Nikki Nair, Foodman – Nagoya

プロデューサーの Nikki Nair と Foodman は、Nikkiがツアー中に名古屋へ立ち寄った2025年3月から共同制作を開始し、お互いの音楽スタイルを明確にブレンドした『Nagoya EP』をリリースしました。リードトラック「Sorry I Lost My Glasses In The Public Bathhouse」は、彼らがレンタルスタジオで共に演奏したライブドラムを基盤とし、オフキルターでジャングルライクなリズムとエイリアン的なメロディが融合した異質なエネルギーを持つトラックです。「Deep Miso」は、Foodmanがニックネームをつけた名古屋名物「味噌煮込みうどん」にちなんで名付けられ、目まぐるしいドラムと抽象的なサウンドスケープが特徴です。

このEPは、単なるスタジオセッションの記録に留まらず、Foodman流の温かいホスピタリティ、すなわち公共浴場でのリラックスした時間や地元のバーでの交流といった「名古屋での瞬間と記憶」が直接埋め込まれています。彼らはその後もインターネットを通じて制作を続け、Foodmanが描いた楽しかった思い出のモンタージュがアートワークを飾っています。この作品は、物理的な共同作業とオンラインでの継続を通じて生まれた、友情と個人的な体験が深く反映されたコラボレーションの結晶です。

pecq & Kate Ireland – “no more trouble”

ロンドンを拠点とするインディー・エレクトロニック・デュオ pecq が、彼らのレーベル Upcycled Sounds から魅惑的なニューシングル「no more trouble」をリリースしました。このトラックには、グラスゴー出身でマンチェスターを拠点とするスポークンワード・アーティスト、Kate Irelandがフィーチャーされています。楽曲は、メンバー Nikòの大叔父 O’Brienが古いアイルランドの歌を歌っているヴィンテージのホームテープ録音を中心に構築されており、温かいノスタルジックな叙情性と複雑で詳細に満ちたプロダクションが融合されています。

pecqは、「no more trouble」を「恐ろしいニュースや暗い時代の中にある、小さな繋がりと楽観主義の瞬間、温かいハグ」だと説明しています。彼らにとって、Kate IrelandのスポークンワードとNikòの大叔父の歌声という二つの声は、「古い友人」が彼らを迎えに来て、前に進むための新しいエネルギーを与えてくれるように感じられるとのことです。この曲は、感情的なストーリーテリングと、デュオの代名詞である温かさとメランコリーのブレンドを通じて、リスナーに安らぎと活力を与えることを意図しています。

Indian Wells & Maria Chiara Argirò – “Scordato”

イタリア人プロデューサーの Indian Wells とジャズアーティストの Maria Chiara Argirò がコラボレーションした楽曲「Scordato」は、ダウンテンポ・エレクトロニカとオーガニックな即興演奏が見事に融合した作品です。ピアノ、ヴォーカル、テクスチャのあるシンセサイザーが絡み合い、不完全さの中にある美を探求しています。このトラックは、人間の温かみとデジタルの正確さが融合する場所を表現しています。

このコラボレーションの焦点の一つとして、わずかにテンポが速く、雰囲気に満ちた楽曲「Nightfall Song」が挙げられています。このトラックは、EP全体の中で活気ある中心点として際立っており、リスナーをIndian Wellsの緻密なプロダクションとMaria Chiara Argiròの即興的な有機的な感触が調和した、独特のサウンドスケープへと誘います。

国境とジャンルを超えた再解釈:Erika de Casier、ML Buchら北欧の盟友に加え、Clairo、MIKEらが参加した探求的コンパニオン・レコード

コペンハーゲンとオスロを拠点とするデュオ Smerz は、最近のアルバム『Big city life』で、鋭く探究的なスカンジナビアの地下ポップシーンのトップに躍り出ました。彼らの音楽は、Erika de CasierやML Buchといったコペンハーゲンの注目アーティストの作品と共鳴しており、Sky Ferreiraのような大物アーティストからも注目を集めています。今回リリースされた『Big city life EDITS』は、単なるリミックスやカバーアルバムではなく、彼らの音楽仲間とのサミットミーティング的なコンパニオン作品となっています。

『Big city life EDITS』は、SmerzのLP収録曲を、志を同じくするアーティストたちがそれぞれの方法で再解釈した作品です。現在のコペンハーゲンシーンを代表するアーティストが多数参加しており、Erika de Casier、ML Buch、Astrid Sonneといった面々が名を連ねています。特に、Fineによる「A thousand lies」の魅惑的なアレンジが注目されています。

コラボレーションはコペンハーゲンに留まらず、国際的な広がりを見せています。They Are Gutting A Body Of Waterはタイトル曲にシューゲイズのマジックをかけ、ClairoとVVTZJは「You got time and I got money」のクールなバージョンを提供しています。さらに、同じトラックには、Elias Rønnenfelt、Fousheé、MIKE、そしてZack Sekoff(TinasheやVince Staplesの協力者)が参加しており、ジャンルと国境を超えた豪華なコラボレーションが実現しています。

Arms and Sleepers & aLex vs aLex – “get it, never (alt)”

Arms and Sleepers と aLex vs aLex による新しいコラボレーショントラック「get it, never (alt)」が、Future Archive Recordings から2025年11月5日にリリースされました。Arms and Sleepersは、ボストンのMax Lewisによるエレクトロニック/ダウンテンポ・プロジェクトであり、その感情的でシネマティックなサウンドスケープで知られています。一方、aLex vs aLexについては具体的な情報が少ないですが、このコラボレーションは、両者のポストロックやエレクトロニカの境界線を探る、内省的でテクスチャ豊かな音楽的対話を提供していると推測されます。

この楽曲は、レーベルFuture Archive Recordingsからのリリースとなります。このレーベルは、アンビエント、エレクトロニカ、ポストロックといったジャンルを中心に、革新的で感情的なサウンドを持つアーティストを数多く擁しています。タイトルに「(alt)」とあることから、「get it, never」という曲のオルタナティブ・バージョンまたはリミックスである可能性が高く、オリジナル曲とは異なる新しいアプローチや雰囲気を探求していると見られます。両者のファンにとって、このトラックは彼らの音楽的世界観を広げる重要な作品となります。

SPELLLING – “Destiny Arrives” (featuring Weyes Blood)

SPELLLINGことChrystia Cabralが、インディーシーンで活躍するシンガーソングライターのWeyes Blood(Natalie Mering)を迎え、「Destiny Arrives」のエキサイティングな再構築を発表しました。ストリングスが響き渡り、ダイナミックに重ねられたシンセサイザーがリスナーを惹きつけます。ChrystiaとNatalieのヴォーカルが互いに引き立て合うハーモニーで絡み合うことで、このリミックスはSPELLLINGの4thアルバム『Portrait of My Heart』の音楽世界に新たなポータルを開いています。

SPELLLINGのChrystia Cabralは、今回のコラボレーションについて「Weyes Bloodは長年の夢のアーティストでした。彼女のタイムレスな声がこの再構築されたバージョンに加わり、心から光栄です」とコメントしています。Weyes Bloodは「非常に優雅に」楽曲に入り込み、自身の歌詞の貢献と非常に親密な解釈を通じて、この曲のフィーリングに「叙事詩的な輝き」を加えています。

Helado Negro – “Sender Reciever”

Helado Negroは、11月7日にBig Dadaからリリースされる予定のEP『The Last Sound On Earth』からの最後の楽曲となるシングル「Sender Receiver」を公開しました。このトラックはダンスソングであり、アーティストは「私たちが常にあらゆる種類の情報やエネルギーを送信(sending)し、受信(receiving)している」という感覚を表現しています。歌詞は、旅先や自然の中などでの思考の断片から成り立っています。また、彼は作家オーシャン・ヴオンの考えに触発され、暴力的な言葉遣いを避けたいという思いから、この肯定的なタイトルを選んだと説明しています。

この曲のタイトルについて、Helado Negroは、音楽技術で機器接続に使われる「マスターとスレイブ(master and slave)」という用語を「抑圧の絶え間ないリマインダー」として嫌悪し、「Sender Receiver」という言葉で、集合的な音楽創作の世界からその抑圧的な言葉を排除したいという希望を込めています。また、ミュージックビデオは、Robert Beatty、Stillz、そして彼自身が共同制作し、マイアミのビスケーン湾などで撮影されました。これは「どこかでありそうで、特定するのが難しい、ヴォイド(空虚)のような空間」として表現されており、「何か新しいことを始め、広げていくための輝かしい場所」だと述べています。なお、Helado Negroは、11月18日にニューヨーク、12月18日にマイアミで新しいライブを発表しています。

Oneohtrix Point Never – “Cherry Blue”

映画音楽のサウンドトラック制作や外部プロデュースで多忙なDaniel Lopatin (Oneohtrix Point Never) が、数週間後に自身のニューアルバム『Tranquilizer』をリリースします。このアルバムは、彼が発見した90年代のコマーシャル・ミュージックのサンプルCDのアーカイブにインスパイアされています。既にアルバムからは、発表時に3曲、先週「Measuring Ruins」が公開されており、今回はそれに続く新曲「Cherry Blue」がシェアされました。Lopatinはアルバム発売前に多くのトラックを公開する予定です。

新曲「Cherry Blue」は、Oneohtrix Point Neverが時折見せる奇妙に感情的でほろ苦いデジタル・ノスタルジーの光沢を帯びています。ドローン・サウンドは比較的静かで美しく、幾層にも重なるパルスへと落ち着きます。その音響は、「起きているには疲れすぎているけれど、まだ働かなければならない」時の頭の中の感覚を、心地よい形で表現しているかのようです。「Cherry Blue」には、今回が初めてのミュージックビデオ制作となるフランスのビジュアルアーティスト、Pol Taburetによる抽象的なビデオが添えられています。

QUINQUIS – “Morwreg” (Gwenno Remix)

「Morwreg (Gwenno Remix)」は、ブルターニュのマルチアーティストであるÉmilie Quinquisによるプロジェクト、QUINQUISの楽曲「Morwreg」を、ウェールズのアーティストGwennoがリミックスした作品です。オリジナル曲「Morwreg」自体は、2024年にQUINQUISの新しいシングルとしてリリースされ、彼女の2022年のMuteからのデビューアルバム『SEIM』やEP『AER』に続くものでした。QUINQUISは、自身の文化、歴史、アイデンティティと深く結びついたエレクトロニック・ミュージックを制作することで知られています。

リミックスを手がけたGwennoもまた、ウェールズ語やコーンウォール語といったマイノリティ言語での音楽制作で知られるアーティストであり、QUINQUISと同様に独自の文化的な背景を持つエレクトロニック・サウンドを展開しています。この「Morwreg (Gwenno Remix)」は、ブルターニュ語(QUINQUISの楽曲の多くで使われている言語)のメランコリックな要素と、Gwennoの繊細で先鋭的なプロダクションが組み合わさることで、文化と言語の境界を越えた新たな音響空間を生み出していると推測されます。このリミックスは、QUINQUISの音楽が持つ内省的な雰囲気を保ちつつ、Gwenno特有の実験的なダンスフロアへと再構築している可能性が高いです。

Josaleigh Pollett – “Radio Player”

ソルトレイクシティを拠点とするアーティスト Josaleigh Pollett が、新シングル「Radio Player」をリリースしました。この曲は、記憶と恐怖をテーマにしており、「幼すぎる年齢で映画『ポルターガイスト』を見た経験」にゆるやかに基づいています。Pollett はこの曲を、自身が「子供時代に明かりを灯したままにした廊下を旅するようなもの」と表現し、リスナーを「ピンクの光が点滅する世界」へと誘い、5分後には「エクトプラズムまみれで変化した状態」で解放すると述べています。この楽曲は、Pollett の自宅スタジオ(ソルトレイクシティ)と、2024年に日本へ移住したコラボレーター Jordan のアパートとの間で、DIY精神に基づいてレコーディングされました。

今回の制作では、Jordan が得意とする電子音楽ベースのプロダクションを維持しつつ、より多くのコラボレーションと新しい楽器編成が取り入れられました。Nashville の Andrew Goldring がミックスとマスタリングに加え、プロダクションと一部の楽器演奏で協力しています。Pollett は、「Radio Player」が今年の Kilby Block Party でのライブバンド設定で足場を固めたことで、そのライブ感を制作にも反映させようと試みました。Pollett は、「Jordan が日本へ引っ越して以来、一緒に作った最初の曲」であり、「距離がコラボレーションを損なうのではなく、異なる一日の終わりで、海を隔てて制作する混沌と混乱」に敢えて寄り添った結果、友情と献身が新しい音楽を推進していると感じています。このトラックは、初めは不可解で雰囲気のあるサウンドクラフトで始まり、やがて輝かしいシンセのアルペジオで満たされ、最終的にはまばゆいシンセポップのメロディーの壮大なフィナーレへとリスナーを誘います。

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