アメリカのギタリストBill Orcuttと、グアテマラ出身のチェリスト兼ヴォーカリストMabe Frattiという、現代のエクスペリメンタル・シーンを牽引する二人の異才がタッグを組んだニューアルバム『Almost Waking』が5月22日にUnheard of Hopeよりリリースされます。きっかけは数年前、Mabe Frattiが好きなアルバムの一つとして彼の名を挙げたことで、それを知ったBill Orcuttが即座にメールを送ったことからこの「オールスター」なコラボレーションが実現しました。
先行公開されたタイトル曲「Almost Waking」は、二人の楽器が穏やかに響き合う温かなインストゥルメンタル・デュエットであり、もう一方の「El inicio es cuestión de suerte」ではMabe Frattiの透明感のある歌声が前面に押し出されています。これまで両者は時に破壊的で激しい音楽を提示してきましたが、本作ではそれとは対照的な、息を呑むほどにソフトで瑞々しいアプローチを見せており、制作過程で生まれたノスタルジックな雰囲気がアルバム全体を包み込んでいます。
制作は、Bill Orcuttが送ったギターのソロ音源に対し、メキシコのスタジオでMabe FrattiがI. la Católicaと共に、ギターの調和的な可能性を解読しながら慎重にメロディを重ねていくというプロセスで進められました。空間を活かすことを重視しつつ、時に大胆なヴォーカル・ハーモニーを試みるなど、偶然の出会いから始まった対話が豊かな音楽的結実を見ています。共に多作な二人が、互いの創造性を尊重し合いながら作り上げた、今年最も注目すべき共作の一つです。
