Gordi – “High Line”

オーストラリアのシンガーソングライター兼プロデューサーの Gordi が、2026年の幕開けとなるニューシングル「High Line」をリリースし、2月から5月にかけて全豪を巡る大規模なヘッドラインツアーの開催を発表しました。本作は、ARIA賞にノミネートされるなど高い評価を得た2025年の3rdアルバム『Like Plasticine』以来の新作です。長年の協力者である Alex Lahey と共作し、アメリカのシンガーソングライター Christian Lee-Hutson がギターで参加したこの曲は、抑制の効いたプロデュースと鮮やかなストーリーテリングが光る、彼女の親密なソングライティングの真骨頂といえる仕上がりになっています。

完全セルフプロデュースで録音・ミックスまで手掛けた「High Line」は、夏の猛暑の中でアコースティックギターを爪弾く静かな瞬間から生まれ、繊細さと明快さが絶妙なバランスで共存しています。2025年にはシドニー・オペラハウスでの完売公演やタイムズスクエアのビルボードへの登場など、国際的にも大きな飛躍を遂げた彼女。今回のツアーでは、都市部だけでなく地方都市も含む11公演を予定しており、自身の内省的な音楽世界をライブ空間での濃密なコネクションへと昇華させ、オーストラリア各地の観客と再会を果たす重要な機会となります。

Courtney Barnett、待望の4thアルバムリリース決定。Waxahatcheeとの共演曲「Site Unseen」を公開。2年の歳月を経て完成した、迷いを断ち切り未来へ進むための新境地。

オーストラリアのインディー・ロックの旗手、Courtney Barnettが待望の4枚目のスタジオアルバム『Creature of Habit』を3月27日にMom+Pop Musicからリリースすることを発表しました。2022年の『Things Take Time, Take Time』以来となる本作は、自身の人生や未来への葛藤を投影した全10曲で構成され、彼女のサウンドを大胆に進化させた一作となっています。

アルバムの先行シングル第2弾として公開された「Site Unseen」は、Waxahatchee(ケイティ・クラッチフィールド)をゲストに迎えた、温かく力強いアップテンポなロックナンバーです。躍動感のあるドラムと表情豊かなギター、そして煌めくストリングスに乗せて、優柔不断さを脱ぎ捨てて前進しようとする決意が歌われています。全編にわたって重なるケイティとの親密なハーモニーが、楽曲にさらなる深みを与えています。

この楽曲は2年の歳月をかけ、3度の録り直しを経てようやく完成に至ったと彼女は振り返っています。理想のサウンドを追求する中で頭に響いていた「高い音のハーモニー」を実現するため、敬愛するWaxahatcheeに共演を依頼したことで、ついに最終的な形へと辿り着きました。アルバムのリリースに合わせ、春から夏にかけての全米ツアーの開催も決定しており、彼女の新たな旅が本格的に始動します。

困難を越えて辿り着いた、Cat Clydeの新境地。Sound Cityで録音された、ライブ感溢れる内省的フォークの極致

カナダのシンガーソングライター Cat Clyde が、3月13日にニューアルバム『Mud Blood Bone』をリリースします。それに先駆け、収録曲「Another Time」のビジュアライザーが公開されました。本作は、2019年の『Hunters Trance』以来となる待望の新作『Down Rounder』の流れを汲むもので、自身の精神的中心と自然界との本質的な繋がりを、情熱的かつ親密な歌声で描き出したキャリアの集大成と言える作品です。

制作過程では、ケベック州の自宅スタジオがカビの被害に遭いレコーディングが中断するという困難に見舞われました。しかし、この転機がプロデューサーの Tony Berg との出会いを生み、ロサンゼルスの伝説的な Sound City スタジオにてわずか6日間で全編を録音。ライブ感を重視した「その瞬間のキャプチャ」にこだわったことで、荒削りながらも季節の移ろいや夕日のような「素朴な美しさ」を宿した、非常に瑞々しいサウンドが完成しました。

アルバムには、存在の意義を問う「Mystic Light」や、植民地主義が環境に与える影響を反映した「Papa Took My Totems」など、深いメッセージを持つ楽曲が並びます。また、「I Feel It」では初めてピアノ演奏を披露するなど、自身の殻を破る挑戦も。ストリーミングで数百万回の再生を記録し、多くのプレイリストに選出されてきた彼女が、アーティストとして、そして一人の人間として確固たる地位を築く、不可欠で力強い一枚となっています。

John Andrews & The Yawns、最新作『Streetsweeper』を発表。70sフォーク・ポップの心地よい気だるさとサイケの調べ。昼寝上がりのような歌声が、都会の喧騒を優しく溶かす。

Cut WormsやWidowspeakのメンバーとしても活動するJohn Andrewsが、ソロプロジェクト John Andrews & The Yawns としてニューアルバム『Streetsweeper』のリリースを発表しました。ロサンゼルスにてLuke Templeをプロデューサーに迎えて制作された本作は、70年代のフォーク・ポップに軽微なサイケデリック要素をまぶした、心地よいサウンドスケープが特徴です。

アルバムの幕開けを飾るシングル「Something To Be Said」では、Andrewsの歌声が「昼寝から目覚めたばかり」のような、絶妙にレイドバックした質感を醸し出しています。そのカジュアルで気だるい雰囲気は、DrugdealerやWoodsといった近しいアーティストたちのファンにも響く、親密で温かみのある空気を纏っています。

この「くしゃくしゃとした軽やかさ」とは対照的に、アルバムのカバーアートやミュージックビデオには「アイスホッケー」という意外なモチーフが採用されています。ブルックリンのレッドフックでスーパー8フィルムを使って撮影された映像に、Andrews自身による手書きのアニメーションが合成されたビデオは、どこか懐かしくも独創的な視覚体験を届けてくれます。

Mitski、通算 8 作目の新作『Nothing’s About to Happen to Me』を発表。孤独と自由が交錯する物語の幕開け

Mitskiが、自身8枚目となるスタジオアルバム『Nothing’s About to Happen to Me』を2月27日にDead Oceansからリリースすることを発表し、リードシングル「Where’s My Phone?」を公開しました。本作は、荒れ果てた家で暮らす隠遁者の女性を主人公とした豊かな物語に没入する構成となっており、社会的な逸脱者としての顔と、家の中で享受する自由という二面性を描き出しています。

先行シングル「Where’s My Phone?」はファズの効いたロックサウンドで、アルバムの多様なエネルギーを予感させます。MVはNoel Paulが監督を務め、シャーリイ・ジャクスンの小説『城の乗っ取り(We Have Always Lived in the Castle)』をベースにした、感情が万華鏡のように揺れ動く野心的な内容です。ゴシック様式の邸宅を舞台に、迫りくる奇妙な侵入者から姉を守ろうとする偏執的な女性をMitskiが演じ、混乱と狂騒が渦巻く心理ドラマが展開されます。

制作陣には長年の協力者であるPatrick Hyland(プロデュース)とBob Weston(マスタリング)が名を連ねています。音楽的には2023年の前作の路線を継承し、ツアーバンドによる生演奏とDrew Ericksonが編曲・指揮を務めるオーケストラを大々的に導入。サンセット・サウンドなどの名門スタジオで録音された重厚なアンサンブルが、Mitskiの描く複雑な内面世界を鮮やかに彩っています。

Son Of Caesar – “Locked”

「Locked」は、政治的な含みを持つ緊張感に満ちた、アンビエントなオルタナ・フォーク・トラックです。もともとは2013年にデンマークで起きた教師たちのロックアウト(労働争議)の際、TV番組『DR2 Morgen』で書き下ろされ演奏されたものですが、これまで公式にリリースされることはありませんでした。

今回、初めてスタジオ・バージョンとして日の目を見たこの楽曲は、政治的緊張が高まる現代において驚くほど切実な響きを持っています。ダークなシンセ、疾走感のあるモメンタム、そして耳に残る印象的なフックを軸に、Son Of Caesar は「権力者たちが対話を続ける傍らで、身動きが取れなくなっている感覚」を見事に描き出しました。

時代性を捉えた感情的なサウンドは、深夜のリスニングに深く浸るために誂えられたような仕上がりです。

Charlotte Cornfield、Merge Records移籍第1弾『Hurts Like Hell』を発表。出産を経て深化した愛と再生の物語。Buck MeekやFeistら豪華客演陣と紡ぐ、キャリア最高の開放的アンサンブル。

トロントを拠点に活動するシンガーソングライター Charlotte Cornfield が、名門 Merge Records との契約を発表しました。移籍第一弾となる通算6作目のアルバム『Hurts Like Hell』は3月27日にリリースされます。あわせて公開されたタイトル曲のミュージックビデオには、Big Thief の Buck Meek がボーカルで参加しており、アルバムの幕開けを華やかに彩っています。

本作は、2023年に娘を出産してから初めてレコーディングされた作品であり、彼女の人生と芸術における大きな転換点となりました。母となった経験は彼女の視点を「自己」から「外の世界」へと広げ、歌詞のテーマも自身の内面を超えた多様な物語へと進化しています。困難や不器用さを乗り越えて続く「愛の粘り強さ」や「自己の再生」が、アルバムを貫く核心的なテーマです。

プロデューサーに Phillip Weinrobe を迎えた本作は、彼女のキャリアで最も開放的かつ力強い歌声が響く、過去最高にコラボレーティブな野心作です。Buck Meek のほか、Feist、Christian Lee Hutson、Maia Friedman といった豪華なゲスト陣がバックボーカルとして参加。脆さと野性味、そして温かな俯瞰的視点が同居するサウンドは、アーティストとしての新たなステージを象徴しています。

ジャンルの枠を解体するカナダの才女、Ora Cogan。最新作『Hard Hearted Woman』で見せる、神秘的で宝石のような音像。カントリーの哀愁とサイケの熱が交錯する、2026年フォーク・シーンの黙示録。

カナダ・ブリティッシュコロンビア州を拠点とする Ora Cogan が、ニューアルバム『Hard Hearted Woman』を3月13日に名門 Sacred Bones からリリースします。2025年のEP『Bury Me』に続く本作は、ジャンルの境界を攪拌し、純粋な本能に突き動かされた楽曲群で構成されています。極寒の川での遊泳や、荒野へと続く孤独なドライブといった静謐な時間の中で、アルバムの構想は練り上げられました。

プロデューサーに David Parry(Loving)らを迎えた本作は、カントリーの物悲しさ、サイケ・ロックの演劇的な高揚感、そして幽玄なフォークの響きが層をなす、音楽的な黙示録とも言える仕上がりです。先行シングル「Honey」では、カントリーの旋律とインディー・ロックの躍動的なリズムが溶け合い、聴き手を深い感情の淵へと誘いながらも、その歌声で確かな安らぎを与えてくれます。

あわせて公開された「Honey」のミュージックビデオは、Paloma Ruiz-Hernandez が監督を務めました。「誰もが孤独の中に隔離されながら、同時に集団的な渇望や情熱に溺れている」という不条理な世界観が描かれており、楽曲が持つ重層的な美しさを視覚的に際立たせています。自身の経験を深く掘り下げ、新たな音楽的啓示へと昇華させた Ora Cogan の真骨頂が、本作には刻まれています。

Anjimile が 4AD から贈る光の讃歌:豪華ゲストと紡ぐ、親密でオーガニックな最新作『You’re Free to Go』

ノースカロライナ州を拠点に活動するシンガーソングライター Anjimile が、ニューアルバム『You’re Free to Go』を2026年3月13日に 4AD からリリースすることを発表しました。あわせて公開された先行シングル「Like You Really Mean It」は、遠距離恋愛中の恋人への想いから生まれた、遊び心と親密さに溢れたラブソングです。多幸感漂うビデオと共に、本作が持つ優しさと脆さを象徴する一曲となっています。

前作『The King』(2023年)の緻密で複雑なアレンジとは対照的に、今作は Brad Cook プロデュースのもと、温かみのあるアコースティックギターや豊かなストリングス、繊細なシンセが織りなすオーガニックな進化を遂げました。Iron & Wine の Sam Beam や、Bon Iver の Matt McCaughan ら豪華ゲストが参加。ホルモン療法を経て深みと表現力を増した Anjimile の歌声が、楽曲にさらなる真実味と感情的な響きを与えています。

アルバムでは、家族との疎遠やトランスフォビアといった重い現実に向き合いつつも、最終的には光に向かうレジリエンスが描かれています。深い悲しみから、非一夫一婦制(ノン・モノガミー)の喜びまで、変化に伴う複雑な感情をありのままに肯定する内容です。過去の作品から地続きでありながら、より心を開き、自分自身の真実を自由に表現しようとする Anjimile の新たな境地が示されています。

José González が問う人類の行方:5 年ぶり待望の新作『Against the Dying of the Light』で描く、絶滅への抗いと希望

スウェーデンのシンガーソングライター José González が、5作目となるスタジオアルバム『Against the Dying of the Light』を2026年3月27日に Mute/City Slang からリリースすることを発表しました。本作は、互いに相容れない物語を抱え、時には自らを絶滅へと導きかねない道具を手にした「知的で社会的な類人猿」としての人間、そして人類そのものの在り方を深く内省した楽曲集となっています。

先行公開されたタイトル曲「Against the Dying of the Light」は、2025年現在の人類を映し出した作品です。彼は、過去を受け入れた上で、人間の繁栄を妨げる不適切なインセンティブやアルゴリズム、さらには自らを時代遅れにする可能性のある高度なテクノロジーといった現代の課題に目を向けるべきだと説いています。生物学的・文化的な進化の結果として今があるとしても、私たちを縛り付ける古いナラティブや、遺伝子の利益に盲目的に従う必要はないという「反逆」の意志が込められています。

Fredrik Egerstrand が監督を務めたミュージックビデオと共に、彼は「光の消えゆく(絶滅や衰退)」ことへの抗いを呼びかけます。教条的なイデオロギーに固執し、不確かな知識を振りかざす指導者に追従するのではなく、人類の真の豊かさ(human flourishing)を目指して焦点を合わせ直すこと。哲学的な思索と彼特有の繊細なギターワークが融合した本作は、混迷を極める現代社会において、私たちがどのように未来を設計すべきかを問い直す重要な一作となります。

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