轟音のシューゲイザーから親密なネオフォークまで――Sans Meritが描く、脆弱な世界に寄り添う万華鏡のようなサウンドスケープ

轟音のシューゲイザーから親密なネオフォークまで――Sans Meritが描く、脆弱な世界に寄り添う万華鏡のようなサウンドスケープ

オーストラリア出身で現在はロサンゼルスを拠点に活動するミュージシャン、Griffin Jamesによるプロジェクト、Sans Meritの新曲「Doledrines」が公開されました。5月8日にKnekelhuisからリリース予定のセカンドアルバム『Trolley Polly』からの先行シングルとなる本作は、遊び心に満ちた誠実さと、無防備なほどの喜びに溢れた輝きを放つ楽曲に仕上がっています。

サウンド面では、ギターペダルを力強く踏み込むようなエネルギッシュなロックサウンドから、ネオフォークに通じる親密なアコースティックパートまで、多彩な表情を見せます。押し寄せるシューゲイザーの轟音、霞がかったヒプナゴジック・ポップの間奏、そして鋭いポストパンクの要素が交錯し、アルバム全体を通して絶え間なく変化するダイナミックな鼓動を感じさせます。

その根底には、脆弱な世界における大きな問いを反映した叙情的な繊細さが流れています。自身の脆さと自覚的なユーモアのバランスを保ちながら、日常生活の感情の底流を掬い上げるSans Merit独自の視点が、作品に深い人間味と安らぎを与えています。矛盾を抱えながらも躍動する、極めて人間らしい感性が息づく一作です。