Meg Lui – “Instant Validation”

Sufjan Stevensがプロデュースを手掛けたMeg Luiのデビューアルバムから、タイトル曲「Instant Validation (feat. Sufjan Stevens)」のミュージックビデオが公開されました。明るくキャッチーなサウンドに乗せて描かれるのは、SNSの「いいね」やオンライン上の承認に依存してしまう現代社会の滑稽さと、画面越しに自分を演出することへの皮肉です。30代半ばの葛藤やテクノロジーへの中毒症状を自身の体験として捉えた歌詞世界が、ポップでありながらも鋭い視点で表現されています。

映像内では、デジタルな世界に囚われながらも自分自身の不確かさや承認欲求と向き合う姿が、ユーモアと自己諷刺を交えて描かれています。「自分の生活を誰かのために切り取り、演出してしまう」という誰もが抱える現代的なコンプレックスを自嘲気味に笑い飛ばすことで、画面の向こう側の評価を待たずに「今ある生の瞬間」を大切に生きようとするアルバム全体のテーマを鮮やかに映し出すビデオとなっています。

faira – “Sonne”

ケルンを拠点に活動するインディー/実験的フォーク・アーティスト Fairaが、ニューシングル「Sonne」を発表しました。Papercup RecordsからリリースされるEP三部作「SKIES WATERS WHYS」の最終章『Nest』からの楽曲となる本作は、彼女の強みである深くパーソナルで詩的なソングライティングと、従来の枠組みを押し広げる革新的なメロディやコード進行が余すところなく発揮された作品です。

あわせて公開されたミュージックビデオは、Heiwa Wong(fingerkino)が監督を務め、Daphne Kleinが撮影監督を担当。楽曲が持つ緻密で先鋭的な音像と共鳴するように、美しくシネマティックな映像世界が構築されています。Jan Philippのプロデュース/ミックス、David Georgosのマスタリングによって研ぎ澄まされたサウンドと映像が見事に結びつき、Fairaの独創的なアート性が際立つ仕上がりとなっています。


Lara – “Sleep through it”

メルボルンを拠点に活動するアーティスト Lara が、ニューシングル「Sleep through it」をリリースしました。オルタナティヴ、チェンバー・フォーク、ポップ、そしてロックの領域を自在に横断する彼女の音楽的アプローチが光る本作は、ジャンルの枠にとらわれない洗練されたアコースティック・サウンドと現代的なプロダクションが見事に融合した楽曲となっています。

クラシカルな美しさを湛えた室内楽的なアレンジと、繊細でありながら情感豊かなヴォーカルラインが交錯し、聴き手を静かに引き込む叙情的な世界観を作り出しています。メルボルンのシーンならではのDIY精神と先鋭的なポップセンスを感じさせつつ、静けさと感情の起伏を緻密に描き出した、Lara のアーティストとしての深みを強烈に印象付ける一曲です。


Alice Barlow – “Garden”

サウス・ロンドンのシンガーソングライター兼プロデューサー、Alice Barlowが新曲「Garden」をDomino Recording Co.からリリースした。自分でプロデュースして家で録った一曲で、数年前の夏に自宅の庭で、ギターと声だけで作ったものだという。歌われているのは、自然や世界への深い愛と、気候変動やジェノサイド、戦争といったつらい現実からみんなが目をそらしてしまっていること。夢を見たり犬の散歩に出かけたりする小さな日常と、その向こうにある大きな苦しみ、そのちぐはぐさを見つめた曲になっている。歌詞でも、行ったり来たりしながら「大丈夫」と言い聞かせるような日々の言葉が燃えさかる海のイメージと並べられていて、その緊張感が曲の真ん中にある。音はたっぷりと豊かで、家の中の落ち着かなさや誰かを世話する重さ、崩れていく世界がひとつに抱えられている。作ること自体がカタルシスになって、いろんな気持ちを受け止める器になった、とBarlowは語っている。

ビデオもBarlow本人が手がけた。1960年代、90年代、2000年代はじめに家族のいろんな人が撮った古いホームビデオをつなぎ合わせたコラージュで、人生や自然、そしてそれにまつわるあれこれを振り返るような映像になっている。個人的な家族の記憶と世界の大きな痛みのあいだで揺れる曲の空気に、そっと寄り添うような仕上がりだ。


Lily Konigsberg – “Free Byrd”

ブルックリンを拠点に活動するシンガーソングライター/ミュージシャンのLily Konigsbergが、ニュー・シングル「Free Byrd」をリリースしました。本作は約4年前、セントラル・パークの大きな岩の上で作詞・作曲され、その日のうちに友人のGretaに聴かせた直後、近くにいた女子高校生から「それって実在する曲?」と声をかけられたというユニークな誕生秘話を持っています。Hugo StanleyやBrian Stanley、Katie Von Schleicher、Greta Keating、Matt Keatingといった親しいミュージシャンたちが演奏・制作に参加し、繊細で親密なインディー・ポップ/デヴォーショナル・ポップ・サウンドへと結実させました。

楽曲では「あなたを愛しているけれど、以前の私には戻れない」という切なくも前向きな旅立ちと自由への強い意思が描かれています。「もう戻らない」と別れを告げながらも永遠の愛を誓う複雑な情動が、軽快かつノスタルジックなメロディに乗せて綴られた味わい深い仕上がりです。また、同時公開されたミュージック・ビデオでは、そうした楽曲の持つ軽やかさと一抹の寂しさが視覚的にも表現されており、彼女特有の素朴でユーモラスな魅力とDIY感溢れる映像世界が楽曲の情緒をより一層引き立てています。


Council feat. Elizabeth Ziman – “Panic”

Bedroom Communityより、ポートランド出身のコンポーザー/マルチインストゥルメンタリストGabriel Kahaneと、フィンランド・ペルナヤ出身のヴァイオリニスト/コンポーザーPekka Kuusistoによるデュオ・プロジェクト「Council」が、Elizabeth Zimanをフィーチャーした新曲シングル「Panic」をリリースしました。ポピュラー音楽と現代クラシックの境界を横断しながら唯一無二の音を仕立ててきた彼らとレーベルの洗練された美学が融合し、詩的でスリリングなアンサンブルが際立つ楽曲に仕上がっています。

歌詞では「また心が崩壊してしまった」「静寂は友達などではない」といった切迫した精神的葛藤やパニック、内なる孤立との戦いが描かれています。「反復こそが変化の一つの形(repetition is a form of change)」というメッセージが繰り返される展開と、Elizabeth Zimanのボーカル参加によって、暗闇のなかから何度でも日常を紡ぎ出そうとする痛切でどこか救いのあるエモーショナルな世界観が見事に表現された一曲です。


Julia Jacklin – “If I Had The Hand Of God”

オーストラリア出身のシンガーソングライターJulia Jacklinが、アルバム『The Gem』のリリースを目前に控え、最新先行シングル「If I Had The Hand Of God」を解禁しました。ナッシュビルへの旅やツアー・アーティストとしての経験、そして自身のレガシー(遺産)を築くことの意味を綴った本作は、彼女らしい情緒豊かな歌声と素朴ながらも芯のあるソングライティングが光る、アルバムの核をなす感情豊かな楽曲となっています。

楽曲とともに公開されたミュージック・ビデオでは、移動や旅路のなかで揺れ動くアーティストのリアルな心情や、静かな自己対話の瞬間が情緒的に映し出されています。10月からの北米ツアーを皮切りにイギリスや欧州を巡る精力的なツアー活動とも深くリンクしており、アルバム『The Gem』への期待を決定づけると同時に、彼女の音楽的キャリアの新たな章を感じさせる仕上がりです。


Dead Gowns – “New Blue”

メイン州ポートランドを拠点とするGeneviève Beaudoinのソロ・プロジェクトDead Gownsが、10月23日にMtn Laurel Recording Co.からリリースされるセカンド・アルバム『Vegas』より、最新シングル「New Blue」を公開しました。本作は、ラスベガスで長年の親友との関係が破綻したという痛烈な実体験から生まれた楽曲です。恋愛の終わり以上に心に深く刺さる友情の決別と悲しみのプロセスを、生々しくくすぶるようなサウンドとBeaudoinの情念を秘めた歌声で感情豊かに描き出しています。

併せて公開されたビデオでは、記憶と自我、光と闇が複雑に屈折するアルバムのテーマ性を捉え、楽曲の持つ深い切なさと静かなカタルシスを映像美で表現しています。ホワイト山脈の麓で録音されたオーガニックでエモーショナルな音像とともに、傷つきながらも前を向こうとする心情の機微を余すところなく映し出した力作となっています。


Fenne Lily – “Room to Room”

イギリスのシンガーソングライターFenne Lilyが、今秋リリース予定のニュー・アルバム『Win Win』より、新曲「Room to Room」を解禁しました。前作『BREACH』等でも魅了した繊細な歌声とドリーミーなアコースティック・サウンドをベースにしつつ、風鈴のような静けさから重厚な響きへと揺れ動くドラマチックなアンサンブルを展開。雨の日に暖かい部屋で過ごすような心地よさと繊細な緊張感が同居する、彼女らしい情緒豊かな楽曲に仕上がっています。

本作の最大の魅力は、亡くなった子犬を想う親犬の視点から描かれた「失意」についての切なくも誠実な歌詞世界にあります。「生き直せる日が来ることを願っているけれど、それまでは失ったものと共にいる」と歌う痛烈な言葉が、穏やかなバック・トラックに乗せて温かくも静かに響きます。解禁された楽曲とあわせて、アルバム『Win Win』の到着に向けた期待をいっそう高める印象的な先行シングルです。


Aubory Bugg – “just embers now”

Aubory Buggが最新シングル「just embers now」をリリースし、あわせてオフィシャル・リリック・ビデオを公開しました。本作はレーベルDualtoneよりリリースされた彼女の待望のデビュー・アルバム『i think i had something once』からのフィーチャー・トラックであり、シンガーソングライターとしての表現力を余すところなく示す重要曲となっています。

アコースティック・ギターの静かな弾き語りで幕を開け、サビとともに躍動感あふれるフルバンドのサウンド、ツワンギーなギターやペダル・スチールが心地よく広がっていくフォーク・ポップ/インディー・ロック・ナンバーです。終わってしまった恋を「今はただの残火(embers)」と例えつつも、決して憎しみや悲しみだけに固執せず、ともに過ごした時間への感謝と穏やかな受け入れを歌い上げた叙情的な作品に仕上がっています。