ARTIST : Paperclip Minimiser
TITLE : II
LABEL : peak oil
RELEASE : 3/13/2026
GENRE : electronic, dub, IDM, techno
LOCATION : Manchester, UK
TRACKLISTING :
1. II A1
2. II A2
3. II A3
4. II B1
5. II B2
6. II B3
7. II B4
Cong Burnを主宰する John Howes による Paperclip Minimiser 名義の第2弾は、15年分に及ぶ素材から細心の注意を払って構築されており、前作が提示したミレニアム前後の美学とコンセプトのネットワークをさらに増殖させ、デジタル中期が約束していた「失われた未来」へと私たちを近づけます。デビューアルバムが2006年に根ざし、当時の機材を用いて Winamp 全盛期のようなヴィンテージ・サウンドを再現していたのに対し、『II』は時計の針を少し進め、2011年まで遡るイングランド北部の各地で Howes がエンジニアリングした未発表アルバムを再利用しています。自作の「DIY DAW」システムを駆使し、迅速かつ組織的に作業を進めた Howes は、収録されたサウンドバンクを用いてライブ・イムプロヴィゼーションを行い、跳ね回るバイオ・エレクトロニックなリズムやビットクラッシュされたモデムの唸り、そしてランカシャーの荒天を思わせる音風景を、洗練された重厚なベース・ステッパーへと変貌させました。
Howes は長年、現代の制作ロジックに対するアンチテーゼとして自身のセットアップとプロセスを磨き上げてきました。それは、現代のエレクトロニック・ミュージックを悩ませている過度なレイヤーやオーバーダビング、編集から容易に退避できるシステムです。各トラックのセパレート・チャンネルを限定することで、『II』は古めかしくも不思議と斬新に響きます。ドラムマシン、サンプラー、数台のシンセだけで不朽の名作がライブで生み出されていた初期テクノへの敬意を示しつつ、初期のアルゴリズム技術が停滞したリズムやメロディに活力を与え始めたデジタル未来への移行期の期待を Howes は同時に認めています。シャベルウェア(投げ売りソフト)的な電子音やノイズ、広々とした環境音の残響、そして光沢のあるプラスチックのようなFM合成音から、しわの寄ったサイバーパンクな風景を捏造する『II』は、緻密でありながら決して混雑はしていません。それは、ベース・ミュージックは呼吸するためのスペースが与えられたときにこそ繁栄することを思い出させてくれます。




