Michael Cormier-O’Leary、家族の光と影を描く新作EP『Proof Enough』を発表。3部合唱で綴る「現実逃避の物語」

Michael Cormier-O’Leary、家族の光と影を描く新作EP『Proof Enough』を発表。3部合唱で綴る「現実逃避の物語」

フィラデルフィアのアンサンブルHourの作曲や、Friendship、2nd Grade、そして金延幸子といった名だたるアーティストのドラマーとしても活躍するMichael Cormier-O’Leary。多才な彼がシンガーソングライターとしてのソロ活動を再開し、2023年のアルバムに続く新作EP『Proof Enough』を発表しました。本作は自身の伝記とフィクションを織り交ぜた全6章の「家族ドラマ」として構成されており、家庭という親密な空間に潜む複雑な力学を浮き彫りにしています。

先行シングルとして公開された「Marilyn」は、伝説的なフォーク・グループThe Rochesからインスピレーションを得た楽曲です。Cormier-O’Leary自身の声を重ねた2つのトラックに、22º Haloなどで活動するHeeyoon Wonの声を加えた3部合唱が特徴的なこの曲は、フォーク・ミュージックの伝統的な美しさと現代的な実験性を同居させています。楽曲の中心にあるのは、家庭内の不協和音から逃れるために、クレヨンの絵の世界へと没入する5歳の少女マリリンの物語です。

曲の後半(アウトロ)では、2つのメロディが半音階で行き来しながら振動するような構成が取られており、それは「調和を欠いた家族」や「ひどく不運な一日」を音楽的に象徴しています。両親もまた現実逃避を望みながらそれが叶わないという、世代間の葛藤や沈黙が重層的なハーモニーを通じて描かれています。多作な彼が、ドラムスティックをペンとギターに持ち替え、家族という普遍的なテーマに鋭く、かつ温かい眼差しを向けた一作です。