深夜のテープ録音が紡ぐ白昼夢:Oli LiptonのソロプロジェクトTasteがデビュー作で見せる、私的で幻想的なロックの深淵

深夜のテープ録音が紡ぐ白昼夢:Oli LiptonのソロプロジェクトTasteがデビュー作で見せる、私的で幻想的なロックの深淵

Now や Cindy のメンバーとして知られる Oli Lipton によるソロプロジェクト Taste が、デビューアルバム『1/2 Fantasy』を 2026年5月29日に Tough Love からリリースします。本作に先駆け、Jordan Pantalone が監督を務めたミュージックビデオも公開されました。エレクトリック・ギターの弦と磁気テープに刻まれた「個人的な執着」をテーマに、アンダーグラウンドの精神を保ちながらも、月を越えるような幻想的な世界観を提示しています。

本作『1/2 Fantasy』は、Oli Lipton が自身のホームスタジオで深夜に及ぶ制作活動を通じて蓄積してきた膨大な録音物から生まれた作品です。過去にセルフリリースされた2本のカセットテープ音源を1枚のLPに集約した構成となっており、実質的なデビュー・フルアルバムと言える内容です。夏のワインや星影を想起させるその響きは、数分間の出来事のようでもあり、あるいは数年も続く夜のようでもある不思議な時間感覚をリスナーに与えます。

アルバムの根底には、日々の習慣や愛情、金銭、そして週末の移ろいといった日常的なトピックが、Les Paul の音色と鋭い筆致、そして皮肉の効いたユーモアと共に綴られています。その佇まいは、清潔感がありながらもどこか不穏な空気を纏っており、職人気質なこだわりを感じさせる Nikki Sudden のようなロックンロールの精神を現代に体現しています。プライベートな空間で練り上げられた、極めて親密で独創的な作品に仕上がっています。