Alasdair Roberts & Friends – ‘A Wonder Working Stone’ (Drag City)
日本における伝統的な音楽となると、雅楽や能楽などになるかもしれないけど、それはさすがに行き過ぎかもしれないので、のど自慢でも唄われるようなものとしたら、演歌はまだ新しすぎるから民謡になるのかな。スコットランドにおける民謡がケルト音楽に当てはまるか分かりませんが、もし同じように考えるとしたら、日本の民謡は今のロックやフォークにしろ、あまり引用されることはないから、特殊なものなのかもね。一方、ケルト音楽は現代の様々なアーティストが取り入れている。そして、この Alasdair Roberts はずっとそのスタイルを保ち、かれこれ10年以上の活動歴になりました。前作から名義を “& Friends” と、律儀なものにしておりますが、それ以前もゲスト・ミュージシャンはいたし、前作からもメンバーが少し異なるのでなんなんでしょうね、寂しいのかな。彼の書く曲は、伝統的な要素を重んじながらも、オルタナ系フォークの雰囲気がある。それは初期からそうで、その感じがうまく混ざり合っていてるからただのトラッド・ミュージックになっていないから、先天的に郷愁をそそられる。ずっとこのような音楽をやっていれば、聴いている側も、あれ、これって昔のアルバムにあった曲じゃない? っていうこともあるかもしれませんが、たぶんケルト民謡を継承する事が第一前提だとしたら、それは当たり前なんですけどね。
7.0/10
Phaseone / Parisian – ‘split’ (Lefse)
ブルックリンの Phaseone とセントルイスの Parisian のふた組のエレクトリック・プロデュサーによるスプリット・シングルが Lefse Record からリリース。どちらも美しいアンビエンス・シンセが重なるチルウェーヴ〜エレクトロニカ系。
Short Stories – ‘On The Way’ (Young Turks)
Vase レーベルなどからリリースしているプロデューサー Koreless と SBTRKT の作品にヴォーカルとしても参加している Sampha がチームアップしたプロジェクト Short Stories のデビューEP が Young Turks からリリース。ソフトなリズムとメロディによるポスト-ダブステップ。
Prime Cuts – ‘Cloud Commuting’ (Glacial And Few)
昨年リリースされたアルバムが素晴らしかったモントリオールのバンド TOPS のメンバーである Riley Fleck によるソロ・プロジェクト Prime Cuts のシングルが Glacial And Few からリリース。ピアノとシンセを中心としたジャズ/フュージョン風なインスト曲。
High Highs – ‘Open Season’ (High Highs)
まだ店をやっていた頃の残務作業というか、やらなければいけないことがあって、いま追い込まれてやっている最中なんですけど、改めて色んな伝票やらを整理していると、少ないなりにもレコードは売っていただなと思うと、感慨深いものがある。いま、もし、またやったとしてどうなのだろう、とか。でも、このようなレビューを書いている時点て、もうレコード屋なんてやる権利がないだろう。好き勝手なこと書いていますが、レコ屋として書くコメントとこれは全く違うから凄く自然だし、解放されてます。それに、レコ屋じゃこのようなデジタル作を扱うのも出来なかったって、今思えば配信サイトも一瞬やっていましたなぁ、、、。う〜ん、まぁいいか。もしかしたら究極なインディ・レーベルとはセルフ・リリースを言うのだとしたら、彼等は望んでそのスタンスにいるのだろうか。フェイスブックのフォロー数にしたら、どちらかのレーベルやフィジカルのリリースがあってもおかしくないんですが、でもこれが一番賢いやり方かもね。High Highs はそういう意味では、沢山のフォローを得れるだけの要素があるんです。一番の理由はとても透明感のあるメロディを持っていることだと思う。暗い音楽にもメロディは存在するし、惹き付けれものも少なくない。でもこのコンビのものは、とにかく透き通っている。ヴォーカルの人の声質も影響していると思うが、ギターの音色にしろシンセの音にしろ、濁った感じは一切ない。わりと珍しいんじゃないですかね。シューゲイズやノイズポップ、ローファイ、その他色々なインディ・ロックは大体ちょっとは濁りがあるもの。意識してそうならないようにしているとしたら、その時点で勝算があったのかな。
7.0/10
Unknown Mortal Orchestra – ‘II’ (Jagjaguwar)
もう日が変わったんで、今日ですね。彼等の来日ライブがあるわけですが、単独ではないから二の足踏んでしまう。もうひとつぐらい観たいのがあれば良かったんですけどね。まぁ我慢しておくか。Unknown Mortal Orchestra は、たまに UMO と省略されることがありますが、なんか違うものに見えてしまいますよね。アルファベット3文字の組合せ程度だと、なんかしらの略語になってることが多いと思います。と、思って調べてみたら、なんか難しいものと、ある商品やメーカーなどが出てきたのですが、紹介するとアレなんでやめときますが、彼等が検索に引っかかることはないです。こんなことをしたところでなんの意味もないんですが、元々はニュージーランド出身の Ruban Nielson がひとりで始めた UMO は、いまではトリオとしてポートランドで活動中。何となく感じているポートランドのサウンドというか、アメリカのインディの音ではないなぁと、ずっと思っていたんですけど、ニュージー出身が影響しているのかな。彼等の音楽の一番の特徴はリズムだと思うんです。その上で演奏される溶けちゃいそうなのに、さらにルーズな雰囲気のサイケポップが、一歩間違えればかなり古臭く安っぽいものになりそうだけど、結構ダンサブルと言うか、グランド・ビートみたいな感じでサンプリング感のあるリズムなんで、グルーヴがあり凄くおもしろいものにしてるし、バンドの持ち味を生み出しているとおもう。でも、それらはむしろ前作の方が色濃く出ていて、今回はさっき言った古いものへ若干傾倒した感じがあります。それはトリオとしての音楽が少しずつ充実してきているの証拠で、いい音楽感は増していてるし、ソングライトも進化していてそれはそれで素晴らしいのですが、少し大胆さは減ってしまったかも。
7.5/10
Maria Minerva – “Black Magick”
先日ポストした Maria Minerva の新作EP からの曲 “Black Magick” のビデオも出ました。タイトル通り、呪い魔術系。
Leech – “Tusks”
100% Silk から新たなアーティスト Leech がリリースを控えておりますが、このプロジェクトをやっているのは Brian Foote で、彼は Fontanelle や Nudge のメンバーであり、Kranky レーベルの主宰者のひとりでもあるひと。その名義のバンドでは、サイケなエレクトリック・アンビエンス系であったのですが、100% Silk からのリリースですからハウスであります。EP は、2/11 にリリースになります。
[vimeo http://www.vimeo.com/57972045 w=640&h=360]Caveman – “In The City”
ブルックリンのインディ/オルタナ・バンド Caveman が 2011年にリリースしたデビュー作 CoCo Beware に次ぐ セルフ・タイトルのセカンド・アルバムをリリースします。”In The City” はアルバムからの先行シングルで、あったかいシンセやゴージャスなギターやドラムによるふわっと広がりのあるロックです。4/2 に Fat Possum からリリースです。
Lost Animal – ‘Ex Tropical’ (Hardly Art)
先日、ワルシャワのイベントにはかなりの回数出演してもらったことのある方と久々に呑んだ。今彼は、墨田区に在住しており、彼の住む町付近のしおれた居酒屋にいくことになった。一軒目はわりと有名らしいとこで、下町らしいメニュー構成でわくわく。そして、客は近所の年配の方々中心で、夜八時にもなるとお客がいったん引いてしまう様な場所。その後もう一軒いったが、そこは集まりも集まった職人風なオッサンばかりが、カウンターに入ってる中年のババアを囲んで呑んでいる雰囲気満点の場所であった。しかもどちらもわりと静かに皆呑んでいるのが嬉しい。少し遠いがまた行きたいと思う。Lost Animal は、フェイスブックにはメンバーふたりと記されてるし、写真もふたりで写っているからたぶんコンビだと思うけど、ジャケットはおひとりで、このひとがキーボードやヴォーカルをとっていると思います。古臭いエフェクト処理をしたドラムやノスタルジヤなキーボード。特にローズを奏でることが多く、もしや腕のタトゥーはそれを意識したものなのか? それらのメロディも古めかしいものであり、枯れた感でいっぱい。そして、なによりこの唄がいい味。お世辞にもうまいとは言いませんが、あの居酒屋に集うオヤジ達が唄ったらこんな感じか。今度行く時は電車のなかでこれを聴きながら準備万端にしていこう。
8.0/10
