Lily Seabird – “Demon in Me”

バーリントンを拠点に活動するフォークロック・シンガーソングライター、Lily Seabirdが放つニューシングル「Demon In Me」は、彼女の音楽的進化を象徴する力強い一曲です。昨年のアルバム『Trash Mountain』で見せた削ぎ落とされたデモのような質感から一転、本作はよりラウドでヘヴィな音像へとシフトしています。楽曲はトロンボーンとクラリネットが支える繊細なワルツから始まり、中盤からは爆発的な歪みを伴う壮大なサウンドへと変貌を遂げます。そのダイナミズムは、Neil YoungやBig Thief、さらにはHop Alongといったアーティストを彷彿とさせ、ライブでの圧倒的なエネルギーをそのまま封じ込めたような仕上がりです。

歌詞の面では、不安やうつ病の兆候とも言える「内なる闇」がテーマとなっており、自由への渇望と葛藤が6分間に及ぶドラマチックな展開の中で描かれています。Seabird自身が「歌の終わりには音楽そのものが自由を体現するように意図した」と語る通り、静寂から混沌へと突き抜ける構成は、内面的な解放を音で証明しているかのようです。年内にリリース予定の次作への期待を確信させる本作は、彼女がソロ・アーティストとしての枠を超え、フルバンドと共に新たな表現の境地へと踏み出したことを告げる重要なマイルストーンとなるでしょう。