ワシントン州オリンピアのDIYシーンを牽引し、Beat Happeningと共に「ラヴ・ロック(Love-rock)」ムーブメントを築いたSome Velvet Sidewalkが、約30年ぶりとなる復活を果たしました。中心人物のAl Larsenと長年のドラマーDon Blairが再集結し、数人のベーシストの助けを借りて制作された29年ぶりのニューアルバム『Critters Encore』は、6月26日に名門K Recordsよりリリースされます。かつてカート・コバーンもファンを公言し、Tobi Vail(Bikini Kill)も在籍した彼らの帰還は、インディー・シーンにとって記念碑的な出来事です。
先行シングル「Don’t Fuck With Your Luck」は、彼らの代名詞であるルーズで粗削りなDIY精神が今なお健在であることを証明しています。「容赦なき素朴さを備えたポップ・マシン」と評される彼らのサウンドは、ローファイ、ノイズ・ポップ、パンクが混ざり合い、忘却の淵で震えるギターと一度聴いたら耳を離れない幽玄な歌声が特徴です。新作はオリンピアとバーモントを跨ぐ再結成ツアーの合間にレコーディングされ、10曲入りの33回転レコードとして、当時の情熱と現代の感性が交錯する音像を提示しています。
本作のテーマは、郊外に息づくウサギやカラス、リスといった生き物たちとの「種を超えたつながり」にあります。マーシャル・マクルーハンの思想がロイ・オービソンのバイクに相乗りしたような知性と情熱が同居し、焦燥感に満ちたカタルシスの中にも、しっかりと地に足のついた感覚を失っていません。長年シーンに多大な影響を与えてきた彼らが、現代の複雑な社会において再び「ラヴ・ロック」革命を掲げ、ミニマリズムの美学をもって新たな物語を綴り始めました。
