Pictish Trail – “Life Slime”

スコットランドのアイグ島を拠点に活動するサイケデリック・フォークの奇才、Pictish Trail(Johnny Lynch)が、ニューシングル「Life Slime」をリリースしました。本作は、前作が「時間を止めようとすること」をテーマにしていたのに対し、時間は止まらないという事実への「諦念」を描いています。アナログシンセの湿り気のある音像に乗せて、関係の終わりや自己喪失、そして感情的な惨状の中にいながらも、あまりの疲弊ゆえにただそれを受け入れるしかない「溜息」のような境地を表現しています。

ミュージックビデオでは、演奏中の人物に注がれたスライムの量のギネス世界記録を目指し、170リットル以上ものピンク色のスライムが使用されました。映像の中盤で、炎に包まれながら「This is fine(これでいいんだ)」と繰り返す場面は、周囲が燃え盛る中で冷静にお茶を飲む犬のミームを引用しており、絶望的な状況にありながらも反応する気力さえ失った、虚無的なレジグネーション(諦め)を象徴的に映し出しています。