Veronica Falls – ‘Waiting For Something To Happen’ (Bella Union/Slumberland)

ギター・ポップと聞いたら皆さんはどんなのを想像するのだろう。90年代はよく使われていたが、いつの間にかあまり聞かなくなり、最近ではインディっていう括りに収まっている。このインディうんぬんは前にも言ったかもしれないが、やっぱり使うのは結構不便。広すぎるんだよね、解釈が。でもって、同時にインディ・ポップとかインディ・ギターとかも使われていたと思う。これらのうちどれかを Veronica Falls に当てはめるとしたら、インディ・ギターが一番しっくりくる。それは、インディつまり、メジャー流通の持たない独立系のレーベルが持っている音楽志向性の高いもの。音楽的には色んなものがあるが、共通するのは商用的な手が加えられていないもの。なかには狙いの商業ポップも存在するが、基本的にはアーティストの本質がそのまま反映されている。そして、ギターです。ですが、あえてギターと加える理由は、当たり前だがギターが中心にある音楽だからです。でも、ギター中心でもメタルとか、フォークとか色々ある。ギターが鳴っていないロックやそれ以外の音楽を見つけるのはなかなか難しい。だから、インディとギターという単語の組合せがあって初めて成立する音楽、それが Veronica Falls だとおもうのです。そして、この組合せから聞こえてくる音楽には “若さ” が存在する。おじさん達が若かりし頃を思い出して復活することも少なくないが、彼等はバリバリの現役。そしてその若い時代にしか出せない音ってあると思う。すごく素直に、飾ることなく、ギターで、音楽をやる。今作はもしかしたら Veconica Falls のピークにある作品になるかもしれない。

8.5/10

Black Pus – “1000 Years”

Lightning Bilt のドラマー Brian Chippendale によるソロ・プロジェクト Black Pus が早くも新作をリリースするようです。昨年のアルバムはデジタル・リリースのみでしたが、8作目になる新作 All My Relations は、Thrill Jockey からのりりーすになるようです。本作は Battles, The Skull Defekts なども仕様する Machines with Magnets で録音されたようです。先行曲 “1000 Years” はこれまでよりもある意味普通にオルタナロックしてます。リリースは、3月予定。

PVT – ‘Homosapien’ (Felte)

アルバムのリリースに向けてのプロモーションにも様々な方法がある時代で、最近ではタダ、もしくは一定料金を払えばいろんなアルバムを全曲聴けるサービスなど色々とありますが、音楽サイトで先行でアルバム全曲をストリーム試聴をさせて、リリースと同時に試聴を中止するのが流行ってますね。先に全部聞けてしまうと買わないんじゃないかとか、考え方は色々あるでしょうが、それなりに売上に繋がっているらしいので有効な手段のひとつなんだとおもう。そして、こちらの PVT のプロモートの仕方はちょっと変っていた。アルバム全曲を1曲づつ様々な音楽ブログに振分けて、全てのサイトにアクセスすれば全曲聴くことが出来るという仕組み。アーティストとブログの両サイドにとっての狙いはよく分かるし、おもしろいと思うが、実際にどれくらいの効果があったのだろうね。自分も全てのブログにアクセスするのは面倒だったから、今まで知らなかったサイトだけ覗いた程度でした。なので、アルバムを通して聴くのは普通にリリースされてからでした。さて、こちらのシドニーのトリオは、Pivot として2枚、そして PVT になってこれで2作目のアルバムとなり、同時に Warp Records を離れての新作となるのですが、Warp からリリースをしていた実績ほど効果的なプロモーションはないと思う。まぁ、大きいレーベルを離れるという事実にあまり良い印象はないかもしれないが、なかなかいい新設レーベルに収まったと思う。PVT としての音楽性に大きな変化はないし、今度はこのレーベルを引張っていく立場になったので頑張って欲しいし、次回作で本気のアルバムを待ってます。

5.5/10

The Uncluded – “Earthquake”

[youtube http://www.youtube.com/watch?v=7Q_7fT-vSXU&w=640&h=360]

昨年リリースしたアルバムが素晴らしかったヒップホップ・アーティスト Aesop Rock と K Records などからリリースをしてきている女性シンガー Kimya Dawson とによるプロジェクト The Uncluded の最新ビデオです。こちらは、5/7 に Rhymesayers からリリースされるアルバム Hokey Fright に収録の曲。

CocoRosie – “Gravediggress”

昨年、Touch And Go の復活第1弾としてシングルがリリースされていた CocoRosie が遂に新作アルバムをリリースするようです。”Gravediggress” は新作からの先行曲で、CocoRosie らしい不思議ポップ。新作アルバム Tales of a Grass Widow は、ヨーロッパでは City Slang から 5/27 にリリースされ、北アメリカは 5/28 とあるのですが、これは Touch And Go からなのだろうか?

Pure X – “Things in My Head”

むむ、これは同じバンドなんだろうか? テキサスのドリーム・サイケ・プロジェクト Pure X が新曲 “Things in My Head” をアップしたのですが、ツイッターでは今までのツイートは全て削除され、新たに facebook が用意されて、上のアー写です。そして今までよりもフォーク色が強まり、エレクトリック感は後退。リリースは Acephale Records と Merok と、いままでと変らず、新作アルバム Stairs が 5/14 にリリースされるようです。

Brokeback – ‘Brokeback and the Black Rock’ (Thrill Jockey)

家の近くにある幼稚園から聞こえてるラジオ体操の音に合わせて、その向かいの工事現場のおっちゃんが一緒に体を動かしている。でも体を動かしているというだけで、まったく体操にはなっていない。自分でも最初から最後までちゃんと出来る気はしないが、おっちゃんはただ揺れているだけと言った方が正確かもしれない。大丈夫さ、ラジオ体操は出来なくても、この演歌を聞いてみてよ、きっと気に入ると思うよ。って、演歌じゃねえか、まじでこれ。シカゴ界隈の古株ギタリスト中心によるお馴染み Brokeback の10年ぶりになる Brokeback and the Black Rock は、誰でもいいが着物のおばんちゃん歌手の横で伴層している口ひげをはやしたアコギのおっちゃんが弾くような曲で始まる。頭のなかで過去の Brokeback と重ね合わせて聴いているがもう違うね、もはやムード歌謡とも言えるような内容で、かなり侘びってる。アコギの次はエレキギターで小節を回したうねる演奏で、だいぶ自分の世界に入っちゃってるんです。これもここ最近の Thrill Jockey の流れに沿ったようなサイケデリック節になっていて、たまに昔のようにシカゴ的アンサンブルが聴けるものもあるけど、やっぱりこれはもはやポストロックじゃなくて、ポスト-演歌。じいさん達に分かりずらかったら「ダグラス・マッコブスのギター演歌ベスト」とかいって売ったらいいとおもう。

7.0/10

Kurt Vile – “Wakin On A Pretty Day”

[youtube http://www.youtube.com/watch?v=bd0K76H7sU8&w=640&h=360]

やっときました。出ると言われていた Kurt Vile のニュー・アルバムから最初の曲のビデオ “Wakin On A Pretty Day” です。新作アルバムのタイトルでもあるこの曲は、アルバムのオープニング・トラックでもあり、9分に及ぶ長い曲。そして、こちらの映像はジャケット写真が出来上がっていくドキュメンタリー映像です。アルバム Wakin On A Pretty Day は、Matador から 4/8 のリリースです。

Elephant Stone – ‘Elephant Stone’ (Reverberation Appreciation Society)

このバンド名、言うまでもなくあの有名なバンドの曲目であるけど、やはりそれから名付けられたのだろうか。言われてみればなんとなくそれっぽいところもあるような気もするが、どうなんだろうね。でも、Elephant Stone の音楽は、Stone Roses というよりは、Teenage Funclub 寄りです。もっと言えば、The Byrds や Big Star ってことになるんですけど。それに加えてインド系のメンバーが在籍しているから、ラーガな要素が少し入ってくる感じ。インドと言えば、ここ最近はあまり良いニュースを聞かないが、宗教を理由にガールズ・バンドが解散に追いやられるとか、可愛そうだよね。海外だったらできるのかな。それとインドといえば、某日本人ドライバーがまだ乗れる可能性があるんじゃいかと、微かな希望を抱いているチームがあるが、まぁ、むりなんだろうなあ。そうなると、今年のF1はどう楽しむか考えないとね。少し前に一瞬日本人ドライバーがいない時期あったけど、あれはあれでレース全体を楽しめたからいいのかもしれないけど、正直寂しくはある。もとい、Elephant Stone は結局どこに落としどころを求めているのか少し曖昧。メロウなギター・サウンドとラーガ寄りのものが、ひとつの曲で混在する感じはあまりなくて、曲によって路線が違う感じ。この辺がもっと混ざり合っていればなかなかおもしろい発展も期待出来るが、現時点ではまだまだもの足りない。

5.0/10

Radar Brothers – ‘Eight’ (Merge)

タイトル通り8枚目になるのでしょう、きっと。今回は Merge だけで、Chemikal Underground からのリリースはなし? ロス・アンジェルスの Radar Brothers の3年ぶりの新作。活動歴は15年以上経ってるので、ちょいちょいメンバー・チェンジをしながら、今日までやってきたわけです。そういうことはメンバーもそこそこいいお父さん世代ですね。アー写にお父さんというか、じいさんがひとり写っているけど、メンバーじゃないですよね。常々、活動歴の長いバンドやアーティストの写真を見ると自分の年齢を痛感されられる。バンドによっては、見るも無惨な姿になっているひともいたりと、あまりいい気分はしない。こちらの Radar Brothers の場合、残念ながらハゲあがっちゃてしまってるメンバーも2名ほどいるようですが、見窄らしさはなくて、爽やかでいい年の取り方をしてる印象です。そんな雰囲気は音楽にも反映されているようで、鳴っている音自体にはそんなにおっさん臭さは感じられず、構成のアイディアのおもしろい曲やフレッシュなメロディがあり、まだまだ錆び付いていないようです。ただ、年来なりの落ち着きは当然あるのですが、それはこのバンド本来のものであり、いまこの作品だからとというわけではないと思う。でもね、なんやかんやでこれが響いちゃうのは、オルタナ畑の音楽を聴いてきた人にとって、いわゆる琴線みたいなものなのかもしれないけどね。

7.0/10