ハードコアの血脈が描く、The Cureの焦燥とエモの叙情。ニュージャージーの新星Demmers、80s美学を再構築したデビュー作

ニュージャージー州の郊外特有の閉塞感と、工業地帯の不確かな風景から誕生した新星Demmersが、デビュー・フルアルバム『Forced Perspective』からの先行シングル「Say It」をリリースしました。メンバーは過去20年のハードコア・シーンで重要な役割を果たしてきた実力派揃いですが、本作ではその重厚な歪みをあえて削ぎ落とし、より冷徹で鋭利、そして深く心に残るポストパンク・サウンドを展開しています。

リード曲「Say It」は、The Cureの『Disintegration』期を思わせる倦怠感のあるミドルテンポの焦燥感を捉えつつも、ハードコア出身者らしいしなやかで力強い肉体性を維持しています。The ChameleonsやThe Soundといった80年代ポストパンクのモノクロームな美学を継承しながら、単なる回顧主義に留まらず、Sunny Day Real Estateのようなエモーショナルな重みを融合させているのが彼らの大きな特徴です。

アルバム全9曲を通して、あえて装飾を抑えたアレンジが施されており、それが独特の「音の閉塞感」を生み出しています。内省的で静かなボーカルが浮遊するこのサウンドは、先人たちの荒々しい切迫感を2020年代の武器へと研ぎ澄ませた結果です。ハードコアの精神を根底に持ちながら、どこまでも内省的で妥協のないこのデビュー作は、現代のオルタナティブ・シーンに強烈な一石を投じることでしょう。