ニューヨークを拠点に活動するサックス奏者 Zoh Amba が、Matador からの初フルアルバム『Eyes Full』のリリースを発表し、先行シングル「Another Time」を公開しました。ニューヨークのアヴァンギャルド・シーンで新進気鋭のサックス奏者として脚光を浴びた Amba ですが、本作では自身の原点である楽器、ギターへと回帰。故郷であるテネシー州キングスポートでの生い立ちを背景に、ブルースとアパラチア・フォークが混じり合う、泥臭くも自由なサウンドを提示しています。
アルバムの核心にあるのは、小さな町で生きる労働者階級の人々の生活へのまなざしです。「本当に見られ、聴かれることを必要としている人々の心に届いてほしい」という Amba の願いが込められた本作は、ノースカロライナ州アシュビルの Drop of Sun Studios でライブ録音されました。親友の Kevin Hyland(エレキギター)と、数年前にニューヨークの路上で出会った Jim White(ドラム)が参加し、親密かつ生々しいセッションが記録されています。
これまで言葉を持たないサックスやインストゥルメンタル音楽を通じて超越的な表現を追求してきた Amba にとって、歌うことやギターに戻ることは、自身の暗い幼少期の記憶と向き合うプロセスでもありました。「何かから逃げようとしても、結局は追いつかれてしまう。だから向き合わなければならない」と語る通り、言語と歌という新たな表現手段を得たことで、自身の内面と過去を深く見つめ直した、極めてパーソナルで重要な一作となっています。
