ロンドンを拠点に活動するトリオ、Night Tapesのシングル「swim」は、リズムを刻むギターと物憂げなボーカルによってトリップ・ホップのオルタナティブな側面を追求した作品です。楽曲はそこから徐々に、彼ららしい空気感のあるドリーミーなサビと、空へと舞い上がるようなボーカルへとビルドアップしていきます。歌詞では、不安の影や勝敗にこだわる世界の息苦しさを吐露しつつも、「何があっても私たちは泳ぎ切れる」「私はただ、死ぬその瞬間まで生き抜くことを目指す」という、今この瞬間に存在することへの強い意志と自由への信仰が綴られています。終わりのない黄昏へと沈み込んでいくような、バンドが描くひと夏の幕間劇(インタールード)となっています。
同時に公開されたビデオは、この楽曲が持つ浮遊感と、歌詞に込められた内省的かつスピリチュアルなメッセージを視覚的に表現した作品です。トリップ・ホップ由来の気だるくも心地よいビートと、幻想的なコーラスワークが織りなす音世界に寄り添うように、光と影のコントラストや、曖昧な境界線を行き来するような美しい映像が展開されます。歌詞の中で象徴的に描かれる「自分自身の影(shadow)」や「深く沈み、そこから泳ぎ出していくような感覚(swim)」がエモーショナルな映像美によって補完され、楽曲の持つサイケデリックでドリーミーな世界観にどっぷりと浸ることができる仕上がりです。
