Sightings – ‘Terribly Well’ (Dais)

Terribly Well

まさか今年の早い時期に、自分の中でのアヴァン・トリオ3のリリースが出揃うとは思いもしなかった。その3つのトリオとは、Hair Police、Wolf Eyes そしてこの Sightings です。活動歴から言うと、若干 Wolf Eyes が長いけど、ほぼ同じくらいで約10年位になるわけです。どのトリオもノイズを原型にスタートした感じですが、その中では最も Sightings が形を成している音をやっていた。ひとつの理由に他の2バンドは、別プロジェクトやソロ作が盛んであるが、Sightings はバンドへの集中度が高かったことがあるのではないだろうか。2007年の Through The Panama あたりからブルースを潰したような音に向かい、その次の City Of Straw は、レーベルも変え、非常に洗練された作品となっていたが、前作 Future Accidents で再びひとつ前の作品のような路線に戻っていた。そして本作は、基本的に前作の延長にあるサウンドで、ブリブリでカタカタとしたブルースとパンクを交えたノイズ・サウンドをやっており、それほど大きな変化はありません。強いて言うなら、少し実験度が上がり、即興的で間延びした感じの曲がちらほら登場する。時代は流れ、今年リリースされた3トリオの作品は不思議と似た様な結果になってるのが実に興味深いです。

6.5/10

[soundcloud url=”http://api.soundcloud.com/playlists/4570428″ params=”color=000000&auto_play=false&show_artwork=false” width=” 100%” height=”255″ iframe=”true” /]

Wolf Eyes – ‘No Answer: Lower Floors’ (Destijl)

No Answer Lower Floors

バスまでの空き時間にお腹がすいたからどこかで飯を食べることにした。しかし、駅前の商店街はほとんど閉まっている。閉店してる店も少なくないが、休業日らしい。でも日曜日だよ? 盆と正月みたいな気分。こういう場所ではそういうもんなのかな。かろうじて開いていたそば屋に入ることにしたが、開けた瞬間、あ、やってしまった。店主のオヤジが店の椅子に座ってガン眠りしてる。起きなかったらそのまま出ようとしたが、ハッとして起きてしまった。寝ぼけ気味に「いらっしゃいませ〜」と威勢だけはいい。オーダーはおばちゃんが取りにきて、適当に頼んだソバを食ってやっぱり後悔。客が来ていないだろうと思わせるには十分な、色あせ嫌な歯ごたえのネギ。ソバも手打ち感をアピールしたものだが、ソバというよりはうどんに近いような粘り感。それでも長くやってきている理由がどこかにあるんだろう。この人達も長くやってますが、まぁこんなけったいな音でよく続けてきたもんです。メンバーが入れ替わるという豆知識的トピックがありましたが、いい意味でのガス抜きみたいなものがあるのかもしれない。過去には Sub Pop からもリリースという、レーベル側が血迷ったとしか思えない人選がありましたが、その後は順当にレーベルを離れ、今作では過去にも在籍していた Destijl からとなりました。新加入以外のふたりが別でやっているプロジェクト Stare Case での活動が影響したのか、アルバムのほとんどでヴォーカルが入り、腐ったブルースを奏でている。そこに伝家の宝刀、電気ノイズが加わるが、Aaron Dilloway がいた頃のようなノイズ音ではなく、ギターを中心とした渋いもので、新加入のメンバーが活躍しています。脱退した Mike Connelly 在籍の Hair Police と Sightings の中間と言えるような作品で、James Baljo, John Olson そして Nate Young としての船出はなかなか良好なすべり出しです。

7.0/10

[soundcloud url=”http://api.soundcloud.com/tracks/82070336″ params=”color=000000&auto_play=false&show_artwork=false” width=” 100%” height=”166″ iframe=”true” /]

Wolf Eyes – “Choking Flies”

Wolf Eyes

Hair Police などに在籍する Mike Connelly が抜け、James Baljo が加わり新たなライナップでの初めてのアルバムをリリースするお馴染みアヴァン・ユニット Wolf Eyes です。新作アルバム No Answer : Lower Floors からの先行曲 “Choking Flies” は、今までよりもノイズ感は減って、サイケ/ブルースな雰囲気が増し、加入メンバー以外の John Olson と Nate Young がやっている Stare Case の音に近い印象です。リリースは、DeStijl から4/9 のリリースですが、現在 Pitchfolk Advance で先行試聴やってます。

[soundcloud url=”http://api.soundcloud.com/tracks/82070336″ params=”color=000000&auto_play=false&show_artwork=false” width=” 100%” height=”166″ iframe=”true” /]

Prostitutes – “Dial Tone Degradation”

もうすぐ出る、クリーヴランドのプロデューサー Jim Donadio による Prostitutes のニュー・アルバム Crushed Interior から、先行でアップされた “Dial Tone Degradation” は、サンプリングした生のパーカッションやなんらかの音を、ミニマルに組立てていくサウンド。海外では Digitalis からリリースしている Frak や NNA Tapes の Diamond Catalog、Not Not Fun の Cuticle などと並んで、”テクノイズ” って括られるシーンのアーティストのひとりとして紹介されていますね。自身のレーベル stabUdown からの2作品に次ぐ新作アルバムは Digitalis Recordings から 3/7 にリリース。

Hair Police – ‘Mercurial Rites’ (Type)

そういえば、少し前に Wolf Eyes のメンバーがまた一人入れ替わった情報がありましたが、その脱退したメンバーである Mike Connelly が在籍し、同じトリオ編成でノイズでアヴァンなグループとして近い位置にある Hair Police の最新作 Mercurial Rites は、EP や限定系を除けば No Fun Productions からの Certainty Of Swarms 以来となるから、約5年ぶりのまともなリリースです。ちなみに Wolf Eyes のほうは新たなギタリストを追加しているようです。Mike Connelly は他にも沢山のプロジェクトやソロ活動をやっておりますが、Hair Police のドラムを中心に担当する Trevor Tremaine は Burning Star Core や Warmer Milks にも在籍し、もうひとりの Robert Beatty は、彼も Burning Star Core 等に参加するほか、最近では The Three Legged Race 名義で Spectral Sound などからもリリースしていたので、そちらの方で知ってる人もいることでしょう。Hair Police はノイズ路線ではあるけれど、内部崩壊したようなサイケデリック・ミュージックであり、ドローンとももまた違うオブスキュアなものが常にいらっしゃる。部分的なノイズは存在しても、それが中心ではなく、フリーフォークな要素というと語弊もあるかもしれないけど、即興的な要素は強い。ただ、即興でないないノイズ・ミュージックなんてあるのかって感じですし、そういう意味では Hair Police はしっかりとしたバンドとして成立している。そして、今回は特に今までの積み重ねをより内面的な方向に向かわせ、ていねいな作りになっている。音響?っていうか、そういうバンドよりも、少し辛辣な音が混ざりながらの即興音楽は、頭のなかから体の隅まで、いろんなもんがくすられて、なんかが活性されます。

8.0/10

Hair Police – “Mercurial Rites”

2001年から活動する、Mike Connelly (Failing Lights, Wolf Eyes), Robert Beatty (Three Legged Race, Burning Star Core) そして Trevor Tremaine によるノイズ・アヴァン・トリオ Hair Police の新作が、Type から 2/11 にリリースになります。まあとにかく痛い、怖い、音でございます。

1 4 5 6