『Total Pain』でBRNDAが示す音楽的進化:遊び心と悲哀が交錯するサウンドスケープで、「Peach Pit」が描く新たな幕開け

ワシントンDCのバンド、BRNDA は、新作アルバム『Total Pain』から先行シングル「Peach Pit」をリリースしました。この最新作は、痛みと快楽、そして人生の「貸方と借方」という興味深い対比を探求しています。アルバムは、バンドの進化した視点を特徴としており、彼ららしいアップビートでユーモラスな楽曲は健在ですが、そのレンズにはしばしばより厳粛な視点が加わっています。

この変化についてバンドは、「『Do You Like Salt?』(2021年のリリース)から4年経った今、私たち自身の、そして皆さんの世界に、より多くの痛みが存在しているように思えます」と述べています。先行シングル「Peach Pit」では、BRNDA の象徴的な食べ物の言及と、皮肉を込めた歌詞を通して人生の考察が表現されていますが、「Cool Night」や「A Little Balloon」といったトラックでは、より厳粛なトーンが表面化しています。

音楽的には、『Total Pain』は BRNDA の特徴であるアートパンクサウンドに、より深いニュアンスを加えています。「Books are Bad」のような楽曲では、複数の打楽器、Leah Gage のシンセトラック、そして楽曲を複雑にしすぎることなく強化するグループハーモニーが取り入れられています。また、著名なフルート奏者 Mike Gillispie によるフルートソロが、傑出した楽曲「EveryoneChicago」などで心地よい驚きをもたらしています。ノイズとメロディのバランスを取るバンドの妙技は、「Zebra」の神経質なエネルギーや、「Go for Gold」の実験的なファンクマーチで示されています。

『Total Pain』で、BRNDA は快楽を綿密に検証し、根本的な問いを投げかけます。それは、痛みがなければ何を意味するのか、と。バンドはアルバムのタイトルとその普遍的なテーマについて次のように説明しています。

「アルバムのタイトルを『Total Pain』にする必要はありませんでした。『More Songs about World Building and Food』のようなタイトルでもよかったかもしれません。しかし、曲について考え、それらすべてを続けて聴いたとき、『Do You Like Salt?』と比べて、少しばかりの悲しみを検出せずにはいられませんでした。あのアルバムで全ての曲が食べ物を明確にテーマにしていなかったように、『Total Pain』の全ての曲が苦しんでいるわけでも、痛みについて歌っているわけでもありません。しかし、アルバム全体に痛みが染み渡っているのです。」