Pharmakon – “Body Betrays Itself”

ニューヨークのインダストリアル姉さん Margaret Chardiet による Pharmakon がリリースする新作アルバムから先行曲が遂にアップされました。冷徹なインダスビートとエレクトロニクス、そしてスクリーミング・ヴォーカルの痛々しいサウンドを今回もやっております。アルバム ‘Bestial Burden’ は、Sacred Bones から10/14にリリース.

CY Dune – “Rock n Roll”

Akron/Family のメンバー Seth Olinsky による化身 CY Dune の新作アルバムから “Rock n Roll” のストリームです。この名義ではノイズ・パンク、アート・パンクな路線をやるんですけど、さすがは Akron/Family のひとだけあって、そう単純なもんでもないんです。アルバム ‘Shake’ は、コラボレイターでもある Ali Beletic と Seth 自身で設立したレーベル Lightning Records から8/26にリリースになります.

Dan’l Boone – “Part 1 & 2”

ちょっと前にパート1がアップされたけど新たにパート2が登場したんでちょっとだけ。この Dani’l Boone は、やばーい人達によるスーパーグループ。メンバーは、Wolf Eyes の Nate Young、Royal Trux の Neil Hagerty、Alex Moskos (Drainolith) そして Farmant の Charles Ballas によるプロジェクト。この映像はかなり一部でしかないけど、強面な兄さん達が集まった音楽はきっと怖くてクールでしょう。セルフタイトルのアルバムは、Drag City から9/23にリリース.

Gang Wizard – ‘Important Picnic’

Deathbomb Arc, Ecstatic Pearce, Load Records 等からリリースをし、結成19年目を迎えるらしい、ロングビーチを拠点にするジャンク・バンド Gang Wizard が5作目になるアルバム ‘Important picnic’ をロンドンの MIE Music からリリースします。Mike Landucci とその弟 Tom と始めたバンドで、その後メンバーが幾度となく入れ替わり、そのなかには Foot Village, Hospitals, Eat Skull などのメンバーもおりました。ですが現在では、Landucci の19歳と16歳の息子達 Linus と Noah がメンバーに加わっているようで、完全にファミリーバンド化しております。でも、こんなスカムな音楽を家族ぐるみでやるってどうかしてる.

Missing Foundation – “Martyr of the City”+

80年代後期から90年代初頭に活動していた、ニューヨーク・シティのインダストリアル・ノイズ/ハードコア・バンド Missing Foundation の初期作品が、Dais Records からリイッシューされるようです。彼等のデビュー作 ‘Missing Foundation’ (1987) と、セカンド・アルバム ‘1933 Your House Is Mine’ の2作品が、ヴァイナルで限定500枚で 7/23 にリリースされます。下のストリームは、それぞれのアルバムからのものです。ついでに、その次の作品もリイッシューしてくれるといいですね。

Pharmakon – ‘Abandon’ (Sacred Bones)

結局今まで通り、統一アートワークですが、このジャケットはなかなかのキワモノ。写っているのは本人かどうか判りませんが、Margaret Chardiet 嬢によるソロ・プロジェクト。カセットやCDrの作品は幾つかあったようですが、LPになるとこれが初となる。この名義での活動は5年ほど経過しているそうですが、実験音楽シーンでは、実は17歳の頃から活動していたそうで、現在の年齢は不明ですが、経験値は高いお方でした。そして録音は Cult of Youth の Sean Ragon の自作スタジオで行われたそうです。彼女の音楽は、よくある実験音楽とは異なり、即興ではなくて曲としての体を成している。そして、ノイズ・ミュージックは男性のアーティストでほぼ占められているのを考えると、かなり稀な存在なんで、実験、またはノイズな音楽と語るには少し違うかもしれない。ヴォーカルと呼ぶには少々辛辣なものですが、うめき声と雄叫びも男性陣のそれらとは異なり、非常にクリア。また、ノイズと述べましたが、実際にノイズを感じる部分はほとんどなくて、彼女の声が一番やかましいくらい。それ以外の音の部分は、金属質なパーカッションが低速で配置され、ゴシックなフレーズがループするが、やはり混沌としたようなところはなくて鮮明。決して新しい音楽ではないですが、珍しい音楽ですね。

7.5/10

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PC Worship – ‘Beat Punk’ (New Images)

Beat Punk

ビートパンクとはなんぞや。深く考えたことがなかったが、ウィキ的にはビートロックのことを指し、日本独特のジャンル。鋭いカッティング、疾走感の有ある8ビートのリズムが特徴で、「ビートパンク」「縦のりロック」とも呼ばれる、らしい。そうすると、このバンドの音楽とは全く違うことになる。鋭いカッティングの部分は、鋭さを感じさせるけど、刻んじゃいない、ぐっちゃぐちゃです。疾走感ある8ビート・・。そもそも8ビートっていう捉え方がなんか違うと思うし、この音楽だって8ビートではあるんですよねそりゃね。ただ、疾走感って部分をどのように解釈するかですけど、肩で風を切って、髪をなびかせ歩く感じじゃない。背中を丸めてうつむきながら、人ごみの中をふらふらと通行人にぶつかり、迷惑を撒き散らして歩いているタイプ。まぁ要するにあまり歓迎されない人ですよね。非人道的な音楽っぷりはかなりのもんで、こちらはヘッドフォンで聴くのが嫌になるくらい耳障り。音量メモリを半分以下にしないとしんどい。こんな音楽をひとりでやってるこのお兄さんの将来が不安です。幸い、仲間は沢山いるようで、この作品にも色んな人達が参加しているよう。ただなあ、間違った道を正してくれるような友達じゃなさそう。PC Worship の場合、ビートパンクとは、ゲロリそうな音で、かろうじて8ビートを刻む音楽です。

7.0/10

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Sightings – ‘Terribly Well’ (Dais)

Terribly Well

まさか今年の早い時期に、自分の中でのアヴァン・トリオ3のリリースが出揃うとは思いもしなかった。その3つのトリオとは、Hair Police、Wolf Eyes そしてこの Sightings です。活動歴から言うと、若干 Wolf Eyes が長いけど、ほぼ同じくらいで約10年位になるわけです。どのトリオもノイズを原型にスタートした感じですが、その中では最も Sightings が形を成している音をやっていた。ひとつの理由に他の2バンドは、別プロジェクトやソロ作が盛んであるが、Sightings はバンドへの集中度が高かったことがあるのではないだろうか。2007年の Through The Panama あたりからブルースを潰したような音に向かい、その次の City Of Straw は、レーベルも変え、非常に洗練された作品となっていたが、前作 Future Accidents で再びひとつ前の作品のような路線に戻っていた。そして本作は、基本的に前作の延長にあるサウンドで、ブリブリでカタカタとしたブルースとパンクを交えたノイズ・サウンドをやっており、それほど大きな変化はありません。強いて言うなら、少し実験度が上がり、即興的で間延びした感じの曲がちらほら登場する。時代は流れ、今年リリースされた3トリオの作品は不思議と似た様な結果になってるのが実に興味深いです。

6.5/10

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Wolf Eyes – ‘No Answer: Lower Floors’ (Destijl)

No Answer Lower Floors

バスまでの空き時間にお腹がすいたからどこかで飯を食べることにした。しかし、駅前の商店街はほとんど閉まっている。閉店してる店も少なくないが、休業日らしい。でも日曜日だよ? 盆と正月みたいな気分。こういう場所ではそういうもんなのかな。かろうじて開いていたそば屋に入ることにしたが、開けた瞬間、あ、やってしまった。店主のオヤジが店の椅子に座ってガン眠りしてる。起きなかったらそのまま出ようとしたが、ハッとして起きてしまった。寝ぼけ気味に「いらっしゃいませ〜」と威勢だけはいい。オーダーはおばちゃんが取りにきて、適当に頼んだソバを食ってやっぱり後悔。客が来ていないだろうと思わせるには十分な、色あせ嫌な歯ごたえのネギ。ソバも手打ち感をアピールしたものだが、ソバというよりはうどんに近いような粘り感。それでも長くやってきている理由がどこかにあるんだろう。この人達も長くやってますが、まぁこんなけったいな音でよく続けてきたもんです。メンバーが入れ替わるという豆知識的トピックがありましたが、いい意味でのガス抜きみたいなものがあるのかもしれない。過去には Sub Pop からもリリースという、レーベル側が血迷ったとしか思えない人選がありましたが、その後は順当にレーベルを離れ、今作では過去にも在籍していた Destijl からとなりました。新加入以外のふたりが別でやっているプロジェクト Stare Case での活動が影響したのか、アルバムのほとんどでヴォーカルが入り、腐ったブルースを奏でている。そこに伝家の宝刀、電気ノイズが加わるが、Aaron Dilloway がいた頃のようなノイズ音ではなく、ギターを中心とした渋いもので、新加入のメンバーが活躍しています。脱退した Mike Connelly 在籍の Hair Police と Sightings の中間と言えるような作品で、James Baljo, John Olson そして Nate Young としての船出はなかなか良好なすべり出しです。

7.0/10

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Wolf Eyes – “Choking Flies”

Wolf Eyes

Hair Police などに在籍する Mike Connelly が抜け、James Baljo が加わり新たなライナップでの初めてのアルバムをリリースするお馴染みアヴァン・ユニット Wolf Eyes です。新作アルバム No Answer : Lower Floors からの先行曲 “Choking Flies” は、今までよりもノイズ感は減って、サイケ/ブルースな雰囲気が増し、加入メンバー以外の John Olson と Nate Young がやっている Stare Case の音に近い印象です。リリースは、DeStijl から4/9 のリリースですが、現在 Pitchfolk Advance で先行試聴やってます。

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