』以来となる待望の新曲「Pynch」をリリースしました。フロントマンのPatrick Kindlonは、この楽曲について「自分たちがこれまでに作った中で、最もラブソングに近い曲だ」とコメント。いつまでも負け犬のままでいることを許さない、誰かとの出会いについて歌った一曲です。

「Drug Church流のラブソング」とはいかなるものか、その内容は神託や横転する車、湿った溝に例えられる脇の下、さらには銃や棺といった不穏な言葉が散りばめられた、彼ららしいエッジの効いた仕上がりになっています。愛というテーマを扱いながらも、バンド特有の荒々しくも知的なサウンドと、一筋縄ではいかない冷徹な視線が同居する唯一無二のトラックです。

49th & Main – “Sleepwalking”

49th & Mainが、Ninja Tune傘下のCounter Recordsより新曲「Sleepwalking」をリリースしました。デュオはこの楽曲について、関係性が以前とは変わってしまった「夢のような状態」をテーマにしており、その不確実性が恐怖であると同時に、刺激的でもあるという心境を表現していると語っています。

今作は、エネルギッシュな前作「LIVE 4 THE WEEKEND」に続く最新シングルです。彼らは昨年11月、アイルランドの自殺防止チャリティ団体Pieta Houseへの資金調達を目的に、毎日即興で楽曲を制作・公開する活動も展開。当初の目標額5,000ユーロを超える寄付を集めるなど、クリエイティブな表現を通じて社会貢献にも精力的に取り組んでいます。

The Third Sound – “Remedy”

The Brian Jonestown Massacreのギタリスト、Hákon Aðalsteinsson率いるベルリン拠点のサイケデリック・ポストパンク・バンド、The Third Soundがニューシングル「Remedy」をリリースしました。本作は、最新アルバム『Most Perfect Solitude』のセッション時に録音されながらも一度はお蔵入りとなった楽曲ですが、初期作品を手がけた盟友Hallbergがミックスを担当することで、微細ながらも不可欠な要素が加わり、息を吹き返しました。

この楽曲は、深い夜の瞑想、すなわち「異なる世界が衝突する瞬間」をテーマにしています。目が覚めているのか眠っているのか、あるいは以前訪れたことがあるような気がする、次元の狭間にいるような感覚を表現しています。現在デジタル配信中の本作は、バンドのオーストラリア・ツアーをサポートする重要な一曲として、サイケデリックで没入感のある音像を提示しています。

Sincere Engineer – “Cooler”

シカゴを拠点とするDeanna Belosのパンク・プロジェクト、Sincere Engineerがニューシングル「Cooler」をリリースしました。本作は、彼女たちの持ち味である、エネルギッシュでどこか切なさを漂わせるパンキッシュなサウンドと、日常の些細なフラストレーションや自己嫌悪をユーモラスかつ率直に綴った歌詞が光る一曲です。

サウンド面では、疾走感のあるギターリフと合唱必至のキャッチーなメロディが、90年代以降のシカゴ・パンク・シーンの系譜を感じさせます。思わず拳を突き上げたくなるような高揚感がありながらも、内省的で親しみやすい彼女のボーカルが、聴き手の日常に寄り添うような深い共感を呼ぶ仕上がりとなっています。

Mei Semones – “Tooth Fairy” (feat. John Roseboro)

シンガーソングライターのMei Semonesが、ブルックリンを拠点とするJohn Roseboroをフィーチャリングに迎えたニューシングル「Tooth Fairy」をリリースしました。本作は、4月10日にBayonet Recordsからリリースされる最新作『Kurage』からの先行カット。彼女の代名詞である日本語と英語が交錯する歌詞、そしてボサノヴァの影響を感じさせる軽快なギターワークが、Roseboroの温かな歌声と見事に溶け合っています。

本作は、日常の断片を甘美なポップ・ソングへと昇華させる彼女の卓越したセンスが光る一曲です。洗練されたジャズのコード進行にストリングスが重なり、初夏の木漏れ日のような心地よさと、どこかノスタルジックな切なさを同居させています。親密なデュエット形式をとることで、彼女の音楽的ルーツであるブラジル音楽への敬愛が、より深く瑞々しい形で表現されています。

Hit Like A Girl – “Once and For All (I Gotta Forget You)”

フィラデルフィアを拠点とするNicolle Maroulisのプロジェクト、Hit Like a Girlが、3月27日にCryptid Recordsからリリースされるニューアルバム『Burning At Both Ends』より、最終先行シングル「Once and For All (I Gotta Forget You)」を公開しました。本作はマントラのように繰り返される歌詞が印象的な楽曲で、2010年代のDIYシーンを彷彿とさせるサウンドが特徴です。不協和音を奏でるギターと循環するキーボードの旋律が、未練を断ち切り境界線を引こうとする心の葛藤と解放を見事に表現しています。

通算4作目となる本作は、現在のライブメンバーと共に制作された最もコラボレーティブなアルバムであり、Midwest Emoやハードコア、シンセ・ポップなど多彩なジャンルを飲み込んだエネルギッシュな作品に仕上がっています。「両端から燃えるロウソク」という慣用句を冠したタイトルが示す通り、人間関係やメンタルヘルスの葛藤、音楽への献身によって心身を削り、何も与えるものがなくなった瞬間の「清算」を描いています。痛みや暗い感情を掘り下げながらも、それを踊れるような騒快な楽しさへと昇華させた、バンドの真骨頂といえる一枚です。

Kevin Morby – “Die Young”

シンガーソングライターのKevin Morbyが、Aaron Dessner(The National)をプロデューサーに迎えたニューアルバム『Little Wide Open』からのセカンドシングル「Die Young」をリリースしました。19歳からプロとしてツアー生活を続けてきた彼が、20年経った今もなお生き続けていることへの奇跡と感謝を綴った本作は、Mat Davidson(Big Thief等)のバイオリンが寄り添う、温かく内省的なアコースティック・ナンバーに仕上がっています。

この楽曲は、長年の旅の仲間たちや、かつてライブを通じて出会ったパートナーのKatie Crutchfield(Waxahatchee)に捧げられた「ラブレター」でもあります。公開されたミュージックビデオでは、フリンジの付いた星条旗ジャケットを纏った彼が、マジックアワーのひまわり畑を歩む幻想的な姿が映し出されており、ソングライターとして、そして一人の人間としてのこれまでの歩みを慈しむような、深い情愛を感じさせる一曲です。

Wendy Eisenberg – “Vanity Paradox”

マルチな才能を発揮する音楽家Wendy Eisenbergが、シンガーソングライターとしての側面を打ち出したセルフタイトルアルバムをリリースします。EditrixやBill Orcutt Guitar Quartetでの先鋭的な活動とは一線を画し、新作からのシングル「Vanity Paradox」では、独創的で遊び心あふれるメロディと、インディーギターに突き刺さるようなバイオリンの音色が融合した魅力的なサウンドを展開しています。本人はこの曲について、友人から「良い人だと思われたい」という欲求や、トラウマからの回復過程で自分自身を客観視できなくなる「不安の感覚」を解読しようとしたものだと語っています。

楽曲の世界観を補完するミュージックビデオはRuby Marsが監督を務め、アトランティックシティの伝説的建造物「ルーシー・ザ・エレファント(象の形をした巨大な家)」で撮影されました。エッフェル塔や自由の女神よりも長い歴史を持ち、数々の嵐を耐え抜いてきたこの象の巨像は、背後で Wendyを見守る守護者のようでもあり、同時に独特の威圧感を放つ異質な存在としても描かれています。自己への好奇心が皮肉にも自分を不明瞭にしてしまうという「虚栄のパラドックス」を、映像と音楽の両面から鮮烈に映し出した作品です。

Gouge Away – “Figurine”

サウスフロリダで結成されたGouge Awayは、FugaziやUnwound、The Jesus Lizardといったバンドに影響を受け、地元シーンに欠けていた切迫感やノイズ、内省的なリリックを追求してきました。2018年にはDeathwish Inc.より、個人的な葛藤を深く掘り下げた『Burnt Sugar』をリリースし、世界的なツアーを展開。パンデミックによる一時的な活動休止を経て、2023年にはJack Shirleyと共に、全編アナログテープによるライブ録音でバンドの真髄である「5人の生のアンサンブル」を記録した『Deep Sage』を完成させました。

現在、バンドはRun For Cover Recordsへの移籍を発表し、最新シングル「Figurine」をリリースして新たな章へと踏み出しています。初期のDIY精神を失うことなく、より研ぎ澄まされた重厚なサウンドと衝動を携え、アンダーグラウンド・シーンにおける確固たる地位をさらに強固なものにしています。

Robber Robber – “Pieces”

バーモント州バーリントンを拠点とするポストパンク・バンド、Robber Robberがニューシングル「Pieces」をリリースしました。本作は、4月3日にFire Talkからリリースされる待望のニューアルバム『Two Wheels Move the Soul』からの先行カット。不協和音を恐れないエッジの効いたギターワークと、複雑に絡み合うリズムセクションが、バンド特有のドライで緊張感に満ちた空気感を作り出しています。

歌詞の面では、自己の一部を切り出し、不確かな関係性や忘却の中に身を投じるような内省的な世界観が描かれています。「触覚を頼りに進む(navigate by touch)」といったフレーズに象徴されるように、視界の効かない暗闇の中で模索を続けるような切実な響きが、ソリッドなサウンドと見事に共鳴しています。アルバムの核心を突く、彼らの音楽的進化を雄弁に物語る一曲です。

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