ARTIST : Ava Luna
TITLE : Ava Luna
LABEL : Western Vinyl
RELEASE : 10/3/2025
GENRE : artpop, indiepop, r&b, soul
LOCATION : Brooklyn, New York
TRACKLISTING :
1. Math Money Job
2. Frame of Us
3. Lasting Impression
4. Fancy
5. Social Diving
6. Your Main
7. Roof
8. Archive
9. Tacos El Bronco
10. My Walk
11. Game Level
『Ava Luna』は、結成から20年近くにわたるバンドの歴史を凝縮し、新たな方向性を示したアルバムです。メンバーの脱退を経て、Carlos Hernandez、Julian Fader、Ethan Bassford、Felicia Douglassの4人体制となった彼らは、サウンドを最小限の要素まで削ぎ落としました。これまでの壮大な「宇宙的」なサウンドから一転し、リズムセクションとツインボーカルという核となる部分に焦点を当てることで、より地に足のついた、内省的な作品を作り上げています。
このアルバムの土台を築いているのは、Julian FaderのドラムとEthan Bassfordのベースが織りなす、大地に溶け込むような強固なリズムです。彼らのクリエイティブなプロセスにおいて、まずこのリズムセクションだけで楽曲が成立するかを確かめることが重要視されました。伝説的なパーカッショニスト、Larry McDonaldも参加し、豊かなリズムにさらに深みを与えています。
ボーカルにおいては、CarlosとFeliciaの二人が従来のリードとバックアップの役割を超え、メロディーの中で互いの声を絡ませ、溶け合わせることで、まるで一つの超自然的な存在のようなボーカルを作り出しています。この緻密なアレンジは、バンドの長年にわたる音楽的感覚と深い信頼関係の証です。
アルバムは、ニューヨークでの彼らの共有された経験と深く結びついています。仕事の疲れや生存競争といった日常の現実を描きながらも、「Lasting Impression」や「Math Money Job」のように、その中にある喜びやコミュニティの力、そして不安定ながらも根付いていくことの美しさを探求しています。
さらに、パンデミック時代の混乱を描いた「Social Diving」や、CarlosのアパートからFeliciaのアパートまで、ブルックリンの移民コミュニティを巡る旅を歌った「My Walk」など、特定の場所や時代を反映したテーマも盛り込まれています。
『Ava Luna』の核は意図的にミニマルですが、プロダクションは決して簡素ではありません。リズムセクションを際立たせる一方で、Carlosの両親が所有する珍しいレコードからのサンプリング、わずかなピアノの旋律、そして彼らしいギターノイズといった繊細な要素が散りばめられ、豊かでありながらもすっきりとしたサウンドスケープを形成しています。
アルバム全体を通して、彼らは内省的でありながらも、しなやかさを持ち合わせています。鋭いポストパンク、ファンク、ダンスビートが、豊かなストリングスと広々としたミニマリズムに取って代わるサウンドは、長年の経験からにじみ出る知恵を感じさせます。変化し続けるニューヨークとバンド自身を映し出しながら、Ava Lunaは聴く者を常に新しく、切実な場所へと導き続けています。





