「サイバーパンク」の熱狂を経て、Rosa Waltonが踏み出す新たな創造のステップ —— ソルフェージュのような脆弱さと大胆な野心が共鳴するソロデビュー作『Tell Me It’s A Dream』の全貌

Let’s Eat GrandmaのJenny HollingworthがJenny On Holiday名義でソロデビューしたのに続き、もう一人のメンバーであるRosa Waltonも、ソロデビューアルバム『Tell Me It’s A Dream』を6月5日にTransgressiveからリリースすることを発表しました。本作はDavid Wrenchとの共同プロデュースで、John Victor(ギター)やElena Costa(ドラム)らが参加。さらに「Prettier Things」にはJennyもゲスト参加しています。「究極の自由」を追求し、世界に溢れる美しさや野心を詰め込んだ、彼女にとっての夢を追う決意表明とも言える作品です。

ソロプロジェクトの始動についてRosaは、決してユニットから離れるためではなく、自身の感情を整理し、地に足をつけるための書き留めから始まったと説明しています。それが周囲の人々との交流や、共に音楽を作る喜びを通じて、一つの大きな形へと成長していきました。個人的なプロセスの延長線上にありながら、仲間たちとの連帯感によって彩られた、極めてポジティブな創作の記録となっています。

第1弾シングルとして公開された「Sorry Anyway」は、他人の目や既存の枠にとらわれず、自分らしく野心を追い求める姿勢を歌ったアンセム的なシンセポップです。レコーディングではあえて「投げやりで、型にはまらない乱雑さ」を楽しみ、彼女にとっての新境地となるボーカルスタイルも披露しています。Ivana Bobicが監督したミュージックビデオと共に、ありのままの自分を肯定するRosa Waltonの新たな幕開けを象徴する一曲です。

ENOLA – “I Know You’re Leaving”

メルボルン(ナーム)を拠点に活動するドリーム・ポップ/シューゲイザー・アーティスト ENOLA(Ruby Marshall)が、ニューシングル「I Know You’re Leaving」をリリースしました。近日発売予定のEP『Nothing Lasts Forever』からの先行カットとなる本作は、自身の誕生日の帰路、恋人の肩に頭を預けながら高速道路を眺めた静かな瞬間に着想を得ています。「デヴィッド・リンチの映画のワンシーン」のような親密さと、いつか終わることを予感しながらも愛に身を委ねる切実な感情が、柔らかな音像の中に封じ込められています。

サウンド面では、HTRKやRowland S. Howardを手掛けた Lindsay Gravina がミックスとマスタリングを担当し、爆発的なカタルシスよりも、静寂と抑制を効かせた重厚なアトモスフィアを重視しています。これまでに BBC Radio や Rolling Stone など国内外の主要メディアから高く評価されてきた ENOLA ですが、本作ではシューゲイザーのテクスチャーと剥き出しの感情の明晰さをさらに深化させ、変化の直前に訪れる「静止した時間」を鮮やかに描き出しています。

ME REX – “Protection Runes”

ロンドンのインディーロック・バンド ME REX が、2026年第2弾となるシングル「Protection Runes」をリリースしました。定評のあるキャッチーなギターポップから大胆に舵を切り、ドラムンベースにインスパイアされたビートや煌めくシンセサイザー、加工されたドリーミーなボーカルを導入した実験的な一曲です。歌詞では「悪の存在を信じるか」「変革を信じるか」といった絶望感や実存的な問いが投げかけられ、変化を待ち続ける間の焦燥感を描き出しています。

楽曲の背景には、フロントマンの自宅周辺にある配電箱にスプレーで描かれたルーン文字(AlgizとAnsuz)の目撃体験があります。これらは本来「保護」を意味する象徴ですが、ドイツのルーン文字がしばしば極右団体に悪用され、威嚇のために掲げられる現状に対し、バンドは強い危機感を表明しています。本作は、昨年夏にブライトンで目撃したナショナリズムの象徴への抗議活動など、日常に潜む抑圧的なサインに対する彼らなりの闘いであり、音楽を通じて右翼ナショナリズムに立ち向かう姿勢を鮮明に打ち出した作品です。

Asara – “Cute”

パリを拠点に活動するマルチ奏者 Asara が、初のソロシングル「cute」をリリースしました。過去4年間、バンド Dog Park の主要メンバーとしてギター、ベース、キーボード、ボーカルをマルチにこなしてきた彼女が、2025年を通じて書き溜めたソロアルバムへの第一歩を踏み出します。アルバム全体がオーディオ・ダイアリー(音声による日記)やドキュメンタリーのような構成になる予定で、彼女の歌声を中心に、穏やかな憂鬱とリズムのエネルギーが交錯するサウンドスケープが展開されます。

デビュー曲「cute」は、別れの際に見せる相手の涙という繊細な瞬間をテーマに、脆さを明るい展望へと変える彼女の卓越したセンスが光る一曲です。歯切れの良いドラムマシン、遊び心のあるシンセ、弾むようなギターリフが、どこか切なさを残しつつも洗練されたキャッチーなポップ・サウンドを構築しています。悲しみに沈むのではなく、その先にある未来を見つめるような直感的で親密なメロディは、Sarah Pitet と Titouan Penthier が手掛けたミュージックビデオと共に、彼女の新たな才能を鮮やかに提示しています。

The Underground Youth – “O’ Evangeline” (feat Sade Sanchez)

ベルリンを拠点に活動する The Underground Youth が、L.A. Witch の Sade Sanchez をゲストに迎えたニューシングル「O’ Evangeline」をデジタルリリースし、ミュージックビデオも公開しました。最近のドイツやイタリアでの公演を経て、オーストラリアやギリシャへのツアーを目前に控えたタイミングで発表された本作は、ドリーミーなサイケデリック・サウンドとポストパンク的な渇望が溶け合う、情緒豊かな一曲に仕上がっています。

中心人物の Craig Dyer は、タイトルの「Evangeline」について、抑圧者や権力に抗う世界中の美しい魂を象徴する抗議の象徴であると語っています。本作は彼女たちへの賛歌(オード)であり、The Underground Youth が今年リリースを予定している一連のスタンドアローン・シングルの第1弾という位置付けです。Sade Sanchez の参加が楽曲に新たな色彩を添え、メッセージ性と芸術性が高次元で融合した作品となっています。

Ebbb – “Home Ground”

ロンドンのWindmillシーンから登場し、現在Ninja Tuneからリリースを重ねて注目を集めているトリオ、Ebbbが新曲「Home Ground」を公開しました。バンド名こそ奇妙ですが、その音楽性は高く評価されており、数ヶ月前の「Book That You Like」に続く本作は、持続するオルガンの音色と巧みなヴォーカル・ハーモニーが印象的なミニマル・トラックです。The Beta Bandを彷彿とさせる、どこか取り憑かれたような、それでいて催眠的な心地よさを備えた一曲に仕上がっています。

ヴォーカルのWill Rowlandによれば、歌詞では「考えすぎや後悔」と、対照的に「羞恥心や自己疑念を持たず自由に生きる人物」との対比を描いているとのことです。もともと数年前にインストゥルメンタルとして書かれたものの、当時は形にならなかったこの曲ですが、最近になってゼロから再構築したことで全てのピースがはまり、「本来あるべき姿」に辿り着くことができたと語っています。

Craig Wedren – “Nothing Bad”

Shudder to Thinkのフロントマンであり、映画・テレビ音楽の作曲家としても活躍するCraig Wedrenが、2024年のアルバムを拡張した『The Dream Dreaming Deluxe Edition』を4月10日にリリースします。自身のレーベル「Tough Lover」から発売される本作には、オリジナル盤の世界観をさらに深める複数のボーナストラックが追加収録されています。

今回、そのデラックス・エディションからの先行プレビューとして新曲が公開されました。長年のキャリアで培われた独創的なソングライティングと、映像音楽で磨かれた繊細な感性が融合した本作は、彼にとって非常にパーソナルで重要な作品となっています。

Weird Nightmare – “Pay No Mind”

元METZのフロントマン、Alex EdkinsによるソロプロジェクトWeird Nightmareが、中毒性の高いセカンドアルバム『Hoopla』から新曲「Pay No Mind」のミュージックビデオを公開しました。アトランティックシティの観光Tシャツに記された「貧乏すぎて注意(関心)も払えない」という自虐的なフレーズから着想を得たこの曲は、膨大な情報量に圧倒され、自己防衛のために内向的にならざるを得ない現代社会の閉塞感を、Elvis CostelloやBuzzcocksを彷彿とさせる疾走感あふれる映像と共に描き出しています。

アルバム『Hoopla』は、Alex EdkinsとSpoonのJim Enoが共同プロデューサーを務め、ロードアイランド州のスタジオ「Machines With Magnets」で制作されました。Weird Nightmareらしいパンクロックの歪みと力強さを残しつつも、陽光を感じさせるギターポップの要素を新たな高みへと引き上げています。4月24日のサンディエゴ公演を皮切りに、BullyやWintersleepとの共演を含む北米・欧州ツアーも控えており、ライブシーンでの更なる飛躍が期待されます。

Ok Cowgirl – “It Wasn’t You, It Was The Feeling”

ニューヨークのブルックリンを拠点に活動するプロジェクト Ok Cowgirl が、最新シングル「It Wasn’t You, It Was The Feeling」をリリースしました。このインディー・ポップ・バラードは、甘美なシンセサイザーとたなびくギター、そして軽やかな二層のドラムに包まれ、親密さと広がりを同時に感じさせるサウンドに仕上がっています。楽曲の核心にあるのは「私たちは時に、特定の人物ではなく、その人が自分の中に呼び覚ます高揚感(ラッシュ)を追いかけているだけなのではないか」という静かですが力強い気づきです。

歌詞では、バーの奥まった部屋で過ごす水曜日の夜の情景や、相手を自分の頭の中で勝手に描き出してしまう危うさが綴られています。「It wasn’t you, it was the feeling(それはあなたではなく、その感覚だった)」というリフレインは、相手を鏡や影のように捉えていた自分を俯瞰する、切なくも客観的な視点を表現しています。バラ色の空想と切実な問いかけの間を揺れ動きながら、人間関係における「承認」への欲求や、実体のない感情を追い求めてしまう心理を鮮やかに描き出しています。

A Good Year – “If I” (feat. Alba Akvama)

A Good Yearが、Alba Akvamaをゲストボーカルに迎えた最新シングル「If I」をリリースしました。本作は、ドリーミーな質感と繊細なエレクトロニクスの要素が溶け合う、彼ららしい洗練されたサウンドスケープが特徴の一曲です。Alba Akvamaの透明感あふれる歌声が加わることで、楽曲に新たな深みとエモーショナルな響きがもたらされており、聴き手を穏やかな内省の世界へと誘います。

制作面では、ミニマルなビートと幾重にも重なる柔らかなシンセサイザーのレイヤーが、歌詞に込められた切なさを際立たせています。これまでも質の高い楽曲を世に送り出してきたA Good Yearですが、今回のコラボレーションでは、個々のアーティストの個性が共鳴し合うことで、よりオーガニックで温かみのある音像へと進化を遂げました。春の訪れを感じさせるような、瑞々しくもどこか哀愁を帯びた、珠玉のインディー・ポップに仕上がっています。

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