デトロイトの熱狂から生まれた友情の結晶——多様なシーンを渡り歩いた末に辿り着いた、Deadbeat Beatが鳴らす最も純粋で内省的なインディー・ポップ

デトロイトの音楽シーンで活動するDeadbeat Beatが、We Are Time Recordsより6月12日にリリース予定のアルバム『FROM HERE TO OHIO』から、先行シングル「Peach Sprite」を発表しました。バンドは、高校時代からの友人であるドラム/ボーカルのMaria Nuccilliと、ギター/ボーカルのAlex Glendeningを中心に結成され、長年のデモ制作やライブ活動を経て現在の4人編成へと固まりました。各メンバーはTyvekやOutrageous Cherryといった地元の重要バンドでも活動しており、クリエイティブなコミュニティに深く根ざした存在です。

彼らのサウンドは、近隣のバンドが鳴らすノイズやガレージロックの影響を受けつつも、Kevin AyersやThe Clean、さらにはJoni Mitchellといった幅広いアーティストを独自の視点で解剖し、再構築したものです。新作『FROM HERE TO OHIO』では、粗末なダイブバーで過ごした荒れた夜の記憶を、高揚感のあるポップソングへと昇華させています。複雑なソングライティングと、何層にも重なる美しいハーモニーが同居するその音像は、独自のミステリアスな雰囲気を放っています。

歌詞の面では、マジョリティの中でクィアとしてのアイデンティティを確立し、維持していくことへの内省的な葛藤が核となっています。多幸感に満ちた「You Lift Me Up」から、不安を抱えたまま疾走するジャム・セッションのような「Tree, Grass & Stone」まで、楽曲の幅は非常に多彩です。個人的な告白をインディー・ポップの枠組みで表現する彼らの音楽は、リスナーの感情にダイレクトに訴えかけ、デトロイトのシーンにおいても一線を画す独自の存在感を確立しています。