R. Missing – “Thisworldly”

ニューヨークを拠点に活動するダーク・ポップ/エレクトロニック・デュオ R. Missing が、最新シングル「Thisworldly」をリリースしました。本作は、彼らの真骨頂とも言える、冷徹でいてどこか官能的なシンセサイザーの音響と、ボーカルの Sharon Shy による憂いを帯びた歌声が完璧な調和を見せています。タイトルが示唆する「この世のもの」という言葉とは裏腹に、現世の喧騒から切り離されたような、孤独で静謐な夜の情景を鮮やかに描き出しています。

サウンドプロダクションにおいては、ミニマルなビートと幾層にも重なる硬質なテクスチャーが、聴き手を深い没入感へと誘います。これまでの作品にも通ずるノワール(暗黒)な美学を継承しつつ、より洗練されたメロディラインが際立っており、ポストパンクやインダストリアルの影響を独自のポップ・センスで昇華させています。日常の背後に潜む空虚さや切なさを、美しく、そして鋭く切り取った、現代のエレクトロ・ポップにおける珠玉の一曲です。

シカゴのシンセポップ・デュオ clubdrugs、デビュー作『Lovesick』を発表。全編セルフプロデュースで挑む、執念と DIY の結晶

シカゴを拠点とするMaria ReichstadtとJohn Reganによるデュオ clubdrugs が、待望のデビューアルバム『Lovesick』を発表しました。結成から約5年間、インダストリアルな「Sour Times」などダークなシンセポップをリリースしてきた彼らですが、今作には過去作を一切含まず、全8曲すべてが未発表の新曲で構成されています。

アルバムからの先行シングル「Heart 2 Break」は、自分を傷つけた無関心な相手を傷つけたいと願う葛藤と、その虚しさを描いた楽曲です。サウンド面では Ladytron を彷彿とさせるダークなクラブ・サウンドと囁くようなボーカルが特徴。本作は完全セルフプロデュースで、クローゼットの中に自作のボーカルブースを設営したホームスタジオにて、時間の制約に縛られず深夜まで試行錯誤を繰り返して制作されました。

あわせて公開されたミュージックビデオは、Samuel BayerやMichel Gondryといった90年代の名監督たちの作品にオマージュを捧げています。中古のソニー製ビデオカメラを使いテープで撮影されましたが、古い映像をPCに取り込む手段が見つからず、最終的にテレビ画面に映した映像をiPhoneで再撮影するという、彼ららしいDIY精神溢れるエピソードを経て完成しました。

John Maus – “Disappears”

アメリカのミュージシャン、作曲家、そして学者であるJohn Mausは、キャリア20周年を迎えるにあたり、これまでで最もパワフルな作品となるニューアルバム『Later Than You Think』をYoungレーベルから2025年9月26日にリリースしました。このアルバムは、正義、告白、再生、変容、そして精神的な戦いをテーマに探求しており、アウトサイダーアートがアートポップ、生々しい感情、そして知的な深みと衝突する、彼の独特な音楽世界をさらに拡大させています。カリフォルニア芸術大学で実験音楽、ハワイ大学で政治学の博士号を持つMausは、その学術的な厳密さとローファイなシンセポップの美学を融合させる手法から、「哲学者ポップスター」や「ノスタルジックな未来主義者」と呼ばれ、SkeptaやPanda Bear、nettspendといった多様なアーティストに影響を与え、神話的な評価を確立しています。

そして、アルバムリリース日である9月26日には、Blake James Reidと共に「Disappears」のビデオプレミアが開催されました。この「Disappears」のビデオプレミアは、ファンにとって新しいヴィジュアル作品を体験する機会となりました。『Later Than You Think』の中心にあるのは切迫した再生の感覚であり、豊かでありながら抑制され、神聖でありながら不遜なこのアルバムは、音楽界で最も謎めいた才能の一人による、抜本的な再覚醒を告げる作品となるでしょう。

Ora Et Labora – Kraftwerk

ora et laboraは、ウィーンを拠点とするミュージシャン兼プロデューサー、Leonie Tabea Kudlerのエイリアス(活動名)です。彼女の音楽は、夢見心地なシンセサイザーの構成、リバーブ(残響)のかかったボーカル、そして推進力のあるビートによって特徴づけられ、それらが融合することで、荒削りでありながら同時に繊細さを併せ持つ音楽的レイヤーを形成しています。

このアーティストのビデオ作品の制作には、いくつかのクリエイターが関わっています。Jennifer Gisela Weissがコンセプトを担当し、彼女自身も「影」役として出演しています。Yara Michelitschがカメラを担当し、ビデオの編集はLeonie Kudler(ora et labora)とYara Michelitschの共同で行われました。さらに、Hannes Starzがエフェクトを、Roberto Cassianがセット撮影を担当するなど、多岐にわたる才能が彼女の世界観の表現に貢献しています。

Odonis Odonis、インダストリアルからオルタナティブ・ロックへ:原点回帰の新作で新境地を開拓。80年代・90年代のレジェンドたちにオマージュを捧げる

トロントを拠点とするデュオ、Odonis Odonisが、ニューアルバムを11月15日にリリースすると発表しました。同時に、新レーベルRoyal Mountain Recordsと契約したことも明らかにしました。これまでのインダストリアルなサウンドから方向性を転換し、新作ではNew OrderやLove and Rockets、80年代後半から90年代初頭のCreation Recordsのアーティストに影響を受け、彼らの原点であるオルタナティブ・ロックへと回帰しています。

バンドの共同設立者であるConstantin Tzenosは、「インダストリアルというジャンルには行き詰まりを感じていた」と語っています。彼らはこのスタイルで可能な限りのことをやり尽くしたと感じ、新たな道を模索しました。以前はアルバムごとに新しいものを生み出さなければならないというプレッシャーを感じていたそうですが、今回は「ただただ一緒にいて、飲みながら音楽を作ろう」という気楽な姿勢で制作に臨んだといいます。「あらかじめどんなものを作るかという構想を持たずに曲を書き始めた。多くの曲はジャムセッションから生まれたんだ」。

アルバムに先行して、リードシングル「Hijacked」がリリースされました。Ryan Faistが監督を務めたミュージックビデオは、トロントのDance Caveで撮影されており、お馴染みの顔ぶれが登場しています。この楽曲は、Odonis Odonisが新たなサウンドへと移行したことを示す、彼らにとって重要な一歩となっています。

Poetically – Bye Bye Love

プロデューサー/ソングライターのMontaimeが、約2年ぶりとなる新曲「Bye Bye Love」をPoetically Recordsからリリースしました。この曲は、2023年のデビュー作『Odd Queer』のセッション中に制作された未発表曲やデモ音源の中から、日の目を見ることになった一曲です。

この楽曲は、困難な関係を手放すことのほろ苦いアンセムです。後悔や罪悪感と葛藤しながらも、失恋を乗り越え、自分自身を解放し、力に変えていく過程を描いています。そして、誰もが愛されるに値するというメッセージを伝えています。

The Fountain – Somewhere, Emptiness

Somewhere, EmptinessがThe Fountainからリリースしたシングル「The Fountain」は、その深く探求的なサウンドが特徴です。

このシングルは、内省的で感情に訴えかけるような音楽性で、聴く者を独特の世界へと引き込みます。詳細なジャンルや構成に関する情報が少ないため、具体的なサウンドは明言できませんが、楽曲名から空虚さ(Emptiness)や内面の探求といったテーマを扱っていると推測されます。

The Fountainというレーベルは、しばしば雰囲気のあるアンビエントや実験的な電子音楽をリリースする傾向があるため、このシングルも同様に、サウンドのテクスチャや雰囲気を重視した作品である可能性が高いでしょう。リスナーは、静かで瞑想的な空間に身を置くような体験ができるかもしれません。

Sacred Skin – This Pressure

ロサンゼルスを拠点とするデュオ、Sacred Skinが、待望のサードアルバムからの第一弾となる新シングル「This Pressure」をArtoffact Recordsからリリースしました。高く評価されたセカンドLP『Born in Fire』(2024年)に続くこの新曲は、彼らの真骨頂である魅惑的でアンセムのようなシンセポップと、メランコリックなニューウェーブの融合を約束し、感情を揺さぶるサウンドスケープと説得力のあるソングライティングの探求を続けています。

「Feel the pressure / It’s building in my head」という繰り返しは、精神的な負担が蓄積していく様子を強調し、「Nowhere to go, nowhere to run」というフレーズは、その状況からの逃れられない閉塞感を表現しています。

さらに、「This pressure’s pulling me down / I can’t breathe, I can’t make a sound」という部分は、息苦しさや無力感を直接的に示しており、リスナーにその苦悩を強く訴えかけます。

Sacred Skinは、彼らの特徴であるキャッチーなメロディの中に、このような深い感情的なテーマを織り交ぜることで、単なるシンセポップにとどまらない、聴く者の心に訴えかける作品を作り上げています。彼らの音楽が持つ哀愁と美しさが、この「This Pressure」でも存分に発揮されており、サードアルバムへの期待をさらに高める一曲となるでしょう。

R. Missing – Let in the Night Outside

ニューヨークを拠点とするアーティスト、R. Missingが、新シングル「Let In The Night Outside」をリリースしました。

「Let In The Night Outside」は、夜の帳が降りる情景や、それによって引き起こされる内なる感情、あるいは外界との境界が曖昧になるような感覚を表現していると考えられます。R. Missingのこれまでの作品と同様に、ダークで雰囲気のあるサウンドスケープの中に、繊細なボーカルや実験的なサウンドデザインが織り込まれていることが予想されます。

John Maus、ニューアルバム『Later Than You Think』を発表し、オープニングトラック「Because We Built It」を公開

John Mausが、ニューアルバム『Later Than You Think』のリリースを発表し、そのオープニングトラックとなる「Because We Built It」を公開しました。

「Because We Built It」は、集合的な罪の重荷と、不公正なシステムを根本的に変革する必要性を詩的かつ鋭く表現した楽曲です。これは、彼にとって10年ぶりのリリースとなった先行シングル「I Hate Antichrist」に続くものです。