家の近くにある幼稚園から聞こえてるラジオ体操の音に合わせて、その向かいの工事現場のおっちゃんが一緒に体を動かしている。でも体を動かしているというだけで、まったく体操にはなっていない。自分でも最初から最後までちゃんと出来る気はしないが、おっちゃんはただ揺れているだけと言った方が正確かもしれない。大丈夫さ、ラジオ体操は出来なくても、この演歌を聞いてみてよ、きっと気に入ると思うよ。って、演歌じゃねえか、まじでこれ。シカゴ界隈の古株ギタリスト中心によるお馴染み Brokeback の10年ぶりになる Brokeback and the Black Rock は、誰でもいいが着物のおばんちゃん歌手の横で伴層している口ひげをはやしたアコギのおっちゃんが弾くような曲で始まる。頭のなかで過去の Brokeback と重ね合わせて聴いているがもう違うね、もはやムード歌謡とも言えるような内容で、かなり侘びってる。アコギの次はエレキギターで小節を回したうねる演奏で、だいぶ自分の世界に入っちゃってるんです。これもここ最近の Thrill Jockey の流れに沿ったようなサイケデリック節になっていて、たまに昔のようにシカゴ的アンサンブルが聴けるものもあるけど、やっぱりこれはもはやポストロックじゃなくて、ポスト-演歌。じいさん達に分かりずらかったら「ダグラス・マッコブスのギター演歌ベスト」とかいって売ったらいいとおもう。
7.0/10